2015年10月16日金曜日

南シナ海波高し(4):オバマでは?:世界各地で試される米国の力、「強い米国」のイメージを修復できるか?

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TBS系(JNN) 10月19日(月)20時6分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20151019-00000031-jnn-int

 米海軍横須賀基地に最新駆逐艦「ベンフォールド」が入港



 19日朝、横須賀米軍基地に入港したアメリカ海軍の最新鋭誘導ミサイル駆逐艦の内部を取材しました。
 「午前9時を回ったところです。たった今、今日、ここ横須賀港に配備されるミサイル駆逐艦・ベンフォールドが入港してきました」(記者)
 19日朝、入港した「ベンフォールド」は、最新の防空ミサイル・システムを備えた誘導ミサイル駆逐艦です。

 公開された「垂直発射システム」と呼ばれる発射装置からは、一度により多数のミサイルによる迎撃が可能です。
 コントロール・ルームの設備やシステムもさらに性能が高まっているということです。
 オバマ政権の米軍再配置の一環で配備されたもので、横須賀基地のミサイル駆逐艦は合わせて8隻となり、2017年までに更にもう1隻配備される予定です。

 「(中国・北朝鮮のミサイルの精度について)我々には彼ら以上の能力がある、ということは言っておきます」(スウィーニー司令官)
 司令官は、ミサイル防衛能力に自信を示したうえで、
 「ベンフォールドが南沙諸島近海を航行することもありうる」
と述べました。

 この問題をめぐっては、9日付けのフィナンシャル・タイムズがアメリカ海軍が「2週間以内に南沙諸島沖12海里内に艦船を派遣する見通しだ」と報じていて、中国との間で緊張が高まる懸念が出ています。



2015.10.16(金) Financial Times
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45015

世界各地で試される米国の力
オバマ政権は「強い米国」のイメージを修復できるか?
(2015年10月13日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 世界の人口に占める割合は5%に満たず、世界経済に占める割合は22%という国が、軍事と政治を支配する大国になっているという状況は、果たしてどれぐらい長く続きうるものなのだろうか――。
 この質問は、中東、東欧、そして太平洋で次第に切迫感をもって問われている。

 冷戦終結以降、米軍が圧倒的な力を持っていることは国際政治における基本的な事実となっている。

 ところが今、その力が3つの重要な地域で試されている。
 ライバルたちは米国の決意の固さを試し、一方の米国は撤退すべきか、するならいつにするべきかを検討している。

■中東、中欧、太平洋で高まる緊張

 本紙(フィナンシャル・タイムズ)に先週掲載された3本の記事について考えてみよう。
 1本目は「米国、シリアでの軍事作戦をエスカレートさせないようロシアに警告」。
 2本目は「米海軍、南シナ海での中国の領有権主張に対抗へ」。
 そして3本目は、米国とドイツによるバルト諸国への部隊派遣に英国が加わることに同意した
という記事である。

 これらは場所こそバラバラだが、実は互いにつながっている。
 世界中の国境を保証しているのは米国の軍事力だ。
 米国は中東に、友人を安心させてライバルを威圧するために巨大な海軍基地と空軍基地を置いている。

 東アジアでは、海軍が太平洋を「米国の湖」として扱うことに慣れており、航行の自由を保障したり同盟国に安心感を提供したりしている。
 そして欧州では、北大西洋条約機構(NATO)が加盟国の領土の一体性を保証しており、
★.NATOの軍事支出の75%は米国によるもの
となっている。

 しかし、状況は変化している。
 ロシアによるシリア内戦への介入は、アラブの春という大変動と米軍のイラク撤退を経て米国が中東での支配力をどれほど失ったかを浮き彫りにした。

 米国が中東に地上軍を再度派遣することを嫌がっていたことから、ロシアは力の真空地帯を見つけてそれを埋める行動に出た。
 また、ロシアはシリアに巡航ミサイルを撃ち込むことで、米軍が以前行ったこの地域への軍事介入を真似してからかうということまでしてみせた。

 欧州では昨年、ロシアがウクライナからクリミアを奪い取った。
★.欧州大陸で力ずくの領土併合が行われたのは、第2次大戦後ではこれが初めてだった。
 かつて旧ソビエト連邦の一部だったバルト諸国は当然ながら、この出来事を受けて不安を募らせており、NATOがこの地域での軍事プレゼンスを強化する決断を下したわけだ。

 アジアでは、中国が南シナ海に島を作る計画がこの1年で目に見えるものとなり、本土の数千マイル沖に領海があるという中国政府の抽象的な主張が具体性を増した。

 米国は、中国と近隣諸国による領有権の争いには特定の立場を取らないと述べているが、太平洋の航行の自由は断固守るとしている。

 中国が新しい人工島の周囲を領海にしたという見解に米海軍が対抗する決意を固めたように見えるのはそのためだ。

■国際政治の基本はまだ領土の支配にあり

 以上3つの争いはすべて、「ボーダーレスな世界」の話が流行っているにもかかわらず
 国際政治の基本はまだ領土の支配にあることを教えてくれる。

 英国の外交官だったロバート・クーパー卿が語っているように、
★.「世界の秩序とは領土の秩序である
 誰の領土であるかを知らないのであれば、国際秩序のことを何も知らないのと同じだ」。

 ブルッキングス研究所のトーマス・ライト氏も同様な指摘を行い、国際的な政治の安定は
 「地域の健全な秩序、とりわけ欧州と東アジアの秩序次第である。
 もしこれらの地域が崩壊したら、世界の秩序を保つものはなくなってしまうだろう」
と述べている。

 欧州も東アジアも「崩壊」はしていないが、端々がほつれつつある。
 一方、本当に崩壊しつつある中東の姿は、米国の力と国境の耐久性に疑問符を付けることにより、欧州と東アジアの両方をさらに不安にしている。

 中東からアジアに軸足を移して外交政策を「リバランス(再均衡)」すべきだと以前から主張している米国人戦略家たちの中にさえ、それでいいのかと考え直している向きがある。
 米国が中東から手を引くと受け止められれば、アジアにおける米国の威信に傷がつくとの考えからだ。

 領土を巡るこうした主張や挑戦にもっと力強く対応し、強い米国というイメージを修復せよという圧力をバラク・オバマ政権は国内外から受けている。
 中国が領有権を主張する海域に軍艦を送ったりバルト諸国に部隊を派遣したりしようという決断は、この圧力への対応だ。

 しかしオバマ氏は、米国が先ごろ行ったイラクやリビアへの軍事介入が逆効果だったことを十分承知しており、ロシアや中国との軍事対立のリスクについても適切な慎重さを発揮している。

■「修正主義者」は誰なのか?

 話をさらにややこしくしているのが、国際政治の「修正主義者」はどの国なのかという議論である。
 米国は、ロシアや中国の領有権主張は世界秩序への挑戦だと考えている。
 ところがロシアは、世界の秩序を本当に乱しているのは、ウクライナやシリアといった国々で「レジームチェンジ(体制転換)」を後押ししている米国だと主張している。

 ロシアの主張にはプロパガンダの要素がある。
 しかし中国政府もロシア政府も、もし米国の力に抵抗しなければ最終的には自分たちも、米国が支援するレジームチェンジの餌食になりかねないと真剣に恐れているようだ。

 片や米国は、領土の修正主義の拡散を許せば、世界に対する米国の影響力が衰えるにつれて世界はさらに無秩序で危険なところになってしまうという不安感を抱いている。

 こうした恐怖や不安が混ぜ合わさると、いま世界中で発生している危険な地域紛争の類いが新たに始まる条件がそろうことになる。

By Gideon Rachman
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時事通信 10月17日(土)12時38分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151017-00000053-jij-cn

領有権争い「武力に訴えない」
=航行の自由「影響なし」―中国軍高官

 【北京時事】
 中国軍制服組トップの范長竜・中央軍事委員会副主席は17日、北京で開かれた安全保障をめぐる国際フォーラムに出席し、
 「中国は防御的な国防政策を行い、永遠に覇権を唱えない」
と主張した上で、南シナ海の領有権問題などを念頭に、
 「争いは平和的に解決し、軽々しく武力に訴えることはない」
と強調した。
 
 范氏は南シナ海で中国が進める埋め立てや建設について、
 「民間的な機能を主としており、航行の自由には影響を及ぼさない」
と改めて主張。
 埋め立てた岩礁に中国が最近灯台を設置したことにも言及し、
 「既に各国の船舶に航行を支援するサービスを提供している」
と訴えた。
 南シナ海をめぐっては、中国が埋め立てた「人工島」から12カイリ以内に米国が軍艦を送り込むことを検討している。
 中国は軍事的側面を表立って主張しないことで、
 立を抑えたい考えとみられる。 



時事通信 。(2015/10/18-18:25)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2015101800090

南シナ海「混乱望まず」
=建設活動は「正当」-中国主席

 【北京時事】
 中国の習近平国家主席は20日からの英国公式訪問を前にロイター通信との書面インタビューに応じ、南シナ海をめぐる対立について
 「中国にとって重要なシーレーンであり、どの国よりも平和と安全、安定を必要としている」
と主張した。
 その上で
 「中国は南シナ海の混乱を望んでいないし、ましてや混乱を引き起こす当事者にはならない」
と強調した。

 南シナ海で中国が造成を進める「人工島」から12カイリ(約22キロ)以内に軍艦を送り込むことを検討している米国の動きを強くけん制した形だ。
 習主席は
 「南シナ海における中国の主権や権益侵害に対しては、中国国民は誰であろうと許さない」
と警告。
 埋め立てや建設についても「領土主権を守るための正当な活動だ」と主張した。


2015/10/18 19:15   【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201510/CN2015101801001507.html

米、艦艇派遣を周辺国に伝達 
南シナ海、中国をけん制


●米軍が5月に公表した、南沙諸島のミスチーフ礁の画像(ロイター=共同)

 【ワシントン共同】
 南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島で中国が「領海」と主張する人工島の12カイリ(約22キロ)内に近く米海軍の艦艇を派遣する方針を、オバマ米政権が東南アジアの周辺国に外交ルートで伝達したことが18日、分かった。
 複数の外交筋が明らかにした。

 派遣方針は複数の米政府高官が公に示唆しているが、関係国に意向を伝えたことは、オバマ政権の強い決意を物語る。
 人工島を中国の領土と認めない立場を行動で示し、実効支配の既成事実化を進める中国をけん制する狙い。



Zakzak 2015.10.15 20:35
http://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/151015/wor15101520350023-n1.html

南シナ海“開戦シミュレーション” 
米軍、防空能力で圧倒 
7日間で中国軍撃退

 中国が、南シナ海の岩礁を一方的に埋め立てて人工島とし、軍事基地化を急いでいる問題で、米中両国間に緊張が走っている。
 軍事力を背景に覇権拡大を進める習近平政権下の中国を牽制するべく、米国のオバマ大統領は近く、中国が「領海」と主張する人工島の12カイリ(約22キロ)内で海軍艦艇を航行させる方針を固めた。
 中国側も対抗措置を取るとみられ、軍事的衝突を排除できない状況が予想される。
 米中が南海の洋上で激突した場合、どうなるのか。
 専門家は「米側が1週間で撃退する」と分析する。

 習国家主席率いる中国の暴走が止まらない。
 国際法を無視し、南シナ海の覇権を握ろうと岩礁を埋め立てて軍事基地化を加速。
 すでに滑走路も整備した。

 中国は現在、南シナ海のほぼ全域を囲む9つの線からなる「九段線」(赤い舌)を引き、南シナ海の大部分を自国の領海と主張。領有権を争うフィリピン、マレーシア、ベトナムなど周辺国を主に軍事力を背景に恫喝し続けている。

 この暴挙に米国は強い懸念を示してきたが、一向に省みない中国の自己中心的な路線にオバマ政権も激怒。
 英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)などが8日、伝えたように米国は海軍の艦艇群を人工島の12カイリ(約22キロ)内で航行させる方針を固め、すでに「フリーダム・オブ・ナビゲーション(航行自由)作戦」の準備を整えた。

 12カイリ内で航行させることで
 「公海である南シナ海の『航行の自由』を脅かすことは受け入れられない」
とのメッセージを中国に送ることになる。

 だが、中国も反発するのは必至とみられ、応戦する状況を招く可能性がある。

 迫る米軍と中国人民解放軍の一触即発の事態。軍事ジャーナリストの世良光弘氏は
 「中国側としては絶対に12カイリ以内に米軍の艦艇を入らせたくない。
 戦闘は12カイリの外で始まる可能性が高い」
とし、
  「ポイントは潜水艦」
と指摘する。

 「横須賀(神奈川)に停泊中の米海軍第7艦隊の空母『ロナルド・レーガン』をはじめ、最低でも10艦程度の船団が現地に向かうだろう。
 その海域には、米中の潜水艦が先回りして情報を収集するはずだ。
 まず、この潜水艦同士で戦闘が始まる」(世良氏)

 米軍は静粛性に優れた原子力潜水艦を運用しているのに対し、人民軍が所有する約半数は通常型のキロ型潜水艦で見劣ることから、世良氏は「緒戦は米軍が圧倒する」と読む。

 この事態を受けて、人民軍は戦闘機を飛ばす第2の行動を取るという。

  「中国はロシアから購入した機体を自国で生産可能にした主力戦闘機『殲11』で艦艇をねらうだろう。
 『ロナルド・レーガン』に約50機搭載されている米海軍の戦闘攻撃機『FA18』とは同世代に当たる機種だ。
 ただし、現代の空戦で求められるのは、レーダーで捕捉する技術。
 この点は米軍が完全に人民軍を上回っている。
 パイロットの腕も訓練時間の量から考えて米軍の方が高い」(世良氏)

 米本土からは『ラプター』(猛禽類)の愛称を持つ空軍の『F22』が迎撃に参加。
 同機は、レーダーで捕捉されにくい「ステルス戦闘機」で、南沙諸島に張り巡らされた人民軍の警戒をすり抜けて攻撃を加えるとみられる。

 劣勢の人民軍は、複数の艦船を現場に向かわせることになるが、世良氏はその数を
 「米軍を上回る少なくとも30艦」
と予想する。

 「海戦で勝敗を分けるのは相手の艦を攻撃する対艦ミサイルをいかに正確に撃てるか、
 防空能力をどれだけ発揮できるかにかかっている。
 人民軍は、浙江省の東海艦隊や海南島の南海艦隊から、ミサイル駆逐艦の旅洋I型やII型、より小型のフリゲート艦などを出動させるだろう。
 だが、対艦ミサイルの正確さ、防空能力のいずれも米軍の艦船のほうが成熟度は高く、人民軍を圧倒している」

 人民軍が対艦ミサイルを打ちまくれば、米軍も無傷とはいかないが、12カイリ以内に一定期間、米軍がとどまれば、
 「国際社会は『中国の野望は打ち砕かれた』と判断することになる」(世良氏)。

 総合的な観点からも南シナ海を舞台にした米中戦は、米軍が優位に立つ。
 両国の衝突について、世良氏は
 「中国の戦闘機が2~3機撃墜された段階で、戦力の違いを認めて自制すれば、1週間程度で終結する」
とみる。

 南シナ海をめぐっての「ドンパチ」に世界中が注視している。








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