ここ30年で中国は「モノを作れる国」に変貌した。
外資を取り入れ積極的に学んだせいであろう。
その努力は賞賛に値する。
通常の中進国ではモノを作れる前に挫折してしまう。
作れる国になったというのは中国の持つ素質なのかもしれない。
問題は「作れる」ようになったことで、そこに安住してしまう危険である。
完成された技術は世界に伝播する。
例えばシロモノ家電は先進国がプールするような技術ではない。
よって後進国の産業発展のために積極的に移出される技術になっている。
シロモノ技術を取得した後進国がそれを利用して経済発展してくれれば、先進国としては先進技術を積み込んだ製品がさばける環境が出来てくることになる。
造船技術はもう半世紀以上も前に完成しきった技術に過ぎない。
通常の自動車も完成しきった技術である。
ハイブリッドといった特殊な技術をのぞけば、自動車は一般に組み立てられる技術である。
完成された技術を身につけたら、次に何に向かうか。
この岐路に立っているのが、中国のみならず、韓国の生産の現状であろう。
完成化された技術でモノを作るという状況から、一歩抜け出ることができるのか、そこがポイントになる。
『
J-CASTニュース 12月15日(火)11時46分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151215-00000000-jct-bus_all
中国発「世界鉄鋼不況」が始まった
10年は続く「3つの過剰」の深刻
世界の鉄鋼業界は中国発の終わりなき「負の連鎖」に入ったのか
日本はじめ世界の鉄鋼メーカーが2015年に入り業績悪化に苦しんでいる。
中国経済の減速で中国内の需要 が下がっている一方で、中国産鋼材の世界への供給過剰が止まらず、世界的鋼材の「値崩れ」を起こしているためだ。
日本の鉄鋼大手3社も業績予想を相次ぎ下方修正しており、2016年3月期は各社ともに減収減益となる見込みだ。
再浮上のきっかけもつかみづらい状況が続きそうだ。
■中国の輸出攻勢で悪化した世界の需給バランス
日本の鉄鋼大手3社の2015年9月中間連結決算は、新日鉄住金とJFEホールディングスは減収に直面した。
純利益は、韓国最大手のポスコから鋼板の知的財産をめぐる訴訟で和解金300億円を受け取った特殊な状況にある新日鉄住金を除き、2社が減少した。
売上高は新日鉄住金が前年同期比9.8%減の2兆5075億円、JFEは7.3%減の1兆7132億円。神戸製鋼所は、飲料缶向けアルミ製品が好調だったこともあって1.4%増の9286億円だった。
純利益はJFEが42.8%減の299億円で、神戸製鋼所は68.1%減の134億円と大幅な減益となった。
中間決算の記者会見では、苦境にあることを隠さない率直な発言が相次いだ。
新日鉄住金の太田克彦副社長は
「中国からの輸出が伸びていることで、アジア市況が悪化している」
と指摘したうえで、
「世界の鉄鋼業は非常に厳しい時代が続く」
と述べた。
また、予想以上に積み上がった鋼材在庫について、「もう少し調整が進むと期待していたのだが」と肩を落とした。
JFEの岡田伸一副社長も
「中国が輸出を強めており、需給バランスが悪化している。
9月あたりから輸出拡大は顕著になった。
下期もこの環境は続きそうだ」
と述べ、中国の安価な鋼材輸出の影響の大きさに触れた。
岡田副社長は、海外市況について
「現時点で回復時期は見込めない」
と厳しい見通しを示した。
■鉄鉱石の価格下落も「悪循環」に拍車
日本の鉄鋼大手各社はだぶついていた在庫調整のため、2015年4月から大幅な減産を始めた。
予定では、その効果が市況に現れ、中国の輸出攻勢も収まって10月以降の下半期には減産を解除するはずだったのだが、その目算が大きく外れてしまった。
とりわけ、中国の9月の鋼材輸出量が単月で過去最高を更新する勢いとなったのが誤算だった。
こうしたことを背景に日本国内の鋼材単価は、2014年10~12月の1トン当たり8万円弱を直近のピークに下がり続け、2015年7~9月には7万円弱にまで下がった。
需給バランス悪化による鋼材価格の下落は、鉄鉱石などの原料価格にも低下圧力をもたらしている。
鉄鋼メーカーには朗報のようにも聞こえるが、自動車メーカーなど実需家による鋼材値下げ圧力につながっているだけで、鉄鋼メーカーにとっては負の連鎖とも言える「悪循環」といえる。
鉄鋼市場の専門家によると、鋼材価格下落の震源地で
世界最大の粗鋼生産を誇る中国には「3つの過剰」があるという。
1].つは生産能力。
2].つ目が、それに伴う鋼材の供給過剰。
3].つ目は鉄鋼企業数の多さ
だ。
3つの過剰のなか、中国は世界最大の年8億トンの粗鋼生産を続ける。
その結果、中国国内の需要の減少によって余った分が輸出にまわり、世界の市況を悪化させるわけだ。
こうした中国の問題の解消には「10年かかる」(国内証券系アナリスト)との見方もあり、先行きが読めないのが実情だ。
中国製品の輸出による市況悪化の影響は無論、日本メーカーにとどまらない。
世界最大手の欧州アルセロール・メタルの2015年7~9月期決算は、純損益が7億1100万ドル(約870億円)の赤字に転落した。
前年同期は2200万ドルの黒字で、赤字は2四半期ぶり。
ミタルは10~12月期も環境は改善しないと見ており、12月期通期の業績予想を下方修正し、無配とすることも決めた。
中国の鉄鋼大手、宝山鋼鉄の2015年7~9月期も純損益が日本円で200億円近い赤字に転落。
鉄鋼世界同時不況の様相を呈している。
』
『
サーチナニュース 2015-12-13 10:32
http://biz.searchina.net/id/1596888?page=1
1,327年も!?
借入金の返済にかかる期間 中国鉄鋼業界の苦難
中国鉄鋼業界の銀行からの借入金の総額は約1兆3000億元(約24兆7600億円)に達する。
一部の分析では、現在の中国鉄鋼業界の利益ベースで計算すれば、
借入金を全額返済するのに「1,327年」もかかるという。
とてつもない額の債務を抱え込んだ中国の鉄鋼業界だが、生産能力の過剰という問題のほか、製品価格の下落などによって非常に苦しい立場に追い込まれている。
中国メディアの騰訊は中国鉄鋼業が直面している厳しい逆風について伝えている。
中国鋼鉄工業協会の統計によれば、一定規模以上の鉄鋼メーカー101社のうち48社が赤字となり、2015年1-10月における赤字総額は720億元(約1兆3800億円)だった。
生産能力の過剰に加えて、不動産の過剰在庫や造船業界の需要激減などの要因によって鉄鋼需要も減少、鉄鋼業全体の業績が悪化している。
とにかく中国の鉄鋼市場は需要不足であり、中国国内では各鉄鋼メーカーが原材料である鉄鉱石を投げ売りして何とかキャッシュを確保しようと躍起になるケースが増えてきている。
記事は、「ただ生き残るために必死で、鉄鉱石の売値の高低はどうでも良い」という河北省の鉄鋼メーカーの関係者の話を紹介。
こうした話は中国鉄鋼業界が置かれた状況を如実に表していると言える。
こうした状況は簡単には解決しそうにない。
不動産業界では各ディベロッパーが不動産在庫の消化を待っている状態であり、新築による需要増にはまだ期待できない。
造船についてもばら積み船の世界的な需要不足から、中国造船業界も不振に直面している。
HSBCのアナリストは
「中国の鉄鋼業界の就業人数はとてつもなく多いため、
リストラしようものなら社会全体に動揺が生じる」
と分析しており、人員整理による経営改善も簡単にはできない状況だ。
』
『
サーチナニュース 2015-12-14 08:29
http://news.searchina.net/id/1596897?page=1
中国が「後遺症」に頭を悩ます
・・・中国が抱える深刻な問題とは
2008年に起きた世界金融危機を乗り切ることができたのは、中国が総額4兆元(約76兆円)の景気刺激策を打ち出したことが大きい。
だが現在、中国はその後遺症に頭を悩ませている。
景気刺激策などをきっかけに中国では設備投資が過剰となり、さまざまな産業で「生産能力の過剰」という問題が深刻化しているためだ。
特に中国鉄鋼業界における生産能力の過剰は深刻だ。
不動産市場の低迷によって需要も減少していることから、中国の鉄鋼メーカーはだぶついた在庫を輸出にまわしており、2015年1-11月における鋼材輸出量はすでに1億トンを突破している。
中国メディアの参考消息は英メディアがこのほど、
「中国は自国の生産能力の過剰を世界各国に輸出することで解消しようとしている」
と伝えたことを紹介。
人民元安にふれていることもあり、中国の鋼材輸出は加速していると伝え、15年1-11月の中国の鋼材輸出量は前年比22%増に達したことを指摘。
さらに、中国財政部は9日に鋼片と銑鉄の輸出税を引き下げると発表したと伝えた。
さらに記事は、中国国内では生産能力の調整が進んでいないと伝え、一部の予測として中国の鋼材輸出は暫くの間、年間1億トンを超え続ける可能性があると紹介し、中国が鋼材を大量に輸出し続ける限りは鋼材価格の上昇も見込めないとの見方を示した。
中国が大量に鋼材輸出を続けていることに対し、一部では
「内需不振に陥った中国が、生産能力の過剰という問題を国外に向けて転嫁している」
と批判する声があがっている。
米国の鉄鉱石・石炭生産会社であるクリフズ・ナチュラル・リソーシズの最高経営責任者(CEO)は
「中国は国内で捌けなくなった大量の鉄鋼を狂ったように輸出している」
と批判し、世界の市場に悪影響をもたらしている「悪性のウイルス」と批判している。
』
『
サーチナニュース 2015-12-13 06:32
http://biz.searchina.net/id/1596885?page=1
中国造船業が直面する深刻な問題
「生産能力の過剰」なのに「注文激減」
中国造船業が深刻な問題に直面している。
各造船所の生産能力の過剰に加え、注文が激減しているためだ。
中国メディアの財新网は6日付の記事で、現在の中国造船業の経営危機の現状について報じている。
中国造船業は鉄鋼業界などと同様に「生産能力の過剰」という問題を抱えている。
世界で必要となる新船舶の年間の建造需要は中国一国だけで満たせるほどの生産能力を抱えているとの見方もある。
そして、世界経済の回復が遅れていることもあり、注文も激減している。
中国造船業全体の2015年1-10月における受注量は前年同期比62.1%減と大きく落ち込んだ。
生産能力が過剰であるうえに、注文が激減すればどのような事態が生じるだろうか。
中国では今年に入って以来、いくつもの造船会社が企業破産法を申請・適用に追い込まれている。
しかし中国造船業の危機はこれだけにとどまらない。
15年後半に入ってからも複数の造船会社が財務危機に陥り、社員に給料を払えないという事態が生じている。
こうした中国造船業の危機の原因はいったい何だろうか。
記事は「海運市場の長期低迷」が原因だとしている。
ばら積み船運賃の国際市況を示すバルチック海運指数(BDI)は1985年1月4日の水準を1000として指数が算出されるが、2008年5月にBDIは史上最高の1万1793ポイントに達したものの、15年11月20日の指数は498ポイントにまで下落している。
BDIの下落はばら積み船運賃が08年当時と比べて下落していることを表しているが、これは世界の需要低迷も一因だ。
需要が少ないなら当然運輸数も減る。
運輸数が減るなら、ばら積み船を新造する必要もない。
記事は、こうした背景が中国造船業の経営危機につながったと分析した。
さらに、一部の専門家からは
「今は造船業どん底の時期であり、これ以上悪くはならない」
との声があがっていると紹介する一方で、別の専門家からは
「生産能力の過剰問題や需要不足から、これからさらに多くの中国造船所が経営危機に陥る」
との指摘があることを紹介した。
高付加価値の製品を造り出す技術を身に着けることは、造船業の世界においても生き残るために不可欠な条件だとわかる。
中国は造船業でも「質の変化」が求められている。
』
_