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サーチナニュース 2015-12-15 13:13
http://news.searchina.net/id/1597101?page=1
国威発揚の狙いも?
わが国の深海潜水艇製造技術は日米に並んだ=中国
毛沢東が即興で詠んだとされる詩に「上可九天攬月,下可五洋捉鼈」というものがある。「天頂に昇って月を摘み、五つの大洋を巡ってスッポンを捉える」と訳せるが、「九天」は古代の世界観で九層から成る天の最も高いところを指す。
「鼈」はスッポンだが淡水性の生き物なので海の中に生存できず、したがって毛沢東は古代の世界観で海を支える巨大な亀を捉えに行くと詠んだとする解釈もある。
詩全体の意味としては「天と地の果てに至るまで、できないことは何もない」という内容だ。
中国メディアの駆動之家は8日、毛沢東の詩を引用し、中国が「蛟竜号」、「彩虹魚号」に続く3機目の深海潜水艇が耐圧試験をクリアしたと述べ、
「中国の深海潜水艇製造技術が米国・日本に並んだ」
と報じている。
3機目は水深4500メートル級の深海有人潜水艇だが、この開発で特に注目すべきは
「耐圧殻」が中国国産であることだ。
「蛟竜号」の内製率は約60%と言われており、しかも、もっとも重要な部分である耐圧殻はロシア製だった。
周知のとおり、海に深く潜れば潜るだけ水圧は高くなる。
つまり潜水艇がどれだけ深く潜れるかというのはどれだけ水圧に耐えることができるかということであり、潜水艇が途方もない水圧に耐えることを可能にするのはひとえに耐圧殻の強靭さによる。
潜水艇の「基幹技術」となる部分だ。
3機目の深海潜水艇の耐圧殻の材料には中国が独自開発したチタン合金「Ti80」が用いられている。
また耐圧殻が途方もない水圧に耐えるためには高度な成型・溶接技術も求められるが、中国はこうした難題を克服したという。
2012年当時、水深4500m級の有人潜水艇を持つのは
米国、日本、フランス、ロシア、そして中国と世界で5カ国のみ
だったが、耐圧殻の「国産化」は中国にさらに大きな自信をもたらしたようだ。
記事はこうした成果に基づき「中国の深海潜水艇製造技術が日米に並んだ」としている。
国威発揚の狙いも当然あるのだろう。
しかし、こうした分野で世界最先端の技術を掌握することと、産業の真の国際競争力を身に着けることとはまったく別の問題だ。
「中国は天と地の果てで大きなことを成し遂げた」と他国からの称賛を得ることだけが製造開発の動機であるなら、中国が真に人の心を打つ製品を造り出せる社会を育成するのは難しいかもしれない。
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