習近平は何しにアメリカまで出かけていったのか。
アメリカを挑発させるための準備をしにいったのか。
外交のシロウトは落とし処をもたずに会談に臨む。
自分の意見を一方的に押しつけるのが外交ではない。
「ガキのお使い」
であはるまいに。
「弱いオバマ」が有終の美を求めて中国に立ち向かったのか。
「ガマンを重ねてきたオバマは、最後は俄然と中国に対峙した」
といった後世に残るレッテルが欲しいのか。
あるいは、TPPの合意を待っていたのか。
TPPの合意がオバマを後押ししたことは確かだろう。
でも
「あのオバマが!」
である。
「オバマの裏切」
としか印象にないこの人の外交力であるのだが。
中国外交の最大の失敗は
「この地にアメリカを呼び込んでしまった」
ことだろう。
アメリカとしてはベトナム戦争後遺症から出て行きたくない場所である。
どちらかといえば避けて通っていた路である。
その行動を弱腰とみて、強気一辺倒で向かっていった。
自分より格下なら、そういうこともありえるが、日本やましてアメリカ相手ではそんなガキの脅しだけでことが済むものでもない。
日本への恫喝が、
『日本を普通の国というニューノーマルに導いた』
ように、
中国の動きは南シナ海にアメリカを呼び込むという重大な間違いを犯した
ように見える。
外交とは己を中心にモノを考えることではない。
自分と相手のあり方を見極めて、その関係を作り上げることである。
中国はまったく外交のシロウトである。
だから逆になにをやらかすか分からない危険性を秘めているといってもいい。
●2010年に軍事演習を先導する米海軍の強襲揚陸艦「ボクサー」(写真:US Navy)
『
ロイター 2015年 10月 9日 04:38 JST
http://jp.reuters.com/article/2015/10/08/us-southchina-idJPKCN0S21Z220151008
南沙諸島の中国「領海」内、米国が艦船派遣へ=報道
[8日 ロイター] -
南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島内で、中国が人工島を造成した件で、米国は今後2週間以内に、中国が主張する12カイリの領海内に艦船を派遣する見通しだ。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)などが報道した。
中国外務省の華春瑩報道官は8日の定例記者会見で
「米側が南シナ海の現状を客観的、公正な目で見つめ、平和と安定を守るため、中国とともに誠実に建設的な役割を果たすよう望む」
と述べた。
米ホワイトハウスは、機密事項の可能性もある海軍作戦についてコメントを拒否した。
米国務省と国防総省のコメントは、現時点で得られていない。
』
『
2015.10.10(土) Financial Times
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44967
米海軍、南シナ海での中国の領有権主張に対抗へ
人工島の12カイリ内に軍艦派遣、
緊張が高まるのは必至
(2015年10月9日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
米国が南シナ海に軍艦を派遣し、中国の人工島の近くで航行させる態勢を整えている。
この島の一帯を自国の領土・領海だとする中国の主張を米国は認めない
というシグナルを送るためだ。
米国の政府高官が本紙(フィナンシャル・タイムズ)に語ったところによれば、軍艦はスプラトリー(南沙)諸島に建設された複数の島の海岸線から12カイリ以内の、中国が自国の領海だと主張している海域に入るという。
匿名を条件に取材に応じたこの高官は、この行動は今後2週間のうちに始まる見通しだと話していた。
大国間の緊張を高めることになりそうなこの行動は、両国がいくつかの問題について対立している中で始まることになる。
例えば米国は、中国がサイバー空間で産業スパイ活動を行っていると非難している。
■強引さを増す中国の海洋活動
南シナ海における中国の活動はここ数年、強引さを増している。
米国は南シナ海での中国海軍の行動について、世界の貿易量の30%が通過する海域で航行の自由が脅かされていると主張している。
中国は過去2年間で海洋活動を拡充しており、太平洋での戦力投射能力を強化するため、埋め立てによって数千エーカーの土地を滑走路などの軍事施設用に造成してきた。
軍事専門家によれば、この人工島建設は、自国の沿岸から遠く離れたところ、特に南シナ海、東シナ海、および黄海を取り囲みながら、これらを太平洋と分け隔てるいわゆる「第一列島線」の外側で運用できる「外洋海軍」を構築する中国の目標の達成に資することを目指したものだ。
先月には、米国のバラク・オバマ大統領が北極圏を訪れている時に、中国海軍の艦船5隻がアラスカ沖を航行するという出来事があった。
招待を受けていない中国海軍の艦船が米国本土にここまで接近するのはこれが初めてだ。
■米中首脳会談で進展なく、ホワイトハウスがゴーサイン
米国のアシュトン・カーター国防長官は何カ月も前から、海洋活動を積極化させる許可を求めてきた。
ホワイトハウスはこれに対し、南シナ海の係争海域で状況がエスカレートするとの懸念から抵抗していた。
だが、習近平国家主席が先日ワシントンを訪問した時にも南シナ海問題で前進が見られなかったことから、ゴーサインを出した。
先月の習氏との共同記者会見でオバマ氏は、
「係争区域の埋め立て、施設建設、および軍事化への重大な懸念」
を表明したと述べ、米国は
「国際法で許されるあらゆる地域での航行、飛行、および活動を継続する」
と強調した。
米国は、自国の艦船を日常的に南シナ海に派遣し、公海を航行させているものの、中国がスプラトリー諸島での建設工事の規模をまだ拡大していなかった2012年以降、人工島から12カイリ以内の海域に艦船を送り込むことを手控えている。
この新しい取り組みは、中国の主張は国際法に沿っていないという米国のスタンスを補強することを意図したものだ。
米太平洋艦隊司令官のスコット・スウィフト海軍大将は10月初旬、訪問先のオーストラリアで
「公海航行の自由とは、争奪の対象であり
・・・国内法や国際法の解釈変更で定義し直すことができるものだと思っている国がある」
と発言し、中国を間接的に批判した。
「この地域の一部の国々は、自分たちの排他的経済水域(EEZ)で過剰な警告を発したり公海航行の自由を制限したりし続けており、UNCLOS(国連海洋法条約)に沿っていない領海権を主張している」。
スウィフト大将はこう述べた。
「この傾向は、係争中の海域で特に甚だしい」。
ホワイトハウスは、そうした問題は「機密」だとし、
「南シナ海での航行の自由作戦*1にあたる可能性があるもの」についてのコメントを拒んだ。
■米国が長く待つほどリスクは増大
オーストラリア国立大学に籍を置くアジア問題の専門家、ロリー・メドカーフ氏は、この地域に
「島を建造して軍事化するという中国の受動攻撃的な戦略に立ち向かう容易な、あるいは無リスクの選択肢は存在しない」
と言う。
「中国がこれらの海域を支配しないことを確実にしたいと米国が真剣に考えるのであれば、
長く待てば待つほど、航行の自由の確保を目指す活動のリスクは大きくなるだろう」
*1=領有権などを巡って争いが起きている海域に軍艦を派遣し、船舶の自由な航行を確保せよというメッセージを送る米軍の行動のこと
■フィリピンの苛立ち
米海軍の行動計画が浮上したのは、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が、フィリピンが中国を提訴した案件を審理する管轄権が自らにあるかどうか裁定する準備をしている最中のことだ。
フィリピン政府は同裁判所が「九段線」――中国の主権が南シナ海の資源豊富な海域の大半に及ぶことを示唆する中国の地図上の境界線――を無効とすることを望んでいる。
フィリピン最高裁判事で南シナ海における中国の行動を批判するアントニオ・カルピオ氏は、もし仲裁裁判所が管轄権を持たないと判断したら、九段線が有効となり、中国が勝訴を利用して地域で主権を確立する自国の取り組みを正当化するだろうと指摘する。
また、フィリピンが負ければ、フィリピン政府は教育のための資金を、より確かな軍事的抑止力の構築に回すことを余儀なくされると語った。
カルピオ氏は、南シナ海の一部岩礁など――特に、同氏いわく米国が歴史的にフィリピンの一部と見なしてきたスカボロー礁(黄岩島)――はフィリピン領だという同国政府の主張を支持しなかった責任が米国にあると言う。
中国は2012年、2カ月に及ぶ海軍同士の緊迫したにらみ合いの末に、スービック湾から200キロ離れたスカボロー礁の支配をフィリピンから奪っている。
米国務省は、南シナ海に関する長年の政策は、米国は「対立する主権の主張について立場を取らない」ことだと話している。
By Demetri Sevastopulo in Washington
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』
『
テレビ朝日系(ANN) 10月10日(土)11時50分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20151010-00000018-ann-int
米軍、南シナ海人工島で艦船の通過検討 中国を牽制
中国が南シナ海で進める埋め立てを巡って、アメリカ太平洋軍の司令官は、人工島の22km以内に艦船を進入させる考えがあると明らかにしました。
中国の領土と認めない姿勢を示す狙いです。
米太平洋軍・ハリス司令官:
「我々は、南シナ海や世界中で航行の自由を実行しなければならない。
私はオバマ大統領らが選択肢を検討し、将来、実行されることに満足している」
ハリス司令官は、オバマ大統領が決断すれば人工島の22km以内を艦船に通過させる考えを示しました。
国際法では海岸線から約22kmまでを領海と定めていて、アメリカの艦船を進入させることで中国が埋め立てた人工島を領土と認めない姿勢を示す狙いがあります。
イギリスメディアなどはアメリカ政府高官の話として、2週間以内に艦船を通過させる見通しだと伝えています。
』
『
テレビ朝日系(ANN) 10月10日(土)15時54分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20151010-00000022-ann-int
南シナ海めぐり米中互いに牽制 上陸演習、灯台建設
中国は、アメリカ軍が南シナ海の人工島近くに艦船を派遣する計画に反発し、灯台を完成させたと明らかにしました。
中国外務省・華春瑩副報道局長:
「我々はどんな国であれ、航行と飛行の自由を守るという言い訳で、中国の南沙諸島における領海と領空に侵入することを決して容認できない」
中国外務省は9日、南シナ海にある中国の人工島から22km以内に艦船を進入させるアメリカ軍の計画を強く非難しました。
そのうえで、
「挑発をやめ、責任ある態度を取るよう切に促したい」と警告しています。
また、国営新華社通信は、南シナ海のクアルテロン礁とジョンソン南礁で灯台が完成し、点灯式を行ったと報道しました。
一方、アメリカ軍とフィリピン軍は、マニラ近郊の海軍基地などで合同軍事演習を行いました。
演習には約1500人が参加し、水陸両用車や小型ボートでの上陸訓練などが行われました。
南シナ海での海洋進出を進める中国を牽制(けんせい)する狙いがあります。
』
『
JB Press 2015.10.15(木) 北村 淳
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44978
アメリカの軍艦派遣は打つ手が遅すぎた
~南シナ海の軍事バランスはもはや圧倒的に中国が優位
●中国によって巨大な灯台が建設された南沙諸島のクワテロン礁
アメリカ太平洋軍司令官ハリス海軍大将は、
「アメリカ軍艦ならびに軍用機は、南沙諸島に建設されている中国の人工島周辺12カイリ(約22キロメートル)以内でのFON(Freedom Of Navigation)パトロールをただちに実施するべきである」
と重ねて明言した。
これは、本コラム(「ホワイトハウスが米海軍に圧力『中国を刺激するな』」)で紹介した連邦議会公聴会における発言の延長線上にあるものである。
「世界中の海洋で自由航行原則が脅かされる可能性がある場合、そのような事態の是正を求める」
というのがアメリカの伝統的国策であり、それを推進するプログラムの中で軍隊が担当するのがFONパトロールである。
これは、自由航行原則に脅威を与える事態が生起した場合、その海域に軍艦や航空機を派遣して警告を発する“戦争以外の軍事作戦”だと言ってよい。
■FON作戦が抱えるジレンマ
このようにハリス提督は内外いくつかのメディアのインタビューに答える形で「12カイリ内FONパトロール実施の必要性」を強調している。
それと歩調を合わせて“アメリカ海軍筋”からは、
「アメリカ海軍は2週間以内に中国人工島12カイリ内でのFON作戦を実施する」
という情報も流出している。
要するに、ハリス提督の議会やメディアに対する明言を受けて、アメリカ軍の対中強硬派が
「アメリカ海軍としてはいつでも中国人工島周辺12カイリ内に軍艦や軍用機を派遣してFONパトロールを実施する作戦の準備は万端整っており、
オバマ大統領のゴーサインを待つだけだ」
というメッセージを発しているわけである。
オバマ大統領にとっては、太平洋軍にゴーサインを出さないと、中国が南沙諸島に建設している7つの人工島は中国の領土であることを認めてしまったと捉えかねられない。
その結果、中国と南沙諸島の領有権をめぐって紛争中のフィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイそれに台湾は、アメリカへの信頼を失うことになるであろう。
同時に、南沙諸島はじめ南シナ海を“中国の海”と化していく流れによりいっそう拍車がかかることになるのは必至である。
●南沙諸島に中国が建設している人工島
一方、オバマ大統領がFONパトロールにゴーサインを出した場合、アメリカの国是である「自由航行原則を守り抜く」そして「世界中に守らせる」という毅然たる態度を取り戻したと、アメリカ海軍はじめとする「自由航行原則至上主義陣営」からは評価されることになるであろう。
しかし、それは同時に、中国の南沙諸島領有権の主張に対して正面から異を唱えることを意味する。したがって、「自由航行原則の堅持」とともにアメリカ外交の鉄則である「第三国間の領域紛争へは関与しない」という国是には反することになってしまう。そのため、海軍や海兵隊などの対中強硬派とは一線を画して「人工島をターゲットにしたFONパトロールに対しては慎重な態度をとるべきである」という声も少なくない。
これらの米国内での国是に関する葛藤に加えて、FONパトロールの実施は米中関係にも直接大きな影響を及ぼすため、オバマ大統領は極めて困難な決断を迫られているのである。
■「平和的秩序の維持を破壊するな」と中国政府
アメリカ側のこのような動きに対して、中国当局は
「アメリカ海軍軍艦が中国の領土である人工島周辺の12カイリ領海内部を航行すること自体は、何ら違法な行動ではない」
としている。
中国は国連海洋法条約を批准している(アメリカは批准していない)うえ、中国自身もつい最近、アメリカの領海であるアリューシャン列島島嶼12カイリ内を3隻の軍艦によって“自由航行”(本コラム2015年9月10日「アラスカ沖のアメリカ領海を中国艦隊がパレード」)している。
よって中国としては、当然の基本的立場を述べたものである。
しかし同時に、
「自由航行の原則を振りかざして、挑発行為を行ったり、他国の領域に対する内政干渉することは、決して容認できない。
そのような軍事的威圧は、南シナ海などの平和的秩序の維持を破壊するものである」
といった趣旨の警告も発している。
まさに中国当局の声明は
「アメリカ軍による人工島周辺でのFON作戦は南沙諸島領域紛争への介入である」
という、アメリカ国内でも上がっている懸念の声を逆手に取ったものである。
■人工島に巨大灯台が誕生
時を同じくして中国政府は「クアテロン礁とジョンソンサウス礁に建設していた灯台の運用を開始した」と発表した。
クアテロン礁もジョンソンサウス礁もともに中国が埋め立てて人工島化している環礁である。
クアテロン礁に大がかりな灯台と思われる建設が開始されている状況は、すでに本年5月下旬には確認されていた。それが、高さ50メートルの巨大灯台として完成し、運用が開始されたのである(ちなみに日本の灯台の内最も背の高いのは出雲日御碕灯台で43.65メートルである)。
これら2つの灯台は、22カイリ遠方まで到達する強力な光達性能を有しているだけでなく、電波標識としてのAISとVHF局も備えている(出雲日御碕灯台の光達距離は21カイリ、室戸岬灯台の光達距離は26カイリ)。
このため、周辺海域を航行する船舶にとっては極めて頼りがいのあるナビゲーション支援を提供することになる。
また「近海での緊急事態に際しては心強い施設となるであろう」と中国当局は主張している。
さらに中国当局は、中国の南沙諸島での各種建設作業は、国際社会に貢献するところが極めて大きい旨を以下のように説明している。
「これらの灯台を皮切りにして、より多くのナビゲーション支援設備や緊急避難施設、それにオイル流出事故などに備えての処理施設などの建設が進められる。
このような中国の努力によって、南沙諸島周辺諸国の多数の漁船をはじめとする船舶のみならず、南シナ海を通航する様々な国籍の船舶の航行の安全が大きく促進されることになる」
■FONパトロールでは人工島建設を阻止できない
オバマ大統領がゴーサインを出してアメリカ太平洋軍によるFONパトロールが中国人工島周辺12カイリ内で実施されたとしても、中国の人工島建設(すでに島の土台の埋め立てや浚渫作業は完成しており、滑走路や建造物など島内施設の建設段階である)そのものをストップさせることはできない。
FON作戦は、あくまでも航行自由原則を維持するためのものであり、中国とフィリピンやベトナムなど南シナ海沿岸諸国との間の領域紛争への介入ではない。
オバマ大統領がゴーサインを出す場合、とりわけこの点を強調するはずである。
したがって、アメリカ軍艦や軍用機は、挑発的と見られる動きを封殺しつつ12カイリ内領域を通過することになる。
これにより、アメリカ軍としても
「中国が人工島を建設して勝手に領土領海を手にすることに対して警告を発した」
という“実績”を一応示すことができる。
また、オバマ政権としても、あくまで「航行自由原則の維持のため」という形を取りつつも「同盟国を見捨てたわけではない」というアリバイを作ったことになる。
しかし、中国側から見れば、たとえアメリカ軍艦が中国の“領海”内水域を通過しても、人工島に対して軍事的威嚇などを実施しなければ、それは「世界の全ての船舶が享有している、他国の領海における無害通航権」の行使にすぎない。
そのように中国当局が「無害通航権の行使」と公式に解釈してしまえば、いくらアメリカ側がFONパトロールによって「人工島を認めない」という意思を示し続けても、中国に対しては暖簾に腕押しである。
中国が巨額の資金をつぎ込んで建設した7つの人工島には、すでに3カ所もの3000メートル級軍用滑走路と多数の軍事関連施設、それに巨大灯台に代表される非軍事的“国際公共施設”が数多く建設されている(本コラム2015年9月24日「人工島に軍用滑走路出現、南シナ海が中国の手中に」)。
このような既成事実の塊である人工島を排除することは、FONパトロールをはじめとする外交的手段では、もはやほぼ完全に手遅れである。
アメリカ政府はもとよりアメリカ軍自身もそのことを明確に認識しているはずである。
つまり、南シナ海の軍事バランスが圧倒的に中国優位に突き進んでいるというのが紛れもない現実なのである。
』
『
レコードチャイナ 配信日時:2015年10月15日(木) 8時5分
http://www.recordchina.co.jp/a121170.html
<南シナ海問題>ベトナムが中国に抗議、
「灯台建設はベトナムの国家主権に対する深刻な侵害」―ベトナムメディア
2015年10月14日、環球網はベトナム通信社(VNA)の報道を引用し、中国の南シナ海での灯台建設に対し、ベトナム外務省の報道官が「ベトナムの国家主権に対する深刻な侵害だ」と中国側に抗議したと報じた。
同報道官は13日、
「我が国は断固として中国の行為に反対する」
と述べ、
「法の原理や歴史に基づき、西沙諸島(パラセル諸島)と南沙諸島(スプラトリー諸島)に対する争いようのない主権を再度表明する」
と主張した。
中国交通運輸部は9日、南シナ海のクアテロン礁でクアテロン灯台、ジョンソン灯台の竣工式を行い、2基の正式な運用開始を宣言しており、中国外交部は「中国の『海上交通安全法』と国際的な慣例に基づき、中国の関係当局がクアテロン礁とジョンソン南礁で航行に伴う通告や警告を発表する」と説明していた。
』
『
レコードチャイナ 配信日時:2015年10月15日(木) 15時45分
http://www.recordchina.co.jp/a121174.html
米豪、南シナ海問題で協力関係を強化へ
2015年10月14日、ロイター通信によると、米国とオーストラリアの外相と国防相は13日、米東部マサチューセッツ州ボストンで閣僚会合を行い、南シナ海問題における両国の協力関係強化などについて話し合った。
ケリー米国務長官とカーター米国防長官は13日、ボストンでビショップ豪外相とペイン豪国防相と会合を開催した。
中国による岩礁埋め立てなどで南シナ海の緊張が高まっていることについて、両国が連携を強化する方針を打ち出した。
米海軍は南沙(英語名スプラトリー)諸島で中国が建設している人工島の12カイリ内で艦船を航行させる可能性があるとみられており、複数の専門家は今週末か来週にも実施されるとの見方を示しているという。
』
『
ロイター 2015年 10月 15日 16:39 JST
http://jp.reuters.com/article/2015/10/15/usa-navy-southchinasea-idJPKCN0S90F320151015
南シナ海航行は挑発でもサプライズでもない=米海軍作戦部長
● 10月15日、来日中の米海軍制服組トップ、ジョン・リチャードソン作戦部長は都内で会見し、南シナ海の国際水域における米国の行動はサプライズとなるべきではなく、挑発的なものにはならないだろうと述べた。写真は米海軍の哨戒機から5月に撮影されたファイアリークロス礁(2015年 ロイター)
[東京 15日 ロイター] -
来日中の米海軍制服組トップ、ジョン・リチャードソン作戦部長は15日に都内で会見し、南シナ海の国際水域を米海軍の艦艇が航行することは挑発行為にはあたらず、誰に対してもサプライズとならない、との見解を示した。
リチャードソン作戦部長は今年9月に就任。
アジア歴訪を日本から開始したことについて、日米同盟の重要性を意味すると述べた。
中国は南シナ海の大半の領有権を主張しており、航行の自由を名目に中国の領海を侵犯することは許さないと警告している。
一方、米国は国際法上、岩礁を埋め立て造成した人工島の領有権は認められないと主張。
カーター米国防長官は13日、米軍は国際法の許す限りどこでも航行・飛行すると述べた。
リチャードソン作戦部長は会見で
「国際法上認められる海域で米軍が航行の自由を行使することは、誰に対してもサプライズとならないはずだ」
と発言。
「これがなぜ挑発的と解釈されるのかわからない」
と述べた。
中国は南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島で埋め立て造成した人工島から12カイリ内を領海と主張している。
一部の米政府アナリストは、米国がすでにこの領海内で自国の艦艇を航行させることを決めたとみている。
』
『
時事通信 10月17日(土)12時38分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151017-00000053-jij-cn
領有権争い「武力に訴えない」=航行の自由「影響なし」―中国軍高官
【北京時事】中国軍制服組トップの范長竜・中央軍事委員会副主席は17日、北京で開かれた安全保障をめぐる国際フォーラムに出席し、「中国は防御的な国防政策を行い、永遠に覇権を唱えない」と主張した上で、南シナ海の領有権問題などを念頭に、「争いは平和的に解決し、軽々しく武力に訴えることはない」と強調した。
范氏は南シナ海で中国が進める埋め立てや建設について、「民間的な機能を主としており、航行の自由には影響を及ぼさない」と改めて主張。埋め立てた岩礁に中国が最近灯台を設置したことにも言及し、「既に各国の船舶に航行を支援するサービスを提供している」と訴えた。
南シナ海をめぐっては、中国が埋め立てた「人工島」から12カイリ以内に米国が軍艦を送り込むことを検討している。中国は軍事的側面を表立って主張しないことで、対立を抑えたい考えとみられる。
』
『
毎日新聞 10月25日(日)9時30分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151025-00000010-mai-int
<米軍>近く南沙進入…中国埋め立てに対抗
●艦船などが派遣される見通しの岩礁
南シナ海・南沙(英語名スプラトリー)諸島で中国が進める埋め立て・軍事拠点化への対抗措置として、米国のオバマ政権が人工島の「領海」に相当する12カイリ(約22キロ)内に米軍の艦船や航空機を近く進入させることを決定した。
米政府に近い複数の関係筋が明らかにした。
ミスチーフ(中国名・美済)礁とスービ(中国名・渚碧)礁の周辺海域での実施を検討中とみられる。
米国が主張する「航行の自由」を作戦行動で示す狙いだが、米軍が実際に航行に踏み切れば、中国が強く反発するのは必至だ。
■◇暗礁2海域で検討
「航行の自由」作戦について関係筋は「実施の決定は下され、具体的な方法について議論している段階だ」と述べ、近く実施されるとの認識を示した。
国防総省は今年5月の時点で、中国が造成した人工島の「領海」に相当する12カイリ内を航行する作戦計画が存在することを明らかにしていた。
米国はフィリピンやベトナム、マレーシアなども領有権を主張している南沙で中国が進めてきた埋め立てや軍事施設の建設を「緊張を高める行為」として強く批判。
オバマ大統領は9月にワシントンで会談した習近平・中国国家主席に中止を求めたが、習氏は「主権の範囲内」と拒否していた。
オバマ政権に政策提言をする米有力シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)で南シナ海での中国の活動を調査するグレゴリー・ポーリング氏は毎日新聞の取材に、米軍の
「航行の自由」作戦について、ミスチーフ礁とスービ礁を埋め立てた人工島の周辺海域が対象になる可能性が高いと述べた。
二つの岩礁は、いずれも埋め立て前は満潮時に水没する「低潮高地(暗礁)」であり、国際法上は領有権や領海を主張できない。
このため米軍が進入しても特定国の領有権には影響を与えず、全ての国のために航行の自由を支持するとの米国の主張を示しやすいとの判断と見られる。
ミスチーフ礁はフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内にあるが、1994年に中国が占拠、構造物を建設した。
今年4月には大規模な埋め立て作業が行われていることが判明。
9月には3000メートル級滑走路の建設関連と見られる作業も確認された。
スービ礁でも、昨年1月ごろから埋め立てが始まり、今年8月には滑走路建設と見られる作業が行われている。
』
【輝ける時のあと】
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