2015年11月7日土曜日

中国人観光客の明日の行方(3):中国人購買力の「国外流出」、「maide in Chaina」は売れず、「匠」の下積みはムダ?

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サーチナニュース 2015-11-07 07:35
http://news.searchina.net/id/1593573?page=1

中国人の購買力が「国外流出」
いったい誰が悪いのか=中国メディア

 昨今、春節や国慶節など、中国国内の大型連休がやって来るたびに、日本を訪問する中国人観光客の熱狂ぶりがクローズアップされるようになった。
 「爆買い」という言葉に示される中国人の強力な購買力は、日本にとどまらず世界各地の観光業界や商業界に恩恵を与えている。

 一方で、中国国内ではご自慢の購買力が国外にどんどん流出してしまっており、自国に還元されていないとの認識が目立ち始めた。
 中国メディア・経済参考報は5日、「購買力の国外流失」に至った背景と問題点について論じた記事を掲載した。

 記事は、中国人の国外旅行者数と購買力が3年連続で世界一となり、
★.今年の中国人の海外での消費額が1940億米ドル(約23兆5700億円)に達する見込み
であると紹介した。
 そのうえで、日本やドイツ、韓国、チェコ、スペイン、オーストリアなどで中国人観光客が高級ブランド品や生活用品をこぞって買い求めていると報じた。

 また、
★.日本の日用品をはじめとする商品の代理購入業も花形ビジネスになっており、
★.この業態の発展によって関税収入の大量流失も生じている
とした。

 そして、
★.高級ブランド製品の中国市場価格が香港や米国、フランスに比べて50-70%程度高いなど、国内外における価格差が大きいこと、
★.免税店など国内の高級小売業の発展が遅れていること、
★.そして国内商品の品質が消費者の信用を得られていないことを、
「購買力の国外流失」の理由に挙げた。
 さらに、復旦大学の専門家が
 「現状、レベルアップした中国人消費者のニーズに対して、産業が追いついていない」
と説明したことも併せて紹介した。

 国外でしか味わえないような貴重な体験をするために多額の消費をするというのは納得が行くが、わざわざ国外に行って日用品を買い求めるという現象にはやはり違和感を覚える。
 中国の小売業や製造業の現状では、莫大な購買力を持つ中国人消費者は「宝の持ち腐れ」ということなのだろう。

 品質が高く、訴求力がある製品が中国国内市場に並ぶようになれば、外国に目が向きっぱなしの中国人消費者を振り返らせることができるだろう。
 それだけにとどまらず、世界からも中国製品を慕ってぞくぞくと買い物にやって来るようになるはずである。



東洋経済オンライン 2015/11/7 06:00 印南 志帆
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20151107-00091411-toyo-nb

資生堂、再建中の中国事業でまさかの誤算

 「営業部員が離職して営業が一部機能不全になった。
 その結果、8月の後半からは化粧品専門店の売り上げが大きく落ちるという状況が出てきた」。

 10月30日に開かれた資生堂の決算説明会で魚谷雅彦社長の口から明かされたのは、目下再建中の中国事業で発覚した、まさかの誤算だった。

 日本事業の売上高は、前年同期比11%増の1745億円。
 中国人を中心とした訪日観光客に大人気の高級ラインが店頭売り上げで30%以上成長したうえ、ブランド改革に着手してきた「エリクシール」や「マキアージュ」などの中価格帯も市場の伸びを上回った。
 粗利の大きい高価格帯が伸びたことで、部門営業利益は前年同期比42.8%増の180億円。
 利益率は2.2ポイントアップし、10%の大台に乗った。
 訪日観光客消費による売り上げ押し上げ分は、会社側が把握するだけでも1~9月で130億円を超える。

 一方、不振だったのが中国事業だ。
 中国事業の売上高は前年同期比7.6%減の629億円。
 これを受けて、今期掲げていた中国事業の通期8%成長は3%に見直された。

 その結果、会社全体の通期売上計画は7月発表の会社予想に比べて50億円減収となる7600億円に急きょ下方修正、市場で当初は上方修正が期待されていた営業利益は300億円に据え置きとなった。

 いったい、中国で何が起きたのか。

■組織・待遇の変更で、営業部員が離反

 最大の原因は、現地生産の「ウララ」をはじめとした化粧品専門店向けの4ブランドが、営業部員の離反により大きく売り上げを落としたことにある。
 「営業部員との十分なコミュニケーションが取れていなかった」。
 魚谷社長はこう振り返る。

 2014年に社長に就任して以来、中国事業の低迷の原因となっている病巣に矢継ぎ早にメスを入れてきた魚谷社長。
 昨年10~12月には、130億円の在庫引当金を計上し、売り上げを膨らませるための過剰出荷によりだぶついていた百貨店向けの流通在庫を大量処分。
 次いで、CSO(最高戦略責任者)として招聘した経営コンサルタントのラルフ・アーベック氏を、中国のトップに据えて、経営体制を整えた。
 急激に拡大するeコマース市場への対応も急いだ。

 その一環として、今年4~6月にも在庫処分を実施し、これと並行して、従来はブランドごとに担当者がいた化粧品専門店向けの営業体制を効率化し、7月には給与体系も、成果給によりウェイトを置くものに変更した。
 これらの改革により、下期からは軌道に乗り、今期は8%成長、2017年には11%成長のシナリオを実現していくはずだった。

 しかし、「魚谷改革」がアピールするスピード感が、今回ばかりは性急さとして裏目に出た。
 突然の組織・待遇の変更によって会社に不信感を抱いた営業部員の離反により、商品が売れたまま補充されない、果ては店頭から資生堂の什器が撤去されてしまう、といった状況に陥り、専門店の売り上げは3割落ちた。
 問題が発覚したのは9月はじめのこと。魚谷社長は即座に中国に飛び、その陣頭指揮のもとで緊急体制が敷かれた。
 卸機能を担う代理商とも会議を開き、信頼の回復に努めた。

 経営体制も一新された。
 10月16日には、就任して1年も経たない中国トップのラルフ・アーベック氏と現地法人総経理の高野茂氏がともに座を退くことが発表され、当面の間は魚谷社長の「直轄領」とした。
 東京本社に置かれた中国プロジェクトチームが、直接指揮を執るかたちだ。

 したがって、現地法人に権限を委譲し、現地に合ったマーケティングを進めるために来年1月から本格的に始動する「地域本社体制」では、中国地域本社のみ、トップが空席となる。
 「ひとまず出血状態は止めることができたと思っている」。
 魚谷社長は力強くそう語るが、欠けた営業部員の補完や代理商との関係修復には、今後も時間がかかる模様だ。

■日本製が人気、中国製は売れず

 今回明るみに出たこの内部動乱は、あくまで一時的なものに過ぎない。
 じきに営業体制は回復するだろう。
 それでもなお、アナリストたちからは改革路線を疑問視する質問が相次いだ。
 中国事業回復の行く手を阻む、2つの根本的な問題への解決策が示されていないからだ。

1].1つ目の問題は、
 売り上げ全体の約7割を占めるのが「オプレ」(百貨店専用)や「ウララ」(化粧品専門店専用)など中国製の化粧品であることだ。

 今回の決算を見てみると、
★.日本から輸出されている、高級ラインの「SHISEIDO」や「クレ・ド・ポー・ボーテ」が好調
な一方で、
★.3つの現地工場で生産される中国製ブランドは軒並み低迷
している。
 営業部員の離反に関係のない「オプレ」が減収であることから、ブランド自体の人気が落ちている可能性が高い。
 それでも、資生堂は「現地製のブランドへのテコ入れ」は続ける方針だ。

 だが、
 「ここにマーケティング投資をいくらしても、現地製は現地製。
 かけたコストが売り上げにつながらない」
 「中国の消費者が欲しがっているのは、日本発のブランドではなくて日本製のブランド。
 この2つは違う」。
 化粧品業界のアナリストはそう指摘する。
 中国の百貨店事情をよく知る日中経済交流協会の福家貴専務理事は、
 「資生堂の中国製ブランドを買うなら、同じ値段でより高品質の韓国製が買える。
 資生堂の商品が欲しければ、円安の日本に行って高級ラインを安く手に入れればよい」
と語る。

2].もう一つの問題は
 最大のチャネルが百貨店であることだ。
 現在、中国の百貨店業界には不況の嵐が吹き荒れ、閉店が相次ぐ。
 2012年から2014年にかけて、外資系や合弁会社を中心に「45店」、
 2015年も、9月末までで「40店」が店を閉めた(中国百貨商業協会調べ)。

 百貨店の売り上げを最も食っているのが、拡大するeコマース市場だ。
 従来は、「一流品を買うなら百貨店へ」と足を運んでいた消費者だが、場所や時間を問わずに気軽に利用できるeコマースで一流品を買うことへの抵抗感は薄れてきている。
 偽物をつかまされるリスクは依然としてあるが、それでも店舗への口コミ評価を見て信頼できる購入先を見極める賢い消費者が増えている。

■撤退コスト重く、百貨店チャネルを切れない

 資生堂も、現在は10%程度のeコマース売り上げを、2020年までに売上の30%までに高めていくため、担当人員を増員して対応を急いでいる。
 越境eコマースへの参入にも意欲的だ。
 それでも、1000店以上に拡大した百貨店チャネルの撤退コストを考えると、その見直しには慎重にならざるを得ないようだ。

 中国製と百貨店の不振――。
 当然、中国に進出している同業他社も同じ課題に苦しめられている。
 だが、すでに方向転換に向けて手を打っている会社もある。
 「コーセー」だ。
★.採算の取れない百貨店からは撤退し、
 前期末には、低迷する現地製ブランドの生産の縮小を見込んで、工場の減損処理
もした。
 数を搾った好採算店で、日本で“爆買い”されている「雪肌精」などの輸出品を中心に展開する。
 中国の売上高に占めるネット通販の割合は2割まで高めた。
 「中国では、欧米でも通用するようなレベルの日本製ブランドを展開するべきだ」。
 11月4日に行われた記者会見で、コーセーの小林一俊社長はそう断言する。

 1981年に中国事業へ参入した資生堂。
 中国人の肌質を徹底的に追求した化粧品を開発し、10年かけて全土を回って地道に販路を拡大した同社は、
 「中国に進出した日本企業の、一番の成功例と言われていた」(福家氏)。
 中国製は日本製より粗利率が高く、2010年代初頭までの営業利益は二ケタ台。
 まさに、資生堂の成長ドライバーといえる存在だった。
 しかし、こうした圧倒的成功体験が、これまでは、日々刻々と変わる消費者ニーズへの柔軟な対応を遅らせてきたといえる。

 日本製の人気は、日中関係の行方によっては変調を来すこともあるかもしれないが、中国の百貨店チャネルの見通しは厳しい。
 かつての方程式が通用しなくなった今、1000人弱の現地営業部員を抱えて中国事業のかじ取りをしていかなくてはならない魚谷社長は、難しい判断を迫られている。



サーチナニュース 2015-11-07 11:26
http://biz.searchina.net/id/1593576?page=1

日本製は「技術力の代名詞」と中国メディア、
中国製は「安かろう悪かろうの代名詞」と紹介

 近年、日本国内での生産に回帰する日本企業が増えている。
  これは円安によって日本の輸出競争力が高まっただけでなく、日本国内で生産することで「日本製」を謳うことができることも1つの理由になっているのだろう。
 日本製というブランド力は今なお健在であり、日本を訪れる中国人旅行客も日本製を求める傾向にあり、日本の電気量販店やドラッグストアでは、これ見よがしに商品に「日本製」「made in JAPAN」の札を付けているのもよく目にするようになった。

 中国メディアの聯合電訊は2日、
 「ドイツ製は匠の精神の代名詞」であり、
 「日本製は技術力の代名詞」
であると伝える一方、
 中国製は「安かろう悪かろう」の代名詞
であると伝えた。 

 記事は、「メイド・イン・チャイナ」は当初、模倣品やパクリ製品というレッテルを貼られていたと主張する一方、近年は技術力を高め、世界の市場に向けて成長を続ける中国企業が登場していることを伝えた。

 一方で、中国製品に対する世界の偏見は今なお根強く存在することを伝え、その事例として、中国の大手エアコンメーカーの関係者が中東の市場で体験した出来事を紹介。
 同関係者が中東に出張した際、現地の販売代理店から
 「中国国内で生産しても構わないが、ラベルにメイド・イン・チャイナと記載するな」
と要求されたという。
 中東で物を売るうえでは「『メイド・イン・チャイナ』と記載されていることが『もっとも売りづらい』」のだという。

 近年、中国からも世界に通用するメーカーが登場していることは事実だが、中国製品全体として見た場合、必ずしも品質が向上しているとは言いがたい状況にあることは否めない。
 特に食品においては今なお深刻な問題が発生している。
 一部の企業が努力して品質の高い製品を生産したところで、期限切れ食肉問題のように何か大きな問題が起これば、消費者は「やはり中国製品は信頼できない」と認識するだろう。
 世界の消費者が持つ中国製品に対する認識を改善するには極めて長い時間と多大な労力が必要となる。



サーチナニュース 2015-11-12 10:46
http://biz.searchina.net/id/1594011?page=1

技術力か信用か、
日本で買い物をする中国人消費者

 日本を訪れる中国人旅行客にとって人気のある日本製品としては、化粧品や電気炊飯器、魔法瓶のほか、温水洗浄便座が挙げられる。
 いずれの製品においても、中国国内で類似製品を購入できるのだが、中国人旅行客はそれでも日本で日本メーカーの製品を購入したがるのは、それだけ日本製品に対する信用があるとともに、中国で購入することに何かしらの“不安”を抱いているためではないだろうか。

 中国メディアの経済網は9日、中国は月面探査機を月に送り込むこともできるほどの技術力がありながら、「なぜ中国人消費者が買い求めたくなるような温水洗浄便座を製造できないのか」と疑問を投げかけた。

 記事は、政府機関などの人事業務を主管する中国国務院の構成部門である中国人力資源和社会保障部の関係者の話として、
 「国レベルで見た場合、その国が生産できる製品の品質は、
 その国の技術者全体の水準によって決まる」
と指摘。
 中国は政府が重点的に取り組んでいる宇宙開発や高速鉄道など一部の分野においては高い技術力を持つ
が、
 「総体的に見た場合の技術力は立ち遅れているのが現状だ」
と論じた。

 中国人旅行客がわざわざ日本で温水洗浄便座を買い求めるという事象は、中国の李克強首相も危機感を抱いているようで、「中国は高速鉄道も製造できるというのに、なぜ中国国民は国外で温水洗浄便座を買い求めるのか」と発言している。

 これに対し、中国人力資源和社会保障部の関係者は
 「国家レベルのプロジェクトでは優秀な人材が生産に関わるため質の高い製品が製造できる」
との見方を示す一方で、
 家庭で日常的に使用される製品の質が劣るということは、
 中国の製造業は人材育成や技術の承継という点で大きな課題を抱えていることを示す
と論じた。

 中国人消費者が、本国でも購入できる製品をわざわざ日本で購入しようとする背景には、中国国内で偽物や海賊品が今なお大量に流通しているという市場環境のほか、中国製品に信頼性がないことも理由の1つにあるだろう。
 製造業にかかわる人材の技術面における育成も重要だが、消費者が騙されることなく、安心して製品を購入できる環境を整備することも急務ではないだろうか。



サーチナニュース 2015-11-30 10:59
http://news.searchina.net/id/1595574?page=1

日本の「匠」の下積みはムダ?
 日本の伝統産業をめぐる議論に中国も関心=中国メディア

 中国メディア・新民晩報は26日、中国で「学ぶべき点」としてしばしば紹介される日本の「匠」の技術について、日本のネットでその「修行」をめぐる議論が起きているとする記事を掲載した。

 記事は、「飯炊き3年握り8年」と言われる寿司職人の修行期間をめぐって、このほど日本のネット上で
 「そんな長い期間修行する必要はない。重要なのはセンスだ」、
 「長い期間修行させるのは、単に教えたくないからに過ぎないのではないか」
と疑問が提起されたことを紹介。

 この疑問に対して「長くつらい修行の中で寿司に対する思いが生まれ、器や食材に対する理解も深まる。
 厳しい修業は日本独自のものであり、伝えていくべき」といった反対意見とともに、
 「徒弟制は一種の欺瞞であり、
 その目的は弟子をどんくさくさせ、
 長年にわたって師匠のそばにいざるを得えないようにすることなのだ」
などの賛成意見が見られたと伝えた。

 そのうえで、
 インターネットの普及による情報の爆発状態にある現在では「すぐできる」という意識が浸透しつつあり、
 10年単位で磨きをかける「匠」の精神は
 「愚かと見なされることすらある」
と解説。
 「修行重視論」と「すぐできる論」は
 「伝統文化と情報文化の衝突」
であると論じた。

 人間が年を重ねるごとにさまざまな人生経験を積む。
 これらの経験が技術に大きな影響や変化を与えることで、技術は成熟され、完成していくものだ。
 そういった意味では、やはり修行には長い時間が必要というのは必然であると思われる。
 一方で、どんな人材に対しても5年、10年と同じ修業期間を課すのは非合理的だという考え方も、理解できる。

 「革新があってこそ伝統を守れる」という意見もある。
 本当に大事な部分は変えることなく、時代に合わせて変えていくべきところは変えていく。
 伝統技術を残していくには、伝統と革新のバランス感覚が求められるのだ。
 そしてこのバランス感覚は、中国が日本をはじめとする外国から技術や概念を学び取り入れるうえでも、重要なものなのである。



サーチナニュース 2015-11-30 18:34
http://biz.searchina.net/id/1595677?page=1

日本製品に学ぶ? 
そんなことをしても中国では「時間の無駄」?

 日本製品やドイツ製品の品質は高いが、中国製品の品質は劣る。
 中国は自国製品の品質を向上させなければならない――。
 中国製造業に対するこの種の提言は中国国内・国外からよく聞かれるが、中国メディアの今日頭条は26日付の記事で、このテーマについて論じ、中国製品の品質を向上させるためには
 「技術労働者に対する支援が必要」
と論じた。

 「中国製品の品質を上げるために、中国はドイツや日本の民族性や文化から学ぶべきだ」
とする提言はよく耳にするところだが、記事はこの種の提言に対して
 「それは時間の無駄だ」と異議を唱えている。

 続けて、中国人が技術職を敬遠する傾向が強く、むしろ不動産や金融など、いわゆるカネを稼げる仕事を望む人が多い点を指摘。
 そして、それは技術労働者に対する社会の経済構造のあり方に問題があるからだとして改善点を述べている。
 改善点の
1つ目は企業幹部と技術労働者の給与待遇格差の是正、
2つ目に労災発生時の保障、
そして3つ目に社会に存在する「手っ取り早く金儲けする道」、つまり金融・不動産業などへの人材流出を抑制すること
だ。

 さらに、日本やドイツの製造業が品質の良い製品を生産できるのは決して民族性・文化・愛国心・会社への忠誠心からではなく、企業が給与や社会保障の面で技術労働者を力強く支援しているからだと主張。
 「社長が海辺の別荘や大きな家を買えるのに技術労働者は家を買えない。
 こういう国で技術労働者を職業として選ぶ人は当然いない」
と記事は締めくくっている。

 記事の最後のこの一言に、中国の社会背景が反映されている。
 たとえば中国人女性は結婚相手に「家を買える経済力があるか」という点をもっとも重要な条件として選ぶ傾向にある。

 そうした財産を重視する社会背景や拝金主義も、人びとの仕事に対する考え方に影響を与えているのではないだろうか。
 「ものづくり」や「仕事そのもの」に打ち込むことに意義を見出す日本人とは異なり、
 中国人は成功や仕事の意義を金銭的な観点から計る傾向がある
ように思える。



サーチナニュース 2015-12-13 13:35
http://news.searchina.net/id/1596889?page=1

革命いまだならず・・・
爆買いされるほどの日本製品から学べ=中国

 年末恒例の「2015ユーキャン新語・流行語大賞」が発表され、中国人観光客が大量に日本で消費するという意味の「爆買い」が選ばれた。
 爆買いという言葉そのものは以前から存在したが、円安や日本政府による免税対象品目の拡大などを背景に、近年は中国人旅行客が大挙して日本を訪れるようになっている。

 中国メディアの新浪は7日、
 「革命はまだ成功していない。今後も企業努力を続けなければいけない」
と題する記事を掲載し、中国製品は飛躍的に品質を向上させているとしながらも、爆買いされるほどの日本製品から学び、企業に成長を続けるよう促した。

 記事は中国人旅行客による爆買いについて、春節(旧正月)期間中に香港に代わるショッピング天国として日本を訪れた中国人が増えたことがきっかけだと紹介。
 その後、連休期間中だけでなく、今では日常的に爆買いが見られるようになったとし、日本の小売業界は1年中、売り上げを心配することはなくなったと主張、日本での経済効果の大きさを指摘した。

 中国のネット上では爆買いが批判される傾向にあるが、
 「批判を気にするどころか、彼らのレシートはどんどん長くなり、鉛筆のような小さなものから炊飯器のように大きなものまで、買い物の対象範囲も広がった」
と紹介。
 愛国精神に欠けると批判するより、わざわざ遠くの日本まで行っても買いたいと思うほど、日本製品が魅力的なのはなぜかを考えるべきだと主張した。

 では、日本製品にはどのような魅力があるのだろうか?
 記事は「細部にまで気遣いが見られること」を挙げた。
 例えば、柔らかくて皮膚に優しい絆創膏や、柄の部分に名札がついた傘など、消費者の立場に立って設計してあるから日本製品は中国人にとって「見ただけで欲しくなる」ものなのだという。

 これと比較して中国製品については、「もう少しの努力」と評している。
 「なぜ日本のメーカーがここまで精密で丈夫な製品を作れるのか、
 なぜこんなにも細やかなデザインができるのかを考える」
ことで、レベルの高い商品を造れるメーカーになるための答えはおのずと見えてくるはずだと結んでいる。








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