『
ロイター 2015年 12月 7日 13:17 JST
http://jp.reuters.com/article/china-iron-idJPKBN0TQ0CA20151207
アングル:苦境の中国製鉄所、鉄鉱石在庫を投げ売り
[上海/マニラ 4日 ロイター] -
資金難に陥った中国の製鉄所が、手元資金を増強するために損失覚悟で鉄鉱石在庫の処分を進めており、これは中国鉄鋼業界の危機が一段と悪化していることの表れだとトレーダーは指摘する。
在庫の投げ売りによって、過去2カ月間に既に25%も値下がりした鉄鋼石価格の暴落はさらに深刻化した。
不動産から造船に至るまでの鉄鋼需要の低迷に加え、金融機関の貸し出し抑制などの影響で中国の製鋼業界は過剰生産能力の解消に苦労している。
11月29日の週、鉄鉱石価格.IO62-CNI=SIは10年ぶりの安値を付けたほか、2016年渡しの先物価格<0>は過去最低のトン当たり33ドルを付けた。0>
上海の鉄筋価格SRBcv1も過去最安値に沈んだ。
北京のある鉄鋼石トレーダーは
「現金不足に陥った製鉄所が鉄鉱石を安値で売却しているために、鉄鉱石相場の下落が加速した」
と分析する。
当局が銀行に対して過剰供給業種に対する融資を削減するよう促したことを受けて、製鉄業界は資金繰りが困難な状況に直面しており、中でも民間の製鉄会社が最も大きな影響を受けた。
民間の鉄鋼大手、唐山松汀鋼鉄は先月に資金難を理由に生産を停止したが、他社は必死で持ちこたえている状況だ。
鉱山大手と長期の供給契約を結んでいる製鉄所は、既に在庫の削減を進めており、不安定な下流部門の需要と現金支出を最小限にとどめるために、その日暮らしで鉄鉱石を調達している。
現在、赤字続きの製鉄所は生産継続のためのキャッシュフローを維持しようと、最後の手段として信用状の発行を受けて購入した鉄鉱石を売却。売却で得た資金はその多くが年内に期限を迎える銀行融資の返済に充てているという。
トレーダーや鉄鋼メーカー幹部ら4人が明らかにした。
年内を乗り越えた企業は来年、また新たな信用状枠の設定を得ようと努力するという。
業界コンサルタント会社Uメタルのデータによると、中国の主要港湾における鉄鉱石の在庫は11月末時点で9000万トンを超え、4月以降で最も多かった。
今年の最低水準は6月の7700万トンで、その後に鉄鋼業界が減産を進める中で在庫が増加した。
』
『
鉄鋼新聞 12月9日(水)6時0分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151209-00010001-tekkou-bus_all
中国の15年鋼材輸出、11カ月で1億トン超え。
大手の乱売止まらず
中国の鋼材輸出が、2015年に初めて年間1億トン台に達することが確定した。
中国税関総署が8日に発表した貿易統計によると、1~11月累計で前年同期比21・7%増の1億174万トンとなり、11カ月間で1億トン超えとなった。
暦年では1億1千万トン前後に達する見込みで、世界鉄鋼業に混沌をもたらす象徴的な数値として歴史に刻まれることになりそうだ。
11月の鋼材輸出は961万トンで、前月比では59万トン増だった。
月間最高となった9月の1125万トンには及ばないが、海外鉄鋼市況の低迷や通商摩擦が頻発する中で、なお高水準にある。
中国内では資金繰りに行き詰まった中小ミルや、販売不振の大手ミルが減産に追い込まれているが、余力ある他の大手が増産し需給の改善にはつながっていない。
中国内需も減る中で「12月の決算期末を前にした換金売りもあり、中国の輸出志向はそう弱まらない」(日本の高炉メーカー輸出担当)と、なお厳しい市場環境が続くとの見方が強まっている。
11月の鋼材輸入は3万トン減の92万トンで、前月に続き100万トン割れだった。
1~11月累計では前年同期比12・3%減の1160万トンで、中国内の供給過剰や、7月からの鋼材加工貿易に対する保税措置の撤廃で減少傾向にある。
■鉄鉱石輸入は8213万トン
鉄鋼資源関連では、11月の鉄鉱石輸入が8213万トンで、トン当たりの単価はC&F57・3ドルで前月から約1ドル下落した。
コークス輸出は84万トンだった。
1~11月累計では、鉄鉱石輸入が前年同期比1・3%増の8億5655万トン、コークス輸出は同12・2%増の840万トンだった。
』
『
レコードチャイナ 配信日時:2015年12月11日(金) 9時30分
http://www.recordchina.co.jp/a124787.html
韓国の鉄鋼企業に破綻・倒産の危機、
中国の安価な製品が大きな打撃―韓国紙
2015年12月8日、韓国紙・朝鮮日報によると、「産業の米」とも呼ばれることのある鉄鋼価格が下落の一途をたどっている中、韓国の鉄鋼企業は高価な高品質製品の生産や営業力の向上によって生き残りを図ろうとしている。
中国紙・参考消息(電子版)が伝えた。
韓国製の熱延鋼材価格は2008年には1トン当たり99万ウォン(約10万9000円)だったのが、15年12月には49万ウォン(約5万4000円)と半値にまで落ち込んでいる。
その原因は、設備投資で工場を増やしたものの供給過剰に陥った中国の鉄鋼企業が韓国など海外市場に安価な製品を販売し続けていることにある。
中国は世界最大の鉄鋼消費国であるとともに最大の生産国でもある。
安価な中国製鉄鋼製品の氾濫は海外企業に極めて大きな打撃となっており、数々の倒産を引き起こしている。
米国2位のUSスチール社はこの1年で株価が7割も暴落し、2014年には北米地区で3000人の従業員を解雇せざるを得なかった。
英国最大、EU2位のレッドカー社も資金繰りの悪化で操業停止を申請した。
中国でも60年の歴史を持つ国内最大の攀成鋼(CSST)が経営破綻するなど、鉄鋼業の倒産危機は高まっている。
韓国の鉄鋼業も楽観できない状態が続いている。
生き残りをかけて品質の高い高価格帯製品の生産に力を入れたり、営業力を高めたりするなどの対策を講じているが、倒産の危険も出ている。
ワークアウト(企業財務構造改善作業)に入った東部メタルは16年初旬を目標に売却を進めている。
』
『
現代ビジネス 2015年12月07日(月) 高橋 洋一
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/46742
中国はやっぱり「中進国の罠」を突破できない!「中国ルール」の経済圏構想が抱える致命的な欠陥
■中国はなにやら高揚しているが…
最近、中国政治・経済が急速におかしくなってきた。
本コラムでも以下のようにテーマ、視点を分けて、中国の政治・経済問題を取り上げてきた。
○急ぎすぎた覇権(中国は見事に「中進国の罠」にハマった! 急ぎすぎた覇権国家化のツケ http://gendai.ismedia.jp/articles/-/46183)
○経済成長率の低下(衝撃!中国経済はすでに「マイナス成長」に入っている?データが語る「第二のリーマン・ショック」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/46183)
○無理なAIIB(アジアインフラ投資銀行)構想(日米が参加しないAIIBの致命的欠陥。
中国は必ず日本に水面下で参加を求めてくる
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42865)
その中国で、珍しく国民の気持ちが高まるような出来事が起こった。
国際通貨基金(IMF)が11月30日の理事会で、中国人民元をSDR(IMFの特別引き出し権)の構成通貨に採用することを正式に決めたのだ。
これは、中国という国のメンツをくすぐる出来事だ。
SDRとは、IMF加盟国の準備資産を補完する手段として1969年に創設した国際準備資産である。
ただし、SDRは通貨ではなく、またIMFに対する請求権でもない。
むしろSDRは、IMF加盟国の「自由利用可能通貨」に対する潜在的な請求権であり、
SDRの保有者は、保有するSDRと引き換えに、「自由利用可能通貨」を入手することができる。
その際、SDRの価値を決める通貨バスケットは「自由利用可能通貨」から構成される。
従来「自由利用可能通貨」として、IMFはドル、ユーロ、円、ポンドを指定していたが、それらに人民元を加えたのだ。
これをもって、人民元も国際通貨の仲間入りと囃し立てる人もいる。
一般論として、IMFが人民元をドルや日本円と並ぶ世界の主要な通貨として採用するとしたことで、加盟国との間の資金のやり取りなどに人民元が活用していくといわれている。
通貨の世界でも中国の存在感が高まったというわけだ。
これによって、中国が主導するAIIB(アジアインフラ投資銀行)での取引の自由化も加速すると予想され、世界の金融界での中国の存在感がますます高まる、という見方がある。
■耳を疑うようなニュースが入ってきた
しかしIMFは、国際的に使われている通貨を「自由利用可能通貨」と認定するだけで、IMFの認定によって市場が本質的に変わるわけではない。
あくまでIMFが市場の結果を追認するだけだ。
今回の決定は、人民元が自由な市場で取引され、価格が自由に変動することを意味していない。
人民元には中国政府の制約が多いという問題もある。
今は変動相場制の時代であり、変動相場の中で人民元が「自由に使われるか」どうか、それが、真の「国際通貨」であるかどうかのメルクマールになるだろう。
なにしろ、SDRといっても、通貨危機に備えて加盟国に配るものなので、危機になってSDRを差し出し、交換性の乏しい人民元を手に入れるのは考えにくい。
いってみれば、SDRは滅多に使われない「仮想通貨」みたいなもので、その換金に人民元が使われるのはもっと考えにくいのだ。
人民元が自由な為替市場の中で取引されるかどうかは後で論じるとして、先週、にわかには信じがたいニュースが聞こえてきた。
「AIIB債、無格付け発行=設立当初、韓国引き受けか」
という報道だ
(http://www.jiji.com/jc/zc?k=201512/2015120300938&g=int)。
AIIBの資金調達のため、発足当初に発行する債券が「格付け無し」になる見通しとのことだ。
国際機関債で無格付けというのは聞いたことがない。
おそらく、中国が「独自の国際ルール」を作ろうとしている、ということだろう。
中国がAIIBの設立に精力的だったのは、中国中心ルールの経済圏がどうしても欲しいからだ。
これを少し説明しよう。
中国はこれまで自国経済への影響からTPPへの参加は消極的だった。
というか、いまのTPPでは中国が参加できない理由がある。
TPPでは貿易だけでなく投資の自由化(TPP第9章)も含まれていたからだ。
中国は社会主義であるので、生産手段の私有化を前提とする投資の自由化を基本的に受け入れられない。
なお、余談であるが、TPP反対論者からよく出されるISDS条項(編集部注:外国企業や投資家が国を訴えることができるようにする制度)も、この投資自由化に関係する。
以下に述べるように、ふつうはまず問題ない。
■中国がTPPに参加できない理由
ISDS条項はこれまでの日本の投資協定にも何度も入っていた。
日本でも20件以上、ISDS条項が入った投資協定が結ばれている。
それらのISDS条項について、これまで日本が行使されたことは一度もない。
ISDS条項で訴えられているのは国内のルール整備が未熟な新興国だ。
日本はこれまでもずっとISDS条項を結んできたが、ガードが堅いほうの国なので、訴えられたことはない。
外務省も含めて日本政府の役人はけっこう厳密にやるからだ。
このISDS条項は、これでアメリカからオーストラリアがやられたと評判になったもの。
しかし、実情は、アメリカとオーストラリアの間の協定ではISDS条項はなかったのに、アメリカのフィリップモリス社は、香港の子会社を使って、オーストラリアを訴えたのだ。
もし、このように日本もやられるなら、とっくにやられているはずだが、日本の法律は外国企業に対して酷い差別的な扱いをしていないので、さすがのアメリカも手出しができなかったわけだ。
中国は投資の自由化を最も嫌うので、ISDS条項は日本には有利だが中国には不利な制度だ。
日本のTPP反対論者はまるで中国の走狗のような発言をしていた、というわけだ。
また、TPPでは国有企業が大きな障害になる(TPP第17章)。
外国企業が国有企業と対等な競争条件で事業を行うことができるように、国有企業への有利な条件での貸付け等は制約されるからだ。
国有企業が大半を占める中国は、国有企業民営化などに迫られる可能性が高い。
このため、この条項は、中国の国家体制を揺るがすことにもつながりかねない。
国有企業が多く、GDPの3分の1程度を占めているマレーシアやベトナムがよくTPPに参加したものだ。
これらの国は、今後国営企業を民営化するなどの大改革を行う決意なのだろう。
さらに、知的財産の関係でも、知的財産保護の弱い中国がTPPに参加するハードルは現状ではかなり高い(TPP第18章)。
以上のように、投資自由化、国有企業改革、知的財産保護において、中国はTPPに参加したくてもできない状態なのだ。
特に、投資自由化と国有企業改革は、中国の体制問題に発展する可能性があるので、まず克服できないだろう。
■中国経済の限界
TPPに参加できない中国の、国際経済におけるハンディキャップはきわめて大きい。
そこで、投資自由化、国営企業改革、知的財政保護の必要のない、中国に有利なルールでの、経済圏を構築するために、AIIBを急いで設立しようとしていたわけだ。
中国の言葉で言えば、「一帯一路」構想とそれを支えるAIIBである。
ところが、AIIBにも暗雲が出てきた。
それが上に述べた報道(「AIIB債、無格付け発行=設立当初、韓国引き受けか」)である。
中国ルールの経済圏(「一帯一路」構想)とAIIBは、中国が中所得国の罠を突破するための手段と考えられているようだが、筆者から見ると、原理的に無理筋である。
それを以下に示そう。
中国がそろそろ一人当たりGDP1万ドルの壁にぶち当たろうとしている。
その突破には、これまでの先進国の例を見ると、社会経済の構造改革が必要である。
それは、先進国の条件ともいえる、資本・投資の自由化である。
日本は、東京オリンピックの1964年に、OECD(経済協力開発機構)に加盟することによって「資本取引の自由化に関する規約」に加入し、資本・投資自由化に徐々に踏み出した。
当時は、第二の黒船といわれたが、外資の導入は経済の後押しになったわけで、それが功を奏して、日本の一人当たりGDPは70年代半ばに5000ドル、80年代前半に1万ドルを突破した。
資本・投資自由化をすれば、国有企業改革も当然やらざるを得なくなる。
この意味で、中所得国の罠を突破できるかどうかは、いいタイミングで資本・投資自由化を行えるかどうかにかかっている。
それには、資本主義経済のほうが踏ん切りが付けやすいだろう。
少なくとも国営企業改革はそれほど難問でないからだ。
この点、中国の社会主義体制は、資本・投資自由化を行えないという致命的な欠陥がある。
■やっぱり見通しは明るくない
資本・投資自由化がうまくいくと、為替の変動相場制を導入し、独立した金融政策が可能になる。
日本やアメリカなどがそのケースだ。
または、ユーロのように固定化された変動相場と、金融政策には独立性がない制度もある。
これらは、上図のように国際金融のトリレンマとして、よく知られたことである。
特に、独立した金融政策は、国内経済を維持するためにもっとも重要な経済政策手段を確保することになる。
少なくともこれまでの先進国で、資本・投資自由化なしで経済発展してきた国はない。
中国ルールの経済圏(「一帯一路」構想)とAIIBは、国際金融のトリレンマの中でいえば、自由な資本移動を否定し、固定為替制と独立した金融政策を行うという、これまで前例のない取り組みをおこなっているといえる。
論理的に考えて、それがうまくいく可能性は少しはあるものの、資本・投資自由化がないと持続的な経済発展は望めないという意味で、筆者は先進国では「原理的に無理筋」と考えているわけだ。
長い目で見れば、社会主義国の中国でも、こうした矛盾が出てくるはずだ。
そうした視点からみたら、冒頭述べたようなおかしな問題が出てくるのは不思議ではない。
広州、香港、マカオで数千社の倒産が起こっているという話にも驚かない。
中国では、破産法制は必ずしも完備しているとはいえない。
しかも、日本のように手形不渡りで銀行取引停止という処分もないので、倒産がなかなか顕在化しない。
そうした国なので、例えば、香港の社債市場では、格付けなしの社債は珍しくない。
であるから、AIIB債を無格付け発行したことも、別にニュースでないともいえるだろう。
ただし、国際機関債で無格付けというのは聞いたことがないので、これが中国ルール、ということなのだろう。
中国ルールの経済圏(「一帯一路」構想)とAIIBが原理的な部分で致命的欠陥を抱えている以上、
長い目で見れば中国政治・経済の見通しは明るくない
といわざるを得ない。
』
『
ちばとぴ by 千葉日報 12月11日(金)17時55分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151211-00010004-chibatopi-l12
中国発展モデルは限界 関係改善に民衆の成熟
「いま中国で何が起きているのか~習近平体制と日中関係のゆくえ」
と題し講演した。
「頭と体がバラバラ」-。
中国情勢の第一人者が日中関係を一言に凝縮すると、こうなる。
もはや経済(体)が一体化しているのに、日本人の対中国イメージ(頭)は8割が否定的と深刻だ。
すべての要因は『国家イコール中国共産党』というその政治体制。
一党独裁ゆえに急速な発展を遂げる
その一方で、人権や民意を無視してきたツケが諸問題となって噴出している。
頼みの経済成長も減速は顕著。
「金持ちが国内で消費しない。数字は相当悪い」
と当局発表の経済指標に懐疑的。
一方で
「AIIB(アジアインフラ投資銀行)で途上国にモノを売るのが狙い」
と解説する。
世界第2位に躍り出た
GDPについても「『1』上げるのに『3~4』の社会コストをかけている」
とし、
生産活動に伴う環境破壊などのリスクが計上されていない
と読む。
膨張を続ける国防費だが、実は治安維持費の方が上回っている
その背景には、かの国の革命の歴史がある。
「本当に怖いのは民衆」
と党の本音を見抜き、その発展モデルは限界と指摘した。
ことし、訪日中国人の数は韓国人を抜き、高級品などの“爆買い”は依然旺盛。
尖閣問題は鳴りを潜めており、日中関係は「安心していい」と改善ぶりを断言する。
大事なのは「政治のいさかいを民間に波及させないこと」。
そのために「成熟した民衆であること」と日本国民に冷静さを呼び掛ける。
「中国はいまだ近代化の途上にある」からだ。
』
_