2015年11月13日金曜日

南シナ海波高し(14):イージス艦の次はB52戦略爆撃機2機の飛行、アメリカの挑発が続く

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フジテレビ系(FNN) 11月13日(金)13時11分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20151113-00000323-fnn-int

南シナ海問題 
米戦略爆撃機2機が人工島近くを飛行 
中国は警告



 アメリカ軍の戦略爆撃機2機が、先週、南シナ海で中国が造成している人工島近くを飛行して、中国側から警告を受けていたことがわかった。

 アメリカ国防総省によると、グアムを8日に離陸したアメリカ軍のB52爆撃機2機が、「日常的な訓練」の一環として、南シナ海で中国が造成している人工島近くを飛行し、中国の地上管制官から2度にわたり、退去するよう警告を受けたという。

 アメリカ軍は、「国際空域で行っている日常的な作戦」だとして、そのまま飛行を続け、9日に帰還した。
アメリカ政府は10月、人工島の12カイリ内にイージス艦を派遣していて、来週開かれる一連の国際会議でも、南シナ海の問題が重要な議題になる見通し。



テレビ朝日系(ANN) 11月13日(金)11時52分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20151113-00000020-ann-int

 南シナ海で“通常任務”の米爆撃機に中国軍が警告

 中国が領有権を主張する南シナ海の人工島付近をアメリカ軍の爆撃機2機が飛行し、中国側から警告を受けていたことが分かりました。

 アメリカ国防総省によりますと、B52爆撃機2機が今週、南シナ海の南沙諸島の付近を飛行していたところ、中国軍から2度、警告を受けたということです。
 アメリカ軍機は警告後も任務を続けました。
 国防総省は、飛行したのは人工島から12カイリ以内ではなく、「通常の任務であり、『航行の自由』作戦ではない」と説明しています。
 また、ホワイトハウスの報道官は、オバマ大統領が来週のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)などの国際会議で南シナ海問題を議題にするとの見通しを示しました。
 そのうえで、「航行の自由を守るためにアメリカは強い姿勢を取る」と中国を牽制(けんせい)しました。


中央日報日本語版 11月14日(土)11時16分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151114-00000006-cnippou-kr

今度はB-52…米国、
南シナ海に戦略武器「3段圧迫

  米国が駆逐艦と航空母艦に続き戦略爆撃機まで南シナ海に派遣した。
 米国の軍事力を象徴する戦略武器を相次いで南シナ海に投じることで中国の人工島領有権の主張を無力化し、制海権の掌握を確かなものにするための意図だと外信は分析している。
 中国は強く反発し、南シナ海での米中葛藤は海上に続き空中にも拡大している。

 米国防総省は12日(現地時間)、「先週末、B-52戦略爆撃機2機が南シナ海の人工島周辺上空を飛行した」と明らかにした。
 米政治専門メディア「ザ・ヒル(The Hill)」も同日、ビル・アーバン(Bill Urban)同省報道官の言葉を引用して
 「爆撃機2機は8日と9日、グアム基地を出発して南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島近くの国際空域で日常的な任務を遂行した」
と伝えた。
 爆撃機が進入した海域には中国の南沙諸島人工島渚碧礁(英語名・スービ礁)がある。
 「空飛ぶ要塞(Stratofortress)」というニックネームを持つB-52は1952年に運用が始まって以来、米国核抑止力の核心戦力だ。
 この爆撃機は核爆弾を中心に最大32トンの武器を積むことができる。

 アーバン報道官は
 「爆撃機は中国の地上管制所から二度の口頭警告を受けた。
 しかし、飛行過程で国際法を徹底的に遵守して2機とも事故なく任務を遂行した。
 人工島12カイリ(約22.2キロ)内の海域上空は飛行しなかった」
と説明した。

 これに先立ち、アシュトン・カーター米国防長官は今月5日、原子力空母「セオドア・ルーズベルト」を乗艦して南シナ海を巡視し、中国の南沙諸島人工島領有権主張を無視した。
 先月27日には米海軍イージス駆逐艦「ラッセン」が「航行の自由」を前面に出してスービ礁12カイリ以内に進入した。

 中国は13日、公式反応を出さなかった。
 だが、中国軍は、最近、南シナ海地域を管轄する南海艦隊航空兵部隊所属の殲-11B(J-11B)戦闘機をベトナムと領有権紛争で対立している南シナ海のウッディー島(中国名・永興島)に配備して実戦訓練を行った。
 先月末には広東省に配備されたミサイル部隊がミサイル発射訓練を行って米軍艦による南シナ海の進入に警告を送った。
 一部の中国軍将軍は人工島に軍隊を駐留させて米国に強く対応すべきだという主張も展開している。
 中国外交部の華春瑩報道官は
 「航行の自由を口実に、南シナ海を軍事化して他国の主権と安保利益を威嚇するいかなる挑発行為に対しても反対する」
とし
 「米国は関連軍事行為に関する意図をより堂々かつ透明に明らかにすることを願う」
と非難した。

 一方、米国のバラク・オバマ大統領は18~19日にフィリピン・マニラで開かれるアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議で日本やフィリピンなど友邦国の首脳らと会って南シナ海の協力強化策について話し合い、中国を圧迫する予定だ。
 ホワイトハウスは12日、
 「オバマ大統領と安倍晋三首相が今回の首脳会議で中国が人工島の造成を進めている南シナ海問題について意見を交換する」
と明らかにした。
 これに関し、共同通信は両国首脳が南シナ海で法治の重要性で認識を一致させるだろうと伝えた。

 米国務省は12日、
 「今回の首脳会議で中国と南シナ海の懸案について話をする可能性もある」
と明らかにした。
 だが、中国外交部は
 「APECは敏感な問題を議論する場ではなく、南シナ海の中国領有権は不変の事実」
として反発した。



夕刊フジ 11月14日(土)16時56分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151114-00000016-ykf-int

米爆撃機“威嚇飛行”どうする習主席 
米には勝てないが弱腰なら突き上げ必至

 米国が、南シナ海の「航行の自由」を守る断固たる決意を示した。
 米軍のB52戦略爆撃機2機が最近、中国が岩礁を勝手に埋め立てて軍事基地化している南シナ海・スプラトリー(中国名・南沙)諸島近くを飛行したのだ。
 同爆撃機は、核兵器を搭載できる。
 中国の習近平国家主席も出席する、トルコでのG20(20カ国・地域)首脳会合と、フィリピンでのAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議を前に、習氏に重大警告を発したといえそうだ。

 B52戦略爆撃機の飛行は、米国防総省当局者が12日明らかにした。
 中国が「自国の領海」と強弁する人工島の周辺12カイリ(約22キロ)の上空には入っていないが、中国の管制官から「警告」を2度受けたという。

 2機は今月8~9日、グアムを離陸した。
 南シナ海方面への通常の任務の途中で、人工島近くを飛行したという。
 特段の支障なく、当局者は「国際法に完全に基づいて行動した」としている。

 B52は、ボーイング社が開発し、米空軍が1955年に運用を開始した長距離戦略爆撃機。
 太平洋戦争で日本本土を空襲したB29の後継機にあたる。
 全長48・5メートル、全幅56・4メートル、全高12・4メートルと巨大で、最大速度は時速約1000キロ、航続距離は約1万6000キロ。
 愛称は「ストラトフォートレス(=成層圏の要塞)」。
 核爆弾や巡行ミサイル、空対地ミサイルを大量に搭載できる。
 ベトナム戦争では「死の鳥」と恐れられた。

 中国は2013年11月、沖縄県・尖閣諸島を含む東シナ海上空に、一方的に防空識別圏(ADIZ)を設定した。
 米国はこの直後もB52を2機離陸させ、中国当局に事前通報しないまま、上空を飛行させた。
 この時も「中国への強烈な異議申し立て」といわれた。

 習氏率いる中国は現在、南シナ海のほぼ全域を囲む9つの線からなる「九段線」(赤い舌)を引き、国際法を無視して南シナ海の大部分を「自国の領海だ」と主張。
 周辺国を力で恫喝し、複数の岩礁を埋め立てて軍事基地化を進めている。

 オバマ米大統領は長く我慢してきたが、中国の暴挙を食い止めるため、「フリーダム・オブ・ナビゲーション(航行の自由)作戦」を承認し、米イージス駆逐艦「ラッセン」を先月27日、南シナ海に派遣した。

 さらに同時期、インド洋での海上共同訓練を終えた、米原子力空母「セオドア・ルーズベルト」(士官・兵員約3950人、艦載機85機)を南シナ海で航行させ、プレゼンスを示した。

 今回のB52の飛行には、時期的な意図もありそうだ。

 15、16日には、トルコのアンタルヤで、日米欧に新興国を加えたG20首脳会合が開催。
 18、19日にはフィリピンのマニラで、APEC首脳会議が開かれる。
 いずれも、習氏は出席予定で、中国による南シナ海での人工島造成問題が議題となる見通しなのだ。

 米ホワイトハウスは12日、オバマ氏と安倍晋三首相がAPEC首脳会議に合わせて、マニラで19日に会談すると正式発表した。
 世界が注視する国際会議を前に、オバマ氏は圧倒的な軍事力と、強固な「日米同盟」の存在を示すことで、習氏に「南シナ海の航行の自由を守る」という決意を示したといえそうだ。

 安倍首相は13日朝、G20首脳会合に出席前、
 「(中国の)力による現状変更の動きに多くの国々が懸念を持っている。
 『航行の自由』『法の支配』を守り、国際社会と連携する。
 日本もしっかりと発信していく」
と、官邸で記者団に語った。

 軍事ジャーナリストの世良光弘氏は
 「B52爆撃機は攻撃可能なポイントまで飛行している。
 中国に向けた最後通告で『次は実弾もあるぞ』というメッセージを発した」
と分析し、続ける。

 「米軍は作戦の
1].第1段階でP8哨戒機『ポセイドン』を飛行させ、
2].第2段階で艦艇を派遣した。
3].戦略爆撃機の投入は第3段階に位置付けられる。
 B52はベトナム戦争で、沖縄・嘉手納基地から出撃し、ベトナム本土に絨毯爆撃を行った。
 中国に『同様の攻撃を加えることが可能だ』と警告したといえる。
 公表されていないが、F22ステルス戦闘機『ラプター』が帯同した可能性もある。
 米国は、中国が主張する南シナ海の領海・領空を認めないという強い姿勢を改めて打ち出した」

 中国が強硬姿勢を貫いたことで、米国の怒りを買ったのか。

 軍事ジャーナリストの井上和彦氏は
 「B52爆撃機は軍用機で最大級だ。
 米軍はあえて目立つ機体を飛行させて中国のレーダーに捕捉させた。
 挑発以外の何者でもない」
と指摘し、続ける。
 「習政権は権威を維持するため、南シナ海に戦闘機を派遣するなど、対抗措置に踏み切らざるを得なくなった。
 本音では、軍事力で及ばない米国との対立を深刻化させたくないが、何もしないでいると国内世論の反発を招く。
 ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国にも弱い部分を見せられない。
 習政権はギリギリの判断を迫られる」



サーチナニュース 2015-11-21 09:33
http://news.searchina.net/id/1594896?page=1

南沙諸島で米国はなぜ態度曖昧か  
「本当に戦うと負けるからだ」=中国メディア

 中国メディアの観察者網は15日、南シナ海の南沙諸島(スプラトリー諸島)を巡る問題で、米国の態度は曖昧(あいまい)と主張し、その理由は本当に
  軍事衝突が発生した場合、米軍が敗北する可能性が高いから
と主張する記事を掲載した。

 南沙諸島諸島の緊張が高まったきっかけは、中国によるジョンソン南礁(赤瓜礁)の埋め立てだ。
 人工島に滑走路を造る意図もほぼ明らかになった。

 米国は15年10月、横須賀を母港とするイージス駆逐艦「ラッセン」を南沙諸島周辺海域に派遣。
 同月27日には赤瓜礁から12海里(約22.2キロメートル)内を航行させた。

 記事は、米国は「特定の立場を支持しない」と繰り返し表明するなど、
 中国に対して曖昧な態度を示し続けていると主張。
 その一方で、「ラッセン」派遣などで国内世論と同盟国には「米国政府には明確な立場がある」と認識させることで、政治的に最大の利益を得てきたと論じた。

 記事は、米国の「曖昧な態度」は中国と戦闘または戦争が発生した場合を計算しているからと主張。
 戦闘を小・中・大の3つの規模に分けて分析した。

1].小規模とは、
 実際の交戦がない「摩擦戦」から、一時的な空戦が発生する程度の状況を指す。
 記事はその場合、戦闘機など中国の軍用機は現場空域に到達するために長大な距離を飛ばねばならないのに対し、米国は航空母艦を派遣して対抗できると主張。
 「五分五分の戦いになる」との見方を示した。

2].「中規模」とは
 米国がグアムまたはインド洋のディエゴ・ガルシア島からB-52爆撃機を飛ばし、フィリピン沖合いまたはマレーシア周辺で射程の長いミサイルを発射して赤瓜礁を攻撃する状況とした
 その場合、中国側にB-52を阻止する手立てはなく、飛来するミサイルを赤瓜礁において迎撃するしかないと指摘。
 大部分を撃墜したとしても、1発が命中するだけで赤瓜礁の戦闘能力は失われ、制空権も米軍に奪取される。

 さらに、中国艦隊が現場に接近するのは困難であり、DF-21D(東風21D)ミサイルで米空母を攻撃しようとしても、偵察機などが飛ばせない状況で空母の位置を特定して命中させるのは至難と指摘。
 ただし、米国は戦闘の拡大は望まないので、海南島や西沙諸島、中国本土を攻撃することはないと主張。
 中国がミサイルや潜水艦で米空母に対する攻撃を続け、
 空母に損害が出れば、米国にとて極めて大きい打撃となるので、空母はいずれ撤退する
ことになるとの見方を示し、
 「中国の南シナ海支配は揺るがない」
と結論づけた。

3].戦闘がさらにエスカレートして「大規模」になれば
 中国のミサイルが次々にグアム島を含む米軍基地を攻撃と指摘。
 基地が機能を失えば、米国が西太平洋で展開する軍事行動能力は失われるとして
 「軍事的に見れば、中国に最も有利になる」
と主張した。

 さらに戦闘規模の小・中・大は個別にあるのではなく、1歩1歩エスカレートしておかしくないと指摘。
 上記で挙げた大戦闘がさらに「灯を吹き消して、万事休すにする(核戦争を指すと思われる)」となる可能性もあると指摘。
 そのため、南シナ海の問題で「大戦闘」にまで発展させるのは、極めて非理性的と主張した。



ロイター 2015/11/17 15:39 ロイター
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20151117-00000046-biz_reut-nb

南シナ海で領有権の行使を大幅に自制してきた=外務次官

[北京 17日 ロイター] -
 中国の劉振民外務次官は17日、北京で発言し、中国は他国に支配されている南シナ海の島礁を取り返すことが可能だが、地域の平和と安定のために領有権の行使を大幅に「自制してきた」と述べた。

 中国は南シナ海で、ベトナム、フィリピン、マレーシア、台湾、ブルネイと領有権を争っている。中国が南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島の一部を埋め立て、飛行場などを建設していることを受け、近隣諸国と米国は警戒感を募らせている。

 今週アジアで予定されている2つの首脳会議では、この問題が取り上げられる可能性が高い。両会議には米国のオバマ大統領が出席する。

 劉次官は、週後半にマレーシアで開かれる東アジア首脳会議は開発を焦点とすべきで、中国政府は南シナ海が議題となることを望まないとした上で、議論されるのを避けることは難しいと語った。

 南シナ海の問題は、18─19日にフィリピンで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の正式議題にないものの、会議に合わせて協議されるとみられている。

 劉次官は、中国は南シナ海における真の被害者だとし、名指しを避けつつも、近隣の3カ国によって南沙諸島にある中国の多くの島礁が違法に占拠されていると述べた。
 ブルネイを除き、領有権を主張するすべての国が同諸島に軍事要塞を築いている。

 劉次官は
 「中国政府は、近隣国に違法に占拠されているこれらの島礁を取り戻す権利と能力を有しているが、南シナ海の平和と安定を保つために大いに自制してきた」
と述べた。



時事通信 11月17日(火)18時34分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151117-00000137-jij-cn

人工島整備を続行=南シナ海問題で中国高官

 【北京時事】
 中国の劉振民外務次官は17日の記者会見で、南シナ海で造成した人工島上の施設に関し、民用のさまざまな建設計画を挙げた上で「いつ完成するかは分からない」と述べた。

 岩礁の埋め立てや施設建設をめぐっては、近海に駆逐艦を派遣した米国などとの対立が深まっているが、今後も人工島整備を進める中国の立場を明確にした。
 劉次官は、滑走路も民用だとして、軍事拠点化の目的を否定。埋め立て自体は6月末に終了したと強調した。

 劉次官は、科学研究や捜索救助などを目的とした施設のほか、「病院のような民用施設」も設ける計画を明らかにした。
 また、「南シナ海で最も先進的で規模が大きい」とする2基の灯台も「航行に便宜を提供するためだ」と述べた。
 軍事目的との批判に対しては「必要な防御施設」を保持しなければならないとする一方で、米国を念頭に「大国が絶えず武力をひけらかし、パトロールや偵察をしている」と批判。「
 南シナ海の軍事化と中国の島しょ建設は関係がない」と主張した。 



サーチナニュース 2015-11-19 12:37
http://news.searchina.net/id/1594673?page=1

中国漁船数百隻がベトナム漁船を「襲撃」か  
ベトナム報道「漁網次々に引きちぎる」
「過去30年で最悪」

 中国漁船数百隻がベトナム漁船5隻を襲撃した模様だ。
  環球時報がベトナムでの報道を引用して伝えた。
 ベトナムでは漁網30網以上が引きちぎられ、
 「過去30年来、最悪の事態」
と報じられているという。

 ベトナム漁船の船長が16日、ダナン市ソンチャー区の自国当局に報告したことで明らかになったという。
 船長によると8日に出港して、仲間の船との計5隻でトンキン湾で操業していた。
 トンキン湾はベトナムと中国の広西チワン族自治区、海南省(海南島)など囲まれた海域だ。

 船長は、14日午前2時ごろ、「無数の中国漁船が突然出現し、蜂のように押し寄せてきた」と説明したという。
 記事は、ベトナム漁船を襲撃した中国漁船は「数百隻」だったと伝えた。

 中国漁船はベトナム漁船が漁網を投じていた水面に次々に突入。
 30網程度が引きちぎられたという。
 ベトナム当局関係者は「中国漁船がベトナムの領海に進入したかどうかを確認する」と述べたという。

 以前にも中国とベトナムの漁船が海上で「抗争」することはあったが、最近では少なくなっていた。
 中国政府・外交部の華春瑩報道官は、
 「海上で問題が出たことはあったが2014年以来、双方は問題を妥当に処理し、密接な意思疎通を保っている」
と説明していた。

 中国社会科学院の研究室主任で東南アジア研究の専門家である許利平主任は、
 「仮に、(権益関連の)境界線が定まっていない『グレー・ゾーン』で操業する場合には、双方が協力の気持ちを持たねばならない。
 相手を一方的に批判するのはフェアでない」
と述べた。

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◆解説◆
 同件について、ベトナムのメディアが言及した
 「過去30年来」とは、「1985年以来」ということになる。

 中国とベトナムの軍事衝突と言えば、1979年に中国軍がベトナム領内に攻め込んで撤退した中越戦争がよく知られるが、1984年にも、ベトナム軍が国境地帯に築いていた陣地を中国軍が奪取しようとして発生した「中越国境紛争」が発生している。
 中国軍が火力を集中させ、ベトナム側は白兵戦で応じる凄惨な戦いとなった。
 中国軍は陣地を奪取した。
 中国軍の戦死者は約1000人、ベトナム軍は4000人程度との見方がある。

 14日未明の海上での衝突をベトナムのメディアは、大量の死者が出た中越国境紛争以来の事態と表現したことになる。

 なお、中越双方は1988年ごろから、関係改善を模索しはじめた。
 中国軍は1989年5月までに、中越国境紛争で奪取した高地2カ所から撤退した。



朝日新聞デジタル 11月18日(水)5時7分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151118-00000012-asahi-int

米、フィリピンに艦船供与へ 
APEC、会議前に外交戦

 マニラで18日に始まるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を前にオバマ米大統領は17日、南シナ海の安全保障能力を高めるため、
 東南アジア各国に2年間で計約2億5千万ドル(約300億円)を支援
することを明らかにした。
★.フィリピン海軍には艦船2隻を新たに提供する。
 南シナ海で岩礁を埋め立てる中国を牽制(けんせい)し、米国がこの地域の安全保障に関与すると示す狙いがある。

 トルコでの主要20カ国・地域(G20)首脳会議を終えてフィリピンに着いたオバマ氏は17日、真っ先にマニラ湾に向かい、フィリピン海軍最大のグレゴリオ・デル・ピラール級フリゲート艦を視察。
 この船は米沿岸警備艇(約2700トン)を改造し、2011年に供与された。
 フィリピンが中国と領有権を争う南沙諸島を巡回する主力艦船として使っている。

 乗艦後に演説したオバマ氏は「米国には同盟国フィリピンを守る揺るぎない責任がある」と強調。
 「ここを訪れたのは、この海域の安全保障に関与し、航行の自由を守ることを示すためだ」と語った。
 今後、2隻の艦船供与に加え、フィリピン海空軍や沿岸警備隊の装備の充実や、能力を高める支援もする。

 米政府はこれらを含め、
★.東南アジア各国への支援を16会計年度は前年度より約17%増やし
 この2年間で2億5千万ドル以上とする。
 ベトナムには南シナ海などでの偵察能力を高める支援をし、
 マレーシアやインドネシアにも周辺海域の巡回能力の強化に協力する。



時事通信 (2015/12/19-10:57)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2015121900041

中国人工島から12カイリ内飛行
=米爆撃機「意図せず進入」-南シナ海

 【ワシントン時事】
  米軍の戦略爆撃機B52が先週、訓練中に南シナ海・南沙(英語名・スプラトリー)諸島に中国が造成した人工島から12カイリ(約22キロ)内を飛行していたことが18日、分かった。
 米国防当局者は「意図的ではなかった」と説明しているが、南沙諸島で領有権を主張する中国政府は2カイリ(約3.7キロ)内の飛行だったと指摘し、米側に抗議を申し入れた。
 
 米中が南シナ海で偶発的に衝突する危険がある現実を浮き彫りにした形。
 南シナ海問題をめぐる米中の対立が一段と高まる恐れもある。
 中国政府は16日、米政府が台湾にフリゲート艦などの武器を売却すると決めたことに抗議したばかり。
 米当局者やウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)によると、B52は10日、中国が今年に入り灯台を設置するなどしたクアテロン(中国名・華陽)礁から12カイリ内に入った。

 米高官は同紙に、悪天候のため航路を外れ、予定より同礁に近い地点を飛んだと指摘した。
 米軍は10月、行き過ぎた領有・管轄権の主張を認めない方針を示すために行う「航行の自由作戦」の一環として、中国が人工島を築いた南沙諸島のスービ(渚碧)礁から12カイリ内に駆逐艦を送り込んだ。
 国防当局者はB52の飛行については
 「12カイリ内を飛ぶつもりはなかった。
 航行の自由作戦ではない」
と強調している。
 ただ、クアテロン礁は、満潮時も海面に姿を現す「岩」と位置付けられ、国連海洋法条約で定める12カイリの領海を伴う。
 一方、スービ礁は、満潮時に水没するため領海を主張できない。








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