2015年10月9日金曜日

底が抜けた中国経済(3):食いつなぐのに必死、中国経済は発育不良、財産を築いた人は海外へ移住へ

_


現代ビジネス  2015年10月09日(金) 週刊現代
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45627

実名!中国経済「30人の証言」 
日系企業が次々撤退、大失速の真相
~こんなに異変が起きていた

 「習近平にドッグフードを喰わせろ!」。
 中国の国家主席を、アメリカがこれほど冷たく迎えたことはなかった。
 中国の主要都市で中国人と日本人駐在員に取材し、失速する中国経済の真相に迫った。

■中国経済は発育不良

 9月25日、米ホワイトハウスでオバマ大統領と米中首脳会談に臨んだ習近平主席は、
 「中国経済は順調に7%成長している」
と力説した。
 だが9月23日に明らかになった中国の製造業の景況感を示すPMIは、47.0ポイント。
 リーマンショック直後以来の低水準となった。

 中国経済の本当のところはどうなのか。
 本誌は今回、中国に暮らす30人にナマの声を聞いた。

 「中国の景気は悪いなんてもんじゃない。
 以前は政府が、石橋を叩いて渡るような慎重かつ的確な経済政策を取っていたが、いまの政府が進めているのは、石橋を叩いて割る政策だ」(南楠・食品卸会社社長)

 「多くの産業が生産過剰に陥っている。
 そして、中国経済を牽引する投資、輸出、消費のうち、GDPに占める投資の割合が高すぎる。
 これでは今後、多くの外資系企業が中国から撤退していくだろう」(孟旭光・外資系企業中国総代表)

 「私は銀行員なので、普段からよく顧客の動向を見ているが、せっかく貯めた貯金を、株式投資でパーにしてしまった人がいかに多いことか。
 こうした現状では中国経済は今後さらに悪化していくだろう」(張微微・銀行員)

 「中国経済は、一言で言えば発育不良の状態だ。
 そして財産を築いた人から、海外へ移住してしまう」(趙夢雲・テレビ記者)

 こうした中、9月にひっそりと、北京北東部に建つパナソニックのリチウムイオン電池工場(従業員1300人)が、閉鎖された。
 日本企業研究院の陳言院長が解説する。

 「このパナソニックの北京工場は、1979年に鄧小平が松下幸之助と建設を決めた外資系工場第1号でした。
 パナソニックはこれまで先端技術でリチウムイオン電池を生産してきましたが、中国市場における電池の過当競争の波に揉まれ、もはや撤退するしかなくなったのです」

■20年いて、こんなのは初めて

 パナソニックは、上海工場や山東工場なども閉鎖しており、中国事業を縮小する方向にある。
 7月29日に発表した4月~6月期決算では、純利益が前年同期比56.9%アップの595億円と、完全復活をアピールした。
 だがその陰に、創業者の松下幸之助が邁進した中国事業の縮小があったのである。

 陳言氏が続ける。

 「シチズンは中国で二つの工場を稼働させていましたが、そのうち一つを閉鎖しました。
 解雇された従業員は、1000人に上ります。
 ニュースにもなりませんが、中小零細の日系企業は、人件費や家賃の高騰などで、撤退が相次いでいます」

 シャープ、ダイキン、TDK、ユニクロ……と、2015年に入って次々と、中国工場の撤退もしくは一部撤退を始めた。

 8月12日には、天津で大爆発事故が発生。
 その損失額は、730億元(約1兆3700億円)に上ると報じられた。

●4700台のトヨタ車が一瞬で鉄クズと化した

 現地に進出しているトヨタの自動車4700台がペシャンコになった映像(写真上)は、日系企業にも衝撃を与えた。
 同じく近くに工場を持つ日系大手化粧品メーカーの幹部が語る。

 「わが社もあの爆発事故で、多大な損害を被りました。
 事故を起こした天津瑞海国際物流公司に損害賠償請求を出しましたが、交渉は一向に進んでいません。
 日本の本社ではこの事故を機に、天津工場の撤退を決断したのですが、天津市政府が認めてくれない。
 中国事業は、まさに進むも地獄、退くも地獄です」

 日系企業が多い大連で日系の建設会社社長を務めるベテラン駐在員も、ため息交じりに語る。

 「私は大連に20年以上住んでいますが、こんな不景気は初めてです。
 資金繰りが悪化して工事を途中ストップするビルや、完成しても買い手がいない幽霊マンションが続出しているのです。
  不景気のあおりを受けて、かつて1万人以上いた日本人は、もう3分の1規模です。
 日本の駐在員仲間と話していても、取引先の中国企業が夜逃げした話ばかり。
 全権を持つオーナーが、会社や従業員を置き捨てて、忽然と消えるのです。
 大連に進出している韓国系企業も同じことをやっていますが、日系企業は律儀なので、損ばかり被っています」

 香港に隣接した深圳で、日系企業向けコンサルタントを営む加瀬秀男氏も語る。

 「深圳の日系企業も、ビジネス環境の悪化にともなって、香港にオフィスを移す会社が相次いでいます。
 最近の特筆すべき傾向としては、日系企業に勤める大卒社員の質の低下です。
 考えてみれば、大卒の初任給が4000元(約7万5000円)で、同年齢の工事現場の作業員やレストランのウエイトレスの給料は、人手不足から5000元(約9万4000円)以上です。
 親が一人っ子に多大な教育費をかけても、報われない社会のため、大卒の若者たちがヤル気を失っているのです」

 日系企業に起こっている「変化」について、中国日本商会の中山孝蔵事務局長補佐が解説する。

 「今年に入って北京の日本商会から退会した企業は40社に上りますが、新規入会も32社あるので、撤退が相次いでいるとは一概に言えません。
 ただ、中国ビジネスの縮小は確かに起こっている。
 中国国内で生産して、先進国に輸出するというビジネスモデルが、もはや成り立たなくなってきているのです。
 日本人駐在員向けのだだっ広いマンションは空きだらけで、北京日本人学校の生徒数も、数年前の600人台から400人台まで減っています」

■軍事パレードで大損失

 中国日本商会は、毎年春に、『中国経済と日本企業白書』を刊行している。
 その2015年版には、次のような記載がある。

 【 2014年における日本の対中投資は前年比38.8%減の43億ドルとなり、2年連続減少した。
 2012年には過去最高74億ドルを記録したが、2013年後半から減少基調が続いている。
 今後1~2年の事業展開の方向性について、「拡大」と回答した企業の割合は46.5%(前年比7.7ポイント減少)となっている。
 2011年と比べると、拡大が大きく減少(66.8%→46.5%)した。 

 こうしたデータを見ても、明らかに日本企業は中国市場から「引き」に走っていることが分かる。
 中山氏が続ける。

 「加えて、9月3日の抗日戦争勝利70周年の軍事パレードのようなことがあると、首都の経済機能がマヒしてしまいます。
 この日本商会が入っているオフィスビルも2日間、立ち入り禁止になりました」

 香港紙『リンゴ日報』の試算によると、
 習近平主席の時代錯誤的な軍事パレードによって、215億元(約4040億円)もの経済損失
を出したという。

    北京在住8年という産経新聞中国総局の矢板明夫特派員が語る。

 「私の携帯電話には、日本から来た客を連れて行くため、高級中華料理の店の番号がたくさん入っていますが、このところ電話しても『現在使われていません』という音声メッセージが出ることが多い。
 つまり、高級レストランが続々潰れているわけです。
 また、不景気で銀行利用者が激減しているため、銀行での待ち時間が、めっきり減りました。
 以前は2時間待ち、3時間待ちでしたが、いまは30分も待たないで呼ばれます。
 それから地方出張へ行って痛感するのが、大型トラックが減ったこと。
 どの地方も景気が悪いのです」

 思えば5年前は、石炭バブルに沸く内蒙古自治区オルドスから北京まで車列が続き、わずか200kmの距離をトラックで20日間もかかるという世界最悪の渋滞が話題を呼んだ。
 だがいまや、オルドスは中国最大の「鬼城」(ゴーストタウン)と呼ばれていて、行き交う車すらほとんどない。

 こうした中国経済の悪化を、当の中国人たちはどう捉えているのか。

 「患者と話していると、景気の悪い話ばかりだ。
 商売は上がったりだし、とにかく商品の物流が減っているという。
 中国経済がここまで悪化している最大の原因は、政府が金融の自由化を断行しないことだ」
(柴歓・漢方医)

 「私の周囲の人々の衣食が目に見えて粗末になってきた。
 一番の問題は、社会的に飛躍していくチャンスが、ますます狭まってきていることだ」(劉・ITデザイナー)

 「教師の給料は上がらないのに物価は高騰する一方だ。
 そのため消費を切り詰めるしかなく、もはやちょっとした旅行さえ贅沢になってきた」(王貞樺・中学教師)

■「新常態」という言い訳

 習近平政権の立場について、国務院(中央政府)の経済官僚である熊氏が説明する。

 「習近平主席がアメリカ訪問でも述べたように、中国経済は悪化しているのではなく、『新常態』(ニューノーマル)という『新たな正常な状態』に移行したのです。
 新常態とは、
 高度成長から中高度成長へ、

 製造業中心からサービス業中心へ、
 そしてより環境に優しい節約型の成長へという移行です。
 その象徴である大型国有企業を改革し、新たな成長へと向かうのです」

 湖南省の国有企業の経営者も語る。

 「とにかく習近平主席の指示に従うこと。
 市場よりも党中央。
 企業経営の要諦はそれに尽きる」

 国有企業は全国に1100社余りあり、国の基幹産業を握り、
富の6割強を占めている。

 熊氏が指摘した国有企業の改革に関しては、8月24日に習近平主席が「指導意見」(方針)を定めた。
 それは、国有企業の市場の寡占と、共産党の指導強化を謳ったもので、国民が期待した国有企業の民営化とは正反対の方向だった。

 この「指導意見」が9月13日に発表されると、すぐさま市場が反応した。
 翌日の市場は失望感に覆われ、上海総合指数は2・67%も安い3114ポイントまで急落したのだった。

 だが、こうした市場の反応を無視するかのように、国営新華社通信は9月17日、
 「私有化反対を旗色鮮明にしなければならない」
と題した論評を発表し、習近平主席が進める社会主義の強化を後押ししたのだった。

上海ナンバーワンの名門校・復旦大学教授で、テレビニュースのコメンテーターとしてもお馴染みの馮瑋氏が指摘する。

 「この新華社通信の論評には驚きました。
 確かに孔子も『富の分配が少ないことを心配せずに、分配が平等でないことを心配せよ』とは説いています。
 毛沢東時代も皆が貧しい公平な時代で、あの時代を懐かしむ人たちもいます。
 しかし中国も含めて、どんな国でも経済が発展するということは、経済格差が生まれるということなのです」

 馮瑋教授はその上で、中国が現在直面している経済状態について、次のように分析する。

 「習近平主席は、アメリカを訪問する前日の9月21日に、『中国経済には下降圧力が存在する』と述べましたが、これは婉曲的な言い回しで、実際は真っ逆さまに落ちています。

 私は常々、テレビや『微博』(ミニブログ)などで述べているのですが、中国経済の現状を判断するのに、経済学者の言うことを聞いたり、政府の経済統計を見たりする必要はないのです。
 なぜなら、
 われわれ中国人にとって一番身近な二つの指標、物価と給料を比べれば一目瞭然だからです。
 私の周囲に、最近給料がものすごく上がった人は皆無ですが、誰もが物価の急上昇は体感している。

 それを政府は、『経済の新駆動』とか『転換型発展』だとか、いろんな言葉を使って取り繕っていますが、要は『経済苦境に陥っている』という意味なのです」

 馮瑋教授は、近未来の中国経済についても、悲観的にならざるを得ないという。

 「中国が現在抱えている経済問題を、いかに解決していくかという道筋が、まったく見えてこない。
 低コストで製品を作って先進国に輸出するという経済モデルは崩壊したものの、それに代わる内需が拡大していないからです。
 そのため、香港ナンバーワンの資産家、李嘉誠は、800億元(約1兆5000億円)もの資金を中国から撤退させようとしている。
 彼に代表されるように、外資の撤退が顕著になってきています。
 これでどうやって、中国経済が良くなるのでしょうか」

■小学生の息子もアルバイト

 中国で辛口コラムニストとして知られる丁力氏も、中国経済の現状を嘆く一人だ。

 不動産バブルが崩壊したところに、株バブルも崩壊した。
 これは『雪上加霜』(泣きっ面に蜂)というものです。 
 3ヵ月くらい前までは、私の『微信』(中国版LINE)仲間の主な会話は株に関することでしたが、いまや株の話はタブーです。
 私の周囲にはこの夏、株で大損こいた人が大勢いて、その中の一人は、小学生の息子に放課後、西洋人参売りのアルバイトをさせている始末なのです」

今後の中国経済についても丁氏は悲観的だ。

 「現在中国では、今後の中国経済について、
 急降下していくという見方と、
 穏やかに落ちていくという2通りの見方
があります。
 私は前者だと思っています。
 その理由は、主に4点です。
 第一に、今夏の株価暴落に対する政府の政策を見ていると、常に後手後手に回っていて、稚拙な対策しか打てていないからです。
 第二に、今後ますます国有企業による市場の寡占化が進んでいき、民業が圧迫されることは明白だからです。
 第三に、習近平政権の極端な反腐敗運動によって、その副作用である官僚たちの『怠工』(サボり癖)が顕著になってきています。
 第四に、環境保全や社会福祉といった高度経済成長時代に先送りしてきた問題のツケが、今後一気に襲ってくるからです。
 こうしたことを勘案すると、どうしても楽観的な気分にはなれないのです」

上海人民出版社の曹楊編集長は、マスコミによる影響について語る。

 「いま中国メディアは、中国経済に対する悲観論一色で、それを見た人々は、ますます将来を不安視するようになっています。
 確かにいまの中国経済は底に来ていて、しかも底はしばらく続くのかもしれませんが、中国経済が崩壊することはないでしょう。
 昨今のマスコミ報道は、煽りすぎです」

 もう一人、南部の広東省を代表する高級紙『時代週報』の張子宇編集委員も、「負の連鎖」について語る。

 「つい数ヵ月前までは、オフィスやマンションの1階でエレベータを待っている間にも、人々はスマホで株価に見入っていたものです。
 もはやそんな光景は皆無です。
 中国経済を俯瞰すると、ほぼ全産業が沈滞する中で、IT産業だけが創業ラッシュに沸いている。
 それで猫も杓子もIT産業を目指し、それによって社会がさらにいびつで不安定になっていくという状況です。
 そして経済が悪化すればするほど、毒食品を作る人が増えたりして、それがまた経済を停滞させる要因となる。
 つまりいまの中国では、様々な意味で、負の連鎖が起こっているのです」

■食いつなぐのに必死

 張編集委員が指摘するように、IT産業は、いまや製造業に代わって、中国経済の唯一の頼みの綱と言っても過言ではない。
 9月22日から訪米している習近平主席は、「BAT」(バイドゥ、アリババ、テンセント)と呼ばれる3大IT企業の創業者たちを同行させた。

 元日本銀行北京事務所長で現在、NTTデータ投資チーフストラテジーオフィサーの新川陸一氏(北京在住)が語る。

 「中国のインターネットユーザーは、約6億5000万人もいます。
 IT産業の発展は目覚ましく、昨年の名目GDPの2割を超す規模に育っています。
 中国経済は当面、現在の『まだら模様の景気』が続くでしょうが、IT関連の消費が、景気下支え材料として続くと見ています」

 前出の陳言氏も、IT産業に期待する一人だ。

 「私のオフィスは『中関村』(北京のシリコンバレー)にありますが、付近の喫茶店は投資家と、アイデアを持った若者たちとの交流の場となっています。
 彼らは2万元(約38万円)くらいを手にして、次々に起業していくのです。
 李克強首相が先日、『中国は1日1万社が起業している』と述べていました。
 日本は全国で600万社ですが、中国は2年で600万社が誕生しているのです。
 この活力に中国の未来を感じます」

 他にも、少数ながら楽観主義者もいた。

 「北京で日本料理店を経営しているが、折からの日本旅行ブームのおかげで、千客万来の状態。いま店舗を広げて改装中だ」(張煥利・日本料理店経営者)

 「私の周囲は、7対3で景気のいい人が多いし、富裕層は相変わらず豪華な家に住み、高級車を乗り回している。
 中国はいまだに世界第2位の経済大国なのだし、IT産業に期待していいと思う」(陳旭・ファッションデザイナー)

 「習近平政権は、今年初めから、毎月の年金を580元(約1万1000円)も引き上げてくれた。
 周囲も皆、ありがたがって、満足な老後を過ごしている」(李便新・大学名誉教授)

 その一方で、今後のIT産業の発展に疑問を持つ向きもある。

 「中国では『BAT』がサクセス・ストーリーの象徴のように持て囃されているが、
 バイドゥはグーグルの、アリババはアマゾンの、テンセントはホワッツアップの
それぞれパクリではないか。
 今がピークだろう」(呂之言・エッセイスト)

 「IT産業に期待したって、そんなものはまた一つの新たなバブルに過ぎない。
 世界に通用する自主ブランドを作れない限り、中国経済の未来はない」(巴一・広告会社社長)

 他にも、様々な職業の中国人に、中国経済に関するホンネを聞いた。

 「中国経済が発展できないのは、実力ではなくコネばかりですべてが決まる社会だからだ。
 それでも、ギリシャよりはマシだろうが」(肖揚・広告会社勤務)

 「政府の過度の金融緩和によって、インフレを招いた。
 それで製造業が打撃を受けたのだ」(毛傑・大学博士課程)

 「中国の企業は、経営者と社員との関係が悪すぎる。
 このことが、中国経済が落ち込んでゆく最大の原因だ」(謝林玲・大型国有企業社員)

 「3年前まで国有企業には手厚い福利厚生があったが、習近平時代になってすべて消え、初任給も毎年1000元ずつ減っている。
 それで優秀な若者から辞めていく」(胡麗芳・別の大型国有企業社員)

 「中国人は、以前は懸命に働いて生活を向上させようとしていたが、いまや懸命に働いて何とか食いつなごうとしている。
 子供のいる家庭は悲惨だ」(孫江韵・設計士)

 こうした声を総合すると、「習近平不況」はやはり当分、収まりそうにない。

「週刊現代」2015年10月10日号より



東京商工リサーチ 2015/10/8 13:40 東京商工リサーチ
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20151008-00010006-biz_shoko-nb

「日系企業の中国天津市進出状況」、161社・205拠点



●業種別日系企業天津進出拠点

 8月12日、中国天津市で危険化学物質を貯蔵する物流企業の倉庫で大規模な爆発が発生した。
 報道によると事故原因の解明が遅れ、爆発による大量の有害物質の流出も疑われている。
 時間とともに企業活動への影響は薄らいでいるが、進出している日系企業の状況などを調査した。

 東京商工リサーチが独自に保有する国内企業データベースと、提携するDun & Bradstreet(ダンアンドブラッドストリート、本社・米国)が保有する世界最大級の海外企業データベースを活用し、日系企業の中国天津市への進出状況を調査した。
 これによると中国天津市には日系企業の拠点は205カ所あり、支配権最上位の日系企業数は161社だった。
※本調査は、Dun & Bradstreetが提供する「WorldBase」と東京商工リサーチが保有する企業データベースを活用した。「WorldBase」より中国天津市の事業拠点(以下、拠点)を抽出し、拠点を管轄する企業の支配権(議決権・所有権)を50%超有している企業を特定。
 特定された企業がグループにおける頂点企業ではない場合、同様の方法でグループ最上位企業を特定。
 特定されたグループ最上位企業が日本に所在する場合、日系企業とした。
 このため、支配権が50%以下の場合は集計対象外とした
※業種分類は、米国連邦政府が開発し世界的に広く普及しているSICコード(Standard Industrial Classification Code)の1987年版を採用した。

■調査結果のポイント

 ・日系企業は中国天津市に161社が進出、205拠点を構えている
 ・全体の約7割が製造業
 ・リーマン・ショック(2008年)以降、拠点開設は低水準である
 ・議決権最上位企業数が最も多い都道府県は東京都

■業種別:輸送用機械器具製造業が約2割
 天津市の日系企業205拠点のうち、業種別では
★.製造業が147拠点(構成比71.7%)で最も多く、
 内訳は
◆.輸送用機械器具製造業が最多の40拠点(同19.5%)だった。
 中国の自動車関連産業の集積地と言われる天津市に日系自動車関連メーカーが数多く進出していることがわかった。
◆.一般機械器具製造業の24拠点(同11.7%)、
◆.電気機械器具製造業の19拠点(同9.2%)
と続く。

◆.卸売業は28拠点(同13.6%)、
◆.サービス業は15拠点(同4.3%)
だった。 
 銀行業や保険業など金融業は4拠点、飲食業と不動産業はそれぞれ1拠点にとどまり、
★.日系企業の中国天津市への進出は製造業に偏重している。

◆開設年別:2000年以降に開設された拠点が6割

 2000年以降の開設は123拠点で、全体の6割を占めた。
 なかでも2003年は25拠点、
 2004年は26拠点と開設が多く、
 この2年だけで全体の約4分の1を占めている。
 リーマン・ショック(2008年)以降は開設が鈍化し、
 2009年は1拠点、
 2010年は2拠点にとどまった。
 その後、2010年代に入ると拠点の開設数は復調しているが、
 それでも1けた台の推移である。
※設立年不明が12拠点存在するため、合計は205拠点にならない。

■支配権最上位企業の本社:東京都がトップ

 205拠点の支配権最上位企業は161社で、日系企業1社当たり1.27拠点だった。
 支配権最上位企業の本社は東京都が最も多く57社(構成比35.4%)だった。
 次いで、大阪府の26社(同16.1%)、
 愛知県の25社(同15.5%)と続く。
 この3府県で全体の67.0%を占めている。
 京都府も大手メーカー中心に7社が拠点を開設、5位にランクインした。
 地区別では、北海道がゼロ、中国が1社、九州と東北が各2社で、天津市への進出は大都市の製造業が中心で、地方に本社を構える企業は中国天津市への進出が鈍いことがわかった。

 日系企業は中国天津市に205拠点を構え、うち製造業が7割を占めていることがわかった。
 天津市に置かれた拠点の大半は2008年のリーマン・ショック以前に開設されたもので、ここにきてようやく増加の兆しもうかがえるが、まだ本格化には至っていない。
 リーマン・ショック以前は、安い人件費と豊富な労働力を背景に製造業の進出が相次いだ。
 さらに、製造業だけでなく流通業でも人口13億人を有する有望な市場として消費の魅力は大きい。

 しかし、昨今の人件費高騰や景気減速、天津市の爆発事故などもあり、中国のカントリーリスク、いわゆる「チャイナリスク」が急速に注目されている。
 東京商工リサーチの調査では、上場企業3,613社のうち、約2割にあたる694社がチャイナリスクを事業上のリスクと認識している(10月5日発表)。
 また、2015年上半期(4-9月)のチャイナリスク関連の倒産件数は43件で、前年同期の30件から大幅に増加した(10月8日発表)。
 4月以降、「チャイナリスク」関連倒産が増加している。
 中国は世界第2位の経済大国に成長したが、中国ビジネスは経済成長に伴い当初のメリットが希薄化している部分も出てきている。
 今後は、様々な角度から巨大市場の将来性とチャイナリスクを分析し、有望市場でのビジネスに取り組んでいくことが必要だろう。



東京商工リサーチ 2015/10/8 13:26 東京商工リサーチ
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20151008-00010004-biz_shoko-nb

「チャイナリスク」関連倒産、
2015年度上半期は43件発生、9月は最多の11件


●チャイナリスク関連倒産月次推移

 世界第2位の経済大国に成長した中国。
 潜在的な市場が魅力だが、
 景気減速や商習慣の違いなど「チャイナリスク」が高まっている。
 2015年度上半期(4-9月)に「チャイナリスク」を要因とする企業倒産は43件(前年同期30件)発生した。
 9月単月では、調査を開始してから最多となる11件だった。
 上半期の負債総額は、上場企業の倒産が2件発生したため2,117億2,000万円となり、前年同期(80億9,200万円)から大幅に増加した。
★.産業別では、卸売業が27件と全体の62.7%を占めた。
 倒産には集計されないが事業停止や破産準備中などの「実質破綻」は9件(同0件)発生。
 両者を合算したチャイナリスク関連破綻は、上半期52件(同30件)と大幅に増加した

■「チャイナリスク」関連の集計基準

「チャイナリスク」関連の経営破綻は、破綻の原因が次の6項目のどれかに該当するものを集計している。
 1.コスト高(人件費、製造コストの上昇、為替変動など)
 2.品質問題(不良品、歩留まりが悪い、模倣品、中国生産に対する不信など)
 3.労使問題(ストライキ、工場閉鎖、設備毀損・破棄など)
 4.売掛金回収難(サイト延長含む)
 5.中国景気減速(株価低迷、中国国内の消費鈍化、インバウンドの落ち込みなど)
 6.反日問題(不買、取引の縮小、暴動など)
※「チャイナリスク]関連の経営破綻は、下記の「倒産の定義」のいずれかに該当するケースを「倒産」として集計。
 「事業停止」や「破産申請の準備中」などは、倒産とは区別し「実質破綻」としている。

■倒産の定義(対象:負債額1,000万円以上の法人および個人企業)
A).会社更生法、民事再生法、破産、特別清算を裁判所に申請した企業(法的倒産)
B).手形決済などで6カ月間に2回の不渡りを出し、銀行取引停止処分を受けた企業(私的倒産)
C).企業が経営破綻により事業継続を断念したが、法的手続きを採らず弁護士などに事後を一任して私的整理(内整理)を明らかにした企業(私的倒産)
※「チャイナリスク」関連倒産の調査開始は2014年4月。
※本調査は2015年10月2日発表した『「チャイナリスク」関連倒産 調査(速報値)』の確定値。

■年度上半期「チャイナリスク」関連倒産 9月は最多の11件発生
  2015年上半期にチャイナリスクが影響した倒産は43件(前年同期30件)発生した。
 4月以降に急増し、9月は調査を開始してから最多の11件となった。
 上半期の負債総額は2,117億2,000万円だった。
 経営破綻(倒産+実質破綻)は52件(前年同期30件)発生した。

■倒産要因別:コスト高が大幅に増加
★.最多はコスト高の33件で、全体の76.7%を占めた。
 中国市場は安価な製造コストと豊富な労働力が魅力だったが、コスト高の倒産が前年同期の17件から倍増した。
 労使問題、売掛金回収難、中国景気減速は各1件の増加。
 前年同期に6件発生した反日問題の発生はなかった。

■産業別・業種別:卸売業の増加が目立つ
 産業別では、卸売業が27件で前年同期の11件から大幅に増加した。
 前年同期に発生がなかった小売業は2件発生した。
 一方、製造業は14件から11件に減少した。

 業種別では、製品の輸入や製造委託などで中国と密接な関わりを持つ、繊維・衣服等卸売業が14件で最多。
 次いで、その他の卸売業、機械器具卸売業、食料品製造業が各4件。
 原皮価格の高騰や人件費上昇が影響したとみられる、なめし革・同製品・毛皮製造業が3件だった。
 金融・保険業や不動産業、情報通信業の倒産は両期とも発生がなかった。
 現時点では比較的チャイナリスクの影響を受けにくい業種のようだ。

■地区別:関東が4割を占める
 地区別では、関東が18件で最多。
 次いで、近畿10件、
 中部9件、
 北海道2件と続き、北陸、中国、四国、九州は各1件だった。
 東北は発生がなかった。
 東北は、復興特需により倒産自体が抑制されており、チャイナリスクの影響も他地区に比べ低いようだ。

 近畿は前年同期の1件から10件と急増が目立った。
 繊維・衣服等卸売業の倒産14件のうち、5件が大阪府で、繊維関係の卸問屋が多い土地柄がチャイナリスクの影響を大きく受けていることがわかった。
 中部は9件で2件増加した。
 チャイナリスクを背景にした倒産は、東京、名古屋、大阪圏に集中しているが、徐々に各地に広がる動きもみられる。
 特に、製造業よりも卸売業が多いだけに、全国の流通業者にも影響が広がる可能性があり、注目される。

■形態別:破産が大幅に増加
 チャイナリスクを要因として倒産した企業のうち、破産を選択したのは36社(前期同期比12件増)だった。
 特別清算も含めた消滅型は、前年同期の25件から36件へ増加した。

■負債額別:10億円以上が大幅に増加
 10億円以上が10件発生し、前年同期の1件から大幅に増加した。
 1億円以上は、21件から35件へ増え、構成比は81.3%を占めた。
 一方、1億円未満は9件から8件へ減少した。
 ここにきて東証一部上場2社を含め、中堅クラス以上の倒産が目立ってきた。

■資本金別:1千万円以上が大幅に増加
 1千万円以上が31件発生、前年同期の18件から13件増となった。
 倒産件数に占める比率は72.0%に及ぶ。

■従業員別:50人以上が2件発生
 最も多かったのは5人未満で18件。
 次いで5~9人の11件、10~19人の6件となった。
 前年同期に発生しなかった50人以上は2件発生した。

■実質破綻:9件発生
 実質破綻は9件発生(前年同期0件)、負債総額は約35億円が見込まれる。
 負債10億円以上の企業はないとみられる。
 大半の企業は破産への移行が濃厚で、消滅型倒産はさらに増加する可能性が高い。
 なお、実質破綻は2015年4月1件、6月1件、7月1件、8月4件、9月2件と、夏場から増加が目立ち始めている。

■チャイナリスク倒産は今後も増加する恐れ
 2015年度上半期(4-9月)のチャイナリスク関連倒産は43件だった。
 繊維・衣服等卸売業が最も多く、地区では近畿が大幅に増加していることがわかった。
 第一中央汽船や江守グループホールディングスなど上場企業を始め、負債10億円以上の増加が顕著で、チャイナリスクは体力の弱い小・零細企業から中堅クラス以上の企業にも広がっている。

  第一中央汽船は、9月29日の民事再生法を申請した後の会見で
 「自社は中国関係の取引はそれほど大きくないものの、現状の海運市況は中国トレードが5割以上を占めており中国の荷動きに影響される。
 2014年秋からの中国経済の減速により(海運市況が)急速に悪化した」
と申請に至った理由を明かした。
 しかし、同社の2015年3月期の有価証券報告書における「事業等のリスク」では、「世界各国の景気変動(中略)により、物流(荷動き)量が大きく影響を受け、運賃・用船料市況が変動する可能性」を指摘しているが、具体的にチャイナリスクに関する記載はない。
 チャイナリスクは、8月の上海総合指数の暴落により広く認識され流通される言葉となったものの、それよりも以前から水面下でじわじわと企業体力を蝕む「サブマリンリスク」なのである。

 倒産の月次推移では、4月以降に発生が急増し、9月は過去最多の11件だった。
 4月以降に合計9件発生している実質破綻の企業が今後、破産へ移行することが予想され、チャイナリスク関連倒産はさらに増加するとみられる。
 小売業は2件(前年同期0件)だったが、中国の景気減速に伴い訪日中国人が減少した場合、販売不振による倒産を押し上げる可能性もある。
 四国は1件にとどまったが、第一中央汽船の民事再生法の適用の申請で、今治市(愛媛県)周辺には同汽船と取引する企業も多く、その影響が懸念されている。
 チャイナリスクは中国と直接の取引関係がなくても、巡りまわって国内企業にも波及する。
 これを裏付けるように、中国産の安価な製品(商品)の流入で価格競争力を喪失した企業の倒産(集計名称:中国競合、本調査では集計対象外)は、上半期に9件(前年同期4件)発生している。
 チャイナリスクの影響の及び方は大企業と中小企業では異なるだけに、時系列だけでなく業種別など細やかな視点で、注目していくことが必要だ。



ニュースイッチ 10月10日(土)8時20分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151010-00010001-newswitch-bus_all

チャイナリスク倒産、前年の5割増
倒産要因はコスト増が5割超す
中小企業への波及懸念

 2015年1-9月に中国固有のリスク(チャイナリスク)で倒産した日本関連企業の数が前年同期に比べて5割増えたことがわかった。
 すでに59件となり、2014年の年間件数52件を上回って推移している。
 中国経済の減速の影響が表面化した格好だ。
 中国の景気の持ち直しに時間がかかれば、倒産件数が急拡大する火種はくすぶる。
 
 帝国データバンクが中国に子会社・工場や合弁会社を置いていた企業や中国企業と直接取引していた企業を対象に調べた。
   倒産要因では人件費高騰や為替変動に伴うコスト増が5割超に達した。
  中国の取引先の業績悪化も影響した。
 業種別では卸売業が約6割を占め、製造業が続いた。
 
 大企業のチャイナリスクはすでに表面化している。
 4月に江守ホールディングスが中国での売掛債権の回収難で、民事再生法の適用を申請。
 LIXILグループの中国子会社は不正会計処理の発覚で破産した。
 
 今後は中小企業への波及が懸念される。
 帝国データバンクの担当者は「中小企業の現地での取引先に対する債権や取引状況は情報開示姿勢の問題もあり、第三者が実態を把握するのが難しい」としている。
 
 実際、メガバンク関係者は
 「表面化こそしていないものの、中国依存が高い中小企業の中には未回収金が長期滞留しているケースも少なくない」
と指摘する。
 
 大企業と異なり、中小は経営資源の制限もあり、事業や地域のリスク分散が難しい。
 特に「中国一本足」で事業を拡大してきた企業も少なくない。
 依存度が高いだけに景気減速が長引けば、財務への影響は当然大きい。

 アナリストの中には
 「景気浮揚策で中国経済は1年もあれば持ち直す」
との見方が支配的。ただ、
 中小企業はその1年を持ちこたえられるか。
 チャイナリスクが急拡大する可能性はゼロではない。



Business Journal 2015/10/13 06:02 文=渡邉哲也/経済評論家
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20151013-00010001-biz_bj-nb

中国、株・不動産暴落&倒産増の兆候か

 当連載では、中国経済のバブル崩壊について解説し、
 中国はあらゆる面で発展の限界に達していること
をお伝えしてきた。
 今回は、また違った側面から、中国経済の問題点を見ていきたい。

★.中国の場合、バブルが膨れ上がるスピードがあまりに早く、
 インフラや社会制度が十分に整備されないまま崩壊しようとしている
という問題がある。

★.中国のバブルが拡大した理由のひとつに、社会保障制度の脆弱性がある。
 中国の場合、年金をはじめとした社会保障制度がないに等しい。
 つまり、人々は老後の資金などにおいて国をあてにすることができないため、自ら用意する必要があるのだ。

 また、前回言及したように、今の中国は一人っ子政策の弊害で若年層が少なく、高齢者が多い。
 そのため、将来的には1人の現役世代が6人の高齢者を支える人口構造になるといわれる。
 当然ながら、介護負担などが重くのしかかる。

 このような状況においては、老後の資金を自ら蓄えておかない限り、人生設計すらままならない。
 そういった事情から、中国では余剰資金は貯蓄に回りやすい傾向がある。
 そして、そこで問題になるのがシャドー・バンキング(影の銀行)の存在だ。

 これは、証券会社やヘッジファンドなど銀行以外の金融機関が行う金融仲介業務で、理財商品と呼ばれる高利回りの資産運用商品が、その代表格である。
 一種の私募ファンドともいえるが、かつては多くの人が安心してこれを買っていた。

 中国の企業には、国有あるいは地方政府や中央政府の幹部が絡んでいるものが多い。
 そのため、
 「企業は潰れない」
 「政府が倒産させないだろう」
という前提があり、人々は高利回りの理財商品を疑うことなく買っていた。

 しかし、2014年に中国は大きな方針変更を行った。
 「今後、適正でない企業に関しては倒産を容認する」
としたのだ。
 つまり、今後は企業の倒産が発生することを意味しており、実際に倒産や社債のデフォルトが起き始めている。
 こうなってしまうと、もはや理財商品は安全であるとはいえなくなってしまった。

★.理財商品を中心としたシャドーバンキング市場は約300兆円
ともいわれており、仮にデフォルトが続けば、その影響は計り知れない。

■不動産も株式も逆ざやになってしまう中国

 また、価格上昇を続けてきた不動産市場においても、限界が見えてきている。
 都市部の不動産投資の利回りは、平均2%前後まで低下してしまった。
 これは、どういうことだろうか。

 例えば、ある物件を5万円の家賃で人に貸したとする。
 年間の家賃収入は60万円だ。
 その物件の価格が1000万円の場合、年利は6%ということになる。
 しかし、3000万円の場合は年利2%だ。
 これでは、中国の平均借入金利のほうが高い。
 つまり、今は多額のお金を借りて不動産を購入して投資に回しても、完全な逆ざや状態になってしまっているのだ。

★.言い換えれば、中国の不動産価格は上限に達している。
 そんな中で起きたのが、今回の株式バブルであった。
 中国の株価は1年間で約2.5倍、年初からの上昇率60%という異常な上昇を見せた。
 これは、ほかの市場から逃げてきた投資資金が、株式市場に一極集中したからである。

 また、この株式市場拡大の背景には「政府の方針として、株価の高値を維持する政策をとるだろう」という、人々の期待もあった。
★.ところが、株価の上昇も限界に達した。

 中国の株価収益率(PER)は、銀行などの金融業種を除くと、約40倍にまで上昇していた。
 一般的に、PERの数値は高いほうが割高とされる。
 配当などを考えた場合、これでは株式投資も逆ざや状態になる可能性が高く、このような状態で株価が上昇し続けるのはありえない。
 そこでバブルがはじけたのは、必然の結果といえる。





●外国企業大規模撤退 中国で数千万人失業か 20150924





【輝ける時のあと】


_