アメリカは台湾への武器売却を渋っていた。
それは中国を刺激したくないという思惑があったためだ。
しかし、それを4年ぶりに許可した。
ということは、アメリカが中国の行動に強く懸念を示しはじめたということであろう。
南シナ海での中国の動きが、アメリカを強く刺激してしまった結果、
ということになる。
『
● FNNニュース
』
『
CNNニュース 2015.12.17 Thu posted at 11:53 JST
http://www.cnn.co.jp/world/35075089.html?tag=top;mainStory
米、台湾にフリゲート艦などを売却へ 中国の非難退ける
●中国は米国による台湾への武器売却に反発している
(CNN) オバマ米政権は16日、台湾への18億3000万ドル(約2240億円)相当の武器売却を承認した。
米国から台湾への武器売却は4年ぶり。
国務省によると、台湾に売却するのは米海
軍の誘導ミサイルフリゲート艦2隻、水陸両用戦車、対空・対艦システムなど防衛用の兵器のみ。
報道官は「米国は6代の政権で一貫して台湾への武器売却の政策を維持してきた」と説明している。
台湾はこの発表について
「台湾の安全保障に貢献する米国の姿勢を示すもの」
と歓迎する声明を発表した。
一方、米国から台湾への武器売却に一貫して反対してきた中国は16日、在中国米大使館の臨時代理大使を呼び出した。
中国の鄭沢光外務次官は
「国際法に違反すると同時に、中国の領土および安全保障上の利益を侵害するもの」
と非難した。
米国は、中国に対する外交政策に変更はないと強調している。
』
NHKニュース 12月17日 7時36分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151217/k10010343701000.html
米 台湾への武器売却決定 中国は反発か
アメリカ政府は、台湾に対し2隻のフリゲート艦など日本円でおよそ2220億円に上る武器を売却することを決め、台湾への武器売却は内政干渉だと主張する中国の反発が予想されます。
ホワイトハウスのアーネスト報道官は16日の記者会見で、
「アメリカ政府は、台湾に対して総額18億3000万ドルに上る防衛のための武器を売却することを議会に通知した」
と述べ、2隻のフリゲート艦や水陸両用車など日本円でおよそ2220億円に上る武器売却を決めたことを明らかにしました。
アメリカの台湾への武器売却は、国交がない台湾に対し、防衛に必要な武器を供与できると規定されている国内法に基づくもので、今回の決定は4年ぶり、オバマ政権になってからは3回目です。
会見でアーネスト報道官は、
「今回の売却は、アメリカが台湾の自衛力の維持を支援していくことを示している」
と述べるとともに、台湾の馬英九総統が進めてきた中国との関係改善の動きを支持する立場を強調しました。
台湾への武器売却を巡り、中国は5年前、アメリカが最新の兵器を売却する方針を決めた際には、内政干渉だとして米中間の軍事交流を1年にわたって中断し、強く反発しました。
中国政府は、今回の決定にも反発を示すものとみられますが、オバマ政権の過去2回の売却に比べ、金額で見ると3分の1に満たないことなどから、どの程度強い反応を示すのかが焦点です。
■専門家 米中関係への影響は限定的
アメリカがこの時期に台湾への武器売却を決めたことについて、ワシントンのシンクタンク「戦略国際問題研究所」のボニー・グレイザー氏は、NHKの取材に対し
「ことし9月の中国の習近平国家主席の訪米と地球温暖化対策を話し合う国連の会議、COP21の閉幕を待った判断だ」
としています。
さらにグレイザー氏は、
「オバマ政権は、2期目では初めての武器売却を検討してきたが、来年1月の台湾の総統選挙の前に公表することが最適だと考えたためとみられる」
としています。
その理由について、総統選挙で、独立志向が強いとみられる野党・民進党の優勢が伝えられるなか
「野党が勝ったあとに武器売却を発表すれば、民進党の政策への支持と受け止められる可能性がある」
として、中国の懸念についても考慮したものだという見方を示しています。
さらに今回の武器売却に対する中国の反応については、
「内政干渉だと非難するだろうが、売却される武器は中国にとって脅威になるものは含まれておらず、軍事交流を中断するような強い反応は示さないだろう」
として、米中関係全般への影響は限定的なものにとどまるとみています。
■台湾総統 感謝の意 中国外務省は抗議
アメリカ政府がフリゲート艦などの武器を台湾に売却することを決めたことについて、台湾の総統府は、馬英九総統が感謝の意を表す談話を発表しました。
台湾の総統府の報道官は16日夜、談話を発表し、この中で
「馬総統は、必要な防衛のための武器をアメリカが提供してくれることについて高い評価と感謝を表す」
と述べました。
また、馬総統が2008年に就任して以来、アメリカからの武器売却は今回で4回目になるとしたうえで、
「馬政権は、7年余りの不断の努力を経て、アメリカと互いに高いレベルで信頼し、政治、経済、貿易、それに安全保障などの面で、協力の度合いを大幅に高め、断交して以来、最もよい状態にある」
と述べました。
そして、
「馬総統は、台湾海峡に平和や繁栄、安定した現状を作り出すことに成功した。
誰が次の総統になったとしても当然のことと見なすべきではない」
と述べ、来月行われる総統選挙を念頭に、中国に対する台湾の防衛力の強化は国民党政権の功績だと強調しました。
一方、中国外務省は、アメリカ担当の鄭沢光次官が中国駐在のアメリカの臨時代理大使を呼んで抗議したと、17日未明発表しました。
鄭次官は
「アメリカによる台湾への武器売却に中国は断固反対する。
重大な国際法違反であり、中国の主権と安全を著しく損なうもので、中国は、今回の売却を行う企業への制裁などの必要な措置をとる」
と伝えるとともに、今回の武器売却を取り消して台湾との軍事的な関係を絶つよう求めたということです。
』
『
読売新聞 12月15日(火)11時18分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151215-00050094-yom-int
米政権、台湾に武器売却決定…中国けん制狙い
【ワシントン=大木聖馬】ロイター通信は14日、米議会関係者の話として、オバマ米政権が今週にも、台湾へのミサイルフリゲート艦2隻などの武器売却を決定し、議会に通告する方針だと伝えた。
オバマ政権の台湾への武器売却決定は2011年9月以来、約4年ぶりとなる。
米側は台湾との安全保障分野での協力を強化し、東シナ海や南シナ海での海洋進出を強める中国をけん制する狙いだが、中国政府の反発は必至だ。
米政府関係者によると、武器売却は約10億ドル(約1200億円)規模で、水陸両用車AAV7や各種ミサイルなども対象となる方向という。
オバマ政権が11年9月に台湾への武器売却を決定した際には、台湾側が求めていた新型戦闘機の売却を見送り、旧式戦闘機の性能向上にとどめた経緯がある。
米政府関係者によると、今回の武器売却に戦闘機は含まれない方向で、オバマ政権が中国に一定程度、配慮したと見られる。
』
サーチナニュース 2015-12-17 09:43
http://news.searchina.net/id/1597335?page=1
米国が台湾に武器売却
中国猛反発「内政干渉だ」、
「いかなる口実設けようと断固反対」
中国の国務院台湾事務弁公室(国台弁)の馬暁光報道官は16日、米国が台湾にフリゲート艦など総額10億ドルの武器を売却する方向であることを受け、
「台湾に武器を売ることに断固として反対する」
と述べた。
中国網が報じた。
米国の武器売却については15日にも中国政府・外交部の洪磊報道官が、
「米中間の3つのコミュニケ、とりわけ八一七コミュニケの原則に違反する。
中国への内政干渉であり、(台湾海峡)両岸関係と米中関係を傷つける」
として強く反発した。
3つのコミュニケとしては
★.1972年にニクソン米大統領が中国を電撃訪問してまとめた上海コミュニケ、
★.両国の国交樹立を決めた1978年の米中共同声明、
★.さらに1982年8月17日に発表した第3次米中コミュニケ(八一七コミュニケ)
を指す(解説参照)。
国台弁の馬報道官も16日になり
「いかなる国がいかなる形式で、あるいはいかなる口実を設けようと、台湾に武器、武装装備、技術を売却することには断固として反対する」
と表明した。
**********
◆解説◆
第3次米中コミュニケ(八一七コミュニケ)は、米国から台湾への武器輸出について「(米中)両国の国交樹立時の交渉で、解決を得られなかった。
双方の立場は一致しておらず、中国側は国交正常以降、改めてこの問題をもちだした」などと記述している。
米中両国は台湾への武器輸出のついての協議を継続していることは盛り込まれているが、米国側が売却しないと約束したわけではない。
上記で洪報報道官が「八一七コミュニケの『原則に』違反する」と述べているのはそのためだ。
なお、米国は1979年に台湾関係法を成立させた。
同法は台湾との軍事同盟を定める米国国内法であり、
「米合衆国は台湾居民の安全、社会や経済の制度を脅かすいかなる武力行使または他の強制的な方式にも対抗しうる防衛力を維持し、適切な行動を取らなければならない」
との条文が盛り込まれている。
中国が台湾に対する軍事作戦に踏み込めないのは同法の存在が大きな背景だ。
』
『
サーチナニュース 2015-12-17 10:17
http://news.searchina.net/id/1597352?page=1
中国政府「関連企業を制裁する」
米政府が台湾への武器売却を決定
中国政府・外交部は17日、米国政府が台湾に総額18億3000万ドル(約2240億円)分の武器売却を決定したことを受け、米国側の関連企業を制裁することを明らかにした。
外交部の鄭沢光副部長(副外相)は16日、米国駐中国大使館の大使代理を読んで、厳重に抗議したという。
鄭副部長は「台湾は中国の不可分の領土」と主張し、
「中国側は米国が台湾に武器を売ることに断固として反対する。
米国が台湾に武器を売るのは国際法と国際関係の基本規則に真っ向から反し、中米間(米中間の3つの共同声明(解説参照)に真っ向から違反する」
と表明。
さらに、中国の国家利益を維持するためとして、
「今回、台湾へのへの武器を売却する米国側の企業に対する制裁実施を含め、必要な措置を取る」
ことを宣言した。
米国が台湾に売却する武器は、護衛艦2隻、対戦車ミサイル、水陸両用装甲車などとされる。
**********
◆解説◆
3つの共同宣言(コミュニケ)とは、1972年にニクソン米大統領が中国を電撃訪問してまとめた上海コミュニケ、両国の国交樹立を決めた1978年の米中共同声明、さらに1982年8月17日に発表した第3次米中コミュニケを指す。
3つの共同宣言のうち、第3次米中コミュニケは米国から台湾への武器輸出について「(米中)両国の国交樹立時の交渉で、解決を得られなかった。双方の立場は一致しておらず、中国側は国交正常以降、改めてこの問題をもちだした」などと記述している。
また、米国は1979年に台湾関係法を成立させた。同法は台湾との軍事同盟を定める米国国内法であり、「米合衆国は台湾居民の安全、社会や経済の制度を脅かすいかなる武力行使または他の強制的な方式にも対抗しうる防衛力を維持し、適切な行動を取らなければならない」との条文が盛り込まれている。
』
『
サーチナニュース 2015-12-18 10:11
http://news.searchina.net/id/1597474?page=1
中国政府「米ロッキードと関係断つ」
台湾への武器輸出で猛反発
米国が台湾への武器輸出を決めたことに対する、中国の「猛反発発言」が続いている。
中国政府・外交部は、関連する米国側企業と関係を断つと表明。国防部は「公然たる内政干渉だ」などと非難した。
中国外交部の洪磊報道官は17日の記者会見で、製品を台湾に売却する米ミサイル・メーカーのレイセオンと航空機メーカーのロッキード・マーティンについて、
「中国政府と企業がこの種の企業について協力とビジネス上の取引をすることはありえない」
と発言。
洪報道官は、中国政府関係だけでなく、自国企業に対しても取引を禁止すると表明したことになる。
国防部も17日、米国の対台湾武器売却を非難する声明を発表。
「台湾問題は中国の主権と領土の完全性にかんする問題であり、中国の核心的利益だ」
と主張し、米国の決定を
「中国の内政に公然と干渉するもの」
と非難した。
10月には、米海軍のイージス艦「ラッセン」が、中国が埋め立てを実施した南シナ海の岩礁から12海里以内に接近して、両国の緊張が高まった。
その後、米国のイージス艦「ステザム」の上海への親善訪問が実現するなど、両国は緊張緩和に努めた。。
しかし中国・国防部は17日の声明で、
「米国が台湾に武器を売却するという誤ったやり方をしたことで、両国軍の関係は影響を受けざるをえない」
と、緊張が再び高まると主張をした。
』
『
2015年12月18日 12時47分配信 遠藤誉 | 東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士
http://bylines.news.yahoo.co.jp/endohomare/20151218-00052566/
米の対台湾武器売却に対する中国の猛抗議と強気
アメリカ政府は16日、4年ぶりに台湾に武器輸出する方針を決定。
中国政府は対米猛抗議をしながらも、一方では
「使い物にならない古い武器を売っているだけなので、両岸(中台)の力関係には影響せず」
と強気だ。
◆まずは公式発表で激しい抗議
アメリカ政府は台湾に対し、海軍のミサイルフリゲート艦や対戦車ミサイルなど総額18億3000万ドル(約2200億円)の武器を台湾に売却する方針を固めたとアメリカ議会に通告した。
これは4年ぶりのことで、馬英九政権になってからは4回目。
1回目は2008年、2回目は2010年、3回目が2011年と、実は民進党政権時代よりも武器売却総額が多い。
中国共産党の機関紙「人民日報」のウェブサイト「人民網」によれば:
●2008年5月に馬英九が総統に就任して以来の7年間(来年4月までとすれば8年間)で、アメリカが台湾に武器を売却した総額は201億3000万ドルに達する。
年平均にすると25億ドル(任期8年間として計算)。
●李登輝総統時代であった12年間でアメリカが台湾に売却した武器の総額は162億ドル。
年平均13億5000万ドル。
●陳水扁総統時代の8年間に売却した総額は84億ドル。年平均10億5000万ドル。
今般の武器売却に対して中国外交部の鄭沢光副部長は、駐中国のアメリカ臨時大使代理・李凱安を呼び出し、アメリカに厳しい抗議を言い渡した。
いわく:
「台湾は中国の領土の不可分の一部だ。
中国はアメリカが台湾に武器売却することに断固反対する。これは国際法と国際関係に照らして、著しく米中の3つのコミュニュケに違反するものであり、中国の主権と安全利益を損なうものだ。
中国は、武器売却に関与した企業に対し、断固とした制裁措置を取る」
3つのコミュニケというのは「1972年にニクソン大統領との間に交わされた上海コミュニケ」、「1978年に出された米中国交正常化共同宣言」、「1982年8月17日に発表した第3次米中コミュニケ(特に八一七コミュニケと称する)」の3つを指す。
基本的には「一つの中国」を認め、「中国」という国家としては「中華人民共和国」しかこの世に存在せず、「中華民国」を承認してはならない、したがって「中華民国」と国交を断絶して、元の「中華民国」を中国の一地方の「台湾」あるいは「台北」と位置付ける、というものだ。
その台湾に武器を輸出するなどということは、中国(北京政府、大陸)にとっては、絶対にあってはならないことなのである。
しかしアメリカは、1979年まで、「中華民国」と米国の間で「米華相互防衛条約」を結んでいた。
上記「3つのコミュニケ」のうち1978年の米中国交正常化共同声明により米華相互防衛条約は破棄されたものの、それに代わって「台湾関係法」というものを米議会で制定して、「台湾に対する防衛的な武器強をする」ことを定めている。
以来、米中国交正常化をした後も、継続的にこの「台湾関係法」に基づいて、台湾に武器売却を続けてきているのだ。
◆中国政府は、本当はどう見ているか?
台湾に武器売却を続けるアメリカに対して、中国政府は激しい抗議はしているものの、本当はどう見ているかを解説したい。
主として中国の中央テレビ局CCTV軍事解説番組や中国政府高官からの直接の聞き取りに基づく。
1.アメリカが台湾に売っているのは、もうアメリカでは使えなくなった古びた武器だ。
台湾の軍事力を高めることはできない。
したがって両岸(中台)問題に関して、いかなる脅威も与えない。
中国(大陸)の軍事力がいかに高いかは、今年おこなった軍事パレードを見れば、語るまでもないだろう。
2.アメリカが今このタイミングで台湾に武器を売るのは、大統領選があるからだ。
アメリカの財団側からの支持を得て、票を集めたいと思っている。
3.アメリカが常に台湾に武器を売却するのは、米台の「親密度」を、常に台湾に見せておかなければならないからだ。
アメリカはまた米台親密化と日米親密化を中国に見せようともしている。
4.台湾が武器を購入するその金は、どこから来るのか。
一つには台湾市民(国民)からの税金によるものだが、もう一つは大陸で大儲けしている台商たちのうち、親米分子がいて台湾の政府に協力している。
ここが一番大きな問題で、今後も注意を払っていかなければならない。
◆「南シナ海問題への牽制」といった一時的な問題ではない
日本では、このたびの武器売却を「南シナ海に進出する中国をけん制するため」と報道しているメディアが多いが、そのような短期的視野の問題だけではないだろう。
台湾で2000年代前半の陳水扁政権時代に、あまりに台湾独立を叫んで北京政府と衝突したので、アメリカは台湾と中国(北京政府)との間で困惑していた。
なぜならこの時期は、中国の経済・軍事急成長時代と一致していたからだ。
アメリカとしては、中国ともうまくやっていきたい。
そこで中国大陸に対して「特に独立を叫ばず、現状を維持する」とした馬英九政権の誕生は、アメリカにとってありがたかったにちがいない。
その一方で、「大陸からの防衛のため」に、対台湾の武器売却を強化し、防衛の名の下に武器輸出を増加させている。
この変化は、上述した人民網のデータに如実に表れている。
アメリカの、この「二面性」は、ニクソン政権の中国電撃訪問以来続いているものであり、それが沖縄返還の時期と一致していることから、「尖閣諸島の領有権に関して、どちらの側にも立たない」というカメレオン型姿勢にも表れている。
このたびの武器売却は、たしかに南シナ海における中国の進出に対する牽制という側面は否めないものの、そういった近視眼的な要素だけで動いている事象ではない。
根底にある米中台問題を大きな視野で見ないと、日本にとっても、正しい戦略を練る目が歪められる危険性をもたらすのではないだろうか。
』
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