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テレビ朝日系(ANN) 10月30日(金)13時41分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20151030-00000025-ann-int
中国とフィリピンの係争 審理へ 南シナ海問題
オランダの常設仲裁裁判所は、南シナ海で中国と領有権を争うフィリピンの主張について、本格的な審理に入ると発表しました。
フィリピンは、南シナ海での中国の領有権主張は国際法上、認められないとして、オランダ・ハーグの裁判所に仲裁手続きを求めていました。
これに対し、中国は「裁判所にこの問題を扱う管轄権はない」と主張していましたが、裁判所は管轄権を認めると判断しました。
今後、本格的な審理が始まることになります。
一方、29日に行われたアメリカと中国の海軍トップのテレビ会談で、リチャードソン作戦部長は、国際法で保障される海と空を使用する権利を守る役目があると説明しました。
これに対し、中国の呉勝利司令官は
「挑発行為を続けるなら緊迫の局面が発生し、不注意の発砲さえ起こるだろう」
などと牽制(けんせい)したということです。
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ロイター 10月30日(金)9時34分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151030-00000026-reut-cn
ハーグ裁判所、南シナ海の仲裁手続き進める決定
中国の主張却下
[アムステルダム 29日 ロイター] -
オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は29日、フィリピン政府が申し立てていた南シナ海をめぐる中国との紛争の仲裁手続きを進め、今後フィリピン側の言い分を検討するための聴聞会を開くことを決めた。
関係国間の交渉による解決を唱え、仲裁裁判所に管轄権はないとしてきた中国の主張は認められなかった。
中国はこれまでこの問題で仲裁手続きを一貫して拒否し、南シナ海全域の領有権を有するとしてフィリピンのほか、ベトナムや台湾、マレーシア、ブルネイなどからの異議にもことごとく耳を貸していない。
しかし仲裁裁判所は今回、フィリピンが国連海洋法条約に基づいて申請した7件の事項を取り上げる権限があり、中国が仲裁手続きをボイコットしているからといって裁判所の管轄権がなくなるわけではないとの判断を示した。
米国防当局者は、仲裁裁判所の決定に歓迎の意を表明。
「南シナ海の紛争に対する国際法の有効性が示されている。
各国の領有権には論争の余地がないわけではなく、
国際法と国際的慣行を基礎にしたこうした判断は、
紛争を解決しないまでも管理を実現できる1つの方法といえる」
と述べた。
フィリピンの同盟国でもある米国は今週、南シナ海にある中国が埋め立て工事をした人工島の12カイリ以内に海軍艦艇を派遣する「航行の自由」作戦を実施した。
また米国務省のカービー報道官は定例会見で、
★.仲裁裁判所の決定はフィリピンと中国の双方に法的拘束力を持つとの見方
を示した。
米上院軍事委員会のマケイン委員長も裁判所の決定を称賛した上で、
米政府は航行の自由作戦を定期的に行うことなどで今後もフィリピンなどの同盟国や連携する国を支援するべきだと強調した。
米戦略国際問題研究所(CSIS)の南シナ海専門家、ボニー・グレーザー氏は、フィリピンはこの問題で中国と十分な交渉をしていないとする中国側の主張が裁判所の見解で明確に否定された点を踏まえると、中国にとっては大打撃だとみている。
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時事通信 10月30日(金)16時3分配信
中国に国際法の「圧力」
=「九段線」は判断保留―仲裁裁判所
【マニラ、北京時事】
南シナ海でのフィリピンと中国との領有権紛争に関してフィリピンが起こした国際仲裁手続きで、オランダ・ハーグの仲裁裁判所は、裁判所の管轄権を認める判断を出した。
仲裁手続きに反発する中国にとっては、米艦による人工島周辺の航行に続き、「国際的な圧力」(米軍事筋)となる。
ただ、最大の焦点となる中国の「九段線」が国際法に違反するかどうかについては管轄権に関する判断を避けており、本格審理でのフィリピン側の主張や、手続きに参加していない中国の出方に左右されることになりそうだ。
軍事力で中国に劣るフィリピンは2013年、「法の支配」の面から中国に対抗する戦略として、紛争解決を国際司法の舞台に委ねる方針を表明。
裁判所の管轄権に関する判断を「前哨戦」と捉え、法律チームに米国の有力弁護士を加えたほか、7月の口頭弁論では関係閣僚や国会議員が参加するなど「総力戦」で臨んだ。
このため、今回の決定は「解決に向けた重要な一歩」(政権幹部)と喜ぶ。
ただ、
★.管轄権を直接認めたのは、フィリピンが主張した15項目のうち、
中国が人工島造成を進める南沙(英語名スプラトリー)諸島のミスチーフ(中国名・美済)礁などが領海の起点とならない暗礁に当たるのかや、
中沙諸島・スカボロー礁でフィリピン住民の漁業活動を中国が違法に妨害しているかなど
7項目に限られた。
「九段線」の違法性などの項目については、国連海洋法条約が適用されるかどうか判断を留保し、今後の審理に委ねられることになった。
裁判所は16年に決定を出す見通しだが、
★.フィリピン側の言い分が認められれば、
「領海」を構成しないとして人工島の12カイリ内に艦船を派遣した米国の主張にも正当性を与えることになる。
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レコードチャイナ 配信日時:2015年11月25日(水) 14時0分
フィリピンによる南シナ海仲裁手続き、審理開始
=中国は「受け入れず、参加しない」立場を再表明―中国メディア
2015年11月24日、中国の南シナ海での領有権主張は国際法に違反するとしてフィリピンが求めていた国際仲裁手続きで、オランダ・ハーグの仲裁裁判所は審理を開始した。
これを受け、中国外交部の洪磊(ホン・レイ)報道官は定例記者会見で、
「中国は受け入れず、参加しない」
との立場を改めて表明した。中国新聞網が伝えた。
洪報道官は、フィリピンが中国側と繰り返し確認した共通認識および「南シナ海における関係国の行動宣言」の約束に背き、一方的に仲裁に持ち込み、中国の南シナ海における領土主権と海洋権益の否定をもくろんでいるとした上で、「仲裁案を受け入れず、参加しないという中国側の立場は極めて明確だ」と述べた。
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ロイター 2015/12/4 17:25 ロイター
焦点:南シナ海仲裁手続き、中国が直面する「国際的代償」
●12月2日、一部の外交関係者らによれば、南シナ海における領有権問題に関してフィリピンが中国を相手取って起こした仲裁手続きについて、常設仲裁裁判所が最終的にフィリピンに有利な裁定を下せば、中国は外交・司法面での強い圧力にさらされる可能性がある。
写真は、中国が人工島を建設している南シナ海スプラトリー諸島のミスチーフ礁。5月代表撮影(2015年 ロイター)
[香港/マニラ 2日 ロイター] -
常設仲裁裁判所(オランダ、ハーグ)は10月末、、南シナ海における領有権問題に関してフィリピンが中国を相手取って起こした仲裁手続きについて、同裁判所に管轄権があるとの判断を示した。
このとき中国政府は「何ももたらさない」としてこの判断を受け入れていない。
こうした中国の主張には、フィリピン当局者だけでなく、一部の外交関係者および専門家も賛同しておらず、常設仲裁裁判所が最終的にフィリピン政府に有利な裁定を下せば、中国は外交・司法面での強い圧力にさらされる可能性があると述べている。
司法専門家によれば、管轄権をめぐる審理における中国側の主張に対して同裁判所が詳細に反駁(はんばく)していることから、フィリピン政府が勝利を収める可能性はかなり大きいという。
最終的な裁定は2016年半ばに予定されている。
外交関係者・専門家によれば、こうした裁定が下れば、特に地域的な会合の場において中国の重荷になるという。
中国政府としても無視しにくくなるからだ。
フィリピン政府が2013年に常設仲裁裁判所に申し立てを行ったときにはほとんど注目を集めず、その後ももっぱら、航路をめぐって展開される緊張の添え物のような扱いを受けていたが、一部のアジア・西側諸国が仲裁裁判所によるプロセスに対して表明する支持は強まりつつある。
ある専門家は、もし主要な論点について中国に不利な裁定が下されれば、2国間会合や国際的なフォーラムにおいて、西側諸国が中国政府に対する圧力を維持する協調的な立場を取るようになることが予想される、と指摘する。
「他国は中国政府を批判するための材料として裁定を利用するだろう。
だから中国はこの問題でひどく動揺している」
と語るのは、東南アジア研究所(シンガポール)の南シナ海専門家、イアン・ストーリー氏。
ワシントンの戦略国際問題研究所の安全保障専門家ボニー・グレーザー氏も
「ここに都合の悪い真実がある。
中国側は、(仲裁裁判所による裁定を)無視し、拒絶することなど簡単だという素振りを見せてきた。
しかし実際には、彼らは国際的な代償を払わざるをえなくなると思う」
との見方を示した。
■<提訴は「無意味」と中国は主張>
フィリピン政府は、国連海洋法条約(UNCLOS)で認められた200カイリの排他的経済水域(EEZ)に含まれる南シナ海で開発を行う権利に関する裁定を求めている。
同条約は主権問題を対象としてはいないが、島嶼(とうしょ)・岩礁などを起点として主張可能な領海・経済水域の体系を大枠で定めている。
実質的に南シナ海全域に関する権利を主張している中国は、
今回の審理に参加することを拒否し、
この件に関する常設仲裁裁判所の管轄権を否定している。
この水域の各部分については、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイ、台湾も権利を主張している。
法律の専門家によれば、
裁定を執行する機関が存在しないため、政治的圧力以上の効果については予想できない
という。
常設仲裁裁判所からのコメントは得られなかった。
中国外務省は1日、中国に対して課されるいかなる決定も中国政府は承認しないとの主張を繰り返した。
同国は11月24日、この裁判について
「南シナ海における中国の領海主権を否定しようとする無益な試み」
だとしている。
オーストラリア国立大学のマイケル・ウェスリー教授(国際関係論)は、中国はいかなる裁定にも拘束される気はないだろうと語る。
「南シナ海問題は中国の考え方を示す典型的な例だ。
中国は、現実には(大規模な)紛争のリスクを引き受けることなく、この地域における米国の優位を拒否・排除し、中国がその立場を引き継ごうとしている」
と同教授は話す。
■<国際的な関心の高まり>
外交関係者の多くにとって、この裁判は、年間5兆ドル(約613兆円)もの海上貿易が経由する航路に関して、中国に国際的な法規範を受け入れさせるうえで重要である。
ベトナム、マレーシアなどこの海域に関して領有権を主張する国の他にも、日本、タイ、シンガポール、オーストラリア、英国など、常設仲裁裁判所による裁定を遵守するよう中国に要請した国は多い。
米政府は同裁判所での審理プロセスを支持しているし、ドイツのメルケル首相も10月に北京を訪問した際に、南シナ海での紛争の解決に向けて国際司法に委ねるよう中国に示唆した。
オーストラリア・日本両国の外務・防衛大臣は11月22日にシドニーで行われた協議後に、南シナ海で領有権を主張する国々が仲裁を求める権利を支持すると述べた。
仲裁プロセスへの参加を拒否することにより、中国は自らの主張を公式に擁護する機会を失ってしまった。
中国の地図では、東南アジアの中心部の海にまで広がる「九段線」として中国の主張する領海が示されている。
フィリピン政府はこの「九段線」の合法性、またその内部での中国の行動について異議を唱えている。
フィリピン政府は、自国EEZ内での海域開発の権利について裁定を勝ち取ることにより、この海域内の複数の暗礁・岩礁から中国が撤退せざるをえなくなることを望んでいる。
外交関係者と石油産業筋によれば、最終的な裁定はエネルギー産業のために働く国際弁護士の精査を受けるのではないかという。
フィリピンおよびベトナム近海の紛争海域に関する権利についても明示されるか確かめるためだ。
ベトナム政府はフィリピン政府の申し立てを支持する意見を常設仲裁裁判所に提出しているが、まだ自身では中国を相手取った訴えを起こしていない。
ベトナム政府にもコメントを求めたが回答はなかった。
インドネシアの安全保障部門トップは先月、同国政府が「九段線」をめぐって中国政府を提訴する可能性があると発言している。
(Greg Torode記者、Manuel Mogato記者)
(翻訳:エァクレーレン)
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サーチナニュース 2016-01-10 09:45
http://news.searchina.net/id/1599310?page=1
中国は国際司法の仲裁受け入れない、
「力あるのみだ」
=中国人教授が堂々の「暴論」
中国メディア・観察者網はこのほど、中国海洋大学の桑本謙教授の
「南シナ海の仲裁案、中国はなぜ相手にしないのか?」
と際する文章を掲載した。
桑教授は同文章で
★.国際法とは力のある国家が築いてきた「強盗の論理」であり、
こちら側の意見に道理があるのに相手が受け入れない場合には「最終的には力ずく」
と主張した。
南シナ海に存在する島の領有権について、フィリピンは2013年、国家間の対立を調停する国際司法機関のひとつである常設仲裁裁判所で中国を提訴した。
中国は猛反発を続け、同裁判所が2014年に中国に抗弁の陳述書を提出するよう命じたが拒否し、同裁判を受け入れないと主張した。
同裁判所は15年10月、フィリピン側の一部の訴えに関して裁判所に管轄権があると判断し、審理を続行すると発表した。
中国の主張を受け入れない形で、国際司法機関が同問題に本格的に取り組むことが決まったことになる。
桑教授は文章中で、国連海洋条約制定に中国は参加していなかったとして、「中国はゲームのルールを作った側ではない」と指摘。
さらに「国際法」は国内法とは違い、力のある国が覇権を握り、世界の警察の役割を担うだけで、実際には「強盗の法」であり、「げんこつが硬い者の言うことが通る」という点で、本当の「法」とは言えないと主張した。
さらに、文明社会は国内統治においては「野蛮な復讐」を排除したが、国際関係は現在も「野蛮時代」との見方を示した。
桑教授は南シナ海の領有権問題について
「われわれに道理がないというのではない。
しかし道理を説いても相手は認めない。
道理が通じないなら、実力に頼るしかない。
道理が通ったとしても最終的には実力だ。
領土とはもともと、そのようにして作ってきたものだ。
話し合いで領土ができるわけではない」
と主張した。
桑教授は1970年生まれ。山東大学威海分校法学院(法学部)、山東大学法学院の講師、助教授、教授を経て現在は中国海洋大学法政学院の教授だ。
専門は法理学、法律経済学、刑法。
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◆解説◆
国際法とは「力のある国が自らの都合に合わせて作ってきたもの」との桑教授の認識に間違いない。
しかし桑教授は国際法、ひいては国際秩序の形成の流れは、完全に無視している。
まず「国際法」という概念そのものが、強国の恣意的行動に歯止めをかける性格を持つものだ。
たしかに制定時に「わがまま」が通ったとしても、大部分の国がそれを「ルール」と承認した後は、強国といえども状況が変わった際に、再びその場で自らに都合のよい行動を取ることがしにくくなる。
また、国際法や国際司法機関、さらに言えば中国が安保理常任理事国を務める国際連合も、国家間の対立や争いを「実力」、つまり「戦争」で解決することをできる限り防止することが目的で設立されたものだ。
「戦争を避ける」との目的は、現在も達成されたとは言い難いが、少なくとも第一次世界大戦が終わってからの歴史の流れだ。
桑教授は約100年に及ぶ歴史の流れを無視している。
さらに言えば、第一次世界大戦後に「戦争防止」の気運が発生した最大の理由は、技術の進歩にともない、大量殺戮が可能な兵器が多く登場したことや、それまでの「軍隊と軍隊が衝突する」戦争が、国家間の総力戦、つまり「国民全員と国民全員の殺し合い」に変貌したことがある。
もうひとつ指摘しておく。
例えば、これまで「世界の警察官」などと言われてきた米国が、相当な横暴を繰り返してきたことは事実だ。
「あまりにも阿漕」としか言いようのない事例も多かった。
しかし米国では自国政府を批判/非難する自由がある。
米国はベトナム戦争に敗北した。
ベトナム側が粘り強く戦ったのは事実だが、米国は国内で高まった反戦世論に負けた側面が大きい。
中国は、核兵器の保有を「公認」されている国でもある。
人類の生き残りのために核兵器を廃絶すべきであるのは言うまでもないが、「やむをえず」保有を公認されているということは、力の行使についてそれだけ「慎重さが求められている」ことでもある。
中国海洋大学の桑本謙教授にとっては、人類が生き残るチャンスの拡大を模索してきた歴史の流れも、自国の立場と責任も関係なく、「ほしい物は力ずくで取る」ことだけが大切らしい。
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