2015年12月7日月曜日

中国人観光客の明日の行方(4):今年の訪日中国人は倍増、消費額は1兆4000億円に!

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レコードチャイナ 配信日時:2015年12月7日(月) 6時30分
http://www.recordchina.co.jp/a124431.html

今年の訪日中国人は倍増、消費額は1兆4000億円に!

 2015年12月5日、参考消息網は、香港メディアの報道を引用して、
 今年の訪日中国人の消費額が750億元(約1兆4000億円)に達する見込みだと伝えた。

 日本の観光庁のデータによると、今年1~10月の訪日中国人観光客数は前年比で倍増の400万人を突破。
 消費額は1人平均1万5000元(約28万5000円)と仮定すると、中国人観光客の日本における消費総額は750億元(約1兆4000億円)に達するとみられる。



ニューズウイーク 2015年12月4日(金)16時01分 高口康太(ジャーナリスト、翻訳家)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2015/12/post-4201.php

日本企業が「爆売り」すれば、爆買いブームは終わらない
関心が高まる「爆買い」の賞味期限だが、
日本への信頼性という幻想にあぐらをかいていてはいけない

 2015年の「新語・流行語大賞」が発表され、プロ野球の「トリプルスリー」とともに「爆買い」が大賞に選出された。
 だが、そもそも爆買いとはなんだろうか。
 なぜ中国人は爆買いするのか、爆買いはいつまで続くのかをここで考えてみたい。

■「爆買い」は当初は海外資源買収を指していた

 そもそも爆買いとは、「海外からの旅行客が日本で大量に買い物をすること」との意味だそうだが、主に中国人観光客をイメージしている。
 2014年秋以降に中国人観光客が激増、2015年の旧正月でこの言葉が定着した感がある。

 それ以後、日本のデパートや家電量販店では中国人需要を確保しようと、中国風の飾り付けをしてお出迎え。
 今年10月1日の国慶節(建国記念日)には、ある家電量販店に「祝国慶節」の飾り付けが登場し、「日本の建国記念日って10月1日だっけ?」と中国人を惑わすほどの力の入れようとなった。
 中国人対策の飾り付けやセールを目にした日本人は多く、これが爆買いの印象を深めたことは間違いない。

 爆買いという言葉が定着したのは最近だが、さかのぼると、ここ5~6年ほど中国による海外資源買収が「爆買い」「爆食」と表現されてきた。
 中東の油田を、オーストラリアの鉱山を......といった話だが、中国経済の低迷もあって資源関連はすっかり影が薄くなってしまった。

 また中国人観光客による買い物というと、ネガティブな海外ニュースとして使われてきた感がある。
 たとえば、2008年に中国で粉ミルクにメラミンが混入された事件が起きた後では、
 「中国人観光客や個人輸入代行業者が粉ミルクを買い占めた! 
 保護者激怒! 
 小売店は販売個数を制限」
といったニュースがたびたび報じられた。
 特に中国本土と地続きの香港では影響が大きく、2013年には粉ミルクの持ち出しは1.8キロまでという「粉ミルク持ち出し規制」が導入されたほど。

 現在の日本でも一部商品が品薄になっているが、さほど大きく報じられていないのが興味深い。
 香港の反中国デモではかつて「俺たちのヤクルトを返せ」との横断幕が掲げられたこともあった。ヤクルトに美肌効果がある、抗ガン作用があるといった噂が広がり、中国人が買い占めたことに反発したものだ。
 ヘイトスピーチが注目を集める日本だが、買い占めや品薄といった身近な問題は外国人排斥に結びついていないようだ。

■「ジャパンブランドの信頼性」は勘違い

 なぜ中国人はこれほど日本の商品を買ってくれるのだろうか。
 「ジャパンブランドの信頼性」
 「富裕層の購買力はすさまじい」
という話をする人もいるが、少しピントがずれている。

 日本の製品、サービスに対して高い信頼性があることは事実だが、ドイツや米国と比べて上だというわけではない。
 日本というよりも、先進国全般に対する信頼と憧れだと解釈するべきだろう。
 日本は中国からもっとも近い先進国という地理的条件にあり、その意味では中国人観光客招致の優位性を持っている。

 先進国に対する信頼性は一貫して存在していたが、2014年秋になって急に中国人観光客の数が増えたのには理由がある。
 円安、ビザ要件緩和、そして日中首脳会談実現による日中対立の改善という三点セットだ。
 政治的対立と民間交流は別という人もいるが、こと中国に関してはそれはあてはまらないことは注意しておく点だろう。

 円安の結果、中国と比べると日本のほうが安いという10年前ならば信じられないような状況が出現してしまった。
 中国で買うよりもお得なために、中国人観光客の皆さんは激しく爆買いをするわけだ。
 しかも、親戚友人一同からあれを買ってきてこれを買ってきてと頼まれているだけに買い物量は膨大だ。

 私も何度かお供をしたことがあるが、炊飯器や保温タンブラー、電動歯ブラシ、時計、お菓子を山ほど抱えてその重さに立ち往生したほど。
 買い物を楽しむというよりも、もはや必死という表現が正しいが、自分のものならともかく頼まれ物とあっては買い逃すわけにはいかない。
 いやはや、爆買いも楽ではないのだ。

■爆買いは終わるのか終わらないのか

 さて、流行語大賞に選ばれるとブームが終焉するというジンクスがあるという。
 果たして爆買いもそのジンクスに従うのだろうか。
 中国経済の減速という背景もあって、「爆買いは終わるのか否か」は今、中国ニュース界隈ではちょっとしたホットトピックとなっている。

 終わる派はというと、
 「株価低迷などで可処分所得が減れば当然旅行支出も減る」
 「中国の統計では海外旅行支出が減少に転じた」
といったマクロ的視点が中心だ。
 終わらない派はというと、
 「中国中産層の暮らしぶりに変化はない」
 「日本人気はむしろ盛り上がる一方」
 「景気減速というが、まわりでクビになった人はいない」
といったミクロ的視点が中心だ。

 日本旅行や日本製品に対する需要を考えると、中国全体というよりも、
 一定の所得を持つ都市中産層の懐具合が重要であり、
 そこに大打撃がないかぎり爆買い需要は堅調なのではないか
と考えている。
 なにせ日本で買う方がお得なのだから。

 ただし、人気となる商品・サービスが移ろいやすいことは注意するべきだろう。
 爆買い人気の原動力はなんといっても口コミやネットの情報。
 実際に使ったことがないものでも、「よくわからんがともかくいいらしい」という情報だけで買ってくれているのが現状だ。
 「一度使えば日本製品のトリコになる」
といった過剰な自信も禁物だ。
 爆買い中国人のお宅にうかがえば、
 「口コミに乗せられて買ってみたけど結局使わなかったアイテム」
が山と積まれているのを見ることができるだろう。

 先進国というブランド、そして円安などをきっかけに始まった中国人の日本爆買いブームだが、殿様商売を続けていればすぐに幻想ははがれ、そっぽをむかれるのではないかと危惧している。
 必要なのは、中国人が勝手に買ってくれるという「爆買い」の思い込みを捨て、幻想ではなく本当にモノを分かってもらった上で買ってもらうこと。
 日本の企業が主体的に中国向けに売り込む「爆売り」をすべきではないだろうか。



サーチナニュース 2015-12-09 18:50
http://biz.searchina.net/id/1596599?page=1

中国人はなぜ「爆買い」するのか、
それは「日本製品が魅力的」だからだ

 「爆買い」という言葉の「爆」という文字は中国人の消費能力の大きさを表しているが、別の角度から見れば日本製品が中国人の心を「強く捉えて離さない」様子を表現しているとも取れる。

 さらに言えば、中国社会に中国製品についてのある事実を突きつけてもいる。
 中国メディアの今日頭条は4日付で日本を訪れる中国人旅行客の爆買いが突きつける事実、つまり
 「中国製品は中国人の心を引き付けられない」という事実
を取り上げ、日本製品にあって、
 中国製品に欠けている魅力とは何か
を分析している。

 観光庁によれば、2015年7-9月期の中国人訪日客による旅行消費額は4660億円に達し、全体の46.6%を占めた。
 「爆買い」の「爆」という字が中国人の消費能力の大きさを表していることが数字で証明された形だ。
 こうした数字は中国人の消費能力の大きさだけでなく、日本製品が中国人の心を強力に引き付けていることをも表している。
 記事は中国人の消費の対象となる日本製品が温水洗浄便座や電気炊飯器だけではなく、包丁や歯磨き粉、紙おむつ、バスソルトなど多岐にわたる点に注目している。

 つまり一部の家電製品だけでなく、「衣食住に関する製品すべて」が中国人の心を引き付けているわけだが、記事は、日本人が共通して持っている
 「派手さのない仕事であっても徹底的にやり抜く」という仕事に対する専心・職業意識
が、日本製品に高い品質をもたらし、その結果として中国人旅行客の心を掴んでいるのだと分析した。

 記事はさらに日本人の「ものづくり精神」にも注目。
 失われた10年と呼ばれる苦境のもとでさえ日本人は「ものづくり精神」を発揮し、高品質な製品を追い求め続けた「気質」に言及、
 「逆境下でさえ発揮される本物の職人気質」は中国人の爆買いという形で称賛を得ていると論じた。
 逆に中国企業の場合、地道に研究開発する人は少なく「手っ取り早くお金儲けをする」体質が特徴になっている
と指摘した。

 記事は日本人が持っている「ものづくり精神」や「たとえ派手さのない仕事であっても徹底的にやり抜く」職業意識から学ぶよう、そして中国国内の衣食住さまざまな分野でこうした職業精神を発揮するよう中国企業に提言した。
 記事のなかで興味深いのは、ソニー創業者の1人である故盛田昭夫氏の企業家精神に見倣うよう述べている点だ。
 ウォークマン開発当時、録音できないものは誰も買わないという市場調査結果を聞いた盛田氏は、それでも「新しい文化を創り出す」としてプロジェクトを推し進めていったと紹介している。
 こうした人の心を打つ企業家精神は、確かに製品にはっきり表れる。
 「手っ取り早くお金儲けをしようとする」体質から生まれる製品では、消費者の心を引き付けることはできない。



レコードチャナ 2015-12-09 19:03
http://news.searchina.net/id/1596600?page=1

日本の家電を買うべきでない5つの理由
・・・中国メディアが行き過ぎた「爆買い」に警鐘

 電気炊飯器や温水洗浄便座など、日本製品を「爆買い」する中国人観光客の勢いは衰えることを知らない。
 一方で、「愛国」的観点から日本製品の不買を呼びかける声もある。
 中国メディア・今日頭条は7日、「愛国・非愛国は関係なしに、日本の家電製品をむやみに買ってはいけない5つの理由」とする文章を掲載した。

 記事はまず、
1].日本の家電製品を買ったさいに「日本語で書かれた説明書を読んで理解できるのか」と指摘。
 読めなくても問題なさそうだが、記載された注意事項を守らなければ容易に問題が発生したり、寿命が大幅に短くなったりするのだと論じた。

2].次に、「日本製の炊飯器は国産品よりおいしく炊ける」という口コミについて言及、「結論は『大差ない』である」ことは、CCTV(中国中央テレビ)も紹介済みであるとした。
 また、日本の家庭向けに作られた製品は電圧が110ボルトであり、中国とは異なると指摘。
 「そのまま使おうものなら、製品が終わるかあなたが『終わ』る」とした。

3].さらに、例え品質に優れた日本の家電製品でも故障することはあり、いざ故障した時に「どこで修理できるのか」という問題に直面すると解説。
 仮に修理できる場所が見つかったとしてもオリジナルの部品を探すのは難しく、
 中国国内の修理屋で直せば「日本製もすっかり中国製に変わるのだ」と指摘した。

 文章は片っ端から日本製品の購入を止めるべきと警告しているわけではない。
 あくまで、考えることなくむやみやたらと日本製品を買っては、あとあと問題が生じる可能性があることを指摘しているに過ぎないのだ。

 結論部分で文章は
4].「国内での使用に適しているかをはっきりと理解すること」、
5].「外国製品は基本的に、国内製品に適用される保障制度が通用しないと認識すること」
の重要さを指摘している。
 愛国的か非愛国的かなどはもちろん関係ない。
 そして、日本製だろうが米国製だろうが中国製だろうがも関係ない。
 これからの中国の消費者に求められているのは、流行やブームに乗るだけでなく、製品ごとの良し悪しを自ら判断する能力なのである。



レコードチャイナ 配信日時:2015年12月12日(土) 5時14分
http://www.recordchina.co.jp/a124809.html

「日本で家電を買わない理由」に中国ネットユーザー反発
=「日本で買ってるのは“製品”じゃない」
「本当の理由は…」

 2015年12月8日、中国のポータルサイト・網易に
 「日本で家電を買わない理由」
と題する記事が掲載され、ネットユーザーがコメントを寄せている。

 記事は「日本の家電の品質が良くて好んで買う人もいれば、愛国を旗印に不買を叫ぶ人もいる。
 実際は、国内の家電も日本の技術に依存していることが多いのが現状だ」とし、
 「今回はそういった感情を抜きにして、日本で家電を買わない理由を挙げてみた」
としている。

1].1つ目は「日本語がわからない」こと。
 記事は、日本語で書かれた説明書が理解できなければ、製品の使用上、問題が発生する可能性があるとしている。
2].2つ目は「ご飯がおいしくないのは炊飯器のせいではない」こと。
 中国人観光客に日本製の炊飯器が人気であることについて、「過去にメディアやネットでさまざまな検証がされたが、日中の炊飯器で炊いたご飯は基本的に味に差がないとされた」という。

3].3つ目は「電圧の問題」だ。
 日本の家庭用電源の電圧は110V(ボルト)なのに対し、中国では220V。
 記事は、変圧器を使わずに事故になりかけたケースを紹介し、「国内で使用するにふさわしいかよく考え、使用上の注意点を守る必要がある」としている。
4].4つ目は「壊れたらどこで修理できるか」ということ。
 記事は、「日本の家電の品質がいくら良いとは言え、絶対に壊れない保証はない」とし、「日本で買ってきたものは基本的にアフターサービスがなく、近くの修理屋に依頼することになるが、修理後は“中国製”になってしまう」としている。

 若干苦しい理由もあるように思えるが、中国のネットユーザーはこの報道をどう受け止めたのか。
 ユーザーからのコメントには、
 「文句ばかり言ってないで、まずは国内メーカーの製品の質を上げろ」
 「日本製品は本当に使いやすいからね」
 「バカだな。おいしいご飯を食べたいから買うんじゃないんだよ。
 日本製の炊飯器には、発がん性のある塗料なんて塗ってないからだ」
 「日本で買うのは製品自体ではなく、製品の検査基準と良心」
 「これだけ挙げながら、本当の理由が出ていない。
 日本に行く金がないってことがね」
などが並ぶ。
 これらを見る限り、中国人の日本製品への信頼は揺るぎないようだ。



レコードチャイナ 配信日時:2015年12月9日(水) 20時50分
http://www.recordchina.co.jp/a124437.html

中国の海外旅行・買い物熱上昇、
人民元の通貨バスケット入りも後押し―中国メディア

 2015年12月7日、中国青年網によると、国際通貨基金(IMF)は1日、IMFの特別引出権(SDR)の構成通貨(通貨バスケット)に人民元を採用することが決まり、2016年10月1日に発効することを明らかにした。
 専門家は
 「長期的にみて、人民元のバスケット入りはますます多くの国が人民元を通用する主要通貨とみなすようになること、
 国際市場の人民元に対する信頼が高まることを意味し、
 ひいては中国国民が海外旅行や海外ショッピングで人民元を直接利用するようになり、
 中国人の海外旅行消費がさらに喚起されることになる」

との見方を示した。

▽海外消費最大の消費項目は引き続きショッピング

 中国観光研究院がまとめたデータによると、中国の海外旅行者数と海外での購買力は3年連続で1位を保ち、今年はのべ海外旅行者数が前年比16%増加して1億2000万人に上り、海外消費額は1兆1000億元(約21兆1000億円)に達する見込みだ。
 銀聯インターナショナルが発表した報告書によれば、中国人観光客の海外消費のうち最も大きな割合を占めるのは引き続きショッピングとホテル代・交通費で、娯楽、外食、観光地の入場料の占める割合も年々増加しているという。

▽日米豪NZがショッピングの新たな人気国に

 今年は米国のセールイベント「ブラックフライデー」後の1カ月間に、海外の人気ショッピング旅行先の集客数が前年同期に比べ大幅に増加することが予想される。
 日本、米国、オーストラリア、ニュージーランドなどの伸びが著しく、数年前までの韓国や香港地区に代わって中国人観光客の「お気に入り」になった。

 また春節(旧正月)の頃、季節が逆になる南半球は旅行の繁忙期を迎え、温暖な気候は旅行に最適だ。
 オーストラリアとニュージーランドは為替相場の下落の影響により、物価が前年同期より15%ほど値下がりしている。
 海外旅行のツアーコンダクターはオーストラリアでは一連のブランド品が欧州より安く買えると報告し、オンライン旅行会社・携程はツアー客をアウトレット店、免税店、百貨店のデビッド・ジョーンズなどに案内し、自由に買い物するために十分な時間を取るという。

 欧州では、フランス、イタリア、スペインでこれから1~2カ月の間に冬のセール期間が始まる。
 人気ショッピング先のフランスのギャラリー・ラファイエット百貨店やプランタン・パリなどは、セール期間に入ると営業時間を延長し、週末も店を開ける予定だ。

(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)







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