『
サーチナニュース 2015-12-27 16:34
http://biz.searchina.net/id/1598160?page=1
中国経済は頂点に達したのか?
中国バブルは果たして崩壊するのか
景気は常に変動するものであるが、日本は1990年代初頭にバブル経済崩壊を経験しているため、多くの日本人は最近の中国経済を見て心配しているのではないだろうか。
中国サイト鳳凰網は
「2015年中国経済は頂点に達したのか?」
と題し、2015年の中国経済を振り返り、今後の展望を述べている。
記事はまず
「2015年ほとんどすべての商品価格が頂点に達した」
と述べ、その理由として中国の不動産開発投資が勢いを失った点を挙げた。
例えば2014年までは10%以上もあった土地開発投資額の伸び率が、右肩下がりで1パーセント台にまで落ち込んでいる点を紹介した。
中国の経済成長の一端を担ってきたのは、まぎれもなく国を挙げての投資だった。
しかし、過度の投資は必ず行き詰る。
記事はその点を
「上海は数兆ドルの資金を
高層ビル、
6車線高速道路、
国際空港、
五つ星ホテル、
巨大会議施設や
高速鉄道網
に投資してきた。
だが、それはゴーストタウンの数を増やす結果となった」
と述べている。
確かに上海に限らず
中国各地にゴーストタウンと化した建物群や、建設途中で放棄された建物が存在する。
08年以降、
中国の信用貸付規模は20兆ドル(約2420兆円)を超えた
が、今でも中国各地で新たなショッピングモールや高層ビル建設が行われており、新たなゴーストタウンが生まれ、民間の借金も増加し続けている。
記事は、米紙の報道を引用し
「中国は1980年代の日本よりも速い速度で負債を蓄積している」
と中国経済の先行きを不安視した。
日本のバブル崩壊後の時期は「失われた20年」などと言われるが、
中国のバブルは果たして崩壊するのだろうか。
世界経済に大きな影響力を持つようになった中国経済だけに、バブルが崩壊するば日本経済に対する影響も極めて大きいものと予想される。
』
『
サーチナニュース 2015-12-27 18:34
http://biz.searchina.net/id/1598162?page=1
日本人に嘲笑されても仕方ない!
中国の大手下請けの社長が夜逃げ、
4000人が突然の失業
景気低迷により中国では多くの企業が経営難に陥っており、給料の支払いを巡るトラブルも多く発生している。
広東省深セン市の工業地域では、ある電子関連の大手工場が倒産して波紋を呼んでいる。
中国メディアの観察者は20日、中国の大手メーカーの下請け工場の社長が夜逃げし、従業員4000人が突然の失業したと報じた。
報道によると、社長が夜逃げをしたというのは深セン市にある大手下請け工場で、中国や韓国の大手通信機器メーカーのサプライヤーとして知られた企業だ。
同企業は約4000人の従業員に対して3か月分の給料が未払いのままだという。
従業員らは工業団地入口に集まって武装警官と相対し、事務所ビルの屋上では我を失った従業員が飛び降りようとするなどの騒ぎになった。
記事は、同企業を見れば中国企業の衰退の程度がよく分かると伝え、
「日本人に中国企業の寿命が短いと嘲笑されても仕方ない」
と綴っている。
同企業は、13年末には、3年連続で業績がうなぎ上りだと説明していたが、ネット上では従業員らによって給料支払いの先送りを主とする違法行為も指摘されていたという。
旧正月である春節を前に給与を受け取れないことを恐れた同企業の従業員たちは、給与の全額支払いを求めて各地の工場でストライキを実施。
政府の調停により春節前に給与を全額支払うとの社長の同意を取り付けたものの、結局社長は行方をくらましてしまった。
記事は最後に、経営難の企業に対して、給料の先送りは従業員のやる気を削ぎ、さらには集団ストライキを招きかねないと指摘、安定した経営と雰囲気作りにも、給料支払いには期限厳守と透明性を確保すべきだと忠告している。
年越しを前に、何か月分も給料未払いというのは悪夢と言ってもいいだろう。
世界経済の混乱を防ぐためにも中国の景気が回復することを願うばかりだ。
』
『
サーチナニュース 2015-12-27 15:34
http://biz.searchina.net/id/1598159?page=1
日本でも起きた産業の空洞化、
「中国の場合は撤退によって空洞化」
1980年代半ばから日本では国内企業の生産拠点が海外に移転し、国内産業が衰退する現象が問題視されるようになった。
90年代には圧倒的に安価な労働力を持つ中国に生産拠点を移す企業が増えた。
いわゆる産業の空洞化だ。
人件費の上昇が続く中国でも産業の空洞化が問題になりつつある。
中国メディア捜狐は
「中国人の消費は減ったように見えない、しかし工場閉鎖は増えている」
と論じる記事を掲載した。
中国国内には大手スポーツ用品メーカーや食品メーカーの工場など、ありとあらゆる分野の企業が工場を設置し、これまで「世界の工場」の役割を果たしてきた。
しかし、近年は多くの企業が工場を東南アジアや本国へ移しており、記事は外資企業が中国を離れていく理由を考察している。
記事、外資企業が中国から工場を移転させている最大の要因として、「中国での生産コストの上昇」を挙げている。中国で人件費が上昇していることは数年前から指摘されていることだが、英誌「エコノミスト」の報道を引用し、「2001年から現在まで中国製造業では人件費が平均で年12%も上昇した」と伝えている。中国での生産コストが急速に上昇する現状に、多くの海外企業が移転を決意するのは当然と言える。
また別の理由として「生産の自動化」を挙げている。
ドイツのあるメーカーは米国に新設する工場について
「事前の試験段階で10人程度が参加するが、それ以降は完全オートメーション化して生産できる」
と述べた。
中国に限らず、特別な技能を持たない単純労働者の必要性が世界的に失われつつあることが分かる。
中国では労働市場の流動性が日本より高く、労働者もすぐに転職しがちだ。
そのため熟練労働者を育てにくいという意見もある。
日本で起きた産業の空洞化は日本企業が海外に生産拠点を移すことにより発生したが、中国では外資企業の「撤退」によって発生している。
中国は外資メーカーを呼びこむことで労働者に仕事を提供し、経済を成長させてきたが、外資が工場を撤退させた後に残るものは何かあるのだろうか。
』
『
サーチナニュース 2015-12-23 10:32
http://biz.searchina.net/id/1597876?page=1
追い込まれる中国造船業、
「速すぎる成長」が変化への対応力欠如を招いた
中国造船業が危機に直面している。
大手造船メーカーが次々に破産あるいは清算に追い込まれているが、こうした企業は今後さらに増える見通しだ。
中国メディアの経済参考報は17日、中国造船業がまさに最悪の状態に陥っていると伝えている。
中国造船業の経営危機はどれほど深刻なのだろうか。
ここ数年、新船舶の世界需要は毎年平均5000万載貨重量トン
だが世界全体の生産能力は1億載貨重量トン。
記事は、これから世界全体で
約40%の造船企業が淘汰される
と分析している。
しかし、これは世界の造船企業が平等に不幸を味わうということではない。
例えば韓国造船業も苦境に直面しているが、それでも高い技術力が求められる大型コンテナ船やタンカーなどで受注に成功している。
中国造船業の主力製品はばら積み船であり、高付加価値製品の受注は少ない。
また日本も円安を背景とした価格競争力を武器にばら積み船の受注を「中国から奪い取った」と記事は述べている。
日韓企業に対する競争力の低さが中国造船企業を非常に苦しい立場に追い込んでいるのだ。
記事は中国造船業の最大の問題点として「あまりにも速く成長し過ぎたこと」を挙げ、日本は約20年の年月を経て世界トップクラスの造船大国となったのに対し、中国はわずか数年で何千もの造船企業が雨後の竹の子のように現れ、世界トップクラスの造船国となった。
こうした速すぎる成長は世界の需要の変化に対応する力を中国造船業に与えず、なすすべもなく生産能力の過剰という問題を招いた。
船舶需要が増加に転じる傾向は見られていない。
さらに中国造船メーカーが高付加価値製品を造り出す技術を身に着けるにも時間が必要だ。
中国造船業にとっての「厳しい冬」が到来するのはこれからであると記事は分析している。
中国造船業が直面する苦境に関する報道は厳しい冬の「始まり」を告げているに過ぎない。
』
『
サーチナニュース 2015-12-28 16:28
http://biz.searchina.net/id/1598278?page=1
まさに厳冬!
中国造船業がかつてない危機に「4割淘汰」の見方も
造船大国として船舶受注量世界1位だった中国だが、今年に入って様子が変わってきたようだ。
中国メディアの経済参考報はこのほど、
「造船業の構造的な生産過剰で窮地に陥った」
と題する記事を掲載し、国家戦略の一環として成長してきた中国の造船業が危機に面していると報じた。
記事はまず、海運業全体の長期低迷により世界の造船業全体が厳冬期に入ったと分析。
そのため
「中国の造船業は1月から10月までの受注が62.1%も下落した」
と報じた。
2014年12月から、中国では倒産する造船企業が出始め、15年3月からは大型の造船所も次々と倒産している。
8月30日の時点で8社ある上場企業のうち4社は赤字というデータもある。
これほど厳しい状況になったのには、主に中国造船業の生産過剰が背景にあると記事では分析。
中国の造船能力は受注量の2倍に達しており、
「将来的に40%の造船企業が淘汰されるだろう」
との業界関係者の見方を示した。
日韓と比べて中国の受注が大幅に下落したのは、韓国は高い技術力で超大型コンテナ船とタンカー船を大量受注することができ、日本は円安によってこれまで中国が多く受注してきたばら積み船の「発注を奪った」ためと主張。
一方の中国は「技術力がないため造船企業が淘汰された」と分析した。
中国には最近需要が増えてきたLNG船のような高い技術を要する新型省エネ船舶の製造は少なく、技術力をさほど必要とせず海運業の影響を受けやすいばら積み船の生産が主だったという。
現在の造船業界は二極化が進んでいるため「17年が中国造船業の正念場だ」と今後についても厳しい見方を示した。
しかし記事では最後に、政府が製造業の今後の指針を示した「中国製造2025」で、造船業は十大重点産業の1つとなっていると紹介し、今後の中国は造船大国から造船強国へと変化していく必要があると主張。
戦略技術ロードマップに沿って2020年には造船強国となり、2025年には一定の影響力を有する海洋工程装備及びハイテク船舶の製造強国になることができるか、現状を見る限りではかなり厳しい状況だ。
』
『
サーチナニュース 2015-12-27 20:34
http://biz.searchina.net/id/1598164?page=1
中国高速鉄道はパクリか?
中国人の学習能力が高いのは事実=米華字紙
安かろう悪かろうで知られる「メード・イン・チャイナ」。
しかし、米華字紙・僑報網は20日、
「メード・イン・チャイナ」のクオリティが以前とまったく違うと言えるほどに向上している
と伝え、さらにその理由についても論じている。
記事はまず、「メード・イン・チャイナ」が以前は低価格・低品質でおなじみだったことを率直に認めている。
しかし記事は米国メディアが20日に
「中国製品は衣服から家電ひいては携帯電話に至るまで、
堅牢性では日本製品と肩を並べ、付加価値の点でもハイテク国家の製品に匹敵する」
と報じたことを紹介した。
こうした中国製品に対する評価の変化にはどんな理由があるのだろうか。
記事は2つの理由を述べている。
1つは中国が他国から学び、自国製品のクオリティを上げる努力を払ったこと。
そしてもう1つは中国人の学習能力の高さだ。
中国が他国技術をいわゆる「パクった」とされる例は数えればきりがない。
中国高速鉄道も新幹線のパクリではないかという批判は今も根強い。
しかし原子力発電に関する超難度技術でさえ他国から学んで自らのものとし、英国に原発を輸出するまでになった中国。
ある分析によれば、原発は例え完璧な図面があったとしても、それをコピーして実際に製品を造り出すのは非常に難しく、容易なことではないとされる。
その原発技術を学ぶだけでなく自主開発するまでになった中国人の学習能力は明らかに高いと言える。
中国製品のクオリティが明らかに変化してきていることについては、世界的なコンサルティング会社であるマッキンゼー・アンド・カンパニーも
「韓国は中国をもはや見くびるべきではない」
と指摘している。
では、中国製品がクオリティ面で他国と比肩するということは何を意味するだろう。
それは低価格・低品質が「低価格・高品質」になるということだ。
漢字一文字違うだけだが、国際競争力の点では大きな変化を意味する。
今後中国製品のクオリティ面での変化に絶えず注目する必要がありそうだ。
』
サーチナニュース 2015-12-27 20:34
http://biz.searchina.net/id/1598164?page=1
中国高速鉄道はパクリか?
中国人の学習能力が高いのは事実=米華字紙
安かろう悪かろうで知られる「メード・イン・チャイナ」。
しかし、米華字紙・僑報網は20日、
「メード・イン・チャイナ」のクオリティが以前とまったく違うと言えるほどに向上している
と伝え、さらにその理由についても論じている。
記事はまず、「メード・イン・チャイナ」が以前は低価格・低品質でおなじみだったことを率直に認めている。
しかし記事は米国メディアが20日に
「中国製品は衣服から家電ひいては携帯電話に至るまで、
堅牢性では日本製品と肩を並べ、付加価値の点でもハイテク国家の製品に匹敵する」
と報じたことを紹介した。
こうした中国製品に対する評価の変化にはどんな理由があるのだろうか。
記事は2つの理由を述べている。
1つは中国が他国から学び、自国製品のクオリティを上げる努力を払ったこと。
そしてもう1つは中国人の学習能力の高さだ。
中国が他国技術をいわゆる「パクった」とされる例は数えればきりがない。
中国高速鉄道も新幹線のパクリではないかという批判は今も根強い。
しかし原子力発電に関する超難度技術でさえ他国から学んで自らのものとし、英国に原発を輸出するまでになった中国。
ある分析によれば、原発は例え完璧な図面があったとしても、それをコピーして実際に製品を造り出すのは非常に難しく、容易なことではないとされる。
その原発技術を学ぶだけでなく自主開発するまでになった中国人の学習能力は明らかに高いと言える。
中国製品のクオリティが明らかに変化してきていることについては、世界的なコンサルティング会社であるマッキンゼー・アンド・カンパニーも
「韓国は中国をもはや見くびるべきではない」
と指摘している。
では、中国製品がクオリティ面で他国と比肩するということは何を意味するだろう。
それは低価格・低品質が「低価格・高品質」になるということだ。
漢字一文字違うだけだが、国際競争力の点では大きな変化を意味する。
今後中国製品のクオリティ面での変化に絶えず注目する必要がありそうだ。
』
現代ビジネス 2015年12月28日(月) 近藤 大介
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47138
ネットにあふれる怨嗟の声
中国と習近平の「悪循環」が止まらない
経済失政、戸籍差別、権力闘争
…2016年、何が起きてもおかしくない
イソップ寓話に、「ロバを売りに行く親子」という話がある。
農夫とその息子が、飼っていたロバを売るため、ロバを引いて街の市場へ向かった。
すると通行人が「誰も乗らないなんてもったいない」と指摘したので、父は息子を乗せた。
しばらくして別の通行人が、「何と親不孝な息子だ」と指摘したので、今度は父が乗った。
するとまたしばらくして別の通行人が、「子供だけ歩かせるなんてひどい親だ」と指摘したので、今度は親子で乗った。
さらに行くと、通行人が「ロバがかわいそうだ」と指摘したので、親子でロバを担いだ。
そこは橋の上で、突然担がれたロバはビックリして暴れ出し、橋の下の川へ落ちて死んでしまった――。
2015年の中国経済と習近平政権の対応を見ていると、まさに「ロバを売りに行く親子」の物語を髣髴させた。
やることなすこと後手後手かつ付け焼き刃的で、あちらを立てればこちらが引っ込む。
そして、状況はますます悪化していくという悪循環である。
■「新常態を認識し、適応し、導いて行かねばならない」
習近平主席は、今年の締めくくりである中央経済工作会議を、12月18日から21日まで、北京西郊の人民解放軍総参謀部が経営する「要塞ホテル」京西賓館で開いた。
参加者は、党中央委員会メンバーら約400人の面々だ。
習近平主席は直前に散髪したらしく、さっぱりした様子だったが、笑顔もないままに、今年もう何十回目か知れない重要演説をぶった。
「中国経済は全体としては平穏に運行しており、平穏な中に進展があり、平穏な中に好転がある。
中国経済は中高速成長を保持しており、経済システムは改善されている。
改革開放は縦横に深く邁進しており、民生の改善は持続し、社会の大局は総じて安定的なのだ。
今年の主要目標は達成したし、(2011年~2015年の)第12次5ヵ年計画は勝利を収め、わが国をさらに高い発展段階に押し上げたのだ。
新常態を認識し、新常態に適応し、新常態を導いて行かねばならない。
それこそが、今後一定期間のわが国の経済発展の大枠のロジックなのだ。
来年の戦術上のキーポイントは、
生産過剰を改善し、
在庫を一掃し、
レバレッジをやめ、
コストを落とし、
律速段階を補う。
これが5大任務だ。
具体的には、
第一に積極的に生産過剰を改善していく。
それには企業合併を増やし、破産企業を最小限にとどめる形で収めていくのだ。
第二に、企業のコストカットだ。
仲介サービスを整理し、
企業の税負担を抑え、
「五険一金」を簡素化し、
電力価格を抑え、
流通システムの改革
を進めるのだ。
第三に、不動産の在庫一掃だ。
これには都市戸籍を増やして都市化を進め、
一刻も早く農民工(出稼ぎ労働者)を都市市民にするのだ。
戸籍制度改革を進め、農村から都市部に出てきた人々の就業と居住問題を解決してやるのだ。
第四に、効率的な供給を拡大することだ。
貧困を撲滅し、先端技術を発展させ、農民の収入を安定させるのだ。
第五に、金融リスクの解決だ。
政府債務の管理をうまく処理し、不法な投資が蔓延するのを防止するのだ。
その他、積極的に外資を利用し、一帯一路建設の好機を掴むのだ。
中国の特色ある社会主義政治経済学の重要な原則を堅持し、社会主義市場経済の改革の方向を堅持するのだ」
おそらく参加者たちは、「そんなの分かってるよ」とため息をつきながら、中国中央テレビのカメラを意識しつつ、両手を膝に当てたり、メモを取るフリをしながら聞いていたのではなかろうか。
■製造業は生産過剰状態に陥っているが…
習近平主席は表だってはキレイゴトしか言わないが、実際には中国の製造業は、とんでもないことになっている。
例えば鉱業業界の「微信」(WeChat)プラットフォームである「鉱業界」は10月に、業界の惨状を暴露した。
その要旨は、以下の通りだ。
<石炭>
●・石炭業界は約1万3000社あり、就業者数は約400万人で、全エネルギーの65%をまかなっている。
だが9割の企業は赤字で、約100万人が失業の危機に陥っている。
●・6月に、内蒙古自治区の半数の石炭鉱山が生産停止となり、10万人以上が失業した。
全国の9割以上の石炭会社が赤字経営と化した。
山西省の上半期の石炭業界の損失は40億元を超え、在庫は年初比35%増の4700万トンになった。
内蒙古自治区の上半期の石炭出荷量は22%減に、出荷額は3割減になった。
●・7月に、湖南省は125ヵ所の石炭鉱山を閉鎖した。
内蒙古自治区の霍煤集団が破綻。
石炭価格の暴落が止まらず、全国20省の石炭業界の給料は3割カットとなった。
●・9月に、内蒙古自治区の石炭業界はいよいよ破綻ラッシュとなり、破綻を逃れた大企業も給与半額カットとなった。
●・10月に陝西省が18ヵ所の炭鉱閉鎖を発表した。
全国の年産30万トン以下の鉱山はことごとく消えた。
第3四半期までの電力使用量は4兆1344億kWで、前年同期比0.8%増は過去最低。
<鉄鋼>
●・海外産の鉄鋼コストは1トンあたり50ドルを切るのに、中国産は90ドルに上る。
すでに全社赤字状態に陥っている。
今後2年以内に、中国国内の4分の1の鉄鉱山が閉鎖される見込み。
中国鉄鋼工業協会加盟社全体で3兆元(約60兆円)の負債を抱えている。
非加盟の約2割の企業を含めれば、さらに多い。
今年第3四半期までの粗鉄生産量は2.1%減、鉄鋼価格は18.8%減、利益総額は97.5%減。
●・3月に、山東省臨三斤地区の製鉄所が閉鎖され、6万人近くが失業した。
●・4月に、攀鋼集団成都製鉄所が57年の歴史を閉じ、1万6000人が失業した。
●・上半期の上場鉄鋼会社55社中、赤字を計上した26社の純損失額は106億9,100万元に上った。
●・9月に、山西省最大の民営製鉄会社の海鑫製鉄が破綻した。
湖北省は年末までに544もの高炉を閉鎖すると発表した。
●・10月に、杭州鉄鋼が年末で生産停止を発表した。
<銅>
●・全国の銅山企業900社(就業者14万人以上)中、過半数が赤字。
中国最大の江西銅山は、10月から7万トンの減産。
<セメント>
●・第1四半期に華北、東北、西北地域で、前年比6億元増の44億元以上の損失を計上。
うち最大の河北省は25億元以上の損失。
第1四半期のセメント価格は前年同期比で46.52%に下降し、10年前の水準に。
●・今年第3四半期までのセメント産出量は17億2337万トンで4.7%減。北京市、上海市はそれぞれ24.22%減と34.38%減。
<ガラス>
●・全国の第1四半期の平板ガラス生産企業の損失率は約4割になり、業界の平均利益は前年同期比で26.6%減少。
●・10月に、中国最大の民営ガラス生産企業である江蘇省張家港の華爾潤が生産停止になり、8000人以上が失業した。
このように、製造業は大幅な生産過剰状態に陥っているのだ。
そのため、生産規模を減らさざるを得ない。
そうすると大量の失業者が出るし、政府や地方自治体の税収も減る。
つまりは負の連鎖に陥っていく。
1990年代後半にも、朱鎔基首相が主導して大胆な国有企業改革を行った際に、大量の失業者が街に溢れ出たことがあった。
だが朱鎔基改革は、一時的に構造調整で「出血する」けれども、その後は以前よりスリムになった国有企業がV字回復するし、かつ国有企業が住宅供給を停止するため誰もがマンションを買えるようになる、という「明るい未来」を見据えた改革だった。
それに較べて今回の習近平改革は、まったく五里霧中の航行で、まさに冒頭のイソップ寓話のような状態なのだ。
■中国の「袖の下」文化は健在
現在、地方経済の崩壊によって、大量の失業者が都市部に出てきている。
だが北京も上海もすでにパンク状態で、周知のようにPM2.5地獄に喘いでいる。
習近平主席は戸籍制度改革を唱えているが、これには二つの側面がある。
一つは都市戸籍と農村戸籍の「人種差別」を撤廃することで、
もう一つは一人っ子政策を廃止して、来たる少子高齢化時代に備えること
である。
だが、「人種差別」を廃止したら、
農村はますます荒廃し、都市部はますますパンク状態に陥る
のが見えている。
また、一人っ子政策は2年前の「3中全会」で廃止を謳ったが、それでもこの不況と最悪の環境下で、二人目を産もうとする夫婦は少ない。
私の北京の若い友人夫婦は、2016年春に出産予定だが、通院中の産婦人科から、「子供を産んでも北京戸籍は取れない」と宣告されて、強いショックを受けている。
夫妻とも地方出身者だが、夫人が「優秀留学帰国者特別枠」で数年前に北京戸籍を取得しており、生まれてくる子供は、当然ながら北京戸籍取得の権利がある。
だがいまや北京市政府は人口を一人でも減らしたくて仕方ないため、容易に戸籍を支給しないというわけだ。
そうなると、戸籍を取得しようと思えば、多額の「袖の下」が必要になってくる。
もう一人、北京でこの年末に念願のレストランを開店させた友人の例を挙げよう。
彼は不況で潰れたあるレストランの権利を買い取ったのだが、厨房が狭かったので少し広げることにした。
そうしたらそこに、北京市の商務局、消防局、環境保護局、衛生局などが目をつけ、これらの役所の許可証を取るのに、計60万元(約1,200万円)もの賄賂を払わされたというのだ。
彼はこうぼやいた。
「習近平主席は3年前に、『トラ(幹部)もハエ(小役人)も同時に叩く』と宣言し、徹底した腐敗撲滅運動を始めたが、実際に叩いたのはトラだけだった。
むしろ小バエは、以前よりも激しくタカってくるようになった。
何たって役人たちも生活貧窮の折、生きるのに必死だからね」
■中央都市工作会議の最中に…
中央経済工作会議の後半、具体的には12月20日と21日、習近平主席は意外な展開に出た。
中央都市工作会議を開催したのだ。
これは、党と政府が都市を一括して管理するための会議で、これまで1962年9月、1963年10月、1978年3月に3回開かれた。
すなわち、37年ぶりの開催である。
新華社通信の発表によれば、
中国の都市化率(全人口に占める都市部の戸籍人口の割合)は、1978年に18%弱だったのが、2014年には55%弱まで上がったという。
人口で言えば、1億7000万人から7億5000万人に増加した。
都市の数は193から653に増加した。
毎年の都市部人口の増加は2100万人に上り、これはヨーロッパの中等国の人口に匹敵する。
習近平主席はこの会議の重要講話で、次の6点を指摘した。
①:都市の発展紀律を尊重する。特に土地と人口、環境などを考えて都市設計を行う
②:空間、規模、産業の3大システムを統合し、都市生活を包括的に考える
③:計画、建設、管理の3大環境節約を統合し、都市生活のシステム性を高める
④:改革、科学技術、文化の3大動力を統合し、都市発展の持続性を高める
⑤:生産、生活、生態の3大要素を統合し、都市発展の住み心地を高める
⑥:政府、社会、市民の3大主体を統合し、都市発展の積極性を推進する
約400人の党中央委員たちは、やはり二日前と同様に、「そんなの分かってるよ」とため息をつきながら、両手を膝に当てたり、メモを取るフリをしながら聞いていたに違いない。
それは国民とて同様だろう。
12月21日夜7時の中国中央テレビのメインニュース番組『新聞聯播』では、何と9分50秒にもわたって、習近平重要講話の映像と解説を報道し続けたのだ。
しかも、大変間の悪いことが起こった。
この会議を開催中の12月20日午前11時40分頃、広東省深圳市光明新区鳳凰社区にある恒泰裕工業団の敷地内で、大規模な土砂崩れ事故が発生したのである。
おそらく中国のトップ400人に対して、習近平主席が都市問題の訓示を垂れている前後に、中国を代表する都市の一角である深圳で、大事故が発生したのだ。
■習近平総書記の「腐敗撲滅運動」とは
前回の第3回中央都市工作会議は、建国の父・毛沢東主席の死後2年経って権力を掌握した鄧小平が、新たな都市作りをブチ上げた会議だった。
そしてその会議から2年後の1980年に鄧小平が始めたのが、経済特区第1号の深圳の開発だった。
香港に隣接した人口3万人の漁村に「第2の香港」を建設すると鄧小平がブチ上げた時、誰も信じるものはいなかった。
ところが鄧小平は深圳を、「第2の香港」どころか、郊外まで含めれば香港の2倍もの人口を擁する巨大都市に作り上げたのだった。
今回、習近平主席は、1978年の鄧小平のような心境になったに違いない。
だからこそ、37年ぶりに第4回中央都市工作会議を開催したのだ。
だがその当日に、深圳で前代未聞の大事故が発生してしまったのである。
この事故の一報が北京の京西賓館に伝えられた時、400人の幹部の中で一番蒼くなったのは、胡春華・広東省党委書記(省トップ)ではなかったか。
胡春華党委書記はすぐさま会議を離れる許可を取って、広東省にスッ飛んで帰ったはずだ。
2012年11月に第18回中国共産党大会が開かれて、習近平副主席が党中央委員会総書記(党トップ)に就任した。
それから現在までの3年余り、習近平総書記が唱える腐敗撲滅運動によって、多くの幹部が失脚したことは日本でも伝えられている。
それは実際は、腐敗撲滅運動という名を借りた習近平の権力闘争である。
だが習近平の権力闘争の中で、実は最も重要だがまったく伝えられていないものがある。それは、「習近平vs胡春華」の闘争である。
2012年に引退した胡錦濤前総書記は、2007年に「弟分」の李克強を自分の後継者にできず、習近平に全権委譲せざるを得なかったことが、痛恨の極みだった。そこで、「ポスト習近平」には、自分の実の息子のような存在の胡春華が就けるよう、中国31地方で最大のGDPを誇る広東省を胡春華に与えて引退したのだった。
習近平は、晴れて総書記に就任した翌月、最初の視察地に広東省を選んだ。
それはその翌週に広東省党委書記として赴任する予定だった胡春華を牽制しておきたかったからだ。
その時から、習近平vs胡春華の権力闘争が始まった。
■深圳の事故は誰による「人災」なのか
端的に言えば、2017年秋の第19回共産党大会で、習近平総書記は胡春華広東省党委書記を、党中央政治局常務委員(トップ7)に引き上げたくない。
引き上げればその5年後に胡春華が党総書記に就くからだ。
かつ習近平時代の後半5年は、いつレイムダックになるか知れない。
そして、胡春華を常務委員に引き上げないためには、胡春華に「失点」を与える必要がある。
今回、習近平は、12月21日に中央都市工作会議が終了するまで丸一日間、報道管制を敷いて、深圳の大事故について報道させないようにした。
その上で
中国官製メディアは、33棟が崩壊し、死傷者、行方不明者合わせて93人に上る「人災」が発生したと、センセーショナルに報じた
のである。
「人災」とは、誰による災害か?
個々には地元企業とか地元の小役人とかだろうが、広東省全体の責任者と言えば、胡春華党委書記である。
「北京で重要な中央都市工作会議を開いている最中に、広東省はいったい何をやっているのだ!」
と叱責されることは、胡春華にとって、大きな「失点」となる。
2017年秋の第19回共産党大会まで2年を切った。
ここから習近平vs胡春華の権力闘争は本格化していく。
そしていまの中国の政治経済環境は、冒頭のイソップ寓話さながらである。
2016年の中国では何が起こってもおかしくない――。
』
『
JB Press 2015.12.31(木) 浜田 宏一
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45678
岐路に立つ中国経済
「計画中毒」から脱却し、市場化路線を歩めるか
9月初旬、筆者はほぼ10年ぶりに中国を訪問した。
前回の訪問からこれほど時間が経っていたため、中国が繁栄したところ――そして、引き続き苦労しているところ――を見て取るのは容易だった。
中国の主要都市は、鄧小平が1980年代に着手した開発政策の目覚ましい成功を体現している。
こうした都市はわずか20~30年で極度の貧困から救い出された数億人の中国人の大半が暮らす場所だ。
北京と上海は、キラキラ光る超高層ビルが立ち並び、明るいネオンで飾られ、ますます国際化する市民で満ち溢れており、その規模と活力に圧倒されるほどだ。
こうした活気のある都市の街頭に立つと、中国の国内消費の増加を示す最近の統計をより深く理解することができる。
人々は最新の技術を使っており、国際的な高級ブランドの名前の付いたショッピングバッグを抱えている。
彼らの繁栄は、ますます豊かになる中国人観光客が「爆買い」に勤しむ東京とソウルの小売りセクターにも反映されている。
◆ちゃんと機能しない一流ホテルの電話
だが、筆者が抱いた近代的な資本主義経済の印象はすぐに、北京の一流ホテルのちゃんと機能しない電話によって汚された。
ある米国人の友人は、恐らく日本政府の顧問としての筆者の役割のために、電話が盗聴されているのではないかと勘ぐっていた。
このような主張は、もちろん、控えめに言っても確認するのが難しい。
ただ議論の余地がないのは、北京訪問が終わった1週間後に、北京で買い物をするために使った筆者のクレジットカード番号が、ニューヨークの中国系スーパーでの買い物に使われたということだ。
個人情報の窃盗は決して中国だけの問題ではないが、そのような経験は、中国の技術的な近代化は、規制とデータセキュリティーのインフラを上回るペースで進んでいるのかもしれないという印象を生む。
そして、空気の質の問題がある。
今年、北京は度重なる深刻な大気汚染を経験し、今月は2度「赤色警報」が発令された。
筆者が2005年に、第2次世界大戦終結60周年記念の直後に北京を訪れたときは、空は澄んでいた。
もちろん、10年前にはすでに大気汚染は中国にとって問題だった。
だが、記念式典の前に、中国政府は(車のナンバープレートに基づき)多くの車の運転を禁止し、選ばれた工場の操業を停止し、一部の企業には一時的に市から移転することを強いた。
中央計画に頼る中国
このアプローチ――中国経済のような中央計画経済でしか追求できない取り組み――は、一時的な問題の軽減をもたらした。
だが、突き詰めると、ほとんど役に立たなかった。
実際、問題を覆い隠すことで、効果的な行動を遅らせてしまった可能性もある。
中国が長期的な進展をもたらせない――場合によっては進展を阻害さえする――短期的解決策を講じるために中央計画を駆使したのは、これが初めてでもなかったし、唯一のケースでもなかった。
例えば、今年の夏の株式市場暴落は、自然な調整として広く認識されていた。
なぜなら、株価は主に政府の介入に駆られる形で、それまでの1年間で経済的なファンダメンタルズに見合う水準を大きく超えるところまで上昇していたからだ。
それでも、株価が急落したとき、政府は即座に動き、かなりの数の銘柄の売買を停止し、日本が1990年代に追求したものに似た株価維持対策を実施した。
◆中国株急落、1200以上の銘柄が売買停止
このようにして中国政府は大暴落を食い止めることができ、一見すると、統制経済では経済危機や金融危機は起きないというマルクス主義の見方を裏付けたようだった。
実際、中国の指導者たちは、株価維持対策は結局、
自分たちが適切と考える形で株価を操作する効果的なメカニズムだと確信しているように思える。
筆者の最近の訪問時に、とある中国政府顧問が言ったように、
「株価指数の動きは、経済の実態とは全く関係がない」
のだ。
中国の政策立案者たちが理解していないように思えるのは、そのような介入には重大な長期的代償が伴うということだ。
政府がいつ何時でもルールを変えることのできる市場に投資したいと思う人はまずいない。
為替市場に対する中国の最近の介入も、矛盾したシグナルを送った。
当局は長年、人民元の国際化を追求する中で、元相場を支える傾向があった。
この努力は、「特別引き出し権(SDR)」と呼ばれる準備資産を構成する通貨バスケットに人民元を加えることにした国際通貨基金(IMF)の最近の決定に至った。
◆自由市場に向かう道を進め
しかし、株式市場の暴落からほどなくして、当局は人民元の下落を容認した。
中国はこの道を歩み続け、自由市場経済で主流な金融政策のアプローチ――物価と雇用の適切な組み合わせの確保を目指したもの――を追求すべきである。
継続的な元安は、ちょうどアベノミクスを通じた円安が日本を長引く景気後退から脱却させる助けになったように、減速する中国経済に弾みを与えられるはずだ。
2015年が終わろうとしている今、中国の指導者たちは岐路に立っている。
経済を統制しようとし続けるのか、真に市場志向のシステムを築くという約束を最後までやり通すのか決めなければならない。
中国のために、そして近隣諸国のために、指導者たちが自由市場に向けた計画を貫くことが望まれる。
© Project Syndicate, 2015.
www.project-syndicate.org
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