2015年10月14日水曜日

果たして飛べるのかMRJ:「紆余曲折」の連続だったがなんとか初飛行へ、だが強度不足で納期1年延期

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サーチナニュース 2015-10-14 11:39
http://news.searchina.net/id/1591330?page=1

「紆余曲折」の連続だったMRJが初飛行へ、
中国でも高い注目度=中国メディア


 三菱航空機は9月30日、三菱重工業と共同で開発中の
 次世代リージョナルジェット機「MRJ」の初飛行を10月26日から30日にかけて実施する
と発表した。

 中国でもリージョナルジェット機「ARJ21」の開発が進められており、同機にとって競合にあたるMRJについての注目度は高い。
 中国メディアの界面は、1960年代に戦後初めて開発に取り組んだ旅客機「YS-11」から約半世紀を経て、MRJがついに初飛行を行うなどと紹介した。

 続けて記事は、MRJの開発はこれまで「紆余曲折」の連続だったと伝え、MRJの開発計画がこれまで4度も延期されてきたと紹介。
 一方で、三菱航空機は引き渡しのスケジュールは変更しないとしていることを紹介し、全日空は2017年4月から6月にかけてMRJを世界で初めて導入することになると報じた。

 さらに、MRJは今後、リージョナルジェット機市場ですでに大きなシェアを獲得しているカナダの「ボンバルディア」および、ブラジルの「エンブラエル」とシェア争いを展開する必要があるとしつつも、世界のリージョナルジェット機市場は今後も拡大していく見込みだと指摘。
 また、新興国においても需要が拡大していると報じた。

 一方で、リージョナルジェット機市場に参入を目論んでいるのは日本だけでなく、中国やロシアなどでも開発が進められている。
 中国は15年8月に「ARJ21-700」のテストフライトを実施しているほか、すでに300機以上を受注している。



ニュースイッチ 10月24日(土)9時58分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151024-00010000-newswitch-ind

MRJ初飛行延期!記事で振り返る4カ月

■開発は“一難去ってまた一難“

 国産初の小型旅客機「MRJ」(三菱リージョナルジェット)の初飛行は予定されていた26日の週を目前にしてまた延期された。
 これで延期は5度目。
 2週間延期し、11月9日の週になる予定。
 航空機の開発は本当に一筋縄ではいかない。
 初めての走行試験が6月。
 この4カ月を日刊工業新聞の記事から振り返ってみた。

●<初めての走行試験>
 三菱航空機は6月8日、国産小型旅客機「MRJ」の地上走行(タキシング)試験を開始した。
 エンジンの動力で自走する試験で、愛知県営名古屋空港の「誘導路」を使い、ブレーキの効き具合などを確認した。
 今秋に予定する初飛行に向け、地上での最終調整が本格化する。
 
 走行試験は時速約5キロ―9キロメートルの低速で機体の発進・停止を繰り返した。
 今後は最大200キロメートル程度での高速走行試験も計画。
 航空業界は15日にフランスで開幕する世界最大の見本市「パリ航空ショー」に向け、各社の動向に注目が集まっている。
 MRJはショー前に試験をすることで、新規受注への弾みにもなりそうだ。

●<記者会見で森本社長「ようやくここまで」>
 三菱航空機は、10月後半に試験機を初飛行させる方針を決めた。
 森本浩通社長は9月2日の記者会見で
 「ようやくここまできた。
 MRJが空に舞い上がる姿を共有し、喜びを分かち合いたい」
と、作業の進展に自信をみせた。

 2008年春の開発開始から既に7年を経過したが、いよいよ初飛行は秒読み段階に入った。
 すでに初飛行前に必要な強度試験をすべて終え、安全性を確認済みという。
 今後は10月中旬ごろまでに国土交通省の審査などを受け、初飛行に臨む。
 9月末をめどに初飛行する週を公表する。

 初飛行のルートは、同社に隣接する愛知県営名古屋空港を拠点に日本海または太平洋方面へ約1時間飛ぶルートを想定する。

■初飛行目標を「10月26-30日」に絞る

 三菱航空機は9月30日、国産小型旅客機「MRJ」を10月26―30日に初飛行させると発表した。
 天候や機体の整備状況を考慮しつつ、初飛行の前日に最終決定する。
 MRJの開発作業は2008年3月の事業化以来、最大の節目を迎える。
 
 県営名古屋空港(同県豊山町)を拠点に約1時間飛ばす。
 航空自衛隊出身者、海上自衛隊出身者の計2名のパイロットや技術者らが乗り、操縦性などを確認する。
 
 初飛行に向け6月以来途絶えていた地上走行試験を10月上旬にも再開。
 中速(時速約185キロメートル)、高速(同200キロメートル超)と滑走速度を上げ、問題がなければ飛ばす。
 航空法に基づく飛行許可も国土交通省航空局から取得する。

●<中速走行試験を開始>
 三菱航空機は10月7日、国産小型旅客機「MRJ」の中速走行試験を、愛知県営名古屋空港の滑走路で始めた。
 26―30日に予定する初飛行に向け、最高時速180キロメートル超で走行し、操舵(そうだ)性やブレーキの効きなどを確認する。
 初飛行前には離陸寸前となる時速200キロメートル超の高速走行試験も予定している。

●<2週間ぶりに走行試験>
 三菱航空機は10月19日、国産小型旅客機「MRJ」の走行試験を約2週間ぶりに実施した。26―30日の間に予定する初飛行に向けた地上試験の一環で、今週中には国土交通省による初飛行前の最終審査も受ける見通し。同社はこの日の滑走速度を明らかにしていないが、時速は50キロ―80キロメートル程度に達し、過去最高だったとみられる。

 走行試験の実施は7日以来。
 愛知県営名古屋空港の滑走路で、蛇行したり急ブレーキをかけたり性能を確かめた。
 今後の試験結果に問題がなければ、国交省航空局による飛行許可を得た後、初飛行する。
 初飛行直前には時速200キロメートル程度の走行も予定。
 MRJは約半世紀ぶりに開発される国産旅客機。
 初号機納入は17年4―6月を予定する。

●<そして初飛行は・・>



NHKニュース 11月11日 4時31分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151111/k10010301231000.html

国産小型旅客機MRJ きょう初飛行

 国産の小型ジェット旅客機「MRJ」の開発を進める、三菱重工業の子会社の三菱航空機は、
 初飛行を11日午前に実施する
ことにしています。
 初飛行が予定どおり行われれば、プロペラ機の「YS-11」以来、およそ半世紀ぶりとなる国産旅客機は、実用化に向けて大きく進むことになります。

 MRJは平成20年に開発が始まった国産の小型ジェット機で、三菱航空機は初飛行を11日午前に実施すると発表しました。
 初飛行では、開発拠点がある愛知県の県営名古屋空港を離陸したあと、風向きによって、太平洋側か日本海側のどちらかに向かうことにしています。
 そして、上空で上昇や下降、それに旋回など基本的な動作を確認して、およそ1時間後に県営名古屋空港に着陸する計画です。

 去年10月に初めての機体が完成したMRJは、その後、2度にわたって初飛行の日程が延期されてきましたが、会社側は地上の走行試験などが順調に進んだとして、11日の実施を決めました。
 三菱航空機は、天候などによっては初飛行を取りやめることもありえるとしていますが、予定どおり行われれば、本格的な飛行試験に移ることになり、プロペラ機の「YS-11」以来、およそ半世紀ぶりとなる国産旅客機の開発は、実用化に向けて大きく進むことになります。

■売りは燃費のよさ 大都市-地方間の利用を想定

 MRJは三菱重工業の子会社の三菱航空機が平成20年に開発を始めた小型のジェット旅客機で、名前は「ミツビシ・リージョナル・ジェット」の頭文字から取られています。
 リージョナルは「地域の」という意味で、大都市と地方を結ぶ中距離の移動に使うことを想定しています。
 座席は76席と88席の2種類が予定され、機体の長さは88席の機種で35.8メートルと大型のジェット機の半分程度です。
 燃費のよさを最大の売り物にしており、新型エンジンを搭載し、尾翼などに軽くて丈夫な炭素繊維を使った素材を用いることで、ライバル機に比べて2割程度よいとしています。
 三菱航空機は、こうした特徴を各国の航空会社に売り込み、販売の拡大を図っています。


トラベルwatch (2015/11/10 19:00)
http://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/20151110_729691.html

三菱航空機、MRJの初飛行を11月11日午前に実施、ついに国産ジェット旅客機が空へ

 三菱航空機が開発を進める国産リージョナルジェット旅客機「MRJ」。
 同社は、11月9日の週に予定していた飛行機試験機初号機による初飛行を、明日11月11日の午前に実施することを発表した。
 既報のとおり、県営小牧空港および周辺空域を約1時間飛行する。

 MRJの初飛行は過去に5度延期されており、2015年に入ってからは、第2四半期の予定を10月後半へ、10月26日の週に実施予定だったものを11月9日の週へと延期してきたが、いよいよ初飛行の時を迎えることになった。

 三菱航空機では11月2日にMRJの新Webサイト
 (http://www.flythemrj.com/j/
を開設し、初飛行をプロモーション。
 さらに、初飛行の模様をUstreamで生中継
 (http://www.ustream.tv/channel/NtahYVsFWxG
することをアナウンスしている。

 11月8日18時45分~11月15日18時45分の期間は名古屋空港旅客ターミナルビル3階を展望デッキを含めて閉鎖する処置がとられるほか、三菱航空機も会場周辺に一般の人を対象にした見学スペースを設ける予定はなく、会場周辺の混乱を避けるためにもUstreamの動画配信で視聴するよう呼びかけている。


 ライブ配信を見る。


MRJ First Flight Live
http://www.ustream.tv/channel/NtahYVsFWxG

 三菱航空機と三菱重工が進める、日本初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の初飛行について、県営名古屋空港から離陸と着陸の様子をライブ中継いたします。

 三菱航空機および三菱重工は、MRJ飛行試験機初号機の初飛行を、11月11日(水)午前に実施することとしました。08:30より名古屋空港からのライブ配信を開始します。

 なお、飛行試験は、安全をすべてに優先させて実施し、今後の機体状況及び天候状況等によっては、予定が変更となる可能性もあります。

 ライブ中継開始までは配信調整を行っている場合がありますので、ご了承ください。


● ライブ配信 離陸ダイジェスト



● ANNニュース



フジテレビ系(FNN) 11月11日(水)19時56分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20151111-00000150-fnn-bus_all

「日の丸ジェット」MRJ初飛行 
「ゼロ戦」技術受け継がれる



 半世紀ごしの夢と、「メード・イン・ジャパン」の誇りを乗せて、国産初のジェット旅客機が、ようやく初飛行にこぎ着けた。
 原動力となったのは、受け継がれる日本のDNAだった。

 早朝の県営名古屋空港。
 その滑走路を見渡せる場所には、全国から航空機ファンが訪れていた。
 そして、午前9時35分、ついにその時が来た。
 澄み切った秋の空を舞う、日の丸ジェット。
 半世紀ぶりの国産旅客機として開発が進められてきた、小型ジェット機「MRJ」の初飛行は、
 およそ1時間半にわたって行われた。

 MRJ(ミツビシリージョナルジェット)は、三菱重工業の子会社、三菱航空機が開発を進める小型ジェット旅客機。
 白を基調とした室内。
 座席は、およそ90席で、エコノミークラスの4列シートの幅は、従来の小型機より広く、4年前にお披露目された、最新のボーイング787と比べても、なお、ゆとりがあるという。
 高性能エンジンと機体のデザインで、大幅な低燃費化にも成功するなど、まさに最先端の技術が凝縮されたMRJ。
 その原点には、かつて世界をあっといわせた、日本の戦闘機があった。

 午後3時、安村佳之機長は、
 「1時間半程度、飛行機を触って、高いポテンシャルを持っていると感じています。
 私が今まで経験した機体の中でも、トップクラスといえる操縦性と安定性があった」
と語った。
 日本の航空産業の悲願ともいえる、国産初の小型ジェット旅客機、MRJの初飛行。

 この「日の丸ジェット」には、かつて世界一の性能を誇った、ある戦闘機の技術が受け継がれていた。
 しなやかな動きと、その戦闘能力の高さから、アメリカ軍に最も恐れられた零式艦上戦闘機、ゼロ戦。
 愛知・名古屋市にある、三菱重工業の大江工場。
 ゼロ戦は、その工場の設計室で生まれ、それから70年余りの時を経て、その部屋でMRJが設計されたという。
 さらに、機体の凹凸を最大限に減らすなどして、空気抵抗の削減と軽量化を実現したゼロ戦の技術が、MRJの機体の随所に受け継がれているという。

 大戦が終結した1945年から1952年まで、日本の航空機製造は、GHQ(連合国軍総司令部)によって禁じられた。
 解除から10年後の1962年には、国産初のプロペラ旅客機「YS-11」が製造されたものの、360億円の赤字を出し、わずか11年で生産終了。
 以来、日本の航空開発技術は、世界から大きく後れを取ることになった。

 2015年6月に行われた、パリ国際航空ショー。
 47カ国から2,200社以上が出展する、世界最大級の航空見本市で、期間中の総取引額が、16兆円余りに及ぶ。
 MRJは、これまでに国の内外の航空会社から、407機の受注があったが、今後20年で、およそ2,500機まで伸ばすのが目標。
 成功の鍵は、海外での販売拡大にかかっている。
 世界的に高まる、小型ジェット機需要。
 現在は、ブラジルの航空メーカーが6割近く、カナダの航空メーカーが、3割近くを占める、いわば「2強状態」にある。
 そこに、何としても割って入りたいMRJ。
 しかし、開発の遅れなどから、初飛行が5回にわたり、延期されるなどして、不安をささやかれていた。

 ライバル社が、このパリの見本市で、100機近くを受注する一方、初飛行すら終えていなかったMRJの新規受注は、ゼロという結果に。
 モノ作り大国の底力を、世界に示したい日本。
 今後は、アメリカを中心に2,500時間の試験飛行を重ねる予定で、2017年春に、第1号機が、全日空に納入される予定。



サーチナニュース 2015-11-12 12:25
http://news.searchina.net/id/1594037?page=1

MRJ初飛行「三菱の雄志」と中国報道  
ライバルの自国製ARJ21は「低調」と評す

 三菱航空機などが開発してきた旅客機の「MRJ」が11日、試験飛行に成功した。
 中国メディアも同試験飛行に強い関心を示した。
 中国商用飛機(COMAC)が2008年に初飛行させた「ARJ21」がMRJと競合するため、MRJの初飛行は「強力ライバルの登場」と受け止められている。

 MRJは比較的短距離の路線を飛ぶ「リージョナルジェット(地域間ジェット)」に分類される。
 座席数は70-90席程度。
 リージョナルジェットには現在、騒音の低さなどが強く求められている。

 MRJはエンジンに燃料消費と騒音を低減できるギヤードターボファンを採用(プラット・アンド・ホイットニー社の「PW1215G」)。
 機体設計の洗練さも加わり、同クラスの旅客機と比べ、燃料消費を20%程度抑えたという。

 世界的にみてリージョナルジェットの製造・販売は、ブラジルのエンブラエルとカナダのボンバルディアが「二大巨頭」だ。
 しかしリージョナルジェットは市場が急拡大し、今後20年間で5000機以上の新規需要が見込まれている。
 三菱重工業は、新規需要の半数の2500機の受注を狙っている。

 中国メディアの「澎湃新聞」は、MRJの開発に対する情熱と、販売面での強気の姿勢を「三菱の雄志」と表現。
 高性能エンジンの採用は他社も追随してくるので「有利さは長続きしない」と評したが、
 機体の小ささで居住性に問題が出がちなリージョナルジェットであるにもかかわらず、「機内設計が極めて精緻」であるため、
 大型ジェット機に匹敵する乗り心地を実現
と紹介した。

 さらにMRJのライバルを中国製のARJ21とロシアの「SS100(スホーイ・スーパージェット100)」と指摘。
 価格競争力でMRJは不利と主張。
 しかしMRJは先進国である米国を重点的な市場としているが、
 SS100とARJ21のを発注したのはほとんど自国企業のみで、「(MRJの)ライバルは低調」と論じた。

 ARJ21の初飛行は2008年で、現在までに300機あまりの受注があった。
 同機は米国連邦航空局(FAA)などの型式証明を取得しておらず、先進国では運航できない。
 そのため、同機を発注した航空会社はほとんどが中国企業で、他には、ラオス、ミャンマー、インドネシアの航空会社がある。
 米リース会社の「GECAS」が5機を発注したが、米国外での運航を想定と考えられる。

 ARJ21が初飛行から7年以上が経過してもFAAなどの証明を取得していないのは不自然であり、
 なんらかの「事情」のある可能性がある。

 MRJは初飛行の前に、全日空、日本航空、米トランス・ステーツ航空、スカイウエスト航空、イースタン航空などから223機を受注した。
 型式証明の取得はテスト飛行後の作業になる。

 澎湃新聞は直接触れなかったが、
 自国のARJ21を「低調」と表現した背景には、「先進国には売り込めない」との認識もあった
と考えられる。



東洋経済オンライン 11月14日(土)6時0分配信 杉山 勝彦
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151114-00092582-toyo-soci&p=1

三菱重工がMRJに全力で挑む"真の意味"

 三菱重工業が手掛ける国産ジェット機、「三菱リージョナルジェット(MRJ)」の初飛行が話題となっている。
 「国産機が飛ぶ」という感動ストーリー的に取り上げられていることも多いが、実はそれ以外にも重要な点がいろいろある。

 そもそも、なぜ三菱重工業はMRJという国産旅客機を開発するのか。

 それは、ビジネスとしての旨味が、納入業者であるサプライヤーと、完成品メーカーである元請けとではまったく異なるからだ。
 自動車部品をトヨタに供給しているサプライヤーと、トヨタのどちらが儲かるかと聞かれたら、言うまでもなく後者のほうである。

■サプライヤーと元請けでは収益性に大きな差

 基本的に、サプライヤーのビジネスは、部品の原価にマージンを乗せ、それによって利益を得る。
 注文が増えれば売り上げも増え、それに比例して利益も増えるが、どこまでいっても納入業者であることは変わらず、ビジネスとしてはどうしても限界がある。

 一方の元請け、最終的な組み立てを行う航空機メーカーは、いったいどれくらいの利益を上げられるかは事業の開始時点ではよくわからない。
 だが、表現は悪いが、どのくらい生産工程を効率化できるかなど、やり方次第では利益を拡大させる余地がある。

 たとえば、三菱重工業はボーイング787の主翼を造っているが、あくまでその主翼をいくらで買うかはボーイングが決めるもので、三菱側が努力してもそこから急激に利益を伸ばすことは難しい。

 しかし、部品ではなくMRJという「完成品」を作るとなれば、三菱重工業が基本設計から、サプライヤーの選定、部材の調達、組み立てまで、すべてを自社で決めることができる。
 その一連の過程の中で、部品を効率よく調達し、生産手法を改良し生産性を上げれば、利益を向上させることもできるわけだ。

 筆者はMRJの2023年の年間売上高を2500億円と予測した。
 リストプライス(カタログ販売価格)を1機当たり約4000万ドルとすれば、極端な例として2割引で販売したとしても1機3200万ドル。初飛行前までに確定受注だけでも200機以上の注文が入っていることから、順調に行けば年間に数十機以上コンスタントに生産されると見込んだのである。

 この2500億円は、売り上げであることに注意していただきたい。
 航空機の場合、エアラインは10年、20年といったスパンで導入計画を立てるため、導入機数とその売り上げ予測はそれほど変動はしない。
 しかし、生産技術においてイノベーションが起こり、より低コスト、短期間で生産できるようになれば、利益率は予想以上に向上することも十分にありうる。

 当初の計画では、主翼をCFRP(炭素繊維複合材)にすることで部材が高くなることが懸念されていたMRJだが、アルミ合金に変更されたことでこの懸念は少なくなった。
 主翼がアルミ合金でもライバル機より燃費性能は十分に高いとエアラインに評価されていることもあり、ビジネスとしては進めやすくなったともいえる。

 CFRPの場合には、最終的な生産機数が500機程度にならないと赤字になるのではないかとも言われていたが、アルミ合金に変えたことで300~400機程度あれば損益分岐点を超えるという見方も増えてきた。
 生産機数が500機に達すれば(確定受注以外のオプションも含めればすでにMRJの受注はすでに407機)、MRJは順調な事業展開が保証されるという明るいシナリオも、それほど非現実的ではない。

■可能性と同時に増大する「責任」

 最終的な組み立てを行うメーカーになるということは、利益だけでなく、ビジネス的な自由度も圧倒的に大きくなることを意味する。
 いかに優れた部品を造っていようと、サプライヤーはあくまでサプライヤーでしかない。
 最終製品に関する決定権は航空機メーカーが持つ。

 すべての製造物責任は航空機メーカーにかかってくるため、サプライヤーからすれば理不尽なほど厳しい条件を付けることもある。
 たとえば、ある航空機メーカーと、そこにリベット(機体構造部位などをつなぎ合わせるための鋲〈びょう〉)を納めているサプライヤーの間で、トラブルが起こったと仮定しよう。

 このサプライヤーは生産効率を上げるため、航空機メーカーの指定した手法から一部のプロセスを省いてリベットを製造したのだが、これが内部告発によって航空機メーカーの知るところとなってしまった。
 サプライヤーは何も安全性をおろそかにしたわけではなく、自社内で十分に強度試験を行ったうえで、このリベットの生産手法を採用し、十分な強度があることを説明したが、航空機メーカーは納得しない。
 「実際の航空機で20年間耐久試験を行ってみて、問題がなければ使用を認めるが、そうでなければ認めない」と言われれば、サプライヤー側も引き下がるしかないのである。

 また、サプライヤーの使う工作機械についても、航空機メーカーから細かな指示を受ける。
 指定されたものより、優れた工作機械があったとしても、航空機メーカーが認めなければ使うことはできないのだ。

 ただし、これらのエピソードで航空機メーカーが専横的だということを言いたいわけではない。
 航空機が墜落した場合、すべての責任は航空機メーカーにかかってくる。
 ビジネスとしての旨味も大きい代わりに、巨大なリスクを抱えるのも航空機メーカーなのである。

 三菱航空機はMRJのメーカーになることにより、サプライヤーの選定や部材、生産手法を自由にできる。
 その権利と共に、大きな責任もまた負うのである。

■航空機の部品発注は、「レシプロ取引」? 

 ここまで述べてきたように、航空機メーカーはサプライヤーに比べれば、ビジネス上の自由度は高い。
 ただし、航空機ビジネスは、その規模の大きさゆえに、政治的、経済的な制約を受けることもある。
 その代表的な例が「レシプロ取引」だ。

 航空機の国際共同開発の歴史は長い。
 日本の機体メーカー、装備品メーカーはサプライヤーとして、1980年代からボーイングやエアバス向けにさまざまな部品やモジュールを供給してきたが、こうした国際的な分担生産の背景に、生産分担国の航空機需要が深く関係していると言われる。

 簡単に言えば、たくさん買ってくれる国のメーカーには部品の注文を出す、あるいはたくさん買ってくれることを期待してその国のメーカーに注文を出す。
 こういったレシプロエンジン(往復動機関)の中のピストンの行ったり来たりのような、いわば「レシプロ取引」の考え方が底流にあることは否めない。

 たとえば、かつてのボーイングと日本のエアラインの関係についてみると、日本のエアラインが2006年7月までに発注したボーイング機は826機、760億ドル(2004年の価格)で、日本は同社にとって世界最大の顧客であった。
 特に、JALグループは747(ジャンボジェット)の世界最大の顧客で、ANAは767の米国外における最大の顧客だった。

 777についても、JALとANAを合わせると米国外における最大の顧客になる。
 確かに日本におけるボーイングのパートナーやサプライヤーが多い理由は、必ずしも技術力だけではないのかもしれない。

 それが露骨に見られるのが、アビオニクス(航法システム)に関する航空機メーカー2強の関係だ。
 国際的なアビオニクス市場は、米国のロックウェル・コリンズと、フランスのタレス・アビオニクスの2社の寡占状態にある。
 ところが、ボーイングが採用しているアビオニクスは欧州のタレス・アビオニクス製、一方のエアバスは米国のロックウェル・コリンズ製と、たすき掛けの関係になるケースも少なくない。

 サプライヤーへの発注という面では、ボーイングよりエアバスのほうが苦慮する傾向も見られる。
 エアバスは、フランス、ドイツ、スペイン、英国という4カ国の企業が合併してできたという経緯があるため、主要なサプライヤーもこれらの国々から優先的に選定される。
 日本のサプライヤーがエアバスの主要機体部位を手掛けていない背景には、こうしたエアバス側の事情もあるのだ。

 サプライヤーの選定には、資源外交的な側面もうかがえる。
 たとえば、747‐8のパイロン(エンジン取り付け部)の製造は、プレシジョン・マシーン・ワークス(米国)が担当するが、材料のチタンの調達には、ホン・ユアン・アビエーション・フォージング・アンド・キャスティング・インダストリー(中国)が当たっている。

 チタン資源国である中国を意識しているとみえなくもない。
 事実、ボーイングはもうひとつのチタン資源国であるロシアからも大量のチタンを購入している。

 近年は、ボーイングとエアバスの中国市場取り込みがエスカレートしている。
 ボーイングはラダー(方向舵)、前方ドア、自動緊急脱出装置など、787の構造部位の約10%を成都航空機工業など中国の航空機メーカーに発注したと言われる。
 エアバスは中国企業と合弁で、天津に中国国内向けA320の最終組立工場を建設してもいるのだ。

■ものづくり復活のヒントは、MRJにあり

 このように航空機は政治的、経済的にも日本に影響を与えるものだが、筆者は、MRJが日本のものづくり復活のカギになると考えている(詳しくは拙著『日本のものづくりはMRJでよみがえる!』でも解説している)。 
 もちろん、MRJをどんどん売れば景気がよくなるとか、航空機産業こそが日本の製造業を支えると言いたいわけではない。

 確かにMRJはライバル機に比べて圧倒的な燃費性能を誇り、なおかつ居住性にも優れた、すばらしい機体である。
 順調に飛行試験が進んでいけば、世界的なベストセラー機になっても何の不思議もない。
 それでも、MRJ1機種による年間の売上高は、前述のとおりせいぜい2500億円程度と見込まれる。
 2023年の航空機市場規模予測が2.4兆円なので、その1割というのはもちろん大きな金額ではあるが、約60兆円ある自動車産業に比べたら大したことはない。

 それでも筆者は、以下の2つ理由でMRJが日本のものづくり復活のカギになると考えている。

★.ひとつは、MRJのような航空機の製造には日本の強みが集約されていること。
★.もうひとつは、グローバル市場を攻略するためのヒントが隠されていること
である。
 このふたつのポイントは、航空機産業のみならず、他産業へも応用が可能だ。
 こうした意味で、MRJは単に三菱重工業の業績や日本の航空機産業の規模拡大につながるというだけにとどまらず、日本にとって非常に重要な意味を持つのである。



SankeiBiz 2015/12/25 08:15
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20151224-00000006-biz_fsi-nb

MRJ、強気の見通し崩さず 
主翼部分が強度不足、納入を1年程度延期

 三菱重工業と三菱航空機(愛知県豊山町)は24日、愛知県春日井市で記者会見を開き、国産初の小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」のANAホールディングス(HD)への初納入が2017年4~6月から1年程度遅れると発表した。
 主翼部分の強度不足が判明し、改修作業や試験の実施に時間がかかるためだ。
 ブラジルのエンブラエルが同じエンジンを搭載した同型機を20年に投入する予定で、これ以上の遅れが受注競争に影響を与える可能性もある。

 三菱航空機の森本浩通社長は会見で、
 「より完成度の高い機体にするため、試験項目の追加、見直しを行うため」
と延期の理由を説明した。
 MRJの機体の強度向上やソフトウエアの改良に取り組んでいるという。
 さらに、岸信夫副社長は、国土交通省から安全性を認証される「型式証明」を取得するには「主翼部分の強度が不足している」と明らかにした。
 飛行試験の実施には問題ないとしながらも「50年ぶりの開発で想定が甘いところがあった」と述べた。

 また、今秋以降、地上走行試験を行っているが、想定よりも日数がかかり、さらに試験項目を増やす必要があるという。
 今後の開発スケジュールについては、日米で行う2500時間の飛行試験については、来年半ばから米国で飛行試験を実施する予定だったが、来年10~12月に先送りする。
 同社は18年内に型式証明の取得を目指す。

 現在、MRJは6社から計407機を受注。半分近くがキャンセル可能な契約となっているが、森本社長は「今のところ、特に影響はない」と語った。
 今後20年で、客席が100席以下のリージョナルジェット市場は、5000機の需要があるとされ、三菱航空機は2500機以上の受注を目指している。

 最大のライバルのエンブラエルも同型機を投入する計画。
 同社が新型機を投入すれば、MRJとの燃費性能の差が縮まり、市場投入の早さが競争力の優劣を分けかねない。
 これに対し、森本社長は会見の中で、初飛行後の引き合いが非常に増えていることを明らかにした。
 これまで受注できていなかった欧州の航空会社からも引き合いが来ているといい、強気の見通しを崩していない。
 今回の納期延期の受注活動への影響については、20年以降の引き渡しのため、「今は特に出ていない」と指摘。
 「機体の優位性はMRJの方が高い」との考えを改めて強調した。

 2500機以上の受注を実現し、競争を優位に進めるには、何よりもエンブラエルよりも早い市場投入が不可欠となるのは間違いない。
 厳しい開発スケジュールを守った上で、安全性や品質の高い開発を継続できるかどうか。
 日の丸ジェットの開発は正念場を迎えている。



東洋経済オンライン 2015年12月26日 渡辺 清治 :東洋経済 記者
http://toyokeizai.net/articles/-/98401

MRJが4度目の納入延期、
今回の理由は何か
三菱重工業、開発費3000億円の回収に暗雲

 初飛行の感動からわずか1カ月半で、三菱重工業の小型旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)が再びピンチに立たされた。
 最新状況を踏まえて今後の開発スケジュールを再検討した結果、実施すべき試験項目の追加・見直しなどが必要となり、初号機の納期が守れなくなったからだ。

 これまで2017年4~6月の納入開始を目標にしていたが、2018年半ばへと約1年ずれ込む。
 最初の顧客であるANA(全日本空輸)、2番目の米トランス・ステーツ航空への納入に支障が出る。
 飛行試験の開始で開発の進捗を世界にアピールし、受注に弾みが付くと期待された矢先だけに、「残念としか言いようがない」と関係者らも落胆を隠せない。

■「想定した計画に甘さがあった」

 MRJは三菱重工が傘下の三菱航空機(本社:愛知県豊山町)を通じて開発を進める、70~90席クラスの小型ジェット旅客機。
 1965年に就航したプロペラ式の「YSー11」以来となる、
 半世紀ぶりの国産旅客機として大きな注目を集めている。
 その開発は難航を極め、2008年の開発正式着手から7年半の年月を経て、ようやく11月11日に初飛行へこぎ着けたばかりだった。

 「(三菱重工が開発・製造の中心的役割を果たしたYSー11以来)50年ぶりの旅客機開発で知見が足りず、想定したスケジュールに甘さがあった面は否めない」ーー。
 12月24日に愛知県で開いた記者会見の席上、開発責任者である三菱航空機の岸信夫副社長はこう認めざるを得なかった。

 同社によると、機体の完成度と安全性を高めるため、耐久性や落雷などの地上試験項目を追加・拡充する必要があり、地上実機試験に要する時間が大幅に増えることになったという。
 また、飛行試験が一定段階まで進んだ時点で試験結果を設計にフィードバックし、機体改修を集中的に実施する計画だが、そのための期間も従来より長めに設定し直した。

 三菱は空港離発着や飛行空域の制限が少ない米国シアトルをメイン拠点として飛行試験を進める予定で、飛行データ解析や設計修正を担当する米国開発拠点を8月に開設。
 旅客機開発の知見を有する外国人エンジニアを現地で多数採用しており、そうした開発経験者らのアドバイスを踏まえ、全体の作業工程を見直したという。

 納期の先送りは今回で4度目。
 設計変更や安全認証に向けた準備作業の遅れから、これまでも度重なるスケジュール延期を余儀なくされてきた。
 三菱の正式な延期発表を受け、ANAは
 「非常に残念だが、安全を第一に万全なる準備のうえ、完成度の高い機体が納入されることを願っている」
との公式コメントを出した。

 今回の納入延期を巡っては、主翼の強度不足などを理由とする報道が先行したが、岸副社長は
 「3回の飛行試験で大きな問題は起きていないし、何らかのトラブルで日程を変更したわけでもない」
と否定。
 強度で改善すべき点があり、現在、飛行試験機の主翼付け根部分や胴体部品の補強改修を行っていることは事実だが、
 「この程度の改修は珍しいことではなく、1月中には飛行試験を再開する」
と説明した。

■強敵エンブラルとの受注競争で厳しい立場に

 三菱にとって、開発がさらに長期化してしまったことは大きな誤算だ。
 まず第一に経済的損失。
 現在、MRJ事業には開発・販売を担う三菱航空機、生産を担当する重工本体の合計で約2300人が関わっており、年間の人件費だけで200億円近い。
 開発期間がさらに長引くことで、そうした固定費負担が重くのし掛かる。
 また、納期遅延の影響を被るANA、トランス・ステーツへの違約金問題も避けられない。

 それ以上に懸念されるのが、今後の受注への悪影響だ。
 MRJと同じリージョナルジェット旅客機のメーカーは、エンブラエル(ブラジル)、ボンバルディア(カナダ)、スホーイ(ロシア)、COMAC(中国)の4社。
 このうち、最大の強敵はエンブラエルだが、MRJの開発長期化により、三菱は受注競争でより厳しい立場に立たされる。
 エンブラエルはリージョナル機の老舗かつ最大手。
 現行機「Eジェット」(2004年就航)は累計受注が1400機を超えるベストセラー機で、世界で約70のエアラインが導入している。
 さらに同社は現在、高い燃費性能を謳ったMRJに対抗するため、Eジェットの改良型後継機となる「E2」シリーズを開発中だ。

 現行のEジェットは搭載エンジンが旧世代のもので、燃費性能が最大の弱点だった。
 MRJと同じ米プラット&ホイットニー社の最新鋭エンジンの採用により、後継機E2の燃費性能はMRJに数%差まで肉薄する見込み。
 まず2018年前半に97~106席の「190ーE2」、翌年に118席~132席の「195ーE2」、2020年に80席~90席の「175ーE2」の機体引き渡しが始まる計画だ。

 このうち、MRJと機体サイズが完全に競合する「175ーE2」で言うと、エンブラエルがE2の開発着手を正式表明した2013年6月当時、MRJは納入開始時期で5年のアドバンテージがあった。
 それが2013年夏と今回の度重なるスケジュール延期によって、2年の差にまで縮まってしまった。
 ただでさえ、エンブラエルには実績と顧客基盤があり、トラブル時の対応や交換部品供給などエアラインに対するサポート体制のインフラも確立している。
 MRJの最大の武器だった機体性能の優位性が薄まり、かつ、市場投入時期もさほど大きな差がなくなれば、新規参入の三菱がエンブラエルとの販売競争に勝つのは一段と難しくなる。

 最悪のシナリオは、2018年半ばの納入開始も難しくなった場合だ。
 なにしろ、肝心の飛行試験はまだ始まったばかり。
 延べ1500回、累計2500時間に及ぶ飛行試験を行い、
 それらの膨大なデータによって機体の安全性を客観的に証明し、
 国から設計の安全認証(型式証明)を得てようやく開発作業が完了する。
 この認証取得こそが、旅客機開発における最大の難関だ。 

 飛行試験には大小さまざまなトラブルがつきもので、経験豊富な米ボーイングや欧州エアバスでも、最新鋭機では初飛行から納入開始まで20カ月前後を要している。
 同じリージョナル機に新規参入した中国COMACに至っては、2008年の初飛行から7年かかった。

■さらに納期が遅れるリスクも

 新たな納入開始目標として設定した2018年半ばまで2年半。従来の約1年半から伸びたとは言え、三菱にとってハードルが高いことは変わらない。
 三菱航空機の森本浩通社長自身、
 「いろんなリスクを織り込んで日程を見直したが、旅客機開発には予見しづらい部分も多い。
 2018年半ばの納入開始を確約できるかというと、正直、断言は難しい」
と、さらに納期が遅れるリスクを否定しなかった。

 MRJ事業は、三菱重工のまさに威信と社運をかけた一大プロジェクトである。
 開発の長期化で、総開発費は3000億円規模にまで膨張。
 さらに設備投資や運転資金も含めると、納入開始までの先行投資額(投下資本)は軽く4000億円を超える。
  巨額の投資回収と累積事業損失の解消には最低でも1000機近い販売が必要と見られ、そのためにもこれ以上の大幅な遅延は絶対に許されない。

 果たして、すべての開発作業を期間内に終え、今度こそは2018年の納入開始スケジュールを守れるかーー。
 半世紀ぶりの国産旅客機となるMRJを真に“離陸”させるため、三菱の産みの苦しみと長く厳しい挑戦が続く。



レコードチャイナ 配信日時:2015年12月30日(水) 10時50分
http://www.recordchina.co.jp/a126006.html

日本製の航空機は品質に問題あり?
度重なるMRJの納入遅れに「日本の製造レベルなんてこんなもの」
「でも最後に笑うのはMRJ」―中国ネット

 2015年12月26日、中国の掲示板サイトに
 「日本の航空機は徹底的に悲惨!
 品質が不合格」
と題するスレッドが立った。

 スレ主は、三菱航空機が、日本国産初の小型ジェット旅客機MRJの納入時期が予定していた2017年4月から6月より1年ほど遅れて2018年中ごろになると発表したことに言及。
 その理由が「初飛行テストに成功したものの、主翼部分の強度不足が判明した」ためであり、品質の低さを指摘した。

 これに対して中国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。

「わが国の航空機が世界に向かって羽ばたくいいチャンスだな」
「日本はエンジンをよそから買って外側を作ったら、外側に問題が発生したと。
 日本の製造レベルなんてこんなものだな」

「運行前に欠点を自分で見つけ出し改良するというのは最良の解決方法だ」
「日本は嫌いだけど、少しも妥協しない態度は学ぶに値する。
 英米を超えたと日頃から叫ぶ国の製品の方が合格か不合格かあいまいのまま飛ぶから恐い」

「中国製の品質はかなり重大な問題だ。
 主な原因は技術ではなく管理と心の問題。
 管理者は利益だけを追求し、人品に問題があるから品質も問題がある」
「日本はまだ正式に納入していない段階で品質問題を発見して遅れるのだから、何もおかしなことではないだろ」
「でも日本の製造技術を考えると最後に笑うのはMRJだろう」







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