2015年11月28日土曜日

ありがたや中国解放軍の行動(2):空軍編隊飛行・戦略爆撃機も、下地島に航空自衛隊配備の大義名分に

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 さてさて、解放軍海軍が出没するようになって、待ってましたとばかりに、自衛隊の石垣島駐屯がスケジュールに上がった。
 次に空軍が戦略爆撃機8機を含む編隊飛行するようになったらどうなる。
 答えは簡単なこと。
 自衛隊の積年の願いであった下地島に航空隊が配備が実行されることになる。
 何しろジャンボクラスの民間航空機が利用できる飛行場があるのだから。
 だがこれまで、それを使うことはできなかった。
 しかし、中国の馬鹿でかい戦略爆撃機となれば、いい大義名分ができたというもの。
 自衛隊はホイホイ喜んでいることだろう。
 「中国サマサマ!」と言ったところだろう。
 与那国島にレーダー基地。
 石垣島におそらく擬似海兵隊。
 そして下地島に航空自衛隊。
 着々と整備が進んでいく。
 そのキッカケはなんといっても中国軍の圧力。
 各島の基地内にはそのうち中国神社が建設されるのではないだろうか。
 戦闘機の模擬実務演習ができる
となれば、空自はよだれを流すだろう。
 シュミレーションだけでも訓練の成果は出てくる。

  中国機はいずれ日本を目標とする形でやってくる。
 これは時期だけの問題にすぎない。
 いままだ領空に入ってこないのは、まだその能力が低いということを自覚しているからに過ぎない。
 時間が経ち、中国機の性能が向上していけば、必ず脅しをかけてくる。
 問題はまだ、そのターゲットが日本ではないということである。
 現在は南シナ海が中国の焦点になっている。
 ならばそのうちに防衛対策をするのが順当というものだろう。
 この編隊飛行が日本に大きな衝撃を与え、それが日本における国防のきっかけになるなら、ありがたやである。
 日本をターゲットにした時期に急激に現れたなら対応できない。
 いまなら十分に時間の余裕があるというものである。
 この行動によって空自としては、わずかでも中国軍のデータを集積できればラッキーであろうと思っているのではないか。


JSF 2015年11月27日 21時41分配信
http://bylines.news.yahoo.co.jp/obiekt/20151127-00051889/

中国軍の戦略爆撃機8機に空自戦闘機がスクランブル


●防衛省より、中国空軍H-6戦略爆撃機

 11月27日、防衛省統合幕僚監部の発表によると、中国軍のH-6戦略爆撃機8機、Tu-154情報収集機1機、Y-8情報収集型1機、Y-8早期警戒型1機の大型機11機が沖縄周辺を飛行し、その半数が東シナ海を周回、もう半数は沖縄本島と宮古島の間を通過し戻って行きました。



●防衛省より、中国機の飛行経路

 中国国防省の発表では、H-6K戦略爆撃機と複数の軍用機による西太平洋(フィリピン海)への進出訓練と、東シナ海のパトロール飛行を行ったとあります。

 H-6K戦略爆撃機は新型のDH-10長距離空対地巡航ミサイルを運用できる最新改修型で、フィリピン海に進出した訓練の仮想状況はおそらく、グアムのアメリカ軍の基地を攻撃する想定の演習だったと推定できます。



読売新聞 11月27日(金)22時59分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151127-00050192-yom-soci

中国軍11機、沖縄空域を往復…空自が緊急発進

 防衛省は27日、沖縄本島と宮古島間の空域を往復するなどした中国軍の爆撃機など計11機に対し、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)したと発表した。

 領空侵犯はなかった。

 同省統合幕僚監部によると、中国軍のH6爆撃機やTU154情報収集機などが、同日午前から正午にかけて東シナ海から太平洋に出た後、反転して中国側に戻るなどしたという。これだけ多くの中国軍機が飛来するのは異例で、同省が中国側の狙いを分析している。



朝日新聞デジタル 11月28日(土)23時23分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151128-00000067-asahi-int

中国軍機、東シナ海「防空識別圏のパトロール常態化」

 中国国防省によると、中国空軍の申進科報道官は28日までに、「H6K」爆撃機など複数の空軍機が沖縄本島と宮古島の間の海域上空を抜け西太平洋に入る遠洋訓練を行い、東シナ海上空に中国が設定した防空識別圏(ADIZ)をパトロールした、と発表した。

 申報道官によると、西太平洋に入る遠洋飛行訓練は今年4回目で、訓練とパトロールは27日に行ったという。
 中国が2013年11月に尖閣諸島を含む東シナ海上空に一方的に設定した防空識別圏について
 「設定以来の2年間、パトロールを常態化させており、
 外国機の進入には識別と監視、必要な措置をとり、国の防空安全に努めている」
とした。



レコードチャイナ 配信日時:2015年11月29日(日) 21時42分
http://www.recordchina.co.jp/a124119.html

中国軍機11機が宮古海峡に飛来、
日本は「過去とは異なる動き」と警戒―仏メディア

 2015年11月28日、RFI中国語版サイトは記事
 「中国軍機が日本島嶼部近隣に飛来、自衛隊はスクランブル」
を掲載した。

 日本の防衛省は27日、沖縄本島と宮古島の間、いわゆる宮古海峡の上空に中国軍機11機が飛来したことを発表した。
 爆撃機8機、
 偵察機2機、
 早期警戒機1機
という構成だったという。
 領空侵犯はなかったが、自衛隊機がスクランブル(緊急発進)し警戒にあたった。

 中国軍機は近年、頻繁に日本近隣を飛行しており、自衛隊のスクランブル回数も増加傾向にある。
 日本の防衛省は、11機編隊での飛行だったことを受け、
 過去とは違う動きとして中国側の目的について分析中
だという。





■下地島の資料

● 与那国島、石垣島、下地島、そして沖縄島と一列に並ぶ


wikipediaから
 下地島空港(しもじしまくうこう、英: Shimojishima Airport)は、沖縄県宮古島市(下地島)にある地方管理空港。
 南西航空の那覇線が撤退した1994年(平成6年)以来、定期便の就航が無い。

 実質民間パイロットの訓練専用空港として扱われている。
 そのため日本では数少ない、滑走路両端にILSが設置されている空港である。
 3,000m×60mの滑走路が整備され、航空機の操縦訓練が行われる。

 しかし2011年を最後に日本航空が、2014年を最後に全日本空輸がそれぞれ当空港での訓練を終了したため、2014年4月以降は琉球エアーコミューター(RAC)と海上保安庁が小型機訓練のために使用するのみとなっている。




●下地島


毎日新聞 2013年1月16日 朝刊 
http://www.kamiura.com/whatsnew/continues_1702.html

◆記事の概要◆

政府は尖閣諸島(沖縄県石垣市)の警戒監視を強化するため、航空自衛隊の戦闘機部隊を沖縄本島より西の先島(さきしま)諸島に配備する検討に入った。
中国機が尖閣周辺の日本領空に接近した際、現在は空自那覇基地(那覇市)からF15戦闘機が緊急発進(スクランブル)して対応している。
だが、同基地は尖閣から約420キロと遠く、到着に時間がかかるため、より近い下地島(しもじじま)空港(宮古島市)などへの配備が可能か来年度予算に調査費を計上する。
中国は尖閣諸島の領有権を主張しており、同国機が日本領空に接近する事案が増加している。
しかし、領空接近を空自が察知して発進させるF15は、最高速度で飛んでも現場まで20分程度かかる計算だ。

昨年12月13日には中国機が初めて日本領空を侵犯。
自衛隊レーダーが捕捉できずスクランブルが遅れたことに加え、距離が遠かったことから、F15が到着した時は中国機は領空外に出た後だった。
防衛省幹部は「距離はどうしようもない。
より近くに部隊を展開できるかを考える必要がある」と語る。
このため、防衛省は13年度概算要求に、尖閣により近い先島諸島への部隊配備の調査費として数百万円を計上する方針。
下地島空港や新石垣空港(同県石垣市)や宮古空港(同県宮古島市)など、先島諸島の全既存空港が調査対象となる。

新たな調査を行うこと自体が中国側へのけん制となる点も考慮し、配備先や時期を慎重に検討する。
同省が「第一候補」(自衛隊幹部)として有力視するのは下地島空港だ。
下地島は沖縄本島と台湾の中間地点に位置し、尖閣諸島までの距離は約200キロと那覇基地のほぼ半分。
県内の離島空港で唯一、戦闘機の運用に支障のない3000メートルの滑走路がある。
同空港の民間定期便は利用客の低迷から運休中で、民間の飛行訓練以外にほとんど使われていないことも「好条件」とみている。

しかし、同空港は建設前の71年、当時の琉球政府と日本が交わした「屋良(やら)覚書」で、軍事利用をしないとの取り決めがある。
空港を管理する沖縄県は「覚書は今も有効で、自衛隊の利用は認められない」(知事公室)との立場で、県側の理解を得る作業は難航が予想される。
新石垣、宮古両空港にはそれぞれ2000メートルの滑走路があるが、いずれも戦闘機の運用には十分とは言えない。
近く供用開始となる新石垣空港は民間利用が多く見込まれ、宮古空港は航空保安無線施設などが下地島、新石垣両空港より劣っている。

◆コメント◆

確かに下地島空港を見ると、滑走路などの空港施設は広いし、海に囲まれている感じで、ここに軍用飛行場を作れば騒音などの問題は起きないと考える。
3000メートルという滑走路の長さと利用状況もガラガラの状態も魅力を感じるだろう。来年には宮古島と橋で結ばれる予定も現空港の運用の良さを感じる。
しかし軍事航空施設として考えるなら、中国に近いし、下地島基地を警備する部隊を配置する場所も限られる。
また、戦闘機部隊の整備や補給、防空部隊(対空ミサイル)の展開、それに防空・監視レーダーの設置など、総合的に考えると下地島空港は軍事活用の優先順位が下がる。

例えば、もし軍事施設なら機体を洗うなど大量の真水水が必要になる。
それを下地島で調達することが難しい。
むしろ下地島空港は有事の際の予備基地として活用をされるのではないか。
それに対して、新石垣島空港は軍事の理想に近い機能を秘めている。
2000㍍の滑走路も北東(海方向)に滑走路を延長することで2700メートルクラスにできる。
だから北朝鮮のミサイル騒動の時(先月)、石垣島に空自のPAC3を配備したのは空自が新石垣島空港を使うための地ならしと思っていた。

石垣島の新港湾や埋め立て地など、もう20年以上も前から石垣島は日本の最南端の軍事拠点として整備されているのだ。
これは最近の中国の軍事脅威で急に浮上した配置計画ではない。
20年以上前から石垣島で軍事要塞化計画が進行していた。
(私は25年以上前に「石垣島で密かに進む要塞化工事」というテーマで記事を書いている)
そのとき、現地取材で石垣島のあまりの軍事的な優位(地形的)さに驚いた記憶がある。
そして昨年5月に石垣島に行って、その通りの施設が完成していたので再び驚いた。

でも石垣島には自衛隊部隊を常駐させないと考えていた。
あくまで有事に緊急配備されるものと想定し、それまでには石垣島で機動展開訓練だけを行うものと考えた。
だから、もし新戦闘機部隊の新配備を総合的に考えるなら、空自・戦闘機の軍事拠点は石垣島となるが、あくまで石垣島展開は有事かぎりとして考えるなら、下地島空港に取りあえず配備して、有事には下地島から石垣島に拠点を移すこともありだ。
それほど有事に下地島空港を守ることは難しい。

昔、名将の城を見て戦いの技量がわかったように、石垣島の新空港には軍事的に見て昔の名城を感じさせるものがある。
下地島空港にはその軍事的な美しさがない。



JB Press 2015.12.3(木) 北村 淳
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45408?page=5

中国空軍が編隊飛行で牽制
「南シナ海に近寄るな!」
11機が宮古水道上空を飛行、爆撃機で日本を牽制


●H-6Kミサイル爆撃機(写真:防衛省)

 11機の各種航空機からなる中国空軍航空機編隊が、宮古島と沖縄島の間のいわゆる宮古水道上空を西太平洋に抜けて飛行した。
 編隊は再び東シナ海上空に戻り、一部の航空機は尖閣沖や奄美大島沖上空に接近してから中国に帰投した。

 航空自衛隊は編隊に対して戦闘機を緊急発進させ警戒に当たったが、領空侵犯を企てるといった行為は発生しなかった。
 防衛省は、航空自衛隊が撮影した中国軍機の写真と飛行経路図を公表した。
 一方、中国人民解放軍当局は「今回の編隊飛行は長距離戦闘能力を向上させるための訓練である」と発表した。


●中国航空機編隊が飛行した経路(図:防衛省)

■8機のミサイル爆撃機と早期警戒機、2機の情報収集機

 この航空機編隊を形成していたのは、
 轟炸6K型(H-6K)ミサイル爆撃機8機、
 空警200型(KJ-200)早期警戒機1機、
 運輸8電偵型(Y-8DZ)電子情報収集機1機、
 ツポレフ154M型(TU-154M)情報収集機1機
であった。

 H-6Kミサイル爆撃機は、古くから人民解放軍が使用しているH-6型爆撃機ファミリーの一種であり旧式機との誤解を受けやすいが、2011年に1号機が就役したH-6爆撃機の新型バリエーションである。

 この爆撃機は主翼に6基の大型ミサイルを装着できるようになっており、最大積載量は12トンと言われている。
 そのため、長剣10型(CJ-10)長距離巡航ミサイルを6基装着することができ、日本はもちろん西太平洋地域のアメリカ軍にとっては、恐るべき爆撃機である。
 ちなみにCJ-10巡航ミサイルの射程圏は少なくとも1500キロメートル以上と考えられているため、上海東方沖400キロメートル上空から東京を攻撃することが可能である。

 H-6Kの主たる任務は、長距離対空ミサイルによって西太平洋上空の自衛隊と米軍の早期警戒機や早期警戒管制機を攻撃することにあると言われている。
 また、対艦攻撃ミサイルにより、やはり西太平洋に展開する自衛隊や米軍の艦艇を攻撃することも重要な任務とされている。

 今回の訓練では、航空自衛隊が撮影した写真で明らかなように、H-6Kの主翼には当然のことながらミサイルは装着されておらず、ミサイル装着ポイントを鮮明に見ることができる。
 もっとも、
★.ミサイルを装着したH-6Kミサイル爆撃機が領空に接近してきたならば、
 “専守防衛”の自衛隊といえども撃墜対象としなければならないのは軍事常識である(アメリカ軍ならば当然そうする)。

 8機のミサイル爆撃機にKJ-200早期警戒機が同行したのは「長距離戦闘能力の訓練」である以上当然であるが、Y-8DZ電子情報収集機とTU-154M情報収集機を同行させたのは興味深い。


●KJ-200早期警戒機(写真:防衛省)


●T-8DZ電子情報取集機(写真:防衛省)

★.Y-8DZ電子情報収集機は
 自衛隊や米軍の航空機や艦艇から発せられている「ELINT」と呼ばれる通信以外の各種電子情報を収集するためのハイテク情報収集機である。

 また、
★.TU-154M情報収集機
 合成開口レーダー(SAR)開発テスト用とされている高性能情報収集機である。
 航空自衛隊の写真でも明らかなように、旅客機扱いで登録されているTU-154Mには国際民間機番号(B-4029)が付せられている。


■「A2/AD戦略」実施のための機動訓練

 このような多数の爆撃機編隊による長距離機動訓練は、人民解放軍の対米軍戦略である「接近阻止/領域拒否(A2/AD)戦略」の一環であることは明らかである。
 そのため、この種の中国軍機の動向に、アメリカ海軍をはじめとする米軍関係者たちはピリピリしている。

 すなわち人民解放軍は、第2列島線と第1列島線に囲まれる海域のアメリカ海軍艦艇(もちろん自衛隊艦艇も)に対して、DF-21D対艦弾道ミサイルによって攻撃を仕掛けるとともに、空軍のH-6Kミサイル爆撃機や海軍航空隊のH-6Gミサイル爆撃機などによってもミサイル攻撃を実施して、第1列島線への敵艦の接近を阻止しようというのである。


●第1列島線と第2列島線

南沙諸島での米海軍の活動への牽制

 また今回の編隊飛行は、A2/AD戦略実施のための訓練という意味合いに加えて、南沙諸島でのアメリカ海軍の動きを牽制するという意味合いも持っている。
 なぜならば、今回爆撃機編隊が進出した西太平洋空域への中国大陸からの距離は、海南島の航空基地から南沙諸島の中国人工島周辺空域までの距離に対応しているからだ。

 南沙諸島の中国人工島に3カ所建設されている3000メートル級滑走路(いずれもH-6爆撃機が使用可能)はいまだに航空基地として稼働が始まっていないため、南沙諸島周辺にアメリカ艦隊が展開した場合には、人民解放軍は海南島や西沙諸島の航空基地を本拠地にした戦闘攻撃機や爆撃機によって攻撃することになる。

 今回の訓練には、戦闘攻撃機は同行しなかったが、8機ものミサイル爆撃機を繰り出しての訓練には「アメリカ海軍の南沙人工島周辺海域での活動に対する牽制」という目的があるのは明らかである。

■日本に対する警告、威嚇という側面も

 アメリカの南シナ海での行動への牽制と同時に、巷で取りざたされている、日本政府が海上自衛隊の航空機や艦艇を南シナ海へ派遣することに対して警告を発したという側面があることも否定できない。

 いくら機動訓練と言っても、ミサイル爆撃機8機というのは数が多すぎる。
 米軍関係者には
 「日本政府が南シナ海問題でアメリカに同調して、実際に哨戒機でも派遣したならば、人民解放軍は調子に乗って10機どころか30機の爆撃機編隊による“長距離機動訓練”を実施しかねない」
と中国側によるエスカレートを予測している。

 また、西太平洋上空での訓練の帰途、1機の情報収集機が尖閣諸島空域に接近し、爆撃機1個編隊が沖縄島沖から奄美大島沖空域を北上してから帰投したことは、安倍政権が南西諸島防衛強化にゴーサインを出したことに対応するデモンストレーションであると考えられる(これは逆に言えば、人民解放軍は南西諸島に地対艦ミサイル部隊や地対空ミサイル部隊が配備されることを嫌っているということの何よりの証左であろう)。

 このような日本政府に対する威嚇的意味合い以外にも、Y-8DZ電子情報収集機とTU-154M情報収集機を同行させたということは、自衛隊とこの地域における米軍と自衛隊の対電子戦(ECM)能力の確認とELINT収集という実体的任務もこなしたと考えられる。

■日本へのアメリカの圧力はますます強まる

 今回の多数のミサイル爆撃機による機動訓練だけでなく、人民解放軍は、対アメリカ軍のA2/AD戦略を実施するために、潜水艦や水上艦艇に加えて各種航空機を西太平洋に展開させるノウハウの涵養に多大なる努力を払い始めている。

 その主敵であるアメリカとしては、なんとしてでも中国軍機や艦艇の動きを第1列島線内に封じ込めておきたいと考えるのは当然である。

 しかし、人民解放軍はDF-21D対艦弾道ミサイルにとどまらず、ミサイル爆撃機や戦闘攻撃機から発射する各種ミサイルを質・量ともに飛躍的に強化してきている。
 そのため、かつてはせいぜい中国潜水艦に警戒する程度で比較的安全に第1列島線付近に展開可能であった米海軍空母打撃群による作戦も、厳しい状況になりつつある。

 アメリカ政府はますます日本政府対して南西諸島防衛を強化するよう様々な形で圧力をかけてくることになるだろう。

 ただし、アメリカにとっての南西諸島防衛と、日本自身の南西諸島防衛とは、若干意味合いが違う。
 日本政府がアメリカ政府や、いわゆる「ジャパンハンドラー」(日本を操る人たち)の言う“南西諸島防衛強化”に唯々諾々と従っているだけでは、日本国民に対する責務を果たせないことは明確に認識すべきである。










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