2015年11月26日木曜日

中国高速鉄道とゴーストタウン:GDPアップの仕事を終えたあとは産業廃棄物、在庫は3年3カ月分に

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 GDPをアップさせるために作ったのが中国高速鉄道網。
 利益を出している路線は5%にすぎない。
 あとは赤字垂れ流し。
 イニシャルコストはGDPアップにつながるが、赤字のランニングコストはただ経済の足をひっぱるだけになる。
 この赤字路線に作られたのが、さらに悲劇な姿をさらすことになっったゴーストタウン群。
 これも作るときはGDPをアップさせる。
 作り終えると産業廃棄物になる。
 ただ、面子を維持するの数字のマジックに翻弄された無駄遣いにすぎない。
 高速鉄道とまったく同じ様相を持つ。


レコードチャイナ 配信日時:2015年11月25日(水) 22時30分
http://www.recordchina.co.jp/a123782.html

中国高速鉄道沿線の新興都市、ゴーストタウン化70カ所―中国メディア


●23日、中国では高速鉄道ラッシュを受け、沿線に新たに開発された都市が多く出現したが、人が集まらずゴーストタウンと化している例が70カ所以上になっている。写真は湖南省長沙市の高速鉄道駅周辺。

 2015年11月23日、中国では高速鉄道ラッシュを受け、沿線に新たに開発された都市が多く出現したが、人が集まらずゴーストタウンと化している例が70カ所以上になっている。
 21世紀経済報道が伝えた。

 山東省の高速鉄道駅・徳州東駅のホームには、列車を待つ乗客が十数人しかいなかった。
 次の高速鉄道が来るまで20分以上待たなければならない。一
 方、駅を出てすぐ近くにバス停があり、近隣の済南市にはバスで26分で行ける。
 どちらでもほとんど時間は変わらない。
 そのうえ徳州東駅は市中心部から十数キロの郊外にあり、駅へ行くのにも時間がかかる。

 中国の高速鉄道駅の場所は、路線を問わずどこも似たような状況だ。
 町中からは近くて数キロ、遠いと十数キロは離れている。
 路線の開通後、各地で駅周辺にマンション、ショッピングセンターなどが次々作られたが、場所が不便なためなかなか人が集まらない。
 ゴーストタウン化する町も出現しており、新たな問題となっている。



サーチナニュース 2015-11-27 17:00
http://biz.searchina.net/id/1595472?page=1

チャンスか罠か? 
中国で進む「高速鉄道の駅」を中心とした新たな都市づくり

 中国各地で高速鉄道の建設が急ピッチに進められている。
 多くの駅が市中心部から離れた郊外に建設されるため、高速鉄道駅を中心とした新たな都市づくりも進められているが、地方都市における高速鉄道駅を中心とした新しい都市計画は本当に成功するのだろうか?

 中国メディアの21世紀経済報道によれば、地方の中小都市では、高速鉄道の駅建設に伴い、駅付近に新しい市街地を建設することで、新たな経済効果の創出に期待している。
 しかし、中国経済の成長率が鈍化するにつれ、地方経済の成長率も下降しており、財政収入が減少している地方政府にとって巨額投資が求められる高速鉄道新都市の開発は負担にしかならない恐れもある。

 そのほかにも懸念材料は多い。
 例えば、不動産価格の下落、高齢化、人口流出だ。
 中国国内にはすでに70以上の高速鉄道新都市が建設されたが、最悪の場合ゴーストタウン化する可能性さえある。

 例えば高速鉄道駅を中心とした新都市の1つ、済南西駅周辺では、ほとんどの建物がまだ建設中にもかかわらず不動産価格はすでに下落をはじめており、現地のタクシー運転手によれば、
 「普段から人はまばらで、周辺に学校や病院、ショッピングセンターもほとんどないため、多くの人が市内へ戻っている」
状態だという。

 記事はさらに、「高速鉄道が地方の活性化につながるとは限らない」例として、日本の新幹線を挙げた。
 「新幹線の開通により関西地方の発展を期待していたが、結果的には関西の労働者が東京に集まり、逆効果になった」
と主張し、中国高速鉄道も中小都市の発展を期待して建設されるものの、大都市の発展を加速させてしまう可能性を大いに秘めていると分析した。



サーチナニュース 2015-11-26 13:55
http://news.searchina.net/id/1595293?page=1

さばくまで8年はかかります 
中国不動産市場の莫大な在庫 
歪んだ構造が抱えた深刻な問題

 不動産バブルの崩壊が懸念される中国だが、
 今なお不動産開発は続いている。
 中国国家統計局が11日に発表したデータによれば、
 2015年末の分譲住宅の在庫面積は6億8632万平方メートルに達し、前年同月比14%増で過去最高を更新した。

 現時点で中国の分譲住宅は莫大な在庫を抱えていることがわかるが、「6億8632万平方メートル」という在庫は、「すでに販売が始まった」、もしくは「賃貸が始まった分譲住宅」しか含まれていない。
 国家統計局によれば、建設中もしくは着工前の住宅の面積は計算に含まれていないため、実際の在庫量はさらに膨れ上がることになる。

 中国メディアの騰訊はこのほど、
 「6億8632万平方メートル」という在庫量に対し、「約2億人分の居住スペース」に相当すると指摘し、
統計に含まれていない在庫まで考慮すれば中国不動産市場の在庫規模は極めて危険だと論じた。

 記事は、
 「簡単に言えば、在庫が多いということは給供が需要を上回っているということ」
と指摘し、需給バランスの悪化が価格の上昇を抑えていると指摘。
 価格が上昇しないため、不動産開発会社の収益性にも影響をもたらしていると伝えた。

 さらに、中国のエコノミストの見解として、
 「14年の販売ペースで計算しても、すべて売り切るまでに8年間もかかる」
と指摘し、すでに不動産販売が鈍化しているなかで到底捌き切れないほどの在庫であるとの見方を示した。

 これまでも中国の不動産バブルの問題はずっと指摘されてきたが、中国経済が成長を続けてきたことで問題は顕在化してこなかったが、すでに不動産価格は上昇をやめ、捌き切れないほどの在庫も積み上がっている。
 不動産が売れなければディベロッパーは資金を回収できず、経営も悪化する。
 歪んだ構造が抱えた深刻な問題が顕在化し始めている。



サーチナニュース 2015-11-28 10:58
http://biz.searchina.net/id/1595499?page=1

「ある意味で壮観」 
中国のゴーストタウンは規模も桁外れ

 中国経済の急成長を支えてきた不動産開発だが、中国各地に「鬼城」と呼ばれる副産物をもたらした。
  「鬼城」とはゴーストタウンという意味であり、中国ではまったく人気のないマンションが林立する場所も数多く存在する。

 中国人も中国国内に「鬼城」が存在することを良く知っており、ネット上では「住宅を購入すべきでない都市ランキング」なども存在する。
 中国で著名な「鬼城」としては、内モンゴル自治区オルドス市のマンション群を挙げることができよう。
 街そのものがゴーストタウン化しており、ある意味で壮観だ。

 規模の違いこそあれ、こうした鬼城が中国各地に存在することについて、中国メディアの参考消息は米ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)が「まるで映画のセットのようだ」と報じたことを伝え、中国の鬼城の大半は「住宅しかないマンション群」であると紹介した。

 記事は、中国の検索大手・百度がスマートフォンおよびGPSなどのデータから人の多い場所と少ない場所を割り出したと紹介し、
 「学校や病院、ショピングセンターなど生活インフラが整備されていない、ただのマンション群」
が鬼城化する傾向があることがわかったと報じた。

 さらに、インドなど中国と同様に成長を続けている国でゴーストタウンが出現していない背景には、中国の土地をめぐる特殊な事情があると指摘。
 中国では土地は国のものであり、地方政府が農地を安く強制的に農民から買い上げ、さらに高くディベロッパーに売却することで大きな収入を得ることができた。

 また、地方政府の幹部からすれば、大型不動産プロジェクトを推進することは自らの名声につながるという誘因もあったはずだ。
 国土も人口も桁外れの中国は、鬼城の規模も桁外れだ。



サーチナニュース 2015-12-05 12:20
http://biz.searchina.net/id/1596201?page=1

住宅は構造的供給過多の時代、
在庫は21億平米=中国シンクタンク

 中国政府に所属するシンクタンク、中国社会科学院は3日「中国住宅報告(2015-2016)」と題するリポートを発表した。
 同リポートは住宅市場が「構造性供給過多」の時代に入ったとの見方を示した。
 住宅物件の在庫量は23-24カ月分(2年分)の需要に匹敵する21億平方メートルという。
 経済参考報が報じた。

 リポートは、当局がマクロ緩和政策を継続しているにも関わらず、住宅物件の在庫が減る兆しはなかなか見えてこないと主張。
 そのため、2015年2-9月の各月累計の新規着工は前年同月比で13.5%-20.9%落ち込んだと主張。
 完工も10%-20%減という。

 中国社会科学院「都市と競争力研究センター」の倪鵬飛主任は、
 「マクロ緩和政策は強化された。
 特に、融資に関する緩和で、5月以来、住宅販売の速度が目に見えて速くなった。
 しかし、市場では『様子見』の雰囲気が濃厚になり、在庫が多いという現実は逆転していない。
 このことは、在庫問題の厳しさをあらわしている」
と説明した。

 住宅物件の在庫は、6-18カ月分の需要に相当する量が妥当とされる。
 現在の在庫は23-24カ月分の需要に匹敵し、妥当な範囲を大きく上回っている。
 さらに2015年末までに、在庫は39億9600平米に達すると見られている(3年3カ月分)。

 中国では、北京や上海など、全国に対する大きな影響力を持つ都市を、一線都市(一線城市)、その次に重要な都市を二線都市と呼んでいる。
 社科院財経戦略研究院の鄒琳華博士は、一部の二線都市と、三、四線都市では、供給過剰が甚だしい。
 ただし、人口の流入が大きく所得水準も高い一線都市では目下のところ、住宅物件の供給不足が発生していると説明した。

 鄒博士は更に、一部の大都市では、住宅面積が小さく、住宅と職場が離れすぎているという問題も出ていると指摘。
 住宅の供給が不足しているのはそのためとした。
 また、西安(陝西省)や青島(山東省)などの二線都市では、床面積が広く品質が高い住宅の売れ行きがよい反面、90平方メートル以下の物件は売れないなどの現象が出ているという。

 倪主任は、過去十年において住宅市場は経済の高度成長を促進したと説明。
 ただし、住宅市場の活性化はマクロ政策と地方政府の財源に支えられたためであり、市場が受けた「圧力」も大きかったと主張。
 例えば、「物件価格は上昇してもよいが下落はよくない」との考えにもとづく誘導があったという。

 倪主任は、住宅価格の上昇が住民の負担を過度に大きくしたことが、内需不足に結びつき、産業構造の転換が進みにくいという結果をもたらしたとの見方を示した。



JB Press 2015.12.9(水) 川島 博之
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45460

中国のゴーストタウンで見た官製バブルの成れの果て
盛大にコケてしまった官僚の描いた机上のプラン

 この11月に中国遼寧省営口市を訪問する機会があった。

 営口市は大連の北方約200キロメートルに位置し、渤海湾に面しており、昔は漁港だったそうだ。
 市の人口は230万人とされるが、それは周辺部を含んだものであり、中心部の人口はその10分の1程度。中国のどこにでもある都市と言ってよいだろう。

■わずか3年でできた新幹線

 営口へは大連から新幹線で行った。
 乗った車両は外観も内装も日本の新幹線によく似ていた。
 真似したのであろう。
 切符を買うのに外国人はパスポート、中国人は身分証明書が必要であり、乗る際には空港と同じように荷物検査があった。
 ただ、それほど厳重ではなく、係員の態度はおざなり、また身体検査はなかった。

 車内にメーターがあり、スピードが乗客にも分かるようになっていた。
 最高速度は毎時300キロメートルを記録したが、その際にも大きく揺れることはなく、まあ快適な旅だった。
 大連から営口まで約1時間。

 驚いたことに、大連と営口を結ぶ新幹線が2本ある。
 海沿いと山沿いの2路線。
 どちらも2010年以降に完成したと言っていたから、リーマン・ショック後の景気対策で急遽建設されたと思われる。
 だた、海沿いを走る列車は少なく、1日に数本。
 明らかに必要のない路線であり、過剰投資と言ってよい。

 人々が新幹線が作られるという話を聞いてから3年程度でできてしまったという。
 日本をよく知る中国人は、新幹線を作ると言ってから完成するまでに30年程度を要する日本とは、スピード感が全く異なると言っていた。
 独裁国家の強みだろう。

■不動産バブルの残骸と化した街

 そんな営口で見たのが「鬼城」(住む人がほとんどいない街、ゴーストタウン)である。写真を見ていただこう。

 写真1は郊外に作られた体育館。
 新開発区の中心にある。
 写真を撮ろうとしたが、大きいので全景を入れるために、道路を隔てたところでカメラを構えた。
 写真を見れば分かるように道幅が広い。
 だが、車はほとんど走っていない。
 また、体育館は開店休業状態で、駐車場に車は1台もなかった。


(写真1)小さな町に似つかわしくない巨大な体育館

 続く写真2は、体育館の近くに建設中のビルだが、工事はストップしていた。
 地元の人は途中で造るのを止めたようだと言っていた。
  まさに、バブル崩壊の象徴と言える。


(写真2) 建設が中止されたマンション

 次の写真3は体育館から車で10分ほど離れたところの風景だ。
 どこの国かと思ってしまったが、イギリスの街並みを真似て作ったのだそうだ。
 ただ、ここも人通りは少なく、閑散とした街並みが続いていた。


(写真3)イギリス風に作られた街並み

 写真4はその街並みの一画にある販売センター。
 多くの旗が翻っているが、駐車場に車は少なく、また、その前の道路を走る車もまれである。
 前は空き地になっており、荒涼とした風景が広がっている。


(写真4)閑散とした販売センターの駐車場

 そして、写真5は販売センターに作られた街並みの模型。開発地区の完成図を示している。

 ただ、私たち以外に客はいなかった。
  販売員もよっぽど暇なのであろう。
 私が日本から来た旅行者だと知っても、にこやかに対応し事細かに説明してくれた。
 暇つぶし相手になったようだ。


(写真5)販売センターにあった街並みの完成予想模型

 最後の写真6はモデルルームの食堂にて。
 日本のバブル期もそうであったと思うが、その生活感のバブリーな仕様には驚いてしまった。
 欧米人でもこのような食堂で日常生活を送ることはないだろう。
 こんな部屋で暮らしたら、気疲れしてしまう。


(写真6)モデルルーム内の食堂

■「鬼城」の裏に見え隠れするもの

 このような内装にすると、約100平米のマンションが日本円で約4000万円。
 そして、その女性販売員は、正直、ほとんど売れていないとも言っていた。

 売れたのはほんの一部、市役所の職員が買ったのだそうだ。
 それには理由がある。
 新開発地区は営口の郊外にあるが、近日中にそばに市役所が引っ越してくるという。
 だから、市役所の幹部職員が購入するというわけだ。

 言い忘れたが、この訪問は11月初旬であったがとても寒かった。
 3日ほど前に雪が降ったそうで、その影響で軒にはツララが垂れ下がっていた。
 営口は海岸部にあり、遼寧省の中では暖かいというが、11月の初旬にツララができるほど寒い。

 だが、この「遼寧省の中では暖かい」というフレーズに、この鬼城が作られた理由がある。
 営口の新開発は市役所主導で行われた。
 不動産開発は民間会社が行っているが、その背後には市役所がある。
 そしてその背後に遼寧省、最後は中国共産党が控えている。

■李克強の計画はなぜ失敗に終わったのか

 この巨大開発の陰に、現首相(第7代 国務院総理、2013年3月~)である李克強(り こくきょう)の姿が見え隠れするという噂を聞いた。
 彼は2004年から2007年にかけて遼寧省の書記(遼寧省共産党支部のトップ)であった。
 その頃、彼は政治局常務委員候補の1人であり、実績が求められていた。
 その実績の1つが営口での鬼城づくりである。

 彼のプランは次のようなものであった。
 中国では農村の発展が遅れているが、農業によって農村を豊かにすることは難しい。
 そのために、農民を豊かにするには彼らを農村から都市へ移動させる必要がある。
 農民を都市住民に変える。

 しかし、膨大な農村人口を抱える中国では、全ての人を北京や上海の周辺に移住させることはできない。
 そんな事情から地方の中小都市の拡充が図られた。
 遼寧省では営口で巨大開発が行われることになった。

 営口は渤海湾に面しており、海運の便がよい。
 そして温暖である(そうは言っても11月の初旬にはツララが垂れ下がる)。
 だから、営口を開発すれば遼寧省に住む多くの農民が押し寄せるはずだ。
 これが、李克強が立てたプランだそうだ。

 李克強は2007年に遼寧省の書記を退任したが、その後にリーマン・ショックが起こり、その対策として全国で4兆元もの投資が行われ、その一環として営口を通る新幹線も2路線が作られた。

 だが、それは所詮、官僚が作った机上のプランである。
 そもそも、農民の世帯収入は日本円にして100万円程度。
 彼らが購入できるマンションは高くても500万円。
 そんな彼らを対象にして、これまで見たようなバブリーな物件を作ったことに無理があった。
 もちろん、写真の物件は市の幹部用であり、農民にはもっと安いマンションを用意したようだが、それでも価格が500万円を下回ることはない。

 そして、もっと重要なことは、営口に産業が育たなかったことである。
 工業を中心に据えた開発の時代は既に終わっていた。
 営口で工業は発展しなかった。
 就職口がないから、農民が移住するもなかった。

 これからはサービス産業の時代。
 新たなサービス業は大都市に起こり、その中心には高学歴の若者がいる。
 コンピューターを自在に使いこなす彼らが中心になって産業が発達し、その周辺に各種のサービス業が発展する。
 これが21世紀の経済発展である。

■官製バブルの夢の後

 だが、どの国の官僚もこの事実を理解することが苦手である。
 日本の官僚も苦手だが、独裁体制の中で育った中国の官僚はもっと苦手のようだ。
 官僚はインフラの整備と工業団地の建設しか頭になかった。
 だが、いくらインフラを整備しても、ものあまりの時代に田舎街に工業が栄えることはない。

 面白い話を聞いた。
 営口の若者は、できれば上海、北京、広東、深圳、香港で働きたいと思っているのだそうだ。
 最低でも大連。田舎街である営口は大嫌い。
 中国の若者にとっても大都市の魅力は絶大である。

 そんな中国で労働人口が減少し始めた。
 2025年頃には人口も減り始める。
 そんな状況で田舎街に人が集まるわけはない。
 いくら市政府が力を入れても、売れ残ったマンションが飛ぶように売れる時代は来ないだろう。

 ただ、その建設に営口市や共産党が深く関わっているから、周辺企業が簡単に倒産することもなさそうである。
 大きな問題が発生すれば、首相を勤める李克強の威信にも傷がつくからだ。
 今後、営口市は巨額の不良債権を抱えながら、共産党のお慈悲にすがって不透明な資金繰りを繰り返すことになるのだろう。

 中国の経済は官僚が作った不動産バブルによって隘路にはまり込んでしまった。
 今回の旅では、それを肌で感じることができた。



サーチナニュース 2015-12-21 12:35
http://news.searchina.net/id/1597654?page=1

中国GDP至上主義のツケ
・・・「壊して再建設」などで毎年4600億元(約8兆6000億円)のムダ

 中国メディア・新華網は18日、同国内では毎年「短命建築」の取り壊しで4600億元の浪費が発生しているとの概算を示すとともに、その理由が必ずしも品質の問題だけではないとする記事を掲載した。

 記事は、中国の「民用建築設計通則」にて重要建築や高層建築における主体構造の耐久年数を100年、一般建築を50-100年と定められているにもかかわらず、多くの建築の寿命がこれとはかけ離れていると説明。
 中国建築科学研究院の計算として、
 2011-16年に取り壊された建築の面積が年平均4億6000万平方メートルにのぼり、
 これによって生じた浪費額が4600億元(約8兆6000億円)に達すると伝えた。

 また、後を絶たない「短命建築」の原因が必ずしも品質の問題ではなく、
 「指導者が変わるたびに計画が変わる」、
 「GDP目標達成のため、壊して再び建設することでGDPを稼ぐ」、
 「土地価格の急上昇により、建物を壊して土地を売る」
といった利益や業績作りが目的となっているケースが多いと解説した。

 先日報じられた天津市の「水岸銀座」を始め、
 西安で1999年に完成した高さ118メートルの高層ビル、
 鄭州で5年前にできた歩道橋、
 巨額投資して雲南省に建設した景観プロムナード、
 10年間も使わないうちに取り壊された瀋陽のアジア最大の屋内サッカー場……。
 記事が取り上げた事例はほんの一部であり、作って数年で取り壊してしまう「短命建築」は枚挙に暇がない。

 欠陥建築が「危険」として短命で取り壊されるだけでも「お金の無駄遣い」という印象が否めない。
 「誰も使わないから」、
 「計画が変わったから」
といってまだ十分使えるのに取り壊すのであれば、なおのことだろう。
 住民や環境を軽視して、自己の利益や成果ばかりを考えてきた地方の一部為政者や開発業者によって「作っては壊し、作っては壊し」が繰り返される状況は、まさにGDPの成長しか見てこなかったこれまでの中国の経済成長が生んだ負の遺産と言えそうだ。



レコードチャイナ 配信日時:2015年12月23日(水) 7時50分
http://www.recordchina.co.jp/a125467.html

中国で問題化する「短命建築」、
浪費額は年間8兆7500億円―中国メディア

 2015年12月19日、央広網は、中国でまだ使用可能な建物や施設が次々と解体されており、その浪費額が毎年4600億元(約8兆7500億円)にのぼると報じた。

 先日、天津のシンボルタワー“水岸銀座”と“名門広場”を取り壊すことが明らかとなった。
 そのわずか1カ月前には、西安市で1998年に建てられた高さ118メートルの高層ビルが爆破解体されている。
 また、それとほぼ同時期に、鄭州市で2010年に建てられた渡線橋が地下鉄工事の関係で解体された。
 わずか2カ月間の間に、巨費を投じて造られた現地のシンボル的な建築物が3つも取り壊されることになった。

 こうした短命建築は至る所に存在する。
 2011年に雲南省河口市に2億7000万元(約52億円)を投じて建設された“文化長廊”は、わずか3年後に3億元(約57億円)かけて解体。
 8億元(約152億円)を投じた、当時アジア最大の室内サッカー場だった瀋陽緑島サッカー場は、10年もたたずに「使用率が低い」ことを理由に爆破解体された。

 中国の「民謡建築設計通則」では、
 高層ビルなど重要な建築物の耐久年数は100年、一般の建築物では50〜100年
と定められているが、多くの建物がそれを待たずに解体されている。
 あるネットユーザーは、
 「建てるのに金を使い、壊すのに金を使い、立て直すのにまた金を使う」
とあきれた様子だ。

 中国建築科学研究院によると、毎年、中国で取り壊される建物の面積は4億6000万平方メートルで、1平方メートル当たりのコストを1000元で計算すると、毎年4600億元が浪費されている計算になる。
 また、同研究院が2001〜2010年に解体された54の建築物について調査したところ、不合理な解体が9割にのぼったという。



サーチナニュース 2015-12-23 07:33
http://news.searchina.net/id/1597862?page=1

中国の「鬼城」(ゴーストタウン)50カ所以上、
破たんに突き進む不動産開発=青島大教授が警鐘

 地方を中心とした不動産の乱開発、「鬼城」(ゴーストタウン)の出現
……中国の不動産開発の先行きは不透明感を増しつつある。
 山東省・青島大学経済学院の易憲容教授は20日、百度のオピニオンサイト「百度百家」に
 中国の不動産バブルは崩壊する
と論じた文章を寄稿した。

 文章は、現在中国で計画されているニュータウンには「34億人」が居住可能な状況で、ゴーストタウンが全国的に50カ所以上存在するという研究データを紹介。
 「より深刻なこと」として、このような状況であるにもかかわらず、地方政府が不動産開発によってGDPを伸ばそうという意識が減るどころか内陸地域にまで蔓延してしまったことだと指摘した。

 また、中国の大手メディアが
 「今中国経済が抱えている最大の問題は、生産過剰だ」
と分析しているとしたうえで、
 「その根本原因は『不動産化経済』の蔓延」
にあると解説。
 現状では「不動産化経済」を止めることは不可能であるとした。

 さらに、業者の収益回収と地方政府の業績がかかっていることから、
 各地のニュータウンの計画は一旦スタートしたらまず止まることはない
と指摘。
 一方で、政府が農村住民を入居させようとしても、沿海部への移住を目指す彼らは入りたがらないと断じた。
 そして、
 「現在の中国不動産市場にすでに戻る道はなく、
 徹底的なバブル崩壊に至らなければ調整されることはない」
と結んだ。

 易教授の強い論調からは、不動産開発業者や地方政府がこの先考え方を改めることに対する期待感はほとんど感じられず、不動産バブルの崩壊がもはや「既定路線」であると認識していることが伺える。
 一度痛い目に遭わないことにはどうにもならないという、
 「あきらめ」さえ漂っている。

 「アジア最大の遊園地」を標榜して1990年代に北京市で建設が始まるもアジア経済危機で工事が停止、以降10年以上放置され、結局オープンすることなく2013年に解体されたテーマパークがあった。
 近い将来、地球の全人口の約半数を収容できるという中国国内のニュータウンの多くが、このテーマパークと同様の運命をたどることになるかもしれない。



読売新聞 12月23日(水)12時6分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151223-00050046-yom-int

GDPアップ狙い?
中国でビル取り壊し相次ぐ

 中国各地で、比較的新しい高層ビルなど大型建築物の爆破・取り壊し作業が相次いでいる。
  地方政府のトップらが新たな開発事業を生み出し、地元の国内総生産(GDP)を押し上げる目的で主導しているとされ、2011~15年で、年間9兆円近くが「浪費」されたとの試算もある。

 新華社電などによると、陝西省西安の産業団地で11月15日、高さ118メートルの商業ビルが爆破された。16年前の完成後、一度も使用されなかったという。天津でも、高さ約200メートルのビルを取り壊す計画があり、遼寧省瀋陽では、8億元(約150億円)を投じたアジア最大級の屋内サッカー場が「アクセスが不便」として3年前に爆破された。



サーチナニュース 2015-12-27 07:33
http://news.searchina.net/id/1598150?page=1

中国当局「格差問題」に真剣さ欠落  
住宅供給で「住めない」、「不透明」、「虚偽報告」など

 中国では、各地当局が低所得者のための住宅供給を行っている。
 この種の住宅は「保障房」、「経済適用房」と呼ばれ価格面などで優遇されており、一般的な商取引として売買される「商品房」と区別されている。
 しかし、中国メディアの新京報によると、中央政府が、江西省、河南省、吉林省、湖北省、貴州省の省を調べたところ、5万7500戸が長期間にわたり入居者のいない状態であることが分かった。
 貴州省貴陽市南明区内での「保障房」プロジェクトでは、建物本体の建設は2013年に完了した。
 中央政府の助成を受けた事業で、7100戸を作ったが、現在も無人という。

 入居を認められたという近隣住民の1人によると、
 「水も電気も通じていない。
 敷地内の通路も完成していない」、
 「最近になりやっと、通路の整備と緑地の整備が始まった」
という。

 上記5省に含まれない海南省海口市の永桂開発区では、9000戸以上が入居者のいない状態だ。
 原因は
 「水道水の質に問題があり、浄水器を使わないと利用できない」、
 「近くの道路に街路がない」
などの、「住宅の質の問題」が原因だ。
 敷地内にも夜間の照明がなく「安全施設は基本的にゼロ」と批判する住人もいる。
 そのため、入居希望者が集まらないどころか、2015年初頭には「退出希望者が手続きの順番待ち」をする状況になったという。

 海南省では、建設プロジェクト24件で、定められた建材を「割引き」して工事していたことが分かった。
 いわゆる「おから工程」だ。
 また、2014年には全国で、「保障房」の割り当て申請のために提出した書類で、収入や資産が基準を上回っているのに、「保障房」に入居ししていたことが判明するなど、住居割り当てに不透明さがあるという。
 さらに河南省では2014年3月に、2億元(約36億9000万円)を投じての「保障房」建設プロジェクトが決まったのに、その後1年間も事業が始まらなかった。
 同件は、現地当局「点数稼ぎ」のための「虚偽プロジェクト」だった可能性がある。

 中国政府は胡錦濤政権時代から、貧富の格差問題を重視してきた。
 実効性のある対策がなかなか難しい中で、「保障房」の建設は低所得層が目に見える形で恩恵を得られる事業だ。
 しかし、各地方政府の同事業に対する「真剣さの欠落」を感じさせる状況が続いている。



サーチナニュース 2016-01-08 06:32
http://biz.searchina.net/id/1599175?page=1

中国各地にゴーストタウン、
農民工は中国不動産市場の救世主になるか

 中国の経済成長を牽引してきた不動産市場の成長が伸び悩んでいる。
 すでに不動産市場では大量の在庫が積み重なっており、不動産価格の伸びもかつてのような勢いはなくなっている。

 中国政府は不動産市場の活性化に向け、戸籍制度の改革を進め、農村出身者が都市部で戸籍を取得し、都市部の不動産を購入できるよう改革を行う方針だが、ドイツの国際放送事業体であるドイチェ・ヴェレは3日、
 月収6000元(約11万円)程度の農民工が数百万元もする不動産を購入できるはずがないとし、「中国政府の狙いはうまくいかないのではないか」
と論じた。

 記事は、中国には約2500万人もの農民工がいることを伝え、こうした農民工こそが中国経済を支えてきたと指摘する。
 一方、農民工やその子どもたちは戸籍問題によって都市部で就学したり、住居を購入したりできないと指摘。
 こうした戸籍制度がもたらす不平等こそが、出稼ぎ労働者の子どもたちが農村部に取り残される原因を生んでいることを伝えた。

 続けて、中国政府は戸籍制度を改革し、農民工が都市部で不動産を購入できるように調整を行うことで不動産市場を活性化させる計画だと伝えた。
 北京市の新築住宅の1平方メートルあたりの価格は3万5925元(約66万円)に達するが、月収6000元に満たない農民工も少なくない。
 戸籍制度を改革したとしても、農民工が北京市や上海市などで不動産を購入するなど到底難しい話だ。

 中国不動産市場はかつて中国経済の成長を牽引する存在だった。
 だが、中国各地にゴーストタウンが存在するように、多くの都市で不動産市場の需給バランスが崩れ、供給過多の状況にある。
 農民工の戸籍制度を改革することは、国民の平等な権利を保障する意味では有意義だが、ドイチェ・ヴェレが指摘したとおり、不動産市場の活性化に寄与するかは不透明だ。





















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