2015年12月18日金曜日

日本とインド(3):有効な接着剤となった中国の脅威、アジアに影響を及ぼす両国首脳の蜜月関係

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 中国の脅威は周辺国の構成を根本的に変化させはじめている。
 日本はこれまでの「おわびと反省の国」から「ニューノーマル:普通の国」へと脱皮しつつある。
 韓国は反日を高らかに謳って中国に寄り添おうとしている。
 ノスタルジアで「朝貢国」への回帰を鮮明にしている。
 日本とインドを親密国にさせようとしているのは、この中国の脅威である。
 この脅威が両国の背着剤の役目をしている。
 この接着剤がどれほど効き目のあるものかは分からない。
 でも接着剤が有効であるかぎり、日本とインドは手を結んでいかねばならないことは確かであろうと思われる。


2015.12.18(金) The Economist
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45576

インドと日本:
かつてないほど親しい友人
アジアに影響を及ぼす両国首脳の蜜月関係
(英エコノミスト誌 2015年12月12日号)

  インドと日本の指導者は互いを尊敬し、中国を恐れている。
 彼らの友情はアジアに影響を及ぼす。
 訪日のモディ首相「21世紀は日印の協力で決まる」

 日本の安倍晋三首相が遅ればせながらツイッターを始めた時、最初にフォローした世界の指導者――そして今も安倍氏がフォローしている数少ない人の1人――は、インドのナレンドラ・モディ首相だった。
 両首脳は定期的に、ツイッター界で溢れんばかりの求愛に勤しんでいる。

 多くのことが2人を結び付けている。
 どちらもアジアの大規模な民主主義国の国家主義的指導者であり、しばしばわだかまりを生む負の側面を持つ。

■共通点の多い2人

 安倍氏は帝国日本の戦時中の残虐行為について無神経で、一方のモディ氏は支持者の一部が抱くヒンズーの偏見から目をそらす。
 両氏とも、成長を喚起する改革や西側とのより緊密な軍事的連携を推進することによって、自国の偉大さを誇示したがる。
 どちらも、国連安全保障理事会の常任理事国の席を切望している。
 そして、中国が引き続き最大の貿易相手国だが、両氏とも中国の軍事的台頭に対抗することを望んでいる。

 そのため、安倍氏が12月11日から3日間の公式訪問でインドを訪れる時に問題になるのは、2人の指導者が戯れの恋から深い関与に移行できるかどうかだ。
 今回の訪問で一番見込みの高い具体的成果は、インドで最も活動的な都市の2つ、ムンバイとモディ氏の地元グジャラート州の商都アーメダバードをつなぐ新幹線を日本が建設するという合意だろう。

 ほかに可能性のある2つの取り決めはもっと重要であり、それゆえ議論を引き起こす。
★.1つは、日本企業にインドで原子力発電所の建設に名乗りを上げることを認める民生用原子力協定に関する合意だ
 日本は自国を核不拡散の熱心な推進者と見なしているが、合意が締結されれば、核武装国としてのインドの地位にお墨付きを与えることになる。

★.2つ目の取り決めは、インドが日本の水上飛行艇を購入、製造する計画だ。
 実現すれば、日本が軍事プラットフォームを海外に売却する初めてのケースになる。
 新明和工業の「US-2」は、捜索や救援のほかに監視にも使われている。

 安倍氏は、日本とインドのパートナーシップは世界で「最も重要な2国間関係」だと主張する。
 それはお世辞にように聞こえる。日本とインド両国にとって最も重要な関係は明らかに対米関係だ――中国に対抗するためには、特にそうだ。

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サーチナニュース 2015-12-15 10:47

日本とインドは「愛情夫婦」になった
=中国メディア、新幹線、原発、武器の輸出で


 中国浙江省のメディアは銭江晩報は14日付で、「日本とインドは今、『とても恩愛』だ」との見出しの記事を掲載した。
  中国語の「恩愛」は「夫婦の深い情愛」を表現する際に用いられる言葉だ。
 共産党機関紙「人民日報」系のニュースサイト、人民網なども同記事を転載した。

 最近の日印関係では、インドが高速鉄道建設で、日本の新幹線方針を採用することを決めたことだが、同記事は、高速鉄道建設を「日印親密化のひとつのあらわれ」との見方を示した。

 まず注目したのは、原子力発電技術の、次に新幹線と武器輸出を挙げた。
 原子力発電技術については、インドが核拡散条約(NPT)に未加盟と指摘。
 インドへの原子力発電関連の輸出は日本にとって初めての、NPT未加盟国への関連技術輸出と論じ、日本のメディアも
 「日本が事実上、NPT未加盟国の核兵器保持を認めたことになる」
と批判していると紹介した。

 高速鉄道建設については、いずでもインド西部にあるムンバイとアーメダバードを結ぶ約500キロメートルと紹介。
 「金融の中心であるムンバイと、モディ首相の故郷」を結ぶ路線と紹介した。

 武器輸出については、日本の海上自衛隊が運営する飛行艇「US-2」を輸出と紹介。
 US-2については悪天候下でも巡視、救援、対潜作戦など、多くの任務をこなせると紹介した。

 記事は、安倍首相は2012年12月に再び首相になってから、「地球儀外交」を展開していると紹介。
 就任以来、インドを3度訪問、モディ首相と5回の会談を行っているのは
 「対インド関係を格別に重視していることはあきらか。
 両国は互いに『特殊戦略及び全世界規模のパートナシップ』と相手国と位置づけている」
と紹介した。

 中国はインドと潜在的な「対立関係」にある。
 領土問題も未解決だ。
 そのため、中国はインドと対立関係にあるパキスタンに接近した。
 日印の接近は中国にとって「おもしろくない事態」であるのは間違いないが、上記記事は特に論評をせず、事実を紹介するにとどめた。

現代ビジネス 2015年12月17日(木) 井上 久男

アジア・インフラ戦争」
日本が中国に大敗北の予感!
~タイ、マレーシア、
そしてインドが突然日本に背を向けだした

  12月12日に行われた安倍晋三首相とインドのモディ首相との首脳会談で、インド初の高速鉄道で日本の新幹線方式が採用されることになった。
 日本はインドネシアの高速鉄道建設を巡り、中国との競争で敗れたばかりなので、政府筋から「インドでは巻き返しに成功した」との声も漏れている。

 だが、その認識ははっきり言って甘い。
 今後、インドでも中国が盛り返してくる可能性が大きい。
 さらに言えば、日本政府の今までのやり方だと、アジアでのインフラ輸出・開発競争で中国に大敗するリスクが高まっている。

 アジア各国で日本と中国は高速鉄道の建設を巡り、「受注競争」を展開しているが、これも率直に言って日本は劣勢だ。
 その理由は大きく2つある。

★.まずは、中国は採算度外視で安全保障の観点から高速鉄道建設に取り組んでいるが、日本には安全保障の視点が中国に比べて弱い点にある。
★.次に、高速鉄道などインフラ輸出について、国際協力銀行などに丸投げしており、政治のリーダーシップが欠如している点だ。

 インドの高速鉄道に関して日本政府は最大で1兆4600億円の円借款を行う。
 償還期限50年、利率も0・1%という「好条件」だ。
 ただ、今回はあくまでインド西部のムンバイとアーメダハード間(約500キロメートル)での合意であり、インドはこの路線も含めて計7路線の高速鉄道を整備していく計画で、残りの路線は日本が獲得できる保証はない。

 日本の大手メディアはほとんど報じていないが、インドと中国は高速鉄道開発で協力し合うことに合意している。
 昨年9月には習近平国家主席がインドを、今年5月にはモディ首相が中国をそれぞれ訪問し、高速鉄道を含めた分野で経済協力し合うことを確認している。
 インドは、日本と中国を両天秤にかけていると見るのが冷静な見方であろう。

■タイ、マレーシアでも中国が優勢…

 中国は今後、インドに対して「コンセッション方式」で高速鉄道の建設提案をしてくるだろう。
 「コンセッション方式」とは、中国が資金を全部出して、地元企業と合弁を組み、政府に代わってすべてを運営する方式だ。
 鉄道であれば、車両工場を現地に建てる。
 インフラ周辺の開発もすべて中国が担当する。
 中国は相手国に政府保証も求めない。

 これだとインド政府の財政支出は少ないうえ、地元に付加価値が残る。
 日本の場合は「円借款」であり、いくら好条件と言っても、貸し付けであり、相手国は全額を返さなければならない。
 先日、インドネシアの高速鉄道の受注で日本が中国に負けたのは、コンセッション方式と円借款方式の違いによるところが大きいと見られている。

 ある政府関係者がこう指摘する。
 「インドネシアでは、政府系金融機関である国際協力銀行の役員A氏が中心になって受注競争を仕切っていたが、不利になるとA氏は逃げて、JICA(国際協力機構)に押し付けた。
 担当になったJICAの理事B氏は、霞が関界隈では仕事は全くできないくせに、ただ威張っているだけの存在として有名で、そんな人物が国際舞台での駆け引きに勝てるわけがない」

 「このA氏はあらゆるインフラ輸出・開発のプロジェクトに顔を出して仕切りたがるが、実態は地元のたちの悪いブローカーに仕事を丸投げし、金だけ取られているのが実態。
 相手国の政府中枢の情報は全く取れていない」(大手商社筋)
そうだ。

 実はA氏は民主党政権時代に官房長官を務めたC氏と親しく、その関係で内閣官房参与にもなったが、政権が自民党に戻ると、すぐに裏切って安倍政権に近づいた。
 ところが、
 「今でもC氏とは近く、アジアに調査ファンドを作ってその仕事の一部を、落選して政界を引退したC氏に任せている」(同)。
 要は風見鶏なのである。

 そもそも、安全保障上も重要なインフラ輸出を国際協力銀行やJICAに任せっぱなしの官邸の危機管理にも問題があるのではないか。
 日本の安全保障にとって、もっと深刻な問題もある。
 それはタイとマレーシアのインフラ開発で中国が優勢になっていることだ。

■首相の妻に接近・懐柔する中国

 タイでは最近、バンコクから同国最大の輸出港ラムチャバンを通る高速鉄道を中国が受注した。
 この路線は、バンコクと日本企業も多く進出する「イースタンシーボード工業団地」があるラヨーン県を結ぶ路線で、タイの経済の動脈でもある。

 タイに多くの工場を持つ日本の自動車メーカーは、このラムチャバン港から世界各国に輸出している。
 さらに中国は、自国の昆明からタイにつながる高速鉄道も受注している。
 タイはアジアでは最大の親日国の一つで、日本からの投資が断トツで1位の国だが、軍事政権になって以来、タイは急速に中国に接近している。

 日本もバンコクーチェンマイ間の高速鉄道を受注したが、実はこの路線は格安航空との競争がある不採算路線で、日本はババを掴まされたことになる。

 安全保障上注目すべきは、中国の高速鉄道の線路は、「スタンダードゲージ」と呼ばれる一般鉄道の軌道を使う点だ。
 これだと、中国国内からタイに一気通貫で兵士や武器が輸送できる。

 マラッカ海峡を通過せずに、タイからインドに出るインフラ開発を強化する動きもある。
 タイとミャンマー国境にある「ダゥエイ港」の開発だ。バンコクの西側数百キロに位置する深海港で、バンコクから通じる高速道路や港湾整備が始まっている。

 タイとインドは自由貿易協定(FTA)を結んでおり、「ダウェイ港」経由で物資のやり取りができるようになれば輸送コストも削減できると見られている。
 インドと東南アジアの結節点として数年前からその開発が注目されている。
 映画「戦場にかける橋」の舞台となった地点に近く、戦略上の要衝である。
 この「ダウェイ開発」では日本がリードしていたが、中国が巻き返しに来ているという。

 また、中国はマレーシアのナジブ政権にも急接近している。
 中国はマレーシア国債を300億ドル購入した。
 狙いはマレー半島とスマトラ島に挟まれたマラッカ海峡への影響力を強めることだ。
 日本にとっては中近東から石油を運んでくる際に通過する要衝だ。

 中国は、マレーシアの電力会社を買収したほか、マラッカ港の港湾開発に日本円で1000億円投じることを決めた。
 マレーシア内にインド洋で獲れたマグロの加工工場も中国は造る計画だ。

 中国は、ナジブ首相の妻に接近することで政権中枢に食い込んでいる。
 この妻は、かつてフィリピンを牛耳ったマルコス大統領の妻イメルダを彷彿させることから、「第二のイメルダ夫人」と呼ばれ、政治にも口を出すそうだ。

■巻き返せるのか?

 現地の新聞では一面に中国の李克強首相夫妻とナジブ首相夫妻が仲良く握手する写真が掲載されている。
 マレーシアも高速鉄道の整備を検討しており、このままでは中国に持っていかれるのは時間の問題だろう。
 そうなれば、中国国内からマレー半島までが中国の高速鉄道で繋がることになる。

 筆者が今まで述べてきたようなことを問題提起すると、今の日本では必ず、中国に対しての感情論での悪口が出てくる。
 しかし、これは中国が好きか嫌いかの単純な問題ではない。
 冷静に考えると、中国の方が戦略的でやり方が巧みと言わざるを得ない。

 端的に言えば、自国の商売を有利に進めるために、政治のトップが自ら動いている。
 文字通りのトップセールスだ。
 これに伍するためには、日本も感情論ではなく、冷静沈着な戦略論で攻めるしかない。

 筆者は安全保障の専門家ではないが、自動車産業や農業を中心にグローバルな視点で取材をしているつもりだ。
 経済と安全保障は密接に絡むし、経済面の戦略で負けなければ、中国には伍していけると常々感じている。

 安倍首相は「積極的平和主義」の名の下、日本の安全保障政策を大きく転換させ、自衛隊の海外での活動をしやすくした。
 筆者はこの政策がすべて悪いとは思わない。
 しかし、有事の際に自衛隊を動きやすくする前に、他にやるべきことがあるのではないか。

 東南アジアは、日本経済の生命線の一つである。
 そこのインフラ輸出・開発競争で負けることは、安全保障面でもいずれ不利に立つことを意味する。
 政治家トップのリーダーシップで巻き返しを図るしかない。

サーチナニュース 2015-12-18 16:16

別に悔しくない!
インドが新幹線方式を採用合意も、
中国「負けたとは思っていない」

 インドのムンバイとアーメダバードを結ぶ同国初となる高速鉄道は、新幹線方式が導入される見通しだ。
 安倍晋三首相とインドのモディ首相はこのほど、ムンバイ-アーメダバード間の高速鉄道計画において新幹線方式を導入することで合意し、日本は最大1兆4600億円の円借款を供与することで一致した。

 アジアの高速鉄道市場をめぐっては、日中が激しい受注競争を展開していることは周知のとおりだ。
 インドネシア・ジャワ島の高速鉄道計画は中国に受注を奪われてしまった日本だが、インドで中国に一矢報いた形となった。

 だが、中国メディアの21財経捜索は15日、中国としてはインドのムンバイ-アーメダバード間の高速鉄道計画を日本が受注したとしても「日本に負けたとはまったく感じていない」などと論じた。

 記事はまず、日本がインドで受注できた理由は「好条件で円借款を供与することに尽きる」などと伝え、インドネシアで中国が資金面で好条件を提示して受注したことに日本は倣ったのではないかと主張。
 さらに、新幹線導入で合意したインドの路線はまだ1路線だけであり、
 まだ建設予定の路線は残っていることを指摘し、
 「中国はまだ落ち着いて見ていられる」と論じた。

 さらに、中国は高速鉄道以外にもインドと技術者の養成など複数の項目で協議を行っており、合意に達するのも遠い将来の話ではないと指摘。
 中国がインドに対して提供できる資金量も日本を大きく上回っており、中国はまったく慌てる必要はないと主張。
 また、インド高官の見解として「新幹線は中国高速鉄道より40%も高額だが、日本との関係を考慮し、新幹線を選んだのだ」と伝えた。

サーチナニュース 2015-12-15 15:31

日印蜜月状態 中国政府、正面からは批判できず、
ただし「挑発するな!」

 中国政府・外交部の洪磊報道官は14日の記者会見で、安倍首相と訪問先であるインドのモディ首相が、高速鉄道建設や原子力発電所の建設で協力することで合意したことについて、
 「アジア各国がインフラ整備を行っている」、
 「核を拡散させないという義務を前提として、核の平和利用について国際協力を展開する権利がある」
などと述べた。
 ただし南シナ海の問題については「対立を挑発してはならない」と主張した。

 洪報道官は、インドが高速鉄道建設で、日本の新幹線方針を採用することを決めたことについては
 「アジア各国がインフラ整備を行っている。これは普遍的な現象だ」
と述べた上で
 「中国とインドの間にも高速鉄道について協力関係がある。
 われわれはインド側が今後も、関連分野の協力で前進してほしいと願っている」
と述べた。

 日本からインドへの原子力発電技術の輸出については、
 「中国は一貫して、各国が国際的に核兵器を拡散させないという前提のもとで、、核の平和利用について国際協力を展開する権利があると主張している」
と述べた。

 インドが核拡散条約(NPT)に未加盟だ。
 日本がNPT未加盟国に原子力発電の関連技術を輸出するのは初めてで、
 「日本が事実上、NPT未加盟国の核兵器保持を認めたことになる」
の批判も出た。

 洪報道官は、原子力技術の輸出について、インドがNPT未加盟国であることには触れなかった。
 中国がすでに、NPT未加盟国であるパキスタンに原子炉を輸出しているため
と考えられる。

 安倍首相とモディ首相が会談において改めて南シナ海の問題に言及したことについては、
 「中国は国際法にもとづき、各国が南シナ海で航行と飛行の自由を享受することを一貫して尊重している。
 南シナ海での駐在と建設は中国の主権内の事情だ」
と主張。

  米・インド両海軍が主催する海上合同演習「マダバール」に海上自衛隊を定期的に参加させることが決まったことについては、
 「個別の国家は対立を挑発し、人為的に地域の緊張を作りだしてはならない」
と論じた。

サーチナニュース 2015-12-19 15:34

勝者は日中ではない! 
インド高速鉄道市場をめぐる日中の争い その意味は

 国家プロジェクトを進める場合は経済的要素だけでなく、政治的要素をも考慮しなければならず、短期的な利益を追求するのではなく、中長期的な観点で判断することが求められる。
 インドはムンバイとアーメダバードを結ぶ高速鉄道路線に新幹線を導入することで日本と合意したが、どのような理由で新幹線の導入を決めたのだろうか。

 中国メディアの中国網はインド国内の高速鉄道市場をめぐる日中の争いにおいて、勝者となるのは日中のどちらでもなく、インドであると主張する記事を掲載した。

 記事は、日本とインドが今回、新幹線導入で合意したほかに、原子力開発と安全保障の分野においても日印が協力することでも合意したと紹介し、インドが新幹線を導入した理由には「商業的要因」と「政治的要因」の2つの要因があったと指摘。
 さらに、インドが新幹線方式の導入を決めたのは、インドの大局的戦略として日本や米国との関係を重視したことが背景にあると主張した。

 また、インドにおける高速鉄道入札を日本と中国が競うことによって競争原理が働き、インドはより良い条件を提示した国と契約することができる。
 「恐らく、インドは中国と日本両国の高速鉄道事業の協力を通して、日中の高速鉄道技術を取り入れたインド独自の高速鉄道技術を手に入れることになる」
とし、
 「インドも高速鉄道技術の輸出国となり新たな競争相手となる」
と主張した。

 中国は自分たちが高速鉄道技術を他国から吸収したため、インドも同じように他国の技術を吸収し、将来的には高速鉄道技術大国になるのではないかと警戒心を示している。
 日本と中国はインドにおける高速鉄道入札において競い合っていたが、その最終的な勝者は日中のどちらでもなく、インドであると結論づけている。
 インドにおける高速鉄道入札の真の勝者は誰なのか?
 その答えは数十年後にやっとはっきりするだろう。


レコードチャイナ 配信日時:2015年12月22日(火) 8時0分
http://www.recordchina.co.jp/a125353.html

日本と中国が低利借款でアジア市場を争う、
インドに多大な利益―印メディア

 2015年12月17日、中国紙・参考消息(電子版)によると、インドメディアのレディフ・ドットコムは日本と中国が低利率による借款でアジア市場を争っていると報じた。
 インドを訪問した安倍首相は日印経済関係とインド経済に多大な影響をもたらすことが予想される巨額の対印借款を行うことで合意した。

 安倍首相はこのほどインドを訪問し、ごく短い滞在中モディ首相と会談。
 原子力発電所の輸出に関する備忘録に署名したが、それ以外の4項目の経済援助や融資の取り決めにも注目が集まっている。

 日本は
インフラ整備での政府開発援助(ODA)50億ドル(約6100億円)のほか、
インド初の高速鉄道建設プロジェクトへの120〜150億ドル(約1兆4600億〜1兆8300億円)の融資、基金を設立して日本企業のインドにおける投資支援に120億ドル(約1兆4600億円)、
南部のチェンナイ・バンガロール工業団地プロジェクトに55億ドル(約6700億円)
を投じる。

 このアフマダーバードとムンバイを結ぶ総延長500キロを超える高速鉄道は7年以内の完成で計画されている。
 150億ドルの融資はプロジェクト総額の8割に上るが、利率が0.1%、返済期限は50年という長期低金利で、さらに技術援助も行われる。

 記事は、日本と中国が低利率による借款でアジア市場を争っている中、インドは多大な利益を得られると指摘している。



サーチナニュース 2015-12-26 16:32
http://biz.searchina.net/id/1598143?page=1

日印が新幹線導入で合意した理由「力を出し切った日本の努力」

 インド西部の高速鉄道計画は新幹線を導入することで日印が合意した。中国メディアの騰訊は20日、中国の「敗因」について述べているが、記事で特に注目すべきは中国メディアが「日本の決意の強さ」を認めているところだ。

 まず記事が挙げた
 敗因の1つ目は、インドが持つ中国に対する警戒心だ。
 ある専門家は
 「インド政府は中国に対して強い警戒心を抱いており、インフラ整備計画において中国側の資金を活用したくないと考えている」
と指摘している。
 中国は他国より安価にインフラ整備が可能であるにもかかわらず、インドが中国のプロジェクト参加を望まなかった事例はこれまでにもあった。

 記事が指摘する
 敗因の2つ目は日本の決意の強さだ。
 インド西部の高速鉄道受注のためにこれまで日本が払った努力の大きさに記事は言及、この努力にはもちろん円借款制度の大改革が含まれる。
 注目すべきは、日本が今回の受注に向けて行った数々の「下準備」だ。

 この下準備とは一体何だろうか。
 記事は日本が多額の資金を投入して実行可能性調査を実施したことに加え、国際協力機構(JICA)がインド鉄道省、インドの鉄道会社および関連産業の各協会、さらには学術界およびインドメディアに働きかけ、利害関係者を新幹線の味方につけるよう努力したことを指すと指摘。
 「中国はこれほどの準備は行わなかった」と認め、今回の受注における日本の決意の強さを中国敗因の1つとして述べている。

 記事は今回の合意に対する日本の努力を「不遺余力」と表現している。
 これは全力を尽くす、力を出し切るという意味だ。
 中国の敗因にはもちろん政治的な要素が含まれているかもしれないが、自国のはるか上をゆく日本の努力を正しく分析し認めている点は注目に値する。
 インフラ受注競争の次の舞台、今度は中国の下準備が日本を上回ることもあり得るかもしれない。



http://www.dailymotion.com/video/x3i8u7x_%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E6%96%B0%E5%B9%B9%E7%B7%9A%E5%8F%97%E6%B3%A8-%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%BC-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%81%AF%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AE100%E5%80%8D-%E5%B9%B4%E9%87%91%E6%B8%9B%E3%82%89%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%8F%E3%81%A6%E8%89%AF%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%9F-151215-%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%89%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AB_news




● 12月15日版
 








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