2015年9月30日水曜日

過剰人口の中国:一人っ子政策のヒズミが、社会を暴力化する、「人類史上の壮大な生物実験」

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 名目で13億4千万人。
 本当のところは14億5千万人くらいはいるのではないかと言われているが、正確なところは誰も知らない。
 ほぼ同じ国土を持つアメリカは3億2千万人。
 中国の1/4ほどである。
アメリカ:   33人/km2 (3億1700万人=963万km2)
中 国:   140人/km2 (13億4000万人=960万km2)
 経済学者のポール・ケネデイに言わせると、
 中国は人口が半分になればもっと豊かになれる、
そうである。
 増え続ける人口に歯止めをかけるために実施されたのが「一人っ子政策」。
 常識的に「ふたりっ子」なら安定する。
 「一人っ子」は社会を不安定にする。
 生態生物的に人口減少が発生するならそれはノーマルである。
 しかし、人為的な一人っ子というようなことは、男子若者を暴力化させる。
 ということは、社会を不安定化させ、そのはけ口を求めて政治体制を揺さぶることになる。
 一人っ子政策は「人類史上の壮大な生物実験」である。
 結果がどう出てくるかは、しばらくの時が必要である。


サーチナニュース 2015-09-30 13:37
http://news.searchina.net/id/1590403?page=1

中国で女性不足が深刻化
・・・専門家が警告「あぶれたオトコが爆発する」

 中国メディアの第1財経は29日、「中国の『光棍』危機が2020年にも大爆発、『光棍男性』が1000万人に達する」と題する記事を掲載した。
 「光棍」は直訳すると「抜き身の棒」、「鞘(さや)なしの棒」で、独身男性を意味する。

 中国では、出生時の男女比で、男児が異常に多い状態が続いている。
 一人っ子政策の影響で、女児を妊娠した場合、人工中絶してしまう夫婦が相次いだからだ。

 中国大陸において現在、25-35歳未婚の「男性:女性の比率は136:100」だ。
 男性100人当たりに換算すれば、約26.5人は「相手女性がいない」ことになる。

 35-45歳では「男性:女性が206:100」。
 “男性が売れ残る”現象は顕著だ。

 「結婚できない男性」の増加は、農村部で特に目立つ。
 中国では戸籍の移動に強い制限があり、農村部では生活環境や行政サービスが劣悪なため、農村部出身の女性が都市部出身の男性と結婚する場合はあるが、その逆はほとんど考えられないからという。

 中国政府が男女の産み分けを厳禁し、「計画出産」政策も緩和したため、出生時の男女比は2008年以降は「わずかに正常化」したが、現在でも「女児100人」に対する男児は「110人台後半」で推移している。

 社会統計などを専門とする姚美雄氏は、過去34年間の平均値である「男児114.7人」の状態が続けば、中国は2020年に「独身男性爆発の危機」を迎えると指摘。
 具体的には
 「高齢男性と若い女性の結婚」、
 「既婚女性の夫以外の男性との性的関係」、
 「同性愛」、
 「性犯罪」、
 「性感染症」
などの増加を指摘した。

 農村部ではすでに、「売買婚」や「売買婚に絡む詐欺」が多発している。
 中国では今後、男女比のバランス失調が、社会環境や社会通念の変化をもたらし、
 社会不安を増大する「起爆剤」に
りかねない状況だ。

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◆解説◆
 中国人夫婦が男児を求める理由は「封建的な男尊女卑」との説明が多い。
 しかし中国人に話を聞くと「社会保障の整備の遅れ」が大きな原因であることが分かる。

 中国では「世代を超えた肉親の助け合い」が常識だ。
 祖父母が働く両親にかわって孫の世話をすべてするのは「ごく普通」の家庭の風景だ。

 そして高齢になり体が不自由になれば、自分の子に全面的に世話をしてもらう。
 しかし女の子は、結婚して実家にいない。
 子を1人しか持てないならば、「男の子でないと老後が不安」との気持ちが強く働くという。

 特に農村部では、「行政サービスが悪いので、男児に期待」、「男性人口の超過が深刻化」との負の相乗効果が発生している。



レコードチャイナ 配信日時:2015年10月1日(木) 7時35分
http://www.recordchina.co.jp/a120117.html

中国では2020年に男性3000万人が嫁なし
=中国ネット「同姓婚合法化しかない」
「一妻多夫制にすれば解決」

 2015年9月30日、中国メディア・新浪によると、中国ではこの20年、新生児の男女比が常に115を上回っている。
 1980年から2014年までに生まれた6億7500万人のうち、男性は女性より3000万人以上多い。

 人口学者の姚美雄(ヤオ・メイシオン)氏は
 「中国人男性の『独身危機』は2020年に本格化する」
と警鐘を鳴らす。

 中国・環球網は「中国では2020年に男性3000万人が嫁なし」と伝えた。

この話題について、中国のネット上にはさまざまな声が寄せられている。

「政府やメディアは独身危機だとあおりたててばかりいないで、独身男性に女性を紹介したらどうか」
「同性婚を合法化する以外、手立てはないな」
「一妻多夫制にすればすべて解決」

「嫁をもらおうと思ったら、結納金だけで30万元(約560万円)を下らない。
 さらに住宅、クルマ…。
 独身のままでいるしかない」

「こうした統計の対象は漢族だけじゃないのか。
 少数民族を含めれば、女性の数はもっと多いかも。
 独身男性よ、希望を捨てるな」

「高齢化が深刻な中国では、80年代生まれの男性は、80代後半の独身女性を結婚相手に探さなくちゃいけないということか」



サーチナニュース 2015-10-26 15:55
http://news.searchina.net/id/1592356?page=1

「男溢れ」の社会問題、緩和策に
「一妻多夫」「男性の同性婚」提唱の専門家まで=中国メディア

 中国メディア・紅網は23日、深刻な「男余り」状態にある昨今の中国において「一妻多夫制」や男性の同性婚を奨励する経済学者が出現したことを紹介、その主張に対して批判を加える評論記事を掲載した。

 記事は、
 「一部の専門家が、ちょっと頭を使えばおかしいことが分かるような知能の低い問題を提起していることに、ため息が出る」
とし、その例として浙江省の経済系大学教授が今月14日、ブログ上で
 「低収入の男性は何人かで1人の妻を見つければよい」といった「一妻多夫制」や、
 男性の同性婚を推進すれば「3000万人いる独身男性の問題を和らげることができる」
との理論をぶち上げたと紹介した。

 そのうえで、「一妻多夫」について
 「非合法であるうえ、かえって独身男性の問題を深刻化させる。
 一部の辺ぴで貧しい地域において兄弟が1人の妻をシェアするという、非常に特殊かつマイノリティな事例を『真理』として論ったものだ」
と批判を展開。
 さらに
 「一妻多夫が認められるのであれば、どうして一夫多妻は認められないのか、という話になる。
 そして現状、貧困家庭の女性は低収入の複数の男子になんて嫁ぎたがらない」
と論じた。

 また、男性の同性婚についても
 「独身問題を和らげるというのはアンチテーゼ。男性だけに同性婚を認めて、まさか女性には認めないというのか。
 仮に法律で男性のみの同性婚を認めたとしても、女性の同性愛者は異性と結婚しないのだ
」とし、この教授の主張は「食後の笑い話」にしかならないと一蹴した。

 記事はその一方で、独身男性があふれることによって生じる「性的飢餓」が社会に深刻な問題をもたらしうることは間違いないと指摘、
 「今や社会の不安定要素となっており、未来の社会問題における隠れた地雷と言える」
とした。

 そして、このような現象を
 「伝統的な農耕社会における男子重視の思想がとくに農村で色濃く残るなか、1人っ子政策において男子を授かるために手段を選ばなかったことによる結果」
と解説したうえで、
 「計画出産による制限を速やかに緩和しなければ男女比のアンバランスは改善されず、独身者の氾濫が社会にもたらす危機も和らぐことはない」
と結んだ。



レコードチャイナ 配信日時:2015年10月4日(日) 23時40分
http://www.recordchina.co.jp/a120315.html

「両親に捨てられてよかった」
米国へ養子として渡った中国人少女の心の声―香港メディア

 2015年9月30日、中国の農村に生まれ、女の子だという理由から捨てられ、米国人の幼女としてシアトルに渡っていったある少女の声を、米紙ワシントン・ポストが取材した。
 1990年以来、中国から養子として
 欧米の家庭にもらわれていった子どもは10万人
いると言われている

 1993年に中国東部・浙江省の農村に生まれ、現在はシアトル在住の22歳女性。
 幼いころに養女として渡米した。
 本来は中国人だが、中国語もほとんど話せず、読み書きもできない。
 彼女は弟が生まれた時に、「不要の子ども」になった。
 一家の後継ぎにはなれず、大人になれば嫁として外に出て行く女の子は、農村の家庭にとっては負担でしかないのだ。
 弟は第一子として戸籍に載ることになり、もともと出生届けの出ていなかった彼女は、のちに孤児院送りとなった。

 1990年以来、彼女のように欧米の家庭にもらわれていった養子は10万人いるといわれている。
 その大多数は女児だ。
 これは、中国の伝統的な性差別の観念と、一人っ子政策の副産物である。
 彼女らのほとんどは、生みの両親や出身家庭について一切の情報を知らされず、また自分を捨てたのが誰なのか、捨てられた理由は何だったのかも知らないままだ。
 前出の女性はある偶然の経緯で、実の両親との対面を果たすことができた。

 女性が7歳だった2000年、彼女の育ての両親は、3人目の養女となる女児をひきとるために中国へ渡った。
 そして、女性を引き取ったのと同じ孤児院に行き、その時、奇跡的にも女性の生みの親を知る機会に恵まれた。
 女性の記憶にある限り、彼女が実の両親と初めての対面を果たしたは12歳の時。
 生みの母は大粒の涙を流して彼女をきつく抱きしめた。
 しかし、言葉が通じないため、何が起こっているのかは女性にはよく理解できなかった。

 女性は簡単な中国語を学んだ後、18歳で再び中国に渡り、実の家族と6週間を過ごした。
 そこで自分の出生の経緯を断片的に知った。
 しかし家族の誰も、女性の正確な誕生日を覚えていなかった。
 女性の出生名はモンティン(夢停)。
 「夢の終わり」という意味だった。
 つまり、彼女は誕生とともに家族を失望させた存在だったのだ。
 当時、家庭では祖母が絶対の権力を持っていた。
 そしてその祖母の命令で女性の出生届は出されず、女性の実の母は男児が生まれるまで何度でも子づくりに挑むことになった。
 それは、当時の農村部では珍しいことではなかったという。

 女性は生まれてから渡米するまでの数年間、屋根裏で物音をたてずに過ごすことを命じられ、外出するときは布袋に入れられて外に出たという。
 もし、“闇っ子”がいることが発覚すれば、政府によって自宅は潰され食糧は没収され、一家は破滅まで追いやられるかもしれない。
 そんな時代だった。
 そんな努力もむなしく、彼女の存在は当局に見つかり、孤児院送りとなった。
 これがきっかけで実の両親は不仲となり、最終的には離婚したという。

 内装もされず、むき出しのままの粗末な住まい。事業に失敗して肉体労働にいそしむ実の父。
 子宮頸がんを患いながら、十分な治療費が出せずにいる実の母。
 両親の離婚に傷つき、ゲームの世界に逃げる実の弟。
 ろくに勉強もせずに引きこもってばかりの彼に、母親は
 「そんなに言うことをきかないなら、お姉ちゃんを呼び戻してお姉ちゃんと一緒に住む。
 お前なんかいらない」
と怒鳴りつけていた。
 彼らの生活を見ていて、女性は自身の不幸な出生がむしろ幸運だったとすら思った。
 捨てられていなければ、彼女もこのような暮らしをすることになっていただろう。

 女性は現在、ワシントン大学を卒業した後、精神疾患や行動学の研究所で助手をしながら、人間工学の博士課程に在学中だという。



サーチナニュース 2015-10-22 15:03
http://news.searchina.net/id/1592090?page=1

韓国が「人口の崖」に直面、経済衰退の可能性も=米国有識者

 韓国メディアの亜洲経済の中国語電子版は21日、韓国は3年後に「人口の崖」に直面し、経済が縮小する可能性が大きいと伝え、韓国政府は移民の受け入れのほか、子育て支援などの政策を打ち出す必要に迫られていると報じた。

 記事は、米国のエコノミストであるハリー・デント氏がこのほど韓国ソウル市で開かれたフォーラムに参加し、「韓国は遅かれ早かれ“人口の崖”という問題に直面することになる」と述べたことを紹介。

 さらに、ハリー・デント氏はこれまで1980年代の日本のバブル経済や90年代の米国の好景気を正確に予測したことでも知られると伝え、
★.「人口の崖」という概念はハリー・デント氏が打ち立てた経済学理論で
 出生率の低下と高齢化が同時に加速する現象を指す
と伝えた。

 さらに、
★.人口の増加は一国の経済の行方を大きく左右すると伝え、
 生産年齢人口が多い状態を指す「人口ボーナス」が失われる時こそ「その国の経済が崖から落ちていく時」である
と主張。
 人口ボーナスが失われれば経済が縮小することは不可避であると指摘し、政府が人口動態に一定の影響を与えることはできても、人口構造や人口動態の趨勢を速やかに変えることは不可能だと論じた。

 また記事は、韓国統計庁の予測として、2060年には韓国の65歳以上が総人口に占める割合は現在の13%から40%にまで増加すると伝えたほか、ハリー・デント氏の見解を引用し、「新しく子どもの生まれない国には未来はない」と指摘し、韓国の出生率が低いままで推移すれば、日本のように経済危機に直面することになると報じた。


 韓国は日本以上の過剰人口にさらされている。
 人口を単なる『生産の馬力』としか見ない石化理論の経済学のバカバカしさある。
 






2015年9月29日火曜日

習近平訪米の有り様(4):恐怖政治の情勢下において、官僚たちは積極的な政策立案ができないでいる

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●FNNニュース 9月29日(火)9時26分配信


ダイヤモンドオンライン 2015年9月29日 加藤嘉一
http://diamond.jp/articles/-/79091

米国公式訪問で引き出された
習近平政治の意外な素顔

■習首席の米国訪問から見えた「巨人」を巡る光と影

 米国というプレイヤーは、私たちの中国理解にとって、時に“引き出し役”を担ってくれる。
 ワシントンDCで習近平訪米を眺めながら感じた「中国政治の課題」とは?……

 9月22日~25日、習近平中国国家主席が自身初となる米国への公式訪問を実行した。
 本連載では2014年11月、バラク・オバマ米大統領が中国を公式訪問した際の模様を扱ったことがあったが(習近平とオバマは中南海で何を語っていたのか 3つのシーンから検証する中国民主化の行方)、今回もフォーカス・オンしてみたい。

 グローバル政治経済システムにおいて、米国はその経済力を含め唯一中国よりも巨大で、影響力と発言権を誇る主権国家だと言える。
 そんな米国は、ホームで対中外交を展開する過程において、通常ではうかがい知ることのできない習近平の素顔や、中国という得体の知れない巨人を巡る光と影の部分を引き出してくれるに違いない。

 そう、米国というプレイヤーは私たちの中国理解にとって、時に“引き出し役”を担ってくれる。
 ワシントンDCで習近平訪米を眺めながら、そう感じている。

 本稿は、私が米国という引き出しを通じて習近平訪米を覗きこむ過程で、
 比較的強い印象を抱いた5つの場面をレビューしてみたい。
 米中関係そのものに関する分析ではなく、米国とのやり取りを通じて、習近平政権の現在地や改革・変化の方向性を掘り起こすという意味である。

❏1].1つ目はインターネットを巡る問題だ。
 2006年、前任者の胡錦濤が米国を公式訪問したときと同様、習近平は西海岸のシアトルから訪問をスタートさせた。

  「西海岸、特にシアトルは中国の対米外交から見ればビジネスの拠点であり、政治的敏感性が少なく、中国としてはコントロールしやすい。
 米国のなかで最も“親中的”な地域の1つと言える。
 中国の指導者はシアトル訪問を好む傾向にある」(中国党機関紙駐ワシントンDC記者)

 シアトル滞在期間中、習近平は中国の航空業も大きく依存しているボーイング社の製造工場や、マイクロソフト社を訪問し、現地の企業家と交流をしたが、なかでも注目されたのがマイクロソフト社と中国インターネット協会が共催した米中インターネットフォーラムである。
 中国からはアリババの馬雲やテンセントの馬化騰らが、米国からもフェイスブック、アップル、グーグル、IBMといった大企業のCEOらが出席した。

 米国側の出席者は、中国がIT市場をより一層開放し、企業への審査や干渉を軽減することを習近平本人に求めるべく発言していたが、そんな発言を横目に、習近平はスピーチの中で次のように主張した。

  「中国は平和、安全、開放、協力に基づいたインターネット空間の建設を提唱し、各国が自らの国情に符合するインターネット公共政策を制定することを主張する」

“国情”――。

 この2文字を目にしながら、私は2010年のグーグル撤退事件を思い出していた。
 2010年3月、グーグルが中国本土市場から“撤退”した理由の1つが、
 中国政府が嫌がる敏感なキーワード(天安門事件など)をユーザーに検索させない措置を含め、中国政府からの検閲を受け入れられないことにあった。
 グーグル社が保持するビジネススタイルや価値観とは相容れなかったのだろう。
 中国政府も
 「具体的な案を出しつつ、グーグル社の撤退を回避すべく歩み寄りの交渉を続けた」(中国工業情報化部幹部)
ようであるが、最終的には“中国の地でビジネスをしたければ言うことを聞け”という政治的原則を貫いた形となった。

 習近平の“国情論”は、「インターネットの世界にも主権は存在する」ということを主張・貫徹してきた中国共産党の立場を改めて露わにするものであった。
 と同時に、
 「中国でビジネスをしたければ中国のルールに従え」
という政策が引き続き実施されることを、明確に暗示した形となった。

■自国でブロックアウトしているフェイスブックを米国訪問のPRに使う矛盾

 私が今後注目しているのが、フェイスブックを巡る動向である。
 上記フォーラムにて、同社創設者のマーク・ザッカーバーグは米国側参加者の中で唯一習近平と“個人的”に、しかも中国語で話す機会を得ていた(最初からそのように手配されていたのか、会場の流れでそうなったのかに関しては筆者には定かではない)。
 ザッカーバーグは9月23日、自らのフェイスブックにて
 「今回初めて海外のリーダーとの交流を全て外国語で行った。
 私にとっては意味のあるマイルストーンになったと思っている。
 習主席、そして他のリーダーたちと面会できて光栄だった」
と綴っている。

 そんなフェイスブックだが、中国国内では依然としてブロックアウトされたままである。
 一節によれば、ザッカーバーグはそんな難局を打開すべく、中国の指導者たちに少しでも努力や誠意を示すために必死に中国語を勉強しているとされる。
 それ以上に興味深いのは、今回の習近平訪米に際して、中国当局が独自のフェイスブックページを開設し、そこを通じて習近平の動向を英語の読者向けに宣伝している事実である。

 自国内で封鎖している企業のプラットフォームを、その企業が本部を置く米国を公式訪問する際のプロパガンダのために使っているということだ。
 ワシントンDC駐在のある著名な中国問題ジャーナリストは、この事実を前にして私に“Perfect Contradiction”と修飾し、首を傾げていた。

  “国情論”という観点から中国国内ではグローバルスタンダードが通用しない現実を見せつけつつ、海外進出・対外宣伝の際にはグローバルスタンダードの潜在力や浸透力を戦略的に借用する。
 この“完璧なまでの矛盾”、言い換えればダブルスタンダードの存在と蔓延は、インターネット以外の分野でも(経済、外交、教育など)続くであろうし、そのプロセスは私たちの中国理解を当惑させるであろう。

2].2つ目が、反腐敗闘争を巡る状況である。
 本連載での執筆過程で幾度となく「中国民主化研究とは中国共産党研究である」と提起してきたが、このコンセプトから見た場合に、身体中に衝撃が走るような言葉を習近平の口から聞くことができた。

■「腐敗摘発に権力闘争など関係ない」習近平が発した信じられない言葉

 シアトルに到着した日の夜、米中関係全国委員会と米中貿易全国委員会などが主催した晩餐会の席で講演した習近平は、反腐敗闘争に話が及ぶと、次のように指摘した。

  「この期間、我々は腐敗案件を大々的に調査・処理してきた。
 トラもハエも一緒に叩くのを堅持してきたのは、人民の要求に応えるためである。
 そこには権力闘争などなければ、ハウス・オブ・カードもない」

  《ハウス・オブ・カード》とは、ケヴィン・スペイシー主演の米国政治をテーマとしたドラマで、その日本語サブタイトル“野望の階段”にも象徴されるように、一国会議員だったフランシス・アンダーウッド(ケヴィン・スペイシー)が、同じく野心家の妻クレア・アンダーウッド(ロビン・ライト)と時に助け合い、時に利用し合いながら、副大統領、そして大統領へと駆け上がる、まさに米国政治のダークサイドを浮き彫りにしたと言っていいようなエピソードである。

 習近平は、おそらく在席するほとんどの米国人、そしてもしかするとほとんどの中国人(中国で同ドラマは異常なまでの人気と普及を誇ってきたと私は認識している)も観たであろう《ハウス・オブ・カード》を意図的に引用することで、自分はフランクではなく、妻の彭麗媛(国民的人気軍人歌手)はクレアではない、と言いたかったのだろうか。
 習近平が同ドラマの名前を口にした直後、会場は笑いに包まれ、それを確認した習近平の表情からも白い歯がこぼれ落ちた。

  《ハウス・オブ・カード》の引用は“ある意味”想定内だったとしても、「反腐敗に権力闘争などはない」と言い切ったのには心底驚いた。
 中国、特に共産党政治に何らかの関わりを持つ人々の間において、“反腐敗の本質は権力闘争”ということは半ば公然の事実となっているが、これを公言することは実質的にタブーとされてきた。

  「反腐敗に権力闘争などない」と同様に、習近平が初めて公に語った言葉が、訪米直前に受けた米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)書面インタビューにおける「反腐敗は経済発展に影響しない」であった。
 本連載でも、反腐敗によって“削減”された政府消費というよりは、反腐敗闘争という恐怖政治によって怯える経済官僚たちの事なかれ主義から生じる経済政策・改革の遅延という観点から、反腐敗の経済発展へのネガティブの影響を検証してきた(参照記事:“二重の恐怖”に怯える中国官僚から“改革派”は生まれるか?)。

 私から見て、反腐敗との関連性で言えば、権力闘争と経済発展は最もセンシティブな要素であり、かつ国内外の政府や市場関係者が最も用心している分野でもある。
 今回の習近平のこの発言に関して、私はいささか余分で、お世辞にもスマートとは言えないやり方だったかなと思っている。
 習近平がこの2点を公言することによって生じる事態は、外界がそれらに対する疑念を拭うことなどでは決してなく、中国共産党指導部も(外界同様に)この2点をそれだけ懸念していることを、世界中に宣言したようなものだからである。

3].3つ目が経済情勢・改革についてである。
 中国経済の減速や株式市場を巡る乱高下といった昨今の問題は、グローバル経済をどのようにマネージしていくかを語り合う運命にある米中首脳外交の舞台でも注目された。
 また、最高指導者による発言を控えることで政策転換の余地を残すためか、6月中旬以降、習近平の経済に関する発言は意図的に、極力控えられてきたと私は考えていたこともあり、対米首脳外交の舞台で引き出される習近平の経済発言には、特に注目していた。

 習近平は前出のWSJ書面インタビューにて、次のような見解を示している。

  「株式市場の上下動にはそれ自身の運行規律があり、一般的に政府は干渉しない。
 政府の職責は公開・公平・公正な市場の秩序、および投資家、特に中小投資家の合法的権益を守ることにあり、株式市場の長期的で安定的な発展を促し、大規模な恐慌の発生を防ぐことにある」

  「少し前、中国の株式市場は異常な乱高下に見舞われたが、これは主にそれまでの上昇が高すぎた、速すぎたことや、国際市場の動乱などによって生じたものである。
 中国政府はいくつかの措置を取り、株式市場が恐慌心理とシステミックリスクに襲われるのを防いだ」

  「海外の成熟した市場も、過去に同じような措置を取ったことがある。
 総合的にいくつかの措置を取った後、株式市場はすでに自己修復・自己調整の段階に入っている。
 資本市場を発展させることは中国の改革における方向性であり、今回の動乱によって変更されるものではない」

■「株式上昇はバブル」「経済発展には干渉が必要」
習近平のインタビューから読み取れるシグナル

 私がこれらの文言から読み取ったシグナルが3点ある。

 (1):3~6月の株式市場の上昇はバブルだったと認めているこ
 (2):市場経済を安定的に発展させていくためには、
 政府による“干渉”が不可欠なのだと考えていること
 (3):経済情勢・政策に問題があるのは中国だけではなく、中国は孤立的ではないと訴えたいこと

 9月25日正午、ホワイトハウスでオバマと共同で臨んだ記者会見にて、
 「中国の改革は停滞しないし、開放政策も歩みを止めない」
と言及した習近平は、隣に立っているオバマに対して国際通貨基金(IMF)改革の一層の促進を“要求”した。
 米中首脳会談の成果一覧表には「双方はIMFの特別引出し権(SDR)審査における手続きを尊重しつつ、人民元がSDRに加入する事項において意思疎通を強化する」という一節がある。
 オバマの会見における受け答えを眺める限り、米国はこの問題で中国に一定の権限と面子を与えつつ、そのための交換条件として、中国国内の市場開放、特に今回の会談で最終的合意に至らなかった相互投資協定(BIT)のネガティブリストにおいて、一層の妥協と努力を引き出したいものと思われる。

4].4つ目に、習近平主席の初米国公式訪問がローマ教皇フランシスコの初訪米と重なった事情に関してである。
 両者の日程は、ローマ教皇9月22日~27日(ワシントンDC、ニューヨーク、フィラデルフィア)、習近平主席9月22日~26日(シアトル、ワシントンDC、ニューヨーク)であり、ほぼ重なり合っていた。

 カトリックの総本山でもあるバチカン市国との“外交的関係”は、国内で共産党のイデオロギーを脅かすような一切の宗教・信仰・価値観の普及を認めない中国にとっては、極めてセンシティブな問題である(両国の間に国交はない)。
 そんな中、フランシスコ教皇と同時期に習近平を訪米させるのは、中国政府からすれば避けたいことであり、私が外交部や商務部など、複数の中国政府関係者から確認したところによれば、中国政府はこれまで幾度となく、あらゆるチャネルから米国側に両者の訪米時期をずらすことが可能かどうか打診している。

 実際に、両者が同じ時空に居合わせることはなかった。
 9月24日、フランシス教皇は16時前後にワシントンDC郊外、メリーランド州に位置するアンドルーズ空軍基地から飛び立ち、習近平主席は18時前後に同基地に降り立っている。

 ■バチカンと関係は悪くないというものの
あらゆる手段で教皇との接触を回避

 一方、私は同日16時半頃ホワイトハウス周辺にいたが、17番通り沿いでは、中国政府による協力と指導を得た中国人留学生たちが紅い制服を着用し、国旗や“歓迎習主席”などの横断幕を掲げて陣取るなか、“米国国旗・ワシントン州旗・バチカン市国旗”と“米国国旗・ワシントン州旗・中華人民共和国旗”が共存していた。

 中国党機関紙のワシントンDC駐在記者によれば、習近平訪米前夜に訪中した米国政府の元高官が中国政府高官に対して、
 「せっかく習近平主席とフランシスコ教皇が同じ時期にワシントンDCにいるのだから会談したらどうだろうか?」
という提案をしたそうだが、
 「拒絶というよりは、聞かなかったことにされたようだ」(同記者)。

「中国とバチカン市国の関係は、そこまで悪くない」

 国営新華社通信の北京駐在記者はこう述べる。実際、習近平が国家主席に就任した際に、バチカン側は祝電を送っており、中国側もそれに対する返信をしている。
 また、2014年8月、フランシスコ教皇が韓国を5日間訪問した際初めて中国の領空を通過したが、空上で中国人民と国家主席に対する祝福の言葉を述べている。
 それに対して、中国外交部の華春瑩報道官は
 「中国はバチカン市国との関係を改善するための誠意を終始抱いており、そのために積極的な努力をしている」
と呼応した。

 にもかかわらず……という視点から最後の
5].5つ目に入っていきたい。
 キーワードは“自信の欠如”である。
 今回の習近平訪米を通じて、
 中国側には終始積極性や攻めの姿勢を欠いた場面が見られた
 例を3つ挙げたい。

★.1つ目が、ワシントンDCでフランシスコ教皇と“遭遇”する場面があったにもかかわらず、そして、米国側もいくつかのチャネルを通じて習近平主席に同教皇との接触が促されたにもかかわらず、中国側はそれをスルーしたことである。
 政府として関係の改善と建設的対話の展開を公言し、しかもより困難な相手国訪問ではなく、第三国における非公式対話が実現可能な時間的・空間的条件が整っていたにもかかわらず、中国政府はそれを実現するのではなく、あらゆる手を使って避けた。

 そもそも、人口の20%がカトリック、成人の45%がカトリックと何らかの関係を持っていて(USA TODAY Special Edition: Francis to America参照)、かつ約5000万人がヒスパニック系(2010年調査)という米国において、フランシスコ教皇の訪問は圧倒的なまでの注目度を集めた。
 私もそんな空気を街中が“Pope Francis”に染まったワシントンDCの地で感じていた。
 「前にはPope、後には下院議長を電撃辞任したジョン・ベイナー。
 ニュースのヘッドラインをどうしても飾れない習近平は、哀れにすら見える」(米某シンクタンク研究員)。

 そんなフランシスコ教皇の影で訪米のインパクトが大きく薄まるのを中国政府は相当懸念していたが、だとすれば、同教皇と非公式にでも接触をして、戦略的に習近平訪米を盛り上げるという発想は生まれなかったのか。

★.2つ目に、フランシスコ教皇の在米スケジュールとも関係するが、
 「中国外交部は、習近平のワシントンDC滞在時間は短ければ短いほどいいと考えていた」(中国政府関係者)
ことである。
 ここには、ワシントンDCに来れば向き合わざるを得ないサイバーセキュリティや南シナ海問題を極力かわしたいという思いもあっただろう。
 “親中的な”シアトルにいれば、ビジネスや協力のラインで公式訪問を進行することができる。
 習近平がワシントンDCに滞在した時間は実質1日強であった。

★.3つ目に、習近平が米国の大学での講演を回避したことである。
 前任者の胡錦濤はエール大学で、江沢民はハーバード大学で講演している。
 中国の指導者の米国大学での講演は、訪米日程の中でも比較的センシティブな分野に入ると見られるが、習近平はそれを避けた。
 「ワシントンDCの某大学での講演を交渉していたが、結局キャンセルになった」(中国政府関係者)。

 代わりに習近平が訪れたのは、シアトルから50キロほど離れた、タコマ市にあるリンカーン高校だった。
 1993年、当時福建省福州市書記だった習近平は同校を訪れている。
 また1994年、福州市とタコマ市は姉妹都市協定を結んでいる。
 その地を再訪することは、習近平にとってみれば“安全運転”以外の何物でもなかった、ということであろう。

■中国側に見られた非戦略的な消極性
その原因をつくったのは習主席自身?

 この、ともすれば中国らしくないとも映る非戦略的な消極性は、どこから来たのであろうか。
 本連載でも随所でほのめかしてきたが、私は習近平を取り巻く部下たちが、習近平が気を悪くしたり、怒ったりすることを恐れるあまりに遣いすぎている“気”の問題だと見ている。
 恐怖政治が蔓延する昨今の情勢下において、
 官僚たちは積極的な政策立案ができないでいる。
 今回の米国公式訪問で、そんな習近平政治の現在地が改めて明らかになったのではなかろうか。

 「でも、そんな空気をつくり出したのは習近平本人だ」

 9月24日夜、ワシントンDCに到着した習近平一行がオバマ一行とビジネスディナーをしている最中、ワシントン在住の中国共産党員がホワイトハウスからそう離れていない一角で、私にそうつぶやいた。



サーチナニュース 2015-09-29 15:09
http://news.searchina.net/id/1590249?page=1

中国・習主席、国連演説に見え隠れする「壮大な野望」
・・・ゼニが無いなら俺んとこ来い!

 中国メディアは29日、習近平国家主席が現地時間28日に国連総会で行った演説を相次いで取り上げた。
  習主席は前日の27日に国連サミットでの演説に続き、
 「国連平和維持活動(PKO)のために8000人の部隊を構築」
と改めて宣言。
 また10億ドル(約1195億円)を拠出して「中国・国連平和発展基金」を樹立すると述べた。

 中国メディアの新京報によると、習主席は
 「平和、発展、公平、正義、民主、自由は人類共同の価値であり国連の崇高な目標」
と述べた上で
 「目標はまだ達成されてはいない」
などと述べ、
 「(われわれは)新たなタイプの国際関係を構築せねばならない」
と主張した。

 さらに、「中国は発展途上国」と従来からの主張を繰り返し、同じ発展途上国として、「とりわけアフリカの国家を支持」と強調した。

 さらに、
★.10年間にわたり総額10億ドル拠出して「中国・国連平和発展基金」を設立することと、
★.PKOに対応するための8000人規模の待機部隊を設立すること、
★.今後5年間にわたるアフリカ連合に対する1億ドル(約119億5000万円)の無償軍事援助
を宣言した。

**********

◆解説◆
 中国首脳陣には以前から、現行の国際ルールや慣習について「かつての植民地主義、列強が作ったルール。必ずしも公正とは言えない」の考え方があった。
 しかし、以前は「自国が発展するためは、できるかぎり従わざるをえない」との考え方が主流だったのに対し、最近では「新たなルールづくり」を具体的に目指すようになってきたと言える。
 「国際観や国際ルール観の変更」は、習近平政権発足以来、特に顕著になった。

 習主席は上記演説で「新たなタイプの国際関係」を目指すと明言した。
 国連安保理常任理事国との立場を生かして、国連に対する影響力を強めようとの思惑があると考えてよい。

 なお、国連はPKOに軍や警察を派遣した国に対して「償還金」の名義で、費用を支払っている。

 このところ、PKOへの派遣人員の多い国はインド、バングラディシュ、パキスタン、エチオピア、ルワンダなどだが、経済面で遅れている国が「費用獲得」を主たる目的にPKOに参加する場合があるとされる。
 中国がPKOに対する発言力を強め、「友好的は発展途上国」に便宜を図る可能性もある。

 国連の公用語は英語、フランス語、ロシア語、中国語、スペイン語、アラビア語であり、公式ウェブサイトも前記6言語のものを解説している。
 日本時間29日午後1時現在、中国語サイトはトップページで習近平主席の国連演説の概略を紹介している。
 他の言語は同時点で未掲載。


 WEDGE Infinity 日本をもっと、考える  2015年10月13日(Tue)  岡崎研究所
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5446

習近平への国賓待遇は
大統領権限の乱用だ

 アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のブルーメンソール研究員(アジア研究部長)が、9月9日付でForeign Policy誌ウェブサイトに掲載された論説において、習近平の国賓訪米を批判し、米国はもっと現実主義に基づいた対中政策を取るべきだ、と共和党保守派の主張を展開しています。

 すなわち、米国民は一貫して中国に厳しい見方をしている。
 国民は中国を押し戻すことを期待しているのに、政府は反対に米国を侮蔑する習近平を最高の栄誉で迎えようとしている。

 2013年のサニーランズでの米中首脳会談から2年、中国は米国の人事管理局にまでハッカー攻撃をかけているし、南シナ海では驚くべき人工島建設を行っている。
 これはクリミア併合にも劣らない領土の現状変更だ。
 米国にとってはクリミアよりももっと大きな脅威になるかもしれない。

 前回の首脳会談がこれほど失敗しているのに、米国は、安倍総理に与えたと同じ栄誉と尊厳を以て習近平を迎えようとしている。
 大統領権限の乱用だ。
 習近平は穏健化するどころか、国賓訪米の直前に、毛沢東流の抗日戦争勝利式典を挙行し、文字通りグアムを狙うための「グアム・キラー」ミサイルなどを披露している。
 ハワイへの奇襲攻撃を再現できると言わんばかりである。

 軍事パレードと時を同じくして、中国海軍艦艇がアラスカ沿岸に来た。
 習近平の訪米前のこのタイミングでやったのは、米国に対する侮蔑の以外の何物でもない。
 一部政府関係者は中国艦艇の行動は、中国も同様のことを受け入れなければならなくなったという意味で好都合だと述べているが、敗北的な考えだ。

 中国が裕福になれば穏健化する、との希望的観測が今の対中政策の根底にある。
 それは、中国共産党も徐々に世界のルールを受け入れてゆくだろうとの考えだが、中国共産党はリベラルな政党ではない。
 中国は独自の世界観を持っており、国内での権力堅持と海外での自国権益拡大が戦略だ。
 ハイレベル会談を何回行っても、米国のネットワークは攻撃されるし、安全保障は損なわれ、価値は軽蔑され、経済の安寧は脅威を受けている。

 共和党に新しい指導者たちが登場している。
 彼らは中国を競争者、時として脅威になる国と捉える。
 冷戦勝利のためのパートナー、あるいは米国が作った国際システムを受け入れる新しい国としては捉えない。

 新しい共和党のアジア政策は、「差異のある関与(Unequal engagement)」だ。米中関係は重要だが、外交関与の大半はアジアの同盟国・友邦国にむけるべきだ。
★.第1の優先順位は、同盟国・友邦国との関与の強化である。
 国防予算を回復し、活発な同盟外交をする。
★.第2は、真のTPPを支持することである。
 アジアに高度の自由貿易市場ができるのであれば台湾や韓国、その他の東南アジアの国にも拡大していく。
 TPPは米の対アジア政策の主柱になる。
★.第3は、中国の人権問題重視である。
 国内の人権抑圧と海外での攻勢はリンクしている。
 人権抑圧が減れば攻勢も弱まる。

 米の対中関与政策は、より現実主義的な、より大々的でないものにすべきだ。
 意味のないスローガンなどシンボリズムやレトリックはやめるべきだ。
 時には具体的な協力ができ、世界経済問題については一定の協力があるだろうが、
 中国が責任ある大国になるように、
 また、新たな大国間協調体制に中国が加わるように説得するという考え方は、
 当面無駄なこととして捨てるべきだ。
  安定の維持と紛争の回避が関与政策の中心目的である。
 両国の指導者は両国の利益が必要とする時に会えばよい。
 来る国賓訪米は、時期が間違っているし、場所も間違っている、と厳しく批判しています。

出典:Daniel Blumenthal,‘Rolling Out the Red Carpet Won’t Make China Play Nice’(Foreign Policy, September 9, 2015)
http://foreignpolicy.com/2015/09/09/rollingouttheredcarpetwontmakechinaplaynice/

* * *

 オバマの対中関与政策に対する共和党保守派からの激しい批判です。
 不安を覚えるような、やや激しい表現も散見されますが、
 後半の三つの優先政策
 (中国よりも同盟国・友邦国との関与を重視する、真のTPPを支持する、中国の人権問題を重視する)
と最後のやや落ち着いた対中政策の在り方に関する諸点
 (対中関係は重要だがより現実主義的な、より大々的でないものにすべき、首脳会談は必要な時にすればよいなど)
は、今の米国の保守派のムードを知る上で興味深いと言えるでしょう。

 無意味なシンボリズムはやめるべきだとの点は理解できます。
 習近平への国賓待遇付与は、おそらく中国がそれを要求しているからであり、米国としては安いコストだと思っているのかもしれないが、内容のない中国流のシンボリズムは意味がないように思います。

 対中警戒感は、今、米で高まっています。
 オバマ政権下の8年、中国と関与しても一向に変化がなく、反対にどんどん中国が影響力を増すことに対する強い反発と懸念が基になっているものと思われます。
 案外広く共有されている感情かもしれません。

 いずれにせよ次期政権は、どちらの党が勝利しても、対中政策はよりリアリズムを強調したものになる可能性が高いと思われます。
 共和党が勝てば尚更ですし、民主党のクリントンになっても、オバマの時代と比べれば対中外交はよりタフな外交になるでしょう。
 政権交代による微調整は必ずしも悪くありません。



WEDGE Infinity 日本をもっと、考える 2015年10月09日(Fri)  中村繁夫 (アドバンスト マテリアル ジャパン社長)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5465

習近平の航空機”爆買い”
チタン業界に漂う軍事産業の影
日本が米国軍用機の「最良のお得意さん」? 

 2015年の「国際チタン会議」が米国フロリダ州のオーランドで10月5日から7日まで3日間にわたって開催された。
 毎年10月の上旬に行われる会議だが、今回は世界各国から約750人前後が参加した。
 今年の話題は航空機産業分野のチタン需要への期待で盛り上がった。

■習近平国家主席が
ボーイング旅客機を「爆買い」した背景とは?

 先月9月の習近平氏の訪中時にボーイング社に対して習近平氏が300機の旅客機を発注したニュースや中東における空爆の増加から航空機と防衛産業の景気高揚への期待も会場のあちこちで話題になっていた。

 さて、世界のチタン市場はリーマンショック以降、一時期落ち着きを取り戻したが、昨年の2014年までの需要は3年間連続で停滞していた。
 しかし、今後は新型航空機の納入が本格的に始まるのでチタン需要は拡大基調に転換することは確実である。

★.今後20年間で生産される航空機は3万9780機と推計されており、
★.航空機需要だけでも10年間で新たに40万トン以上のチタンを消費する
と見込まれるから期待が集まるのも当然である。
★.年間のチタン製品の年間の世界需要量は大体10万~12万トンくらいであるから
 新規の航空機需要が4万トンになるというのは3割から4割の拡大が期待できる
と云う話なのだ。

 まずは会場の活気の原因である習近平国家主席の派手なパーフォーマンスから話題を分析してみたい。
 習近平氏は去る9月23日、米西部ワシントン州の米航空機大手ボーイングの工場を訪問し、なんと旅客機300機の発注で合意するなど中国の得意の「爆買い」をアピールした。

 ただでさえ中国の景気が減速する中で旅客機を300機も発注するなどの大盤振る舞いは常識では考えられないが、チタン業界では航空機分野の本格的回復が期待されているから盲目的に歓迎されているのだ。
 景気が悪化すれば旅行客は減少するから普通は旅客機の注文は減って当たり前である。

 今回の発注は380億ドル(約4.5兆円)規模と云われているがチタンの使用量は一機当たり60トンに及ぶから300機になると何と1万8000トンとなり、2014年の米国のチタン材の需要が2万7000トンだから今回の発注量がいかに多いかが分かるだろう。

 ところが、こうした発表にもかかわらずボーイング社の株価は急落しており、市場の反応はみられなかったのは
 中国得意の白髪三千丈のブラッフだと反応した
のかも知れない。

■日本が米国軍用機の「最良のお得意さん」

 さて、今回の国際チタン会議でもう一つ気になる発表があった。
 アメリカの軍需産業について”Driving Market Growth Through Innovation”なるタイトルでクリーブランドのAlcoa Defense社のRoegner社長がプレゼンをした内容である。
 米国防衛産業における「イノベーションを通じたチタン市場の成長」という内容である。

 この発表の中では我が国日本が防衛産業(特に軍用機)の重要な市場としての位置付けにされているのに驚いた。
 プレゼン資料に示された防衛産業の重点市場が
★.エジプト、アフガニスタン、カタール、クエート、インド、に加えて日本が軍用機の発展市場
と認識されているという発表であった。

 発表の内容を聞くにつけて平和産業であるチタン市場分野が一般航空機産業よりも、より軍用機の発展に注力している内容に危惧を感じたのは私だけではなかったと思う。

 今回の安保関連法案の成立直後に、チタン会議に参加したためにアメリカが日本の防衛産業をどのように見ているのかが気になっていた矢先のことである。
 日本の集団自衛権の閣議決定が何らかの形で米国の軍需産業に資することは当然だが、日本が軍需産業のお得意さんとしてアメリカのチタン業界では認識されており、このような形でチタン産業の関与を示されると長年にわたりチタン産業に関わってきた私としては複雑な気持ちである。

 アメリカの景気はシェールガス・シェールオイル景気に支えられているが、来年の大統領選に向けていろんなプロパガンダが繰り広げられている。
 オバマ政権の在職中にはこれといった成果が無いだけに置かれた立場は複雑である。
 特に最近になって来年度の大統領選の候補者らがオバマ外交を「弱腰」と批判されるのを避けるために、南シナ海の中国との対立姿勢は強気を演出している。

 つい最近も米軍機と中国の戦闘機が中国領海で異常接近するなど一触即発の危険性もあったが、今後の米中関係は決定的な対立を避けるべく双方の着地点を見いだせるかが問題となる。
 ウクライナ紛争から始まったロシアへの経済制裁や、イスラム国家やベネズエラを含む産油国への原油価格の下方誘導やシリアへの空爆も何か不自然な動きに感じてならない。

■中露が軍事行動を推進せざるを得ないワケ

 一方の中国当局は景気下支えのために昨年秋以降、相次ぐ利下げなどで金融を緩和し、インフラ投資を加速させているが、全くその効果は表れていない。
 失速懸念を払拭するのに躍起の習政権だが、下がりすぎた人民元相場を買い支える原資として保有する米国債を「爆売り」しているなども「やる事なす事」が矛盾しているために、市場の反応は正直であり習近平政権と中国経済が市場の信頼を取り戻すのは難しそうだ。

 中国側の足もとの景況感は不振を極めているが、習氏の訪米直後に英調査会社が公表した中国の景況感を示す9月の製造業購買担当者指数(PMI)速報値は下落している。
 好不況の判断となる指標を7カ月連続で割り込み、6年半ぶりの最低水準に落ち込んでいるのだ。
 国内の不平不満を逸らすために反日運動や南シナ海への軍事行動も大変に不自然な感じがしてならない。
 中国の経済の立て直しには武器輸出が手っ取り早いと考えている節がある。

 さらに今回のチタン会議で会ったロシア人の友人との会話の中では、今やロシアの軍用機の生産量はアメリカを追い抜いたと聞いてこれまた驚いた。

 経済制裁に苦しむロシアであるが原油価格の不振を補うためにも武器輸出や軍用機輸出も必要になってきているとの話題が出ているし、民間航空機でもボーイングやエアバスを遥かに凌ぐ超大型旅客機の製造が始まるとの情報もありこと話題には事欠かない国際会議であった。

 日本でも、武器輸出三原則を転換し、積極的に武器輸出を行うことに方針変換している。
 今や日本のエレクトロニクス産業は軍需技術の塊であるからデバイスだけの輸出より、付加価値の高い武器輸出に転換する流れも避ける事はできないのかもしれない。
 また、日本の防衛産業からすれば、武器関連輸出に注力しないと、中国をはじめとする他国が輸出するだけ、ということだろう。
 軍事的な緊張が起これば起こるほど、日本もこの流れに押し流されていくのかもしれない。

 これまでの全ての侵略戦争は防衛の名のもとに始まっている事を人類の歴史は証明している。
 これまでの国際チタン会議は平和利用のチタンの用途(石油化学、電解設備、建築土木、自動車、民間航空機、医療・民生用途など)の話題が中心であったが、今回の会議は軍需関連用途の話題が聞こえてきたことに危惧を感じている。






日本を「お詫びと反省の国」から新常態すなわち「普通の国」へ導いたのは中国なのだが

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 日本を「お詫びと反省の国」から新常態すなわち「普通の国」へ導いたのは中国である。
 このことからすると日本は中国にもっと感謝しないといけない。
 アメリカは日本を「お詫びと反省の国」に留めることを国是にして、日本の安全保障をコントロールしてきた。
 これを大きく変えてくれたのは中国である。
 中国が作用し、その反作用で日本は新常態に移行
できた。
 「中国さまさま」である。


JB Press 2015.9.29(火) 柯 隆
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44846

日中首脳の対立は似た者同士だから?
根っからの反日ではない習近平、日中関係の新常態は築けるか

 筆者は初めて日本に留学したとき(1988年)から数えれば、日本在住は27年になる。
 生まれ育ったのは南京だが、日本での生活の中で南京出身だからといって不愉快な経験をしたことはない。

 一方、数年前にあれだけ反日を露わにした中国人の若者たちは、今、大挙して日本に観光にやって来ている。そ
 して日本製品のボイコットを呼びかけた中国人たちが日本で日本製品を爆買いしている。
 彼らの言動から反日など見られない。

 近年、日中関係が悪化した背景には複雑な要因があるが、そもそも日中両民族の相性は悪くない。
 歴史的に見ても日本人と中国人は補完性が強いから共存してきた事実がある。

 近代になってから中国のエリートたちは欧米よりも日本に留学していた。
 例えば蒋介石や魯迅、郭沫若などに加えて、周恩来も一時期日本に来たことがあるといわれている。
 特に孫文は清王朝を倒すために日本で幅広く募金をした。

 むろん、近代の日中関係史は不幸の連続だった。
 それは両国の補完性を凌駕した野心的な政治家の暴挙による結果だった。

 日本が中国を侵略した狙いは別として、軍部の暴走により民間人を含む多くの中国人が殺されてしまった。
 このことについては、安倍総理が戦後70年談話の中でも認めている。

 残念ながら、日本と中国は戦争の負の遺産を十分に清算できていない。
 中国政府は特に日本に対して戦争賠償を求めているわけではないが、日本の政治家の歴史観を繰り返して正そうとしている。
 しかし日本人にしてみると、何回も謝ったのに中国政府がなぜそれを許さないのか理解できない。

■習主席と安倍総理の使命感

 日中関係悪化の原因についてはすでに多くの分析や考察がなされているが、ここでは異なる視点からその背景を探ることにしたい。

 筆者は、
★.日中関係悪化の遠因の1つは、
 両国の指導者が自国の国益について強い使命感をもっている
ことにある
と考えている。

 習近平国家主席は「太子党」に分類されているが、日本流でいえば「世襲の政治家」である。
 習主席と同じように安倍総理も世襲議員であり、まさに日本の太子党の1人と言えよう。
 往々にして太子党・世襲議員は自分の民族や国益について特別な使命感を持っている。
 すなわち、習主席も安倍総理も、親の世代から引き継いだ天下を失ってはならないという強い危機感を持っているのである。

 それゆえ、習主席は国民に対して中華民族の復興を唱えた。
 これこそが習主席がみる「中国の夢」である。

 これまでの30余年、中国は経済こそ奇跡的な発展を成し遂げたが、国際社会における影響力は十分に強化されていない。
 習主席の夢は、中国という大国を「強国」に育てるということ
のようだ。

 かつて中国の歴史教科書に必ず書かれていた言葉がある。
 それは、中国が西洋列強に「東亜病夫」と罵られていたということだった。
 東アジアの病人と言われて軽蔑されていたというのだ。
 本当に西洋人が中国をそう呼んでいたのかは分からないが、国民の愛国心を喚起するのには十分な記述である。

 同様に安倍総理も、強い日本を取り戻すことを口癖のように国民に呼びかけている。
 これまでの20年間、日本は「失われた20年」を喫した。
 安倍総理は日本の国力を取り戻そうとしているのだろう。
 経済力を強化し、外交戦略も強くする。
 これこそが安部総理の夢ではないだろうか。

 習主席と安倍総理は、いずれも戦争を引き起こそうなどと考えていないはずだ。
 だが、民族復興と国益の強化が全面的に打ち出されているため、両国においてナショナリズムが日増しに台頭している。

 日本の保守派の政治家の多くは、現在の憲法について不自由を感じている。
 しかし憲法改正は手続き上難しいため、解釈を変更することで突破口を作ろうとしている。
 だ問題は、安倍総理自身が法解釈変更の目的達成へと急ぐあまり、国民の多くは心の準備がまだできていないことである。
 そのため日本の世論は二分化してしまっている。

 一方、中国では、胡錦濤政権の10年間(2003~2012年)が中国にとっての失われた10年だった。
 ほとんどの改革が先送りされた結果、問題は山積するようになった。
 そうした状況で、習主席は胡錦濤前国家主席から政権を引き継いだ。
 しかし共産党幹部の腐敗、格差の拡大、環境汚染の深刻化など、いずれの問題も簡単に解決できないものばかりである。
 なによりも、共産党の求心力がかつてないほど低下しており、国民の支持を失っていることは習近平政権にとって危機的な状況と言えよう。

■2人の類似した経歴と世界観

 改めて習主席と安倍総理を比較してみよう。

 習主席は1953年生まれの62歳であるのに対して、安倍総理は1954年生まれの61歳であり、ほぼ同い年と言える。
 2人とも戦争のことは知らない。
 また、勉強に熱心に励むタイプというよりも、どちらかといえば実践派である。

 習主席の父である習仲勲氏は副首相まで務めたことがある。
 習仲勲氏は性格が温厚で、政界での人脈が広くて深かった。
 このことは息子の習近平が党総書記になったことと深く関係している。
 同じように、安倍総理も政治家ファミリーの出である。

 このように日中両首脳は非常に類似した経歴と世界観を持っている。
 逆に、そのおかげで補完性が弱く、対立しがちである。


●安倍総理と習主席の類似性(筆者作成)

 2人の相違点といえば、習主席は文革のとき、父の習仲勲が打倒されたことを受けて陝西省の辺鄙な農山村に下放された。
 このことは習主席にとって忍耐強さを鍛える重要な経験となった。
 それに対して、安倍総理は一貫して恵まれた環境で育てられた。強いて安倍政権の不安要因を挙げれば、最近、安倍総理の健康問題についての報道が見られることだろう。

 習近平国家主席の種々の言動から推察するに、実は根っから反日的な人物ではない。
 国家副主席の時代に一度日本を訪問し、天皇陛下に表敬訪問もしている。
 ただし、安倍総理との相性はそれほどよくないため、日中関係の改善にてこずっている。

■中国経済の再生に欠かせない日本企業の協力

 それでも、習近平国家主席は政権を安定させるために経済成長を押し上げていく必要がある。
 それには日本企業の協力、貢献が欠かせない。

 中国経済は、安い労働力を大量に投入し、安い中国製品を大量に輸出して経済成長を実現する時代が終わった。
 今、求められているのは産業構造を高度化し、イノベーションの実現に取り組むことである。
 中国企業のイノベーションに協力できる企業といえば、日本企業しかない。
 そこで習主席は日本の財界とのパイプを構築しようとしている。
 2015年5月、自民党の二階総務会長が3000人の日本人観光客を率いて訪中したときに、習近平国家主席との会見を実現した。
 これは従来の中国では、まずあり得ないことである。

 日中の古い政治家は「日中友好」を掲げてさまざまな演出をしてきたが、これからの政治家は是是非非で付き合うことになる。
 このような「新常態」は決して悪いことではない。
 表面的な日中友好の仮面を脱ぎ捨てて、本音で付き合うべきである。
 もちろんその際は戦略的な視野が求められる。
 政治指導者は子どもではないのだから、個人的な好き嫌いで物事の判断をすべきではない。




中国製造業のあり方(2):中国製造の「コスト優位」崩落・・・想定外の早さで到来

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サーチナニュース 2015/09/29(火) 06:32
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0929&f=business_0929_006.shtml

中国製造の「コスト優位」崩落・・・想定外の早さで到来=中国メディア

 中国メディアの新浪専欄は24日、北京大学国家発展研究院の周其仁院長による手記を掲載し、
★.中国の製造業にとっての最大の強みは他国に比べての「コスト優位」にあった
とする一方、
★.「これだけ早い段階で強みが失われるとは思っていなかった」
と伝え、コスト優位を失った中国の製造業は今後、何をもとに発展していけば良いのかと疑問を投げかけた。

 記事は、中国経済はこれまで、他国と比較して人件費などが安いというメリットを活かし、外国資本を導入したうえで経済成長につなげてきたと紹介する一方、中国のコスト優位は近年、急速に失われていると指摘した。

 続けて、中国が成長の原動力としてきたコスト優位がこれほどまで早くに失われるとは想像もしていなかったと主張。
 また、米国のコンサルティングファーム「ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)」がまとめた報告書を引用し、同一の製品を製造する場合、米国での製造コストを100とすると、中国の水準は96に達すると紹介し、もはや
★.米中両国間の製造業において明確なコスト差は見いだせない状況にある
ことを伝えた。

 さらに記事は、中国国内の製造業にとって、コストが上昇するということは製品価格が上昇することを意味するとし、中国製品の価格が上昇すれば、世界の市場にも大きな変化が訪れるだろうと指摘した。
 また、米アップルのスマートフォンは非常に高額だが、それでも世界で売れるのは他のスマートフォンに対する明確な比較優位があるためと指摘したうえで、
★.中国の製造業にはコスト以外の比較優位が存在しない
のが現状だと論じた。

 続けて、中国製品の「安さ」という強みが急速に失われていくなかで、
★.米国の製造業は独創性という大きな強みのほか、中国と同等のコストで製品を作れるようになっている
と指摘し、
★.「中国は今後一体、米国とどうやって競争すれば良いのか」
と危機感を示した。



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■中国政府・国家統計局は28日、
 1-8月の規模以上工業企業(年間売上高2000万元以上)の1-8月における利益額の推移を発表した。(1元=約18.83円)


サーチナニュース 2015-09-28 15:46
http://biz.searchina.net/id/1590092?page=1

製鉄業は51%以上、
自動車製造業は4.5%の減益、=中国1-8月

 中国政府・国家統計局は28日、1-8月の規模以上工業企業(年間売上高2000万元以上)の1-8月における利益額の推移を発表した。(1元=約18.83円)

 分野別では
★.鉱業企業の利益は前年同期比57.3%減の1901億5000万元、
★.製造業は4.5%増の3兆2161億元
だった、
★.電力・熱力・ガス・水道供給企業は13.1%増の3599億9000万元
だった。

★.食品加工業企業の利益は11.7%増、
★.繊維業は7.5%増、
★.石油加工・コークス・核燃料製造業は50.5%増、
★.化学原料・化学製品製造は12.1%増、
★.有色金属精錬及び圧延加工業は3.5%増(解説産業)、
★.通用設備製造業は0.6%増、
★.電気機械機材製造業は12.1%増、
★.計算機・通信・その他の電子装置製造は13.9%増
だった。

★.非金属製品製造業は8%減、
★.黒色金属精錬及び圧延加工業は51.5%減
だった。
★.専用設備製造業は3%減、
★.自動車製造業は4.5%減
った。

**********

◆解説◆
 中国の産業分類では
★.鉄、クロム、マンガンの金属3種を「黒色金属」、
★.それ以外の金属を「有色金属」
と呼んでいる。
実際には日本などで一般的な「鉄」、「非鉄金属」の分類と、大きな違いはない



サーチナニュース 2015-09-28 15:24
http://biz.searchina.net/id/1590088?page=1

中国で工業企業の利益が減少
・・・減益目立つ国有系、
外資系は利益微増

 中国政府・国家統計局は28日、「規模以上工業企業」の1-8月期における利益を発表した。
 総額3兆7662億7000万元で、前年同期比1.9%減だった。
 下落幅は1-7月に比べて0.9ポイント拡大した。
 国有企業系の減益が目立つ。
 外資系企業は利益が微増した。(1元=約18.83円)

 1-8月における工業企業の利益を資本形態別にみると、
★.国有(控股)企業では前年同期比24.7%減の7564億2000万元だった。
★.集体企業は0.3%減の299億2000万元だった。
★.株式制企業は1.7%減の2兆5282億6000万元だった。
★.個人の出資による私営企業は7.3%増の1兆3319億4000万元だった。

★.香港・マカオ・台湾を含む外資投資企業は0.7%増の9313億4000万元だった。

 8月単月では「規模以上工業企業」全体の利益は前年同月比8.8%減の4481億1000万元で、下落幅は7月に比べて5.9ポイント拡大した。

**********

◆解説◆
 「規模以上工業企業」は中国での経済統計で用いられる用語で、2011年1月以降は年間売上高が2000万元以上の工業企業を指す。
 1996年に同概念が初めて導入された際には年間売上高500万元以上の非国有企業とされ、07-11年は国有企業を含めて年間売上高500万元以上の工業企業と定義しなおされた。

 年間売上高2000万元以上の卸売企業と同500万元以上の小売企業は「規模以上商業企業」と呼ぶ。
 「規模以上工業企業」と「規模以上商業企業」を合わせて「規模以上企業」と呼ぶ。

 集体企業(集体所有制企業)とは労働者が会社資産の51%以上の所有者である企業形態を指す。
 改革開放初期に注目された「郷鎮企業」の大部分は集体企業だった。
 しかし現在は、経済全体において集体企業の果たす役割は後退した。



サーチナニュース 2015/09/28(月) 15:56
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0928&f=business_0928_051.shtml

鉱業企業が大幅減益、
石油・石炭ともに減少幅は60%超=中国1-8月

 中国政府・国家統計局は28日、1-8月の規模以上工業企業(年間売上高2000万元以上)の1-8月における利益額の推移を発表した。(1元=約18.83円)

 製造業は全体として前年比4.5%の増益だったが、鉱業企業は全体で57.3%減の1901億5000万元と利益の大幅な落ち込みを示した。

 石油天然ガス採掘は前年同期比67.3%減、石炭採掘および洗炭は64.9%減だった。

 石油加工・コークス・核燃料製造は50.5%の増益だった。



サーチナニュース  2015/09/29(火) 17:42
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0929&f=business_0929_078.shtml

中国各地の「賃金引上げ」政府指導は10%前後、
広東省では「引き下げ」も容認

 中国政府「人力資源と社会保障部」は29日、2015年における全国各地の(一般労働者に対する)政府の賃上げ指導ライと最低賃金の改正状況を発表した。

 賃上げ指導ラインは省別に「上限・基準・下限」を発表している。
 引き上げ指導が大きかったのは
 天津市の「上限:18%、基準:10%、下限:3%」、
 山西省の「上限:18%、基準:10%、下限:4%」、
 山東省の「上限:18%、基準:10%、下限:4%」、
 河南省の「上限:18%、基準:12%、下限:3%」
など。

 北京市は「上限:16%、基準:10.5%、下限:3.5%」
だった。
 上海市では9月28日現在、2015年分が発表されていない。
 2014年は「上限:16%、基準:12%、下限:5%」だった。

 指導ラインの「基準」は、10%前後の地方が多い。

 広東省では上限が12.5%、基準が8.5%で、下限については「ゼロまたはマイナス成長」
とした。
 理由の説明はないが、政府当局に、輸出の不振などで企業経営が圧迫されているとの認識があると考えてよい。

 最低賃金では
 上海市が月額2020元、
 深セン市は2030元
と、初めて2000元(約3万7600円)を超えた。



レコードチャイナ 配信日時:2015年10月5日(月) 5時0分
http://www.recordchina.co.jp/a120125.html

“世界第2”の経済大国・中国、
失業問題がさらに深刻に―米メディア

 2015年9月29日、米ボイス・オブ・アメリカ(中国語電子版)によると、中国国有の炭鉱企業が3カ月以内に10万人規模の配置転換を行うことを明らかにした。
 世界第2の経済大国となった中国だが、経済成長は鈍化し、失業問題は深刻の度合いを増している。
 今回の大規模な配置転換も氷山の一角に過ぎない。

 香港を拠点に中国本土の労働環境を監視している非営利団体「中国労工通訊(中国労働者通信)」の担当者は、
 「中国では多様な業種・地域で、多数の労働者が解職寸前の状態にある」
とした上で、
 「鉄鋼業やその他の重工業では、すでにこうした解職措置が取られている。
 経済の減速に伴い、とりわけ国有企業では、業績維持のために解職される人がさらに増えるだろう」
と話す。

 政府は環境汚染が避けられない一部の製造業を、中・大都市から地方の小都市に移転を進めている。
 その過程で企業はリストラを行い、ストライキや労働争議が増えている。

 北京理工大学の専門家は、
 「競争力が低く環境への影響が懸念される炭鉱などの斜陽産業で解 職問題が深刻だ」
と話す。
 あるアナリストは
 「若い失業者は、急成長するサービス業などで就業機会がある。
 だが高齢の失業者は難しい」
と指摘する。



東京商工リサーチ 2015/10/5 15:01 東京商工リサーチ
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20151005-00010002-biz_shoko-nb

「チャイナリスク」を認識する上場企業は約2割、694社


●上場区分別チャイナリスク内訳

■上場企業3,613社対象「チャイナリスク」調査

 上場企業3,613社のうち、直近決算(2014.7月期-2015.6月期)の有価証券報告書で「中国」を事業等のリスクとして記載した企業は694社(構成比19.2%)と、約2割を占めた。

 694社のうち、 477社(同68.7%)が事業上のリスクとして「政策・政策ほかの変更」を指摘していた。
 この他、「景気」354社(同51.0%)、テロ・戦争・疫病などの「社会的混乱」300社(同43.2%)も上位にあがった。
 一方、2015年6月の上海株式市場などで起きた中国の株価下落を想定した記載は1社もなかった。

 694社を産業別でみると、製造業が457社(同65.8%)で最も多かった。
 次いで卸売・小売業などが124社(同17.8%)、
運輸・情報通信業が55社(同7.9%)と続いた。

 上場企業は、製造業を中心に安価で大量の労働力を求めて中国に生産拠点を移転し、流通業も人口13億6,782万人を抱える世界最大の巨大市場を魅力に進出した。
 しかし、期待を込めた進出もここにきて人件費やコスト上昇、景気の陰りや為替変動などで、一転して「事業等のリスク」として浮上している。
 今年に入り、
 江守グループホールディングスと第一中央汽船が「チャイナリスク」を要因として倒産
しており、上場企業も中国の動向に目が離せなくなっている。

※上場企業の直近決算(2014年7月期~2015年6月期)の有価証券報告書『事業等のリスク』から、“中国(CHINA)”をキーワードとして抜粋した。
※「チャイナリスク」は、(1)政治・政策(政策・法律・規制などの変更)、(2)景気(中国景気の減速)、(3)社会的混乱(テロ・戦争・疫病・感染症などの社会的混乱)、(4)為替変動、(5)その他(インフラの未整備、エネルギー供給の不足、製品・商品の模倣品など)、(6)人材確保(人材確保、労働力不足)、(7)労働問題(ストライキ)、(8)人件費上昇、(9)資材・原材料高、(10)商慣習(商慣習の相違)、(11)反日・外交関係に分類した。

■上場企業の約2割 「チャイナリスク」を認識

 上場企業3,613社のうち、694社(構成比19.2%)が有価証券報告書でチャイナリスクを認識していた。
 694社のうち、政治・政策(法律、規制など含む)の変更可能性による影響をリスクとしてあげた企業が最多(477社、構成比68.7%)だった。
 次いで、中国の景気動向(354社、同51.0%)、テロ・戦争・疫病・感染症などによる社会的混乱(300社、同43.2%)と続く。
 また、「反日・外交関係の悪化」をリスクとしてあげたのは21社(同3.0%)にとどまった。
 政治・政策・法律などの変更は、具体的には
 「外国企業が受けていた諸優遇措置が廃止・変更される可能性」、
 「税法解釈の変更に伴う租税リスク」、
 「輸入規制や輸出入管理・投資規制・収益の本国送金規制・移転価格税制等に関する予期できない法律・規制の変更等」
などが中心。
 このほか、中国景気の減速は
 「購買力低下に伴う業績への影響」
など、社会的混乱は
 「疫病や感染症の流行で従業員が勤務できなくなる」
などが想定され、様々なリスクとして浮上している(重複集計のため合計社数は694社を超える)。

■新興市場では為替変動がチャイナリスクの上位に

 上場区分別で、東証1部(398社)では政治・政策(法律、規制などの変更)が292社(構成比73.3%)で最多、次いで中国の景気動向221社(同55.5%)、社会混乱188社(同47.2%)と続く。 
 東証2部、地方上場、JASDAQ、東証マザーズでは、政治・政策(法律、規制などの変更)が東証1部と同様に最多だったが、為替変動が東証2部で3番目、JASDAQと東証マザーズでは2番目と、事業上のリスクの上位にあがっている。
 上場企業の多くはリスクヘッジで為替変動リスクに備え、影響を最小限に抑えているが、急激な変動はリスクとして捉えている。
 また、為替変動は連結決算など日本円に換算する時に業績に影響する。
 さらに、為替変動は先行きの原材料価格の上昇リスクにもなりかねず、影響は決して小さくない。

■製造業が最多 多様化するチャイナリスク

 産業別で事業等のリスクとしてチャイナリスクをあげたのは、製造業が457社(構成比65.8%)で最も多かった。
 次いで、卸売・小売業の商業が124社(同17.8%)、運輸・情報通信業が55社(同7.9%)だった。

 製造業は、海外製品との価格競争力の強化から賃金の安い中国に製造拠点を移転し、現地に合弁会社や関連会社を設立してきた。
 しかし、賃金水準の上昇や、中国の自国企業の保護政策などに伴い、以前ほどの利益確保が難しくなりつつある。
 また、製造業はその他の事業上のリスクとして、「製品の模倣品出現」や「技術が模倣される」ことを指摘。
 さらに、特許紛争の発生や電力や水道、輸送、衛生面などのインフラの未整備をリスクとして指摘している企業もあった。
 卸売・小売業でも製造業と同様、衣服などの外部発注を行っている企業では同様にコストアップ、納期や品質問題によるリスクを指摘している。
 また、中国国内に店舗展開する小売業などは中国の景気動向そのものが業績と直結するため、景気動向を事業リスクとして懸念している。

■製造業のうち、電気機器が約3割で最多

 事業上のリスクとしてチャイナリスクをあげた製造業457社の業種別では、
 電気機器が133社(構成比29.1%)で最多。
 次いで、機械62社(同13.5%)、
 化学59社(同12.9%)、
 繊維製品、その他製品が各27社(同5.9%)の順。

 最も多かった電気機器(133社)のうち、政治・政策ほかが100社(構成比75.1%)にのぼり、4社に3社が事業等のリスクにあげた。
 製造業16業種のうち、石油・石炭製品と鉄鋼を除く14業種で、政治・政策ほかが最多を占めた。
 ただ、繊維製品(27社)では「為替変動」が政治・政策ほか(21社)と同数でトップを占めた。

 4月に江守グループホールディングス(株)(東証1部、福井県、民事再生)が中国の取引先からの回収遅延、9月に第一中央汽船(株)(東証1部、東京都中央区、民事再生)が中国の景気低迷の影響を受け、それぞれ倒産した。
 江守グループホールディングスは中国での取引増を事業等のリスクにあげていたが、第一中央汽船はチャイナリスクを指摘していなかった。
 今回の調査ではチャイナリスクを認識している企業は上場企業の約2割という結果となった。
 しかし、グローバル化が進み日本企業と中国経済との相互依存がますます強まるなかで、中国抜きではビジネスが成り立たない上場企業も数多く存在する。

 中国取引の日常化に伴い、リスクを認識できないままにビジネスが進行しているケースもあり、チャイナリスクの潜在的なプレゼンス(存在)はさらに拡大する可能性も否めない。
 中国への進出、販路拡大や生産拠点のシフトは一時的に大きな投資メリットとして寄与したが、ここにきて中国経済の減速、株価下落などが顕在化している。
 大市場の魅力に潜むリスクもまた大きくなっていることを認識すべきだろう。



サーチナニュース 2015/10/19(月) 12:20
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=1019&f=business_1019_023.shtml

中国製造業が衰退、「危険なシグナル」も=中国メディア

 中国国家統計局がこのほど発表した9月の生産者物価指数(PPI)は前年比5.9%の低下となり、43カ月連続で低下した。
 中国のPPIは工業製品の出荷価格が反映され、PPIの低下は工業製品の価格低下を示す。

 中国メディアの中国自動化網は15日、PPIが43カ月連続で低下していることは「経済大国となった中国において、景気の良し悪しを示す工業品価格がこれだけ連続して低下しているのは非常に危険なシグナルだ」と論じた。

 続けて、中国のGDPのうち製造業が占める割合は40%以上に達すると伝え、中国にとって製造業は経済を支える要でもあると指摘。
 9月のPPIが前年比で5.9%も低下したことは、極めて大きな規模のGDPが失われたことを示すと主張し、
 「製造業の衰退と多くの労働者の今後の運命に懸念が高まる」
と論じた。

 さらに記事は、鉄道輸送量や発電量などからも中国の製造業が衰退していることが見て取れると指摘し、中国製造業の衰退をもたらしているのは「人件費の上昇」と「人民元高」の2つにほかならないと指摘。
 特に人民元は2005年に比べて20%も上昇しているとし、
 「中国製の価格競争力はもはや他国にくらべて優位にない」
と論じた。

 続けて、日本企業が中国から東南アジアに工場を移転させているのは
 「政治的要素を除けば、中国での製造コストが上昇してしまったからだ」
と指摘。
 また、世界的に製造業の情報化や知能化が進むなか、中国の取り組みはまだ遅れていると指摘し、
 「米国のメーカーが工場を米国内に移転させているのは、中国製造業の高度化に向けた取り組みが遅れているため」
と主張。

 一方で記事は、中国製造業が高度化を推し進めれば、多くの工場労働者が職を失うことにつながることを指摘し、中国製造業がジレンマを抱え、こうしたジレンマが製造業の危機につながっていると論じた。



サーチナニュース 2015-12-26 20:34
https://www.google.co.jp/?gws_rd=ssl

コスト優位を急速に失う中国製品、
高度化を実現する道は極めて険しい

 人件費が上昇し、これまでのコスト優位を急速に失い、競争力が低下している中国の製造業に危機感を抱いた中国政府は、製造業の高度化を目指す計画「中国製造2025」を打ち出した。

 中国製造2025」とは、発展させるべき重点分野を定めたうえで2049年までに世界に名だたる「製造強国」を目指す計画の第1段階にあたる2025年までの行動指針だ。
 これまでのコスト優位からイノベーションなどを通じた優位を確立し、
 製造業の高度化を実現することを目的
としている。

 現在の中国の製造業は高速鉄道やスマートフォン、家電など一部の分野・企業を除けば、全体としてはまだ立ち遅れた水準にあると言える。
 はたして今後30数年間で中国製造業は世界でトップクラスの水準に達することは可能だろうか
 中国メディアの和訊網は19日、中国工程院の関係者の話として、
 「中国が製造業国になるためには30年、あるいはそれ以上の時間が必要だ」
と伝えている。

 記事は、中国製造業はこれまで安価な労働力を強みとして利益を得てきたとする一方、米国と比較した場合、中国の技術力はあまりにも低いと指摘。
 品質は生産効率も米国とは比較にならないと指摘したうえで、近年は労働力不足という問題も顕在化していると指摘した。
 さらに、中国製造業は過去のように安価な労働力で儲けるという道は閉ざされてしまったと指摘し、もはや「自動化」や「知能化」によって生産効率を高め、品質を高めるしか生き残る道はないと指摘。
 一方で、中国製造業が高度化を実現するための道は極めて険しいものとなると論じた。

 中国では自国の製造業の現状に対して危機感を抱く論調が高まっている。
 すでに韓国や米国では
 「中国製品はかつての安かろう悪かろうから脱却しようとしている」
との指摘も見られるが、こうした危機感が中国製造業を成長させる原動力になっているのかもしれない。



サーチナニュース 2015-12-27 09:32
http://biz.searchina.net/id/1598152?page=1

堅牢性で日本製品に、
精密さで台湾製品に匹敵する中国製品=米メディア

 中国製品はこれまで価格の安さを強みとし、日本などの先進国はもちろん、新興国から開発途上国まで世界各地の市場に浸透してきた。
 価格の安さを最優先とし、品質を犠牲にしたことで「安かろう悪かろう」というイメージが先行する中国製品だが、近年はその評価にも変化が生じつつあるようだ。

 中国メディアの環球網は22日、米メディアが
 「中国製品の品質がにわかに向上し始めている」、
 「服飾から機械、携帯電話にいたるまで、中国製品はその堅牢性で日本製品に匹敵し、精密さでも台湾のハイテク企業に劣らないことを証明しつつある」
と伝えたことを紹介した。

 記事は、日本も当初は玩具などの製造からスタートし、徐々に力をつけて自動車や電子機器などの分野で世界をリードする存在になったと指摘し、中国もかつての日本と同じ道を歩み始めているとの見方を示した。
 さらに、中国製品は他国製品との「品質面」の差を縮めており、これは台湾の企業関係者や経済学者も認めるところだと伝えた。

 さらに、アナリストの見解として、製品の品質を高めるうえで企業が取り得る一般的な方法は国外メーカーに学ぶことであるとし、中国企業は外資企業と設立する合弁会社を通じて、他国製品を分解し、調査研究を行う「リバースエンジニアリング」や「模倣」によって技術を取得し、品質を高めていると論じた。

 近年、世界の家電市場や携帯電話市場でシェアを高める中国企業が増えているように、中国製品が「安かろう悪かろう」から脱却しつつあるのは間違いないと言える。
 あと数年もすれば、日本製品にとって中国製品が強力なライバルとなる可能性も排除できない状況だ。













2015年9月28日月曜日

「チャイニーズ・ドリーム・タウン」の建設へ:韓国に中国人植民地の建設

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サーチナニュース 2015-09-25 11:37
http://news.searchina.net/id/1589875?page=1

韓国・江陵市に中国企業による「チャイナ・ドリームタウン」建設へ=香港メディア



 香港・東網は23日、韓国江原道江陵市が22日に中国企業との協力によるリゾート複合施設
 チャイニーズ・ドリーム・タウン」の建設計画
発表したと報じた。

 記事は「チャイニーズ・ドリーム・タウン」について、敷地面積50万平方キロメートルで中国企業が開発を請け負い、2017年12月までにホテル、別荘、ショッピングセンター、娯楽施設などを建設すると紹介。
 同道にとって中国資本による初めての投資プロジェクトであること、同道や同市がプロジェクトによって現地に1兆1202億ウォン(約1130億円)の経済効果と160億ウォン(約16億1000万円)の税収増を見込んでいることを伝えた。

 また、同市は韓国政府・法務部や同道に対して「チャイニーズ・ドリーム・タウン」の
 不動産投資移民制度適用に向けた申請を提出、遅くとも来年初めには法務部の認可が下りるものと見られることを紹介した。

 記事はそのうえで韓国が実施している不動産投資移民制度についても解説。
 法務部が指定するエリアで5億ウォン(約5040万円)以上の不動産を購入した外国人に対して居住ビザを発給し、5年経過後には永住権を与えるというものであるとした。
 また、現在不動産投資移民制度の対象となっているエリアが、済州道、仁川市の永宗地区、釜山市の海雲台リゾート、東釜山観光園地、全羅南道麗水市の大鏡島、江原道平昌市のアルペンシアリゾートの6エリアであることを併せて伝えた。

 今年(2015年)1月に香港の投資移民制度が停止されたことで、韓国の投資移民制度に注目する動きが中国国内で見られる。
 今後韓国国内で中国資本による大規模な不動産開発プロジェクトが増えることになりそうだ。








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高速鉄道輸出合戦(1):インドネシアの作戦に敗れた中国、中国にとって日本は最大のライバルであり、攪乱者である

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 周辺諸国は日本という中国敵対者を上手に使って、
 いかに中国からお金を引き出して、自国の発展に寄与させるか、
という目標をもっている。
 うまくやれば、ダンピング輸出になり、最新鉄道とすこぶる安く手にいれられる。
 損をするのは中国で、周辺国には利益だけが残る。
 日本は民間だからダンピングはやらない。
 よって、受注に無理を感じたら、
 いかに周辺国に利益になるかの後押しをする
ように動くことになる。
 高速鉄道輸出というのは、一国が独占するものではない。
 その典型例が今回のインドネシア。

 高速鉄道の輸出は均等に、いわば持ち回り的に処理していくのがいい。
 そのくらいのゆとりをもっていないといけないだろう。
 日本と中国がぶつかるプロジェクトは半々ぐらいでちょうどいいのではないか。
 それよりも、都市鉄道網あるいは地下鉄網の企画から工事、その後の運営まで一式請け負うシステムのほうがいいように思える。
 これにはライバルがたくさんいるが。


サーチナニュース 2015/09/28(月) 08:26
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0928&f=business_0928_008.shtml

高速鉄道の海外輸出戦略、日本は最大のライバル=中国メディア

 中国が高速鉄道をはじめとする鉄道インフラの海外輸出に力を入れていることについて、中国メディアの北京青年報は21日、
 「東南アジアにおける最大のライバルは日本」であり、
 中国が海外輸出戦略を推進するうえでの最大の「攪乱者」も日本である
との見方を示した。

 記事は、中国がミャンマーやインドネシアなどの鉄道プロジェクトに対して積極的な売り込みを行っていることを指摘し、
 「いずれのプロジェクトにおいてもライバルが存在するが、中でも最大のライバルは日本」
と主張。
 日本との競争は「まさに熾烈」と指摘した。

 続けて、タイのバンコクとチェンマイを結ぶ高速鉄道プロジェクトにおいて、日本の新幹線導入を前提に事業化調査を行うことで合意し、覚書を交わしたことについて「中国は同路線についての協力でタイ側と協議すら行っておらず、中国は日本と実質的な競争すらできなかった」と指摘した。

 また、インドネシアが一時検討していた高速鉄道プロジェクトにおいても、中国と日本は激しく受注争いを展開したとし、
 「両国は多額の資金と大量の時間を投じ、事業化調査も行った」
と指摘。
 中国側は建設費全額について低利融資や、現地での部品調達や技術移転、人材育成などの優遇策を提示し、日本も「国家の威信をかけた競争」であるとして、中国より「利益が少なくなるような条件」を提示していたと報じた。

 続けて記事は、中国とミャンマーを結ぶ鉄道建設計画について「現時点では日本と競争関係にはない」としながらも、日本は2014年3月にミャンマーに対して78億円の無償援助を提供すると発表していたことを紹介。
 日本によるミャンマーへの援助は「中国に対するけん制である」とし指摘。

 中国が東南アジア各国の鉄道インフラを建設し、連結させることで一帯一路戦略を推進しようとしていることについて、最大のライバルは日本だと指摘したうえで、戦略推進における最大の「攪乱者」も日本であるとの見方を示した。



サーチナニュース 2015-09-29 17:49
http://news.searchina.net/id/1590301?page=1

インドネシアの高速鉄道・・・中国で「情報遮断」か、
中国メディアは自国受注を「日本の記事転載」で報道

 インドネシアが高速鉄道計画で、日本側の提案を採用しないことが明らかになった。
 中国では多くのメディアが同情報を伝えたが、日本時間29日午後5時45分現在、自国側の情報発表にもとづく記事は見当たらず、日本で発表された記事を翻訳・転載したものが並んでいる。

 日本と中国はインドネシアの高速鉄道計画を巡り、激しく争ってきた。
 29日午前になり、インドネシアのジョコ大統領の特使が菅官房長官と会談し、日本側提案の不採用を伝えたという。
 理由は
 「中国から、インドネシア政府の財政負担を伴わずに事業を進められる新たな提案があった」
からという。

 菅官房長官は
 「日本は実現可能な最良の提案を行ったと確信している」、
 「残念だ」などと述べ、インドネシアが方針を急遽変更したこを「理解しがたく、極めて遺憾」
と発言した。

 中国では環球網、捜狐、国際在線(中国国際放送局)、新華網など、多くのネットメディアが同話題を速報した。
 しかし、自国当局などに取材をした記事は、29日午後5時45分現在、見当たらない。

 中国では当局が何らかの思惑で、自ら事情を説明をすることを避け、各メディアが外電にもとづき自国絡みのニュースを報じはじめる場合がある。



サーチナニュース  2015/10/01(木) 06:32
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=1001&f=business_1001_006.shtml

インドネシア高速鉄道、
中国が受け入れた「過酷な条件」=中国メディア

 中国メディアの和訊網は9月28日、インドネシアの高速鉄道プロジェクトを中国が受注することが決定的となったことについて、
★.中国側がインドネシア政府の「過酷な条件」を受け入れた理由を考察
する記事を掲載した。

 記事は、インドネシア政府が高速鉄道プロジェクトを一度は白紙にするとしながらも、再び計画の継続を決めたことに対し、
 「中国が米国西部での高速鉄道を建設することが決定的となったからだろうか」
と主張。

 一方で、
★.インドネシア側が計画を継続するうえで持ち出してきた条件
は極めて厳しいものだったとし、その内容は
 「インドネシア側に財政負担がない点」、
 「インドネシア政府に無担保で融資すること」、
 「事業費や運行速度、駅の数、採用する技術について調整を行うこと」
などがあったと伝えた。

 続けて、インドネシア政府の関係者の話として、
 「中国は条件を受け入れるとインドネシア政府に伝えてきた」
と報じつつ、日本政府側は明確な態度を示さず、「計画の詳細を知る必要がある」とだけ伝えたと紹介。
 さらに日本はこの時点で諦めていた可能性があると論じた。

 さらに記事は、
★.中国側がインドネシア政府の「過酷な条件」を受け入れた理由について、
 「一体何のメリットがあるのか」と疑問を投げかけつつ、
 業界関係者の分析として「同プロジェクトからは恐らく金銭的な利益は出ないだろうが、
 中国は長期的な視点に基づいた利益を優先した」
と指摘。

 インドネシアの高速鉄道プロジェクトは、中国政府が推し進める「一帯一路」戦略の東南アジアにおけるプロジェクトの協力モデルと見なされることになると伝えた。
 さらに、中国側は同プロジェクトを起点にインドネシア政府との戦略的な協力関係を強化しつつ、中国の海上シルクロード戦略とインドネシアの海洋立国に向けた取り組みを結びつけ、その成果を以って世界に中国高速鉄道をアピールする狙いがあると分析した



サーチナニュース 2015-10-01 15:39
http://news.searchina.net/id/1590547?page=1

新幹線を打ち破った
・・・中国高速鉄道が「初勝利」!=中国メディア

 中国メディアの無界新聞は9月30日、インドネシア・ジャワ島の高速鉄道計画を中国が受注することが決定的になったことについて、
 「中国高速鉄道が新幹線に初めて勝利した」
などと伝えた。

 記事は、日本メディアの報道を引用し、
  「インドネシアが日本に対して、中国側の提案を受け入れると伝えた」
と紹介し、これまで世界各国の市場で繰り広げてきた受注競争において「中国高速鉄道が初めて新幹線を打ち破った」と報じた。

 続けて、日本はインドネシア高速鉄道プロジェクトにおいて、11年から実行可能性調査を行い、中国は15年に同調査を終えたばかりだったと指摘。
 さらに、
★.中国側は事業費の無担保での全額融資
などの条件を飲んだうえで、
★.18年に完成させると約束した
と紹介。
 さらに、
★.6割の部品をインドネシア現地で調達することで雇用を創出する計画だ
と報じた。

 また、
★.日本はインドネシアへの融資に対して担保の提供を求めていた
とし、
★.中国高速鉄道の受注が決定的となったのは日本側の条件面が劣っていたため
との見方を示した。
 また、日本側は中国の受注が決定的となったことに「理解しがたく、遺憾」などと不満を示したと紹介した。

 さらに記事は、ジャワ島の高速鉄道計画において、新幹線が中国高速鉄道との競争に敗れたことに対し、国外の有力メディアは「安倍政権にとって大きな挫折であり、日本政府および日本企業にとっても衝撃的な敗北」などと報じたと紹介。
 続けて、中国にとっては
 「日本の影響力が大きい東南アジアにおいて、日本に挑戦し、成功を収めた」
ことを意味するものだと論じた。



レコードチャイナ 配信日時:2015年10月2日(金) 16時51分
http://www.recordchina.co.jp/a120284.html

インドネシアの高速鉄道受注競争でなぜ中国は日本に勝てたか?
中国ネットが議論=
「中国は無料で作るといっている」
「受注ではなく援助

 2015年10月1日、中国の掲示板サイトに、
 「インドネシアの高速鉄道でなぜ中国は日本に勝てたのか」
と題するスレッドが立った。

  スレ主は、
 「インドネシアが出した条件は、
1].政府は資金を提供せず、
2].融資に対する返済保証も行わないこと
だった。
 2つ目の条件を日本は絶対に受け入れることができなかった。
 道理に合わず、融資は日本の税金だから、返済保証がないなら日本政府は動けないのだ。
 でも中国政府は庶民から取ったお金でも、保証なしで人に貸すことができる」と分析した。

これに対して中国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。

中国は無料で造ってあげるといっているんだ。
 日本にはできないよ」
「もうけられるに越したことはないが、損をしても大丈夫。
 バックに13億人の支持があるから」

「確かにリスクはあるが、中国が経営すれば問題はない」
「インドネシアはお金を返せると思うよ。
 人口が多いし、労働集約型産業が興っているから」

「今回の中国は受注したのではなく、援助をするのだ。
 アフリカから東南アジアへ援助の対象が移っただけ」
「中国は第一に影響力、第二にプロジェクトによる利潤を求めるが、日本は第一に利潤、第二に影響力を求めるからだ」

「日本は欧州の難民支援に8億1000万ドル(約970億円)を出すからお金が無くなってしまったのだろう」
「中国政府はいつでも外国に対しては太っ腹だが、国内に対してはいつもお金に困っている」



レコードチャイナ 配信日時:2015年10月3日(土) 6時2分
http://www.recordchina.co.jp/a120271.html

インドネシア高速鉄道、日中受注競争の結末に中国ネットが反応、
「最大の勝者はインドネシア」
「中国はむしろ日本に負けた…」

 2015年10月2日、インドネシアがジャカルタ-バンドン間で計画している高速鉄道プロジェクトをめぐり同国のリニ国営企業相が「中国案が唯一の選択だ」と発言したことに対し、中国のネットユーザーが反応を示している。

 これまで日本と中国が同プロジェクトの受注を争ってきたが、インドネシア政府はこのほど中国案を採用する考えを表明。
 リニ国営企業相は中国案が選ばれた鍵はインドネシア政府の予算や保証を必要しない点だと指摘し、「技術が唯一の基準ではない」と語った。
 また、すでに入札の段階は終わったとして、さらに好条件の案を提示されたとしても中国案以外を採用する考えのないことを明らかにした。

 この報道に対し、中国のネットユーザーからは、これまで方針を二転三転させたインドネシアを批判する声が上がるとともに、
 「中国の高速鉄道の輸出に期待している。
 でも、新幹線ののぞみ号ってかっこいいよね」
 「国民が生活に苦しんでいるというのに、海外のために貢献する!
 これぞわが祖国!」
 「国内には普通の鉄道が通っていない地域だってある」
 「必ずしも中国が勝者だなんて言えないと思う。
 この件で勝ったのはむしろ日本ではないだろうか。
 きっとインドネシアは別の分野で日本に対して埋め合わせをするだろう」
 「最大の勝者はインドネシア。
 2番目は日本。
 中国は国民の税金を使って見えを張る」
 「この先、別の国もインドネシアと同じような条件を要求し始めたらどうなるんだ?」
などのコメントが寄せられている。



サーチナニュース 2015-10-03 10:07
http://news.searchina.net/id/1590695?page=1

高速鉄道を「出しに使って」
・・・国民に「中国嫌悪」植えつけようとする日本政府

 インフラ輸出を成長戦略の重要な柱の1つに位置づける日本に対し、中国も原発や高速鉄道の輸出を加速させている。
  特に東南アジア市場では日中が高速鉄道の受注競争を繰り広げており、インドネシア・ジャワ島の高速鉄道建設計画では中国の受注が決定的となった。

 中国が近年、高速鉄道の技術力を急速に高めているためか、日本では中国高速鉄道に対して高い関心が寄せられており、中国も「自国の高速鉄道」や「各国における受注競争」が日本で注目を集めていることは感づいているようだ。

 中国メディアの海外網は1日、
 「日中の高速鉄道の受注競争の成否について、日本では随分注目が集まっているようだ」
と伝え、日本と中国には政治、経済的な摩擦が存在し、一部では「中国脅威論」まで存在すると伝えたうえで、
 「日本の政治界は高速鉄道市場の争奪戦を利用して世論を操作しようとしている」
と主張した。

 さらに記事は、高速鉄道市場における日中の受注競争に対し、
 「日本が勝てば、日本メディアは『実力で受注した』と報じ、
 中国が勝てば日本メディアは『中国は金銭で買収した』などと報じる」
と批判し、その意図は
 「日本国民に中国嫌悪の感情を植え付けるために違いない」
と主張した。
 また、高速鉄道の受注競争が日本で大きな注目を集めているのは、
 「日本は経済面でも軍事面でも中国に追いぬかれてしまい、今でも自信を持てる存在は唯一、科学技術だけだからだ」
と主張している。

 日本で中国高速鉄道の存在が注目を集めているのは事実だろう。
 日本にとって、中国高速鉄道が新幹線の主要な競合相手であることも注目を集める理由の1つだが、中国高速鉄道が「日本などから提供を受けた技術」で完成したものであることも大きな理由の1つではないか。

 中国側は日本を始めとする国から得た技術を「導入、吸収したうえで改善した」などと主張、中国高速鉄道の技術は「中国が知的財産権を持つ」として海外に高速鉄道の輸出を行っているものの、
★.日本をはじめとする国や企業が中国に高速鉄道の技術を提供した際、
 「中国国内だけでの使用に限定するという条件を付加していた」
という指摘もある



サーチナニュース  2015/10/04(日) 06:32
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=1004&f=business_1004_001.shtml

「日本とも緊密な協力保ちたい」とインドネシア国営企業相
・・・高速鉄道の受注、中国決定に

 日本と中国が受注を争っていたインドネシア・ジャワ島の高速鉄道計画は中国の受注が決定的となった。
 インドネシア政府は一度は計画の白紙化を決めたものの、その後一転して計画の続行を発表。
 さらに、インドネシア政府は日本側に対して、中国案を採用する方針を伝えた。

 中国では東南アジアの高速鉄道市場における新幹線との受注競争において、日本に「初めて勝利した」などと喜ぶ声があがっているほか、失注した日本での反応を紹介する報道も相次いでいる。

 中国メディアの中国新聞社によれば、インドネシアのリニ国営企業相は1日、「ジャワ島の高速鉄道計画にとって中国案が唯一の選択肢だった」と述べ、すでに専門のプロジェクトチームを立ち上げ、中国側と10月末の契約締結を目指し、内容の詳細について協議を行っていることを明かした。

 インドネシアにとって日本は最大の援助国であり、外務省によれば日本は「長年にわたり、インドネシアに対する最大の政府開発援助(ODA)供与国」だ。2012年の実績では、有償資金協力が154億9000万円、無償資金協力が60億9700万円に達し、これらのほかにも多額の技術協力が日本からインドネシアに提供されている。

 日本からのこうした多額の援助が背後にあるためか、リニ国営企業相は「日本と中国は両国とも友好的なパートナー」であり、「インドネシアの経済発展」における重要な力であると延べ、日中両国と今後もインフラ建設において緊密な協力関係を保っていきたいと述べている。

 一方で、中国メディアの参考消息は2日、リニ国営企業相が
 「中国側の計画がインドネシア政府にとっての財政負担が生じない内容」
だったと述べたことを伝え、
 「ジャワ島の高速鉄道計画の入札プログラムは非常に透明性が高かった」
などと述べたことを紹介した。


サーチナニュース 2015-10-05 06:35
http://news.searchina.net/id/1590713?page=1

韓国「高速鉄道事業」 日中に「太刀打ち」できぬ実情

 韓国メディアの韓国経済は1日、日本と中国が高速鉄道事業において躍進を続けている中、入札すら参加できない韓国の実情にせまる記事を掲載した。

 記事によれば、世界各国の大部分で、高速鉄道の多くが「動力分散方式」の車両を採用しているにもかかわらず、
 韓国では未だ実用化できていないと指摘したうえで、
 鉄道車両を製造する代表的な企業の現代ロテム社は「『動力集中型』の商用化しか経験がない」とした。
   さらに、韓国の国土交通部と国土交通部関連企業などが発注する際、動力集中型車両しか発注しなかったことも日本や中国に遅れをとることになったと報じた。

 加えて記事は、現代ロテムが2013年「動力分散方式車両」を開発したにもかかわらず、韓国政府は、安全点検などの問題を理由に商用化に向けての計画を先送りし、導入に遅れていることも日中両国と韓国の明暗を分けたと伝えた。

 また記事は、2010年、韓国国内の技術で作られた高速鉄道(KTX―山川)を商用化することに成功したものの、国外で採用された実績がないどころか、高速鉄道事業発注国が提示した条件を満たすどころか「入札に参加した経験すらない」と伝えた。
 これは、金融支援の不足なども問題にあると指摘する関係者もいるということだ。
 なお同報道では入札参加した経験すらないとしているが、2010年ウクライナに「高速鉄道」を輸出している。
 同鉄道はその後、技術に欠陥があるとしてウクライナ政府の決定により運行が中断された。

 一方、日本や中国をみてみると、タイやインドが新幹線の採用を決めるなど、政府支援をベースに躍進している。
 また、タイとの契約においては「低金利の借款提供と高速鉄道の技術伝授などの条件も提示した」としたとのことだ。
 これに加え、安倍首相も高速鉄道の受注外交に積極的に乗り出していることが、躍進し続けている理由ではないかと報じた。

 中国においては、
 10年前まで高速鉄道関連の技術を全く確保できなかったうえ、
 「2002年には高速鉄道の独自開発に失敗した」と伝えるとともに、
 2004年からは、日本などの外国企業に「自国の高速鉄道事業を奪われたことから一念発起した」と紹介。
 そこから、2008年には「北京―天津間」をはじめとする高速鉄道を開通させ、実績を積み始めたほか、
 2011年に入ると海外受注に乗り出したことをきっかけに、中国政府の強力な支援も加わり、中国の高速鉄道事業が成長していったと報じた。

 これらについて、韓国の業界関係者は「国土部と業界の間では政策的な金融支援が不足している」とし
 「現代ロテム社が狙っているマレーシアーシンガポール間の高速鉄道では、動力分散方式車両で発注される可能性が高く、受注の見通しは明るくない」
と述べたほか、
 アジアの鉄道市場は2019年までに約60兆ウォン(約6兆円)、
 世界の鉄道市場では約230兆ウォン(約23兆円)規模に成長する可能性が高いため、
 韓国政府は高速鉄道事業に積極的に乗り出す必要がある」
と述べたと報じた。



レコードチャイナ 配信日時:2015年11月15日(日) 5時50分
http://www.recordchina.co.jp/a123234.html

高速鉄道めぐる日中対決の全記録
=インドから欧米まで―中国紙

 2015年11月12日、世界各地の高速鉄道市場では、必ずと言っていいほど日中両国の競争が存在する。
 主戦場はインフラ建設と投資を加速中のアジア諸国に留まらず、最近は欧米市場も新たな争奪の地と化した。
 ここでは、高速鉄道をめぐる日中対決の記録を見ていこう。
 第一財経日報が伝えた。

○インド

 今年9月末、中国鉄路総公司が率いるコンソーシアムが、インドの首都・ニューデリーとムンバイを結ぶ高速鉄道のフィージビリティスタディの入札を勝ち取った。

 インドの建設・機械大手ラーセン&トゥブロのCFO(最高財務責任者)は
 「中国の他にも、日本がインドの高速鉄道建設に興味を示していた。
 日中の企業はいずれもラーセン&トゥブロを現地パートナーに選び、コンソーシアムの形でプロジェクト入札に参加することを望んでいた」
と語る。

 中国の高速鉄道の総延長は1万4000キロに達し、世界の高速鉄道総延長の60%以上を占める。
 中国は高速鉄道の営業キロ数が世界で最も長く、建設中の距離数も最大の国となっている。

 注目すべきは、日本が中国よりも数十年早くインド鉄道市場に進出し、市場での信頼度では中国を上回っていた点だ。
 インドに進出したばかりの中国企業は、後発者として大きな試練に直面していたが、コスト・価格面の強みを活かし、中国企業はインド市場で徐々に日韓・欧米各社のライバルへと成長していった。

○インドネシア

 今年10月、日本が4年前にフィージビリティスタディを終わらせていたインドネシア高速鉄道プロジェクトを、後から参戦した中国企業が奪い取った。
 中国案が「唯一の選択肢」となるまでの過程は紆余曲折に満ちていた。
 勝因は、中国の強大な財力と魅力的な投資条件だ。

 インドネシア・ジャワ島の高速鉄道プロジェクト入札において、中国企業はインドネシア政府の財政負担や債務保証を伴わない計画を提出した。
 インドネシア側によると、中国案では融資の保証が必要ないほか、工事期間も日本の計画より短かったという。
 このほか、中国案は合弁経営モデルを選択し、高速鉄道技術のインドネシアへの移転や現地生産を承諾した。
 こうした「技術を以て市場と交換する」やり方は、自国の製造業レベルを高めたいジョコ政権にとって魅力的に映ったのだろう。

 日本メディアは
 「インドネシア・ジャワ島の高速鉄道プロジェクト入札において、中国は強大な財力を背景に、インドネシアの国営会社と提携する計画を提出して受注を獲得した。
 一方の日本は車両価格が割高で、技術面の強みばかりを強調する従来のやり方では立ち行かなくなった」
と自省気味に報じている。

○タイ

 日本はインドネシアでは敗れたが、タイでは受注を勝ち取っている。
 日本・タイ政府は今年5月、タイが計画する高速鉄道に日本の新幹線技術の導入を前提に、共同で事業調査する覚書を締結した。

 日本の国土交通省によると、同路線はタイの首都バンコクと北部の観光都市チェンマイを結び、総延長は約670キロメートル、総工費は120億ドル。

 その後間もなくして、中国も負けじとプロジェクトを受注した。
 9月、中国とタイは6回の交渉を経て、ついに鉄道協力に関する政府間枠組み協定を締結した。
 計画中の路線は867キロメートル。
 タイ北部のノーンカーイ県と首都バンコクを結び、時速180キロ。
 当初の時速250キロ案に比べて建設コストが抑えられた。

○欧米

 日中両国はアジアだけでなく、欧米の高速鉄道市場にも関心を寄せている。
 中鉄建設集団は今年9月、スウェーデン交通局に対し、かつて無いスピードと政府の予想を大幅に下回る価格で、スウェーデンの主な都市間を結ぶ高速鉄道を建設できるとするプランを提出した。
 スウェーデン政府が特に注目したのは、
 ストックホルムとヨーテボリ、マルメを結ぶ高速鉄道がわずか5年で完成するという点だ。

 日中両国の高速鉄道について、スウェーデン交通局の担当者は、
 「中国は過去数年間で大規模な高速鉄道網を建設している。
 伝統的な軌道交通と違い、橋の上に線路を敷設する中国のやり方は、土地を節約することができる。
 このようなインフラは活力があり、持続可能なものだ。
 一方の日本は高速鉄道の建設と運営において長い歴史を持つ」
と指摘している。








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中国のカタログ空軍力(4):「J-11B」戦闘機、現状では自衛隊F-15への対抗は困難

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サーチナニュース 2015-09-28 07:37
http://news.searchina.net/id/1590026?page=1

「J-11B」戦闘機、現状では自衛隊F-15への対抗は困難
・・・レベルアップで圧倒せよ=中国メディア



 中国メディアの新浪網は24日、自国の主力戦闘機「J-11B(殲-11B」は現状では、日本の航空自衛隊の「F-15」への対抗が難しいとの見方を示した。
 J-11Bは改良がすすめられているが、搭載する空対空ミサイルを変更することが有効と論じた。

 記事は、瀋陽飛機工業集団が「J-11B」の改良を進めているとの情報を紹介。
 J-11Bの“進化型”である開発途中の「J-11D」に匹敵する性能を持たせるとみられているが、J-11BとJ-11Dでは機体構造の違いも大きいため、J-11Bの改良はアビオニクス(搭載電子機器)と武器搭載の分野に集中するはずと主張した。

 「J-11」シリーズは、ロシアの「Su-27」を改良して得られた機体だ。
 記事はJ-11Bについて「実際には『Su-27SK』の国産版」と主張。
 J-11Dについては、「Su-30MKK」、さらに「Su-35」からも多くを取り入れたとの見方を示した。

 記事は、J-11Bで採用された中国開発の操縦システムが、J-11Dの操縦システム開発にも役立ったと主張。
 J-11Dは、フランスの「ラファール」戦闘機やユーロファイター「タイフーン」に類似の操縦システムを備えているという。

 記事は、現在進められているJ-11Bの改良について、現有の機械式走査レーダーからアクティブ・フェーズドアレイ・レーダーへの換装である可能性が高いと主張。
 J-11Bは重戦闘機であり、多くのミサイルを搭載できるため、アクティブ・フェーズドアレイ・レーダーへの換装は効果が高いとの見方を示した。

 記事に対して、自国空軍の「Tu-154MD」電子戦機が日本領空に接近した際にスクランブル(緊急発進)してきた航空自衛隊のF-15の写真を分析。
 空対空ミサイルの中でも新型の「AAM-5」を搭載していると指摘した。

 さらに、AAM-5はJ-11Bが搭載している「PL-8B(霹靂8-B)」よりも優秀と説明。
 ただしJ-11Bも、新型空対空ミサイルの「PL-10」を搭載できるように改良すれば、AAM-5を搭載するF-15に対抗できると主張した。

 記事は最後の部分で、早期警戒管制機の「KJ-500(空警-500)」と最近になり試験発射に成功したとされる空対空ミサイルの「PL-15」をJ-11Bに組み合わせれば、「周辺国と地域の現有作戦機を完全に圧倒できる」と主張した。


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◆解説◆
 記事中の「AAM-5」は、航空自衛隊が装備する短距離空対空ミサイル「04式空対空誘導弾」の開発時の名称。
 開発・量産の主契約会社は三菱重工業。

 中国は9月15日に「PL-15」の試射を実施。無人機1基を撃墜するなど、成功を収めたという。



ロイター  2015年 10月 9日 19:20 JST
http://jp.reuters.com/article/2015/10/09/china-military-idJPKCN0S312J20151009

中国航空工業、
新型ステルス戦闘機「J―31」の仕様公開=英字紙

[北京 9日 ロイター] -
 国有防衛航空機大手の中国航空工業集団(AVIC)が航空ショーで、新型ステルス戦闘機「J―31」の仕様を公開したことが分かった。
   国営英字紙チャイナ・デイリーが9日報じた。

 中国の防衛関連会社がこうした情報公開に踏み切るのはまれ。
 米ロッキード・マーチン製の最新鋭ステルス戦闘機「F35」に対抗し、国外から買い手の関心を引くのが狙いとみられる。

J―31は現在、試験段階だという。



サーチナニュース 2015-10-19 10:45
http://news.searchina.net/id/1591721?page=1

「J-11B」戦闘機のパワー不足、
エンジンだけの問題ではなかった=中国メディア

 中国の大手ポータルサイト「新浪網」はこのほど
  「J-11B戦闘機に、エンジンを恨む資格なし。
 設計の段階で推力を浪費」
と題する記事を掲載した。

 「J-11B(殲-11B)」は、ロシアの「Su-27」を中国が改良した戦闘機だ。
 中国は「Su-27SK」のライセンス生産を1995年に始めたが、その後、ロシア側の了承を得ないで「J-11B」を開発した。

 しかしその後もロシアから中国への兵器類輸出は続いている。
 ロシア側が契約違反を理由に中国を一方的に「切り捨てる」ことができないのは、軍需産業の維持のためには、どうしても収入が必要だからだ。

 J-11Bの原型機であるSu-27に搭載されているエンジンは、ロシアの「サトゥールン科学製造合同」が製造する「Al-31F」だ。
 中国は自国で開発中だった「WS-10(渦扇-10、太行エンジン)」のJ-11B搭載を考えた。

 WS-10の開発は1980年代後半に始まったが、難航した。
 設計だけでなく、生産における品質管理にも問題が出るなどで、
 2009年1月の時点でエンジン寿命が30時間ほどしかなかったとされる。

 その後の改善で、2013年後半までにWS-10は性能と信頼性を獲得し、戦闘機への搭載も始まったとされる。
 しかし中国では現在もしばしば、WS-10の問題を指摘する記事が発表される。

 新浪網はJ-11Bの推力不足について、WS-10だけの問題でないと主張。
 まず、WS-10は、米ゼネラル・エレクトリックの「F110」エンジンを参考にしたと指摘。
 同エンジンは、亜音速領域での推力を重視し、その目的のために空気吸入量が大きいと説明。

 ところが、J-11BはWS-10よりも空気吸入量が少なくて済むAl-31Fの搭載を前提に設計されている。
 WS-10搭載のための変更が不十分であり、エンジンが十分な量の空気を吸入することができない。
 そのため、WS-10は性能を不十分にしか出せないという。

 記事はWS-10を搭載したJ-11Bについて
 「超音速に移行する段階で、性能低下が非常に大きい」
との考えを示した。

 中国では自国の戦闘機開発について、エンジンの技術の遅れを指摘する記事はしばしば発表されているが、機体設計や製造については
 「Su-27のライセンス生産により、高いレベルを獲得した」
などと称讃する場合がほとんどだ。
 機体設計にも問題があるとする記事は珍しい。



サーチナニュース 2015-10-19 16:41
http://news.searchina.net/id/1591801?page=1

米戦闘機「F-22」に勝てる!
・・・中国十八番の「質より量」作戦、
安価な「J-10」を大量投入
=中国メディア



 中国メディアの環球網は19日、ロシアでの報道を引用して、自国の安価な戦闘機「J-10(殲-10)」を大量に投入すれば米戦闘機「F-20」に対抗できると主張した。

 現在の中国が、主力戦闘機として運用しているのは、ロシアの「Su-27」の自国改良版である「J-11(殲-11)」シリーズだ。
 ただし同シリーズの戦闘機は高価であるため、機数確保のために、
 軽戦闘機として開発された「J-10」
も使用している。

 J-10の1機価格は2800万ドル(約33億3800万円)とされる。
 一方のF-22は1億5000万ドル(約178億8400万円)だ。

 記事は、F-22の空中戦能力は他の戦闘機よりも高いと論じた上で、電子戦が同時に進行することを考えれば、F-22の優位さは薄れると主張。
 さらに、F-22が搭載可能なミサイル数は十分でないとの見方を示した。

 記事はさらに、F-22の生産台数は186機で、試験用や「在庫」を除き、実戦配備されているF-22は123機と指摘。
 F-22は絶対量が不足していることもあり、中国軍がJ-10を大量に投入すれば勝利する道が開け、さらにJ-10は安価であるため、中国は大量に失っても経済面での負担に耐えられると論じた。

 中国は武器、装備の劣勢さを「人海戦術」で補ったことがある。
 典型的な例は1950年代前半の朝鮮戦争だ。
 米軍を主力とする国連軍は北朝鮮軍を中朝国境近くまで追いつめたが、中朝国境を越えて参戦した中国人民志願軍に圧倒された。
 中国側の戦術が巧みだったこともあるが、膨大な兵員を投入する人海戦術で、国連軍側は弾薬などの補給が追い付かなくなったという。

 1979年の中越戦争でも中国軍はソ連製の武器を駆使して闘うベトナム軍に苦戦した。
 この戦争でも中国は人海戦術を実施したとされる。

**********

◆解説◆
 上記記事の「J-10を大量投入すればF-20に勝てる」の論法は、パイロットの損失を考えに入れていない。
 自機を撃墜されても脱出に成功することはあるだろうが、かなりの数のパイロットを失うことになる。
 パイロットの育成には資金だけでなく、かなりの時間もかかるため、補充はかなり難しいと考えねばならない。

 第二次世界大戦時の日本も、太平洋戦争半ばまでに優秀なパイロットの多くを失ったことが、戦力低下に拍車をかけたとされる。


レコードチャイナ 配信日時:2015年12月27日(日) 16時0分
http://www.recordchina.co.jp/a125951.html

人民解放軍戦闘機の墜落事故、
その原因が判明―中国

 2015年12月26日、CCTVは記事「東海艦隊戦闘機墜落事故の原因が判明、機内には銃弾200発」を掲載した。

 中国人民解放軍海軍の東海艦隊で17日、戦闘機の墜落事故が起きた。
 機関銃の銃弾200発を搭載したままでの墜落だったという。
 墜落機はパイロットの操作により住宅密集地を避け、大きな被害はなかった。
 また乗員2人も脱出し無事だった。

 調査により事故原因が判明した。体重1キロ程度のマガモがエンジンに吸い込まれたことでエンジンが停止したという。
 鳥と航空機の衝突事故、いわゆるバードストライクは全世界共通の悩みだ。
 全世界で年に2万件以上発生しており、深刻なリスクとなっている。






「生計型」の売春を認めよ!:韓国の売春従事者団体の訴え

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レコードチャイナ 配信日時:2015年9月24日(木) 21時43分
http://www.recordchina.co.jp/a119625.html

韓国の売春従事者団体、
「生計型」の売春を認めるよう訴え
=「政府は海外での売春をなぜ管理しない?」
「国が管理するのは人権侵害だ」―韓国ネット

 2015年9月23日、韓国・聯合ニュースによると、売春従事者約1000人がソウルで集会を開き、生計を立てるための自発的売春を認めるよう訴えた。

 売春従事者の集まりである
 「ハント全国連合・ハント女性従事者連盟」
所属の約1000人が23日午後、ソウル普信閣の前で集会を開き、
★.売春特別法(売春斡旋などの行為の処罰に関する法律)を廃止し、
 生計型・自発的売春を認めるよう
訴えた。
 参加者は
 「少数弱者である売春街性労働者の人権と生存を脅かす悪法である売春特別法の違憲判定を望む」
とする一方、
 「非生計型のルームサロン・マッサージパーラー・休憩部屋などの風俗店はしっかりと処罰しなければならない」
としている。
 さらに、最近、国際人権団体アムネスティが
 「売春非犯罪化決議を採択した」
という事実に言及し、
 「政府はこの決議に耳を傾けなければならない」
と強調した。

この報道に、韓国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられている。

「売春をなぜ合法化する必要がある?
 いろんな病気の原因にもなる。
 売春は徹底的に取り締まって関係者を拘束すべき」
「需要があるから売春が減らないんだ。
 売春が駄目だと言う人は、まず自分が買春することを止めなさい」
「合法化されたら、家庭の主婦も家計を助けるために売春するようになるだろうな」

「多くの韓国女性が海外で売春しているのに、韓国政府はなぜ管理しない?」
「自分の体を自分が売るというのに何の問題がある。
 魂を売って食べている人よりはるかに良い」
「(売春を)国が管理するのは人権侵害だ」

「売春の合法化を支持する。
 売り手と買い手の双方が合意して成り立っているビジネスだ」
「売春自体を違法としてしまったら、売春業に従事する女性が不当な扱いを受けたり、暴行を受けたりしても、どこにも訴えことができない。
 女性の人権を尊重するなら、最低限の保護措置は講ずるべきだ」
「時代が変われば私たちの考え方も変える必要があると思う。
 それに売春は人類が滅亡しない限り、絶対に無くならないだろう。
 まず、制度的に売春を保護しながら、徐々に人々の認識を変えていくしかないだろう」
















2015年9月26日土曜日

南シナ海波高し(2):中国の人口島とフィリピンの旧アメリカ海軍基地を整備

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JB Press 2015.9.24(木) 北村 淳
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44833

人工島に軍用滑走路出現、南シナ海が中国の手中に
米国の批判も時すでに遅し、誕生しつつある南沙基地群


●ファイアリークロス礁での基地施設建設状況(写真:CSIS/AMTI)

 9月に入ってから撮影された南沙諸島の航空写真(CSIS/AMTI発表)によると、中国が南沙諸島に建設している人工島のファイアリークロス礁とスービ礁、それに中国が以前より占拠しているミスチーフ礁の3カ所で、軍用基地として使用可能な3000メートル級滑走路がそれぞれ建設されているのが確認された。

■急がれていた南沙諸島への拠点確保

 これまでのところ、人民解放軍の南シナ海に対する前進拠点は、西沙諸島の「永興島」であった。

 永興島は、軍・政府関係者ならびに漁業関係者をはじめとする民間の人々も居住して1500名ほどの人口を抱え、南シナ海の“中国の海洋国土”を管轄する三沙市行政機関が設置されている。

 そして、人民解放軍海軍部隊と武装警察部隊が常駐しており、2700メートルの滑走路を有する航空施設(ちなみに沖縄の米海兵隊普天間基地の滑走路も2740メートルである)と5000トン級の艦船が接岸できる港湾施設が設置されている。

 したがって、中国海軍の各種戦闘機はすべてこの航空施設を利用することができ、中国海軍フリゲートやコルベットも永興島港湾施設を前進拠点とすることができる。

 このように、海南島の海軍基地や航空基地からはおよそ400キロメートル、そして中国本土広東省の航空基地からはおよそ600キロメートル南シナ海に前進した永興島は、海軍の前進拠点と考えることはできた。

 しかし、その前進拠点からでも南沙諸島の中心海域までは750キロメートル(400海里)前後はある。
 そのため、万一フィリピン沿岸域にアメリカ空母が展開した場合には、人民解放軍戦闘機は圧倒的に「距離の不利」に直面してしまう。
 また軍艦、とりわけコルベットやミサイル艇など小型軍艦の場合、永興島から南沙諸島まで急行しても半日以上かかる。
 このように南沙諸島での作戦行動には、何と言っても「距離の制約」がつきまとっていた。

 したがって、中国海軍や海軍よりも頻繁にパトロール活動を展開することになる中国海警(沿岸警備隊)にとっては、南沙諸島に前進拠点を確保することは絶対に必要であり、それも急務とされていたはずだ。


●スービ礁での滑走路などの建設状況(写真:CSIS/AMTI)


●ミスチーフ礁での建設状況(写真:CSIS/AMTI)

■あっというまに姿を現した人工島

 本コラムでも2013年以来しばしば南シナ海問題を取り上げてきたが、中国による人工島建設を直接取り上げたのは2014年6月であった。
 それは、「ジョンソンサウス礁での埋め立て作業が確認され、ファイアリークロス礁での埋め立て計画も明らかになった」という状況であった(本コラム、2014年6月26日「着々と進む人工島の建設、いよいよ南シナ海を手に入れる中国」)。

 その後、中国による南沙諸島での環礁埋め立て、すなわち人工島建設は急速に進展し、2014年10月にはファイアリークロス礁に加えてジョンソンサウス礁、そしてガベン礁での人工島建設が確認された(本コラム2014年10月16日)。
 それから半年後には、さらにクアテロン礁、そしてヒューズ礁でも人工島建設が確認された。
 そして、ファイアリークロス礁には3000メートル級滑走路や港湾施設が建設されるであろうとの予測も紹介した(本コラム、2015年3月12日「人工島建設で南シナ海は中国の庭に」)。

 引き続き2015年4月にはスービ礁でも人工島建設が確認され、南沙諸島での中国による人工島建設は6カ所に達した。
 この他、人民解放軍が占拠しているミスチーフ礁でも埋め立て作業が活発になっている状況も確認され、中国による7カ所の人工島建設作業が確認されたのだ。

 ことここに至って、ようやくアメリカ政府は中国に自制を求め、G7外相会合でも懸念が表明されるに至った(本コラム、2015年4月23日「もうどの国にも止められない中国の人工島建設」)。

 もちろん、中国にとっては“外野からの雑音”など何の影響も与えることにはならず、人工島建設は急ピッチで進められた。
 しかし、ファイアリークロス礁に建設されていた滑走路が着々と完成に近づき、その他の人工島でも滑走路や港湾施設それにヘリパッドなどが次々と建設されつつある状況に業を煮やしたアメリカ海軍が、CNN取材陣を搭乗させて「人工島建設状況の実況中継」をするや、ようやくアメリカ政府も強く中国を批判するに至った(本コラム、2015年5月28日「中国の人工島建設に堪忍袋の緒が切れつつある米軍」)。

 それからしばらくすると、中国政府は人工島建設打ち切りの意向を表明したが、実際にはほぼ完成に近づいていたのである。

■まもなく“南沙基地群”が誕生

 その後も人工島内の航空施設や港湾施設それに格納庫をはじめとする様々な建造物の建設が続けられ、冒頭で述べたように9月上旬に撮影された航空写真には、3つの人工島にそれぞれ滑走路が誕生しつつある状況が確認された。
 中でもファイアリークロス礁の航空施設は滑走路や格納エリアなど稼働が間近に迫っているのが明らかである。

 いずれも3000メートル級滑走路であるため、人民解放軍の戦闘機や爆撃機それに哨戒機や早期警戒機などあらゆる航空機の発着が可能である。
 それらの環礁・人工島には、航空施設と同時に港湾施設も建設されており、少なくとも3カ所の統合海洋基地が出現することになるのは確実だ。

 また、他の人工島にもヘリパッドや小型機用の滑走路と港湾施設が建設されているため、人工島をネットワーク化することにより、極めて強力な「人民解放軍南沙基地群」が誕生する運びとなるであろう。

■日本にとって鬼門となる南シナ海

 「南沙基地群」を拠点として幅広い活動を展開するのが、沿岸警備隊である中国海警の巡視船ということになるであろう。

 そして、巡視船の背後で睨みをきかせるのが中国海軍だ。
 中国海軍は「南沙基地群」にコルベットや高速ミサイル艇それに哨戒機などを配置して、南シナ海中部から南部にかけての海洋統制力が格段に強化するものと思われる。

 また、中国空軍の早期警戒機も配備され、人工島に設置されるレーダー施設とあいまって、南シナ海全域の航空統制力も確実に中国優位になるものと考えられる。
 米軍関係者の多くは「中国が南シナ海の広範囲にわたる空域に中国版ADIZを設定するのは時間の問題」と覚悟を決めている。

 このように人民解放軍が「南沙基地群」という前進拠点を手にすることにより、南シナ海はますます名実ともに“中国の海”と化すことは避けられない。

 そして有事においては、人民解放軍のミサイル爆撃機や戦闘攻撃機が南沙基地群を拠点にすることにより、フィリピンやインドネシアはもとよりオーストラリア北西部も攻撃圏内に収めることとなる。
 そのため、それらの海域のシーレーン(日本にとっては南シナ海シーレーンの迂回航路)も完全に人民解放軍のコントロール下に入ってしまうこととなる。

 このように、南沙諸島の人工島に姿を表しつつある「南沙基地群」の誕生によって、南沙諸島をめぐり中国と紛争中の諸国のみならず、日本やアメリカにとっても南シナ海は極めて厄介な海となることは確実である。



レコードチャイナ 配信日時:2015年9月26日(土) 14時56分
http://www.recordchina.co.jp/a119810.html

中国が南シナ海に3本目の滑走路を建設、
「国際社会に有益」と人民解放軍―中国メディア

 2015年9月24日、中国新聞網は記事
 「中国が南シナ海に3本目の滑走路を建設か?国際社会に有益と中国軍」
を掲載した。

 24日、中国国防部の定例記者会見が開催された。先週、衛星車写真で南シナ海のミスチーフ礁に滑走路建設が進められていることが発覚した。
 中国による南シナ海での滑走路建設は3本目となるが、なにを目的しているのか、記者が質問している。

 呉謙(ウー・シエン)報道官は、南シナ海の南沙諸島は中国が主権を擁していると言明、その上で軍事以外の総合的な目的のために設備を建設していると説明し、特定の国を敵視するものではなく、国際社会にとっては有益だと発言している。


テレビ朝日系(ANN) 9月26日(土)13時56分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20150926-00000020-ann-int

 フィリピンが中国牽制 基地再整備で米軍共同利用へ



 南シナ海の領有権問題で中国と対立するフィリピンは、アメリカ海軍の基地だったスービックをメディアに公開し、今後の基地整備計画について説明しました。

 かつてアジア最大規模のアメリカ海軍の基地だったスービックは1992年にフィリピンに返還され、現在は経済特別区となっています。
 中国が南シナ海での実効支配を強めたことから、フィリピン政府は去年、アメリカ軍の基地使用を許可する軍事協定を結びました。
 憲法では外国軍の駐留は禁止されていますが、フィリピンが再整備を行い、軍を駐留させた後、アメリカ軍が共同利用するということです。
 フィリピン軍による基地の再整備はアメリカ軍の本格回帰につながる動きともいえ、海洋進出を進める中国を牽制(けんせい)する狙いがあります。



日本テレビ系(NNN) 9月27日(日)8時26分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20150927-00000004-nnn-int

 南沙諸島で中国の3000m級滑走路完成か



 イギリスの軍事専門誌「IHSジェーンズ」は今月20日に撮影された衛星写真を分析し、中国が建設している南沙諸島・ファイアリークロス礁の人工島に長さ3125メートルの滑走路が完成したことを明らかにした。

 運用開始が近いとみられ、「IHSジェーンズ」は「中国が南沙諸島で空からパトロールすることが可能になる」と指摘している。



ロイター 2015年 09月 28日 07:56 JST
http://jp.reuters.com/article/2015/09/27/us-japan-thirdfleet-idJPKCN0RR12C20150927?pageNumber=2&sp=true

米第3艦隊が西太平洋へ活動拡大の動き、海自式典に司令官派遣

[東京 28日 ロイター] -
 米海軍第3艦隊の活動が、東太平洋から西太平洋へ広がろうとしている。
 米軍首脳は、第7艦隊と第3艦隊の管轄海域を分ける境界線の撤廃を示唆。
 両艦隊が協力し、不安定さを増すアジアへの関与を強めたい考えだ。

<東西の境界線撤廃を検討>

 海上自衛隊は10月18日、安倍晋三首相が部隊を視察する観艦式を神奈川県横須賀市で行う。
 米国、豪州、韓国、フランス、インド
の海軍を招待しており、米軍関係者によると、同国からは第3艦隊司令官のタイソン中将が代表者として出席する。

 第3艦隊は日付変更線を境に太平洋の東半分を管轄。
 日本を含む西太平洋は第7艦隊の活動海域だが、
 両艦隊を指揮下に置く米太平洋艦隊のスウィフト司令官は、境界を取り払う考えを示している。

 スウィフト司令官は第7艦隊の母港である横須賀を9月7日に訪問した際、「現在の情勢下、タイソン中将がもっと前方に出ていったとしても驚くべきことではない」とあいさつ。
 第3艦隊の母港がカリフォルニア州サンディエゴから移転することはないが、
 2つの艦隊が「最も不安定な地域で活動できるようになる」と語った。

 太平洋艦隊の関係者によると、境界線の撤廃はまだ構想段階だという。
 しかし、第3艦隊の役割を公式に西太平洋へ広げることになると、関係者の1人は指摘する。
 第7艦隊司令官のアーコイン中将ではなく、タイソン中将が米海軍の代表として海自の観艦式に参加することは、そうした動きを示唆していると、同関係者は言う。

 米軍関係者によると、第3艦隊が西太平洋で活動する場合、現状では第7艦隊の指揮下に入る。

<海自とも関係強化>

 ただ、2020年までに海軍戦力の6割をアジアへ集中させるオバマ政権のリバランス(再均衡)政策の一環ではないという。
 米シンクタンクの新アメリカ安全保障センターのラップフーパー研究員は
 「第3艦隊はアジア太平洋で象徴的に存在感が高まるかもしれないが、
 戦略的に重要な意味合いがあるのかどうかは分からない」
と話す。

 日本では、集団的自衛権の行使を可能とする新たな安全保障法制が成立した。
 海自はもともと第7艦隊との関係が深いが、第3艦隊とも関係が強まるだろうと、太平洋艦隊の関係者は言う。

(ティム・ケリー 久保信博 編集:田巻一彦)



ロイター 2015年 11月 16日 13:05 JST
http://jp.reuters.com/article/2015/11/16/japan-philippine-idJPKCN0T509220151116

日・フィリピン、防衛装備の移転協定に大筋合意へ=関係者

[東京 16日 ロイター] -
 日本とフィリピン両政府は、防衛装備の移転協定に大筋合意する方向で調整に入った。
 哨戒機など自衛隊の中古装備をフィリピン軍に供与することが念頭にある。
 中国の人工島をめぐって地域の緊張が高まる中、日本は東南アジア諸国の海洋安全保障の能力支援を通じ、南シナ海問題へ関与を強める。

 両国政府の複数の関係者によると、安倍晋三首相とフィリピンのアキノ大統領が今週、マニラで開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会合に合わせて会談し、合意する見通しだ。

 第三国への技術流出を防ぐルールなどを定めた防衛装備協定を日本が結ぶのは、
 米国、英国、オーストラリア、フランスに続き5カ国目。
 これまでは潜水艦など武器の共同研究・開発に取り組むために締結してきたが、
 フィリピンの場合は自衛隊の中古装備を供与して軍事力の向上を支援することが主眼にある。

 日本が具体的に供与を検討しているのは、海上自衛隊が操縦訓練に使う航空機「TC‐90」や対潜哨戒機「P‐3C」。
 南シナ海で中国と領有権を争うフィリピンの海上監視能力の強化につながるとみている。
 日本は今後、国有財産の中古装備を無償や低価で供与可能にする枠組み作りを国内で進める。

 南シナ海に人工島を造成した中国に対し、米国は艦船や爆撃機を同海域に派遣した。
 日本はフィリピンやベトナムなどの海洋安全保障の能力を支援したり、共同訓練を増やすことなどで、中国をけん制する姿勢を強める。
 インドネシア、マレーシア、インドとも装備協定を結ぶ方向で協議をしている。

(久保信博、ティム・ケリー 編集:田巻一彦)





●【石平】 中国崩壊 追いつめられた習近平は戦争するしかない!!!
2015/09/16 に公開








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