2015年9月3日木曜日

中国人観光客の明日の行方(1):中国人観光客が前年比2倍以上の“爆増”、「日本人はサイレントクレーマー」

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ダイヤモンドオンライン 2015年9月3日 大来 俊
http://diamond.jp/articles/-/77850

訪日外国人2000万人は今年達成!?
インバウンドブームの舞台裏

■「2020年までに2000万人」の目標は今年中にも達成するか?

 2013年に日本の外国人訪日客は1000万人を突破し、14年は約1341万人に達した。
 伸び率はそれぞれ24.0%、29.4%と高かったが、今年に入りその伸び率に拍車がかかっている。
 1月~6月の訪日客は既に約914万人に達し、伸び率は46.0%。
 これほど外国人旅行者が伸びている主要国は、世界広しといえども日本だけだ。

  「東日本大震災以降、低迷していた韓国人観光客が戻ってきたことに加え、
 中国人観光客が前年比2倍以上に“爆増”
  経済発展が続くタイを中心に東南アジア方面からの訪日も増えている」と、日本交通公社観光文化研究部主任研究員の守屋邦彦氏は話す。

 世界経済の行方など不確定要素はあるが、仮にこの調子の伸び率(46.0%)が年後半まで続いた場合、15年の訪日客は約1958万人になり、昨年のように年末に向けて尻上がりになれば、2000万人突破もあり得る。
 政府は「2020年の五輪イヤーに2000万人」を目標に掲げてきたが、5年も前倒しで達成する可能性すらあるのだ。

インバウンド観光(訪日外国人旅行)情報のポータルサイトの運営やセミナー、コンサルティングを手がける「やまとごころ」の村山慶輔社長は、訪日客急増の背景をこう分析する。
 「大前提は訪日客の8割を占めるアジア各国の経済成長。
 海外旅行者が急増すると言われる年間所得3000ドル超の国が軒並み増え、それに円安、ビザ緩和、LCCや大型クルーズ船の就航、親日などの要素が相まって、訪日客激増という現象を起こしています。
 とりわけ中国人の伸びは大きく、昨年は実に1.1億人が海外旅行に出ています。
 そのうち訪日したのは240万人でわずか2%。
 後の98%を取り込むことで、今後も伸びしろは十分にあります」。

 一方、訪日客を迎える日本側の宿泊施設や小売店なども、2つの出来事をきっかけにマーケットがガラリと変わったという。
1つが13年に外国人訪日客1000万人を達成したこと、
そしてもう1つが同年9月に東京オリンピック開催が決定したことだ。
 「13年は大きな節目。
 翌年度から受け入れ側にも“スイッチ”が入り、百貨店などではインバウンド専任の担当者が次々と配属されていった。
 特にオリンピックというわかりやすいマイルストーン(目標)ができたことが大きい」(村山氏)。
 つまり、国内外の情勢の変化がいくつも重なり、空前とも言えるインバウンドブームを巻き起こしているわけだ。

■観光インフラの不足と日本人客の不満が課題

 しかし、浮かれてばかりもいられず、深刻な課題も表面化してきている。
 訪日客増によって、東京、大阪、京都など大都市の宿泊施設が不足しているのだ。
 さらに、観光バスが足りないという問題も引き起こしている。

  「大都市の宿泊キャパシティは限界に近づいています。
 観光バスでは、例えば北海道ではピークとなる夏に外国からの訪日客が多すぎて、バスが用意できずにツアー受け入れを断念する事態も生じている。
 政府は30年に訪日客3000万人を目指していますが、観光インフラに関しては、今までとは次元の違う取り組みをしないと、対応できない」(日本交通公社の守屋氏)。

 ホテル増につながる施策も必要だろうが、加えて個人宅に旅行者を泊める「Airbnb」のような取り組みを、旅館業法改正などの規制緩和を通じて後押しすることも必要だろう。
 観光バスは営業区域を都道府県単位から、関東、九州などのブロック単位や隣接県への拡大を特例措置で認めるなど、既に導入している規制緩和を継続するとともに、バス会社の提携や協業の促進も打ち手となるだろう。

 観光インフラなどハード面の整備も必要だが、同時に日本人が訪日客に対する見方を改めるソフト面の改善も重要だと、やまとごころの村山氏は指摘する。

 「百貨店の化粧品売り場に中国人観光客が居座り、従来の常連だった日本人客が利用できないためクレームが発生するなど、全国各地の至る所で問題が顕在化しています。
 このままではアンチ外国人観光客の嫌なムードが広がりかねない。
 訪日客3000万人時代を見越して、今後日本が生き残っていくためには観光産業が不可欠であると国民一人ひとりが認識し、外国人観光客を受け入れる一種の国民運動を展開しないと、東京オリンピックどころではなくなります」

 各自治体でも今までとは次元の異なる対策が必要となる。
 村山氏は
 「自分たちの思いだけで観光資源を一方的にプロダクトアウトするのではなく、外国人の視点を踏まえた上でのマーケットインの発想がとても重要。
 そのニーズに合致する強烈なコンテンツによって、誘客が可能になる」
と話す。

 例えば立山黒部アルペンルートに出現する「雪の壁」は、雪が降らないアジア各国からの旅行者に大人気。
 あるいは長野県の地獄谷野猿公苑は、冬場に温泉につかる野猿が「スノーモンキー」として世界的に有名になり、外国人観光客が引きも切らずに詰めかける。
 こうしたキラーコンテンツを発掘または開発して、一点突破で誘客を図ることがポイントとなる。
 外国人視点の活用では、日本に留学、在住する外国人に協力を求めることも一つの手だろう。

■欧米からの観光客誘致に力を入れる京都の取り組み

 先進的な自治体のケースから学ぶことも重要だ。
 その代表格が京都だろう。
 京都市は「京都市観光振興計画2020」を策定し、通訳ガイドの育成、免税店の拡大、京都の伝統産業製品販売店の多言語化の支援、Wi-Fiの充実、案内表示の強化など、実に164事業もの具体的な施策を推進している。

 また、世界の富裕層を顧客とする旅行会社や高級ホテルなどの関係者を京都に招待し、商談する「ILTM(インターナショナル・ラグジュアリー・トラベルマーケット)」を13年に日本で初めて開き、その後2年連続で開催するなど、世界の富裕層マーケットの開拓にも積極的だ。

 さらに、世界各都市での情報収集や発信にも注力。
 「台北、上海、ソウル、香港、ニューヨーク、ロンドン、フランクフルト、パリ、シドニー、ドバイの世界10都市に京都市海外情報拠点を設けています。
 海外向け公式観光情報サイト『KYOTO CITY OFFICIAL TRAVEL GUIDE』は13ヵ国語に対応し、その他フェイスブックなどSNSでも世界に向けて積極的に情報発信しています」
と、京都市産業観光局観光誘客誘致課長の須貝雅幸氏は話す。

 インバウンド観光戦略の効果もあり、世界で最も影響力を持つとされる米国の旅行雑誌「トラベル・アンド・レジャー」の読者投票において、昨年、今年と2年連続で世界の人気都市ランキング1位に選ばれた。
 京都を訪れる外国人宿泊客も13年の113万人から14年には183万人へと約62%増加。
 日本全体の伸び率(31%)の2倍の勢いだ。

  「京都といえどもブランドにおごることなく、数々の施策に愚直に取り組んでいるからこそ、今日の地位がある」
と村山氏は言う。
 京都では20年までに外国人宿泊客300万人を目指している。

 京都が欧米に多くの拠点を設け、著名な米国旅行雑誌で高い評価を得ていることの意味は大きい。
 2014年の日本全体で見た場合、アジアからの訪日客の伸び率が33.0%なのに対し、欧州諸国からは16.0%、米国からは11.6%と、それほど大きく伸びず、欧米からの訪日客のテコ入れが喫緊の課題だからだ。

  「今年6月に政府が発表した『観光立国実現に向けたアクションプログラム』でも、欧米市場に注力する方針が明確に打ち出された。
 世界の旅行のトレンドは欧米など先進国に引っ張られるため、彼らを取り込むことが将来的にアジアなど他の地域の旅行者をさらに呼び込むことにつながります」(村山氏)

 国連世界観光機関(UNWTO)によると、世界の旅行者は
 1950年に2500万人だったのが、
 30年後の1980年に「2億7800万人」、
 さらに15年後の95年に5億2700万人に増え、
 約20年後の昨年にはその約2倍の11億3300万人
に膨れ上がった。
 予測では2030年に「18億人」に達するとしている。
 これほど成長が確実視されている産業は他にはあまり見当たらない。

 14年の外国人訪問者数ランキングを見ると、日本は世界で22位、アジアで7位と思ったほど高くない。
 アジアでは香港やタイ、韓国よりも下位に甘んじ、1位フランスの8370万人には遠く及ばないのが現状だ。
 インバウンドブームに浮かれることなく、日本全体ではまだ観光後進国であると認識し、拡がる市場の争奪戦には心して挑む必要があるだろう。



サーチナニュース 2015-09-15 07:03
http://news.searchina.net/id/1588722?page=1

日本で「爆買い」する中国人
・・・海外旅行の「初心者」だ!=中国メディア


 中国メディアの壹読は11日、中国人は日本を嫌うくせに日本への旅行を好むのはなぜなのかと疑問を投げかける記事を掲載した。

 記事は、日本と中国で行われる世論調査の結果として
  「2007年以降、中国人の日本に対する印象はずっと悪いままで、
 むしろ日本に悪いイメージを持つ中国人の割合は増えている」
と指摘した。

 一方、「中国人は口では嫌いといっておきながら、足はとても素直」と伝え、多くの中国人旅行客が日本を訪れていることを紹介。
 特に14年に日本を訪れた中国人旅行客は前年比82%増の約220万人に達したと伝え、
 「なぜ中国人は日本旅行を好むのだろうか」
と疑問を投げかけた。

 続けて、中国では2002年ごろから日本が人気の渡航先となっていると伝え、その理由として
 「日本は経済が発展していること」
のほか、
 「観光資源が豊富であること」、
 「インフラが整っていること」、
 「サービスの質が極めて高いこと」
を挙げ、特に重要なのは
 「日本と中国の文化が似ていること」
であると指摘した。

 また記事は、中国人旅行客を分類してみると、
 「一般の中国人旅行客は東南アジアおよび中国の周辺国を訪れる傾向にある」
と指摘。
 こうした中国人旅行客の収入はさほど多くはなく、出国の経験も少なく、訪問先の文化や歴史などに対する感度も低い傾向にあり、もっとも強い関心を持つのは「旅行コスト」であると主張した。

 続けて、収入は多いものの、
★.訪問先の文化などに対する感度が低い中国人旅行客は「先進国」を訪れる傾向にある
と主張。
 こうしたセグメントの人びとにとって重要なのは
 「その国に行ったことがある」、
 「行くことができる」という
 「ひけらかす気持ち」
であると主張。
 そのため、日本とアフリカのどちらに行きたいかを尋ねれば、迷いなく「日本」と答えるのがこうしたセグメントに属す人びとだと主張した。

 また、
★.文化や歴史などに対する感度の高い富裕層は旅行中における「文化的な体験」などを重視する傾向にあり、
 中国と文化的な差異の大きな南米やアフリカなどへの旅行を好む傾向にある
と論じた。

 続けて記事は、
★.日本を訪れる中国人旅行客は「豊かになりつつあるセグメントのうちの、海外旅行初心者にあたる層」
だと主張し、
 こうした層の人びとは海外旅行初心者だからこそ
 「国外で何でも購入したがるのだ」
と論じた。



レコードチャイナ 配信日時:2015年9月16日(水) 16時0分
http://www.recordchina.co.jp/a119174.html

中国人の訪日ブーム、8月も拡大、「景気失速」の影響なし
=前年比2.3倍の59万人
―訪日客総数も64%増、年間で1900万人超達成へ

 2015年9月16日、日本政府観光局が発表した8 月の訪日外国人客数は、前年同月比64%増の181万人で、これまで8月として過去最高だった2014年(111 万人)を70 万人上回った。
 このうち
 中国人訪日客が前年同月比133%増(約2.3倍)の59 万人と、
 2カ月連続で50 万人台を記録、月別で過去最高を更新した。
 中国景気の失速や上海株価急落、天津港爆発などを受けて、中国人訪日客が減少するとの懸念もあったが、影響は全くなかった。

 国別では中国に続いて
 韓国39万1000人(55%増)、
 台湾31万4000人(36%増)、
 香港14万1000人(89%増)
の順。
 この結果、2015年1~8月の訪日外国人客全体の累計は1287万人と、過去最高だった昨年暦年実績(1341万人)に迫る水準。
 今年暦年で1900万人に達する勢いだ。
 中国人訪日客は今年1~8 月の累計で334万7000人と昨年同期(154万人)の2倍以上に達した。

 夏休み・バカンスシーズンに向けた訪日旅行プロモーションが需要を喚起したほか、航空路線の拡大、クルーズ船の寄港増加、査証免除や要件緩和、昨年10 月からの消費税免税制度の拡充による買い物需要の拡大、円安持続などが、外国人訪日客の増加につながった。



ダイヤモンドオンライン 2015年10月19日  吉田陽介[日中関係研究所研究員]
http://diamond.jp/articles/-/80058

愛国心より日本製を選ぶ中国人の爆買い心理

 この数年来、中国人の日本旅行が容易になってきたため、多くの中国人が日本に行き、大量に買い物する「爆買い」という言葉が流行語となった。

 10月1日から7日までの国慶節(建国記念日)の休み期間中にも多くの中国人が日本を旅行し、主に健康食品や化粧品などを大量に買い求めた。
 メディアの報道によると、この休み期間中に日本を旅行した中国大陸の旅行者は40万人に達し、観光、買い物を目的とした人が70%に達したという。

 中国の一部メディアに、「爆買いは愛国的か」という旨の評論が載った。
 中国人はどうして「爆買い」するのか、これと愛国心は関係あるのか考えてみたい。

■中国人を「爆買い」に駆り立てる理由は何か?

 9月24日付けの人民ネットに掲載された
 「中国旅行者日本で爆買い、狂ったような『買い漁り』を解き明かす」
と題する記事によると、中国人が「爆買い」をするのは、人民元が割高になったことによる価格要因だけでなく、日本製品の品質のよさによるところが大きいという。

 記事は、
 「日本企業は普通、企業秘密の漏洩を防ぐために、一番いい製品は日本国内に留めておく。
 そのため、多くの中国人が日本で爆買いをするのだ」
と指摘している。

★.中国で売られている日本製品は日本国内で売られている物よりも品質が劣ると考えている中国人は多い。
 例えば、昨年中国人の「爆買い」の対象の一つであった紙おむつは、日本国内で売られているものは品質がいいが、中国国内で生産されている日本の紙おむつはやや劣るという話をよく聞く。

 このような中国国内で生産されている日本製品がよくないという固定観念は、今後中国製品及びその他の国の競争を通じての品質の向上によってなくなっていくだろう。

★.また、中国人が「爆買い」をする理由として、日本製品が「ユーザーに配慮」して作られていること
もあると記事は分析している。
 日本製の雨傘を例にとり、日本の傘は中国のとは違って、名前を書いた紙を入れるところがついていて、使う人のことを考えていると指摘する。
 中国の製品の質は以前よりは向上したものの、まだ「売れればいい」という考えにとらわれており、ユーザーに配慮したものにはなってるとは言い難い。

 人民ネット記事は、中国人の「爆買い」の理由はまさに中国の製造業が向かうべき道を指し示していると述べている。
 それはつまり、「イノベーションにより、新しいものを創り出す」ということだ。
 現在、中国はイノベーションを基礎にした製造業の発展を模索しており、今後はより質の高いものが生産されるだろう。

 中国人が「爆買い」する理由については、人民ネットが挙げたほかに、次の四つの理由もあると筆者は考える。

第一に、生活水準の向上からくるニーズの多様化、生活の高度化である。
 改革開放前の中国は計画経済であり、生産者は基本的に政府の指示通りに物を生産し市場ニーズを考えないため、ニーズに応えることはおろか、本当に必要な物が必要なだけ生産されず「物不足」を起こしやすい。
 この制度の下では、人々は商品の質を追求せず、「物が手に入ればそれでいい」と考えていた。

 だが、改革開放に転換し、それが進むにつれて、外国の商品が中国に流れ、人々のニーズも多様化して、「よりよいもの」を求めるようになった。
 例えば皿を例にとってみると、生活水準が低い段階では何の変哲もない普通の皿でも消費者は満足するが、生活が向上するときれいな模様がついたものを求めるようになる。
 現在の中国はすでに後者の段階に来ていると筆者は考える。

第二に、インターネットの発達によって海外の情報に容易にアクセスできるようになったことが大きい。
 中国の「80後」「90後」といわれる若い世代は、ネット上で生活や趣味に関する様々な情報に接する。
 彼らはネットを通じて日本製品の品質がよいことを知っており、日本旅行の機会を得るや、「滅多に行けないのだから、この機をとらえて買えるだけ買っておこう」と考え「爆買い」に走るのだ。

第三に、中国ではネットショッピングが完全に信頼できるものになっていないことも理由の一つだ。
 現在中国は世界有数のネットショッピング利用国だ。
 多くの人はリアル店舗よりもネットショップを利用するが、中には信頼できない店もある。
 日本製品を扱っている店もあるが、それが信頼できるかどうかはすぐには分からず、慎重に店選びをする必要がある。
 現在中国のネットショッピングはまだ発展の途上であり、すべての店が信頼できれば「爆買い」の必要もなくなるだろう。

第四に、人間関係上の理由だ。
 中国では人間関係が重視されるため、旅行に行けば、知人・友人、親戚のためにお土産を買うことは必須である。
 ある中国人の友人は、
 「日本で親戚や友人に頼まれたものを買ったが、自分のものはまったく買わなかった」
という。
 また、中国人は「面子」を重視しており、旅行先で親戚や友人に現地でお土産を買うことはその人を大切にしていると示すことになり、相手の面子を立てることもできるし、自分の顔も立つ。

 以上の理由から、中国人は「爆買い」をするのだが、中にはこの行為を
 「外国のものばかりありがたがる外国盲従だ」
と考える人もいる。

 前出の人民ネット記事について、一部のネットユーザーには爆買いする人を指して「一群の民族の裏切り者たち」と罵る声もあり、「日本製品ボイコット、自分自身から始めよう」と日本製品ボイコットを呼びかける声もあった。
 外国のものを買うことは本当に非愛国的なのだろうか。

■良い品を買うのは当然!
愛国心も爆買いを止められない

 中国の近現代史を紐解いてみると、第一次大戦後日本が中国に対し帝国主義的侵略を始め、「対華21ヵ条の要求」を中国に突きつけた際、中国の民衆は日本製品ボイコットを叫んだというように、日本の侵略に怒った中国の民衆が日本製品ボイコットで対抗したことがあった。

 その当時は、日本製品を中国から駆逐することこそが日本帝国主義の中国経済に対する侵略に抗議する「愛国主義的行為」とされていた。
 そのような考え方がその後も少なからず残り、一部の愛国人士を自認する者はそうすることが自らの「愛国心」示すことであると考えている。

 日中関係の構造的問題である歴史や領土に関する事件が起こると、中国人の歴史の記憶が呼び覚まされ、一部の過激な人たちが日本製品ボイコットを呼びかけたりする。
 彼らの行為は愛国的ではあるが、それは自国をものを愛し、他を排除する「狭隘なナショナリズム」であり、長い目でみると、中国にとってプラスにはなりえない。

  「自力更生」を旨とする国家建設を目指した毛沢東は、「大躍進」や「文化大革命」で中国に未曾有の混乱をもたらしたこともあり、外国に学ぶことをせずに立ち遅れたやり方で国家建設を進めた指導者としてとらえられがちだ。
 しかし必ずしもそうではなく、外国に学ぶ必要性を認識して、
 「われわれは世界のすべての長所、すべての民族の長所を学びたいと思う。
 そうでなければどうして存在・発展できるだろうか?」
と語ったことがあり、必ずしも狭隘なナショナリズムに陥ってはいなかった。

 経済のグローバル化が進んだ現在、中国が世界経済との関係を断ち切ることは現実的な選択ではなく、人々の生活にも外国製品が入り込んでいるため、かつてのように外国製品ボイコットをして抗議するのは非現実的である。

 「爆買い」する人たちは自分たちの行為が非愛国的だということを念頭においているのだろうか。
 それは必ずしもそうでなく、彼らは愛国と「爆買い」を分けて考えているのだ。

 10月2日、ネット上で「愛国主義はどうして日本での買い物ブームを止めることができないのか」と題した文章が発表された。
 愛国と個人の消費行為は別物であり、「愛国」とは相互性のあるものだという。

  「私たちが両親を愛するのは、私たちを育ててくれたからだ。
 それと同じように、国を愛するのは、国から様々な公的サービスを受けたからであり、お互いさまのものだ。
 消費行為は単に自分の欲求を満たすためのもので、愛は関係ない」
と指摘し、さらに
 「中国の物を買うことは確かに愛国的だが、(中国は)鎖国しているのではないのだから、海外の物を全く買わないということはできない」
と述べ、外国の物を買うことは決して非愛国的でないとしている。

 海外で買い物をする理由は「品質に惹かれる」ためであり、これは中国の製造業への不満の裏返しでもある。
 日本の米を例にとり、
 「日本の食品は安全性に関する基準が厳しく、それに基づいて厳格な検査を行う。
 それに対し、中国の食品にも安全基準はあるが、それが厳格に実施されていないところが問題」
と指摘する。

 筆者は、中国の人々は「爆買い」を通じて、中国製品に無言のプレッシャーを与えていると見る。

 これまでの中国は顧客からの声を無視することができた。
 だが、市場経済を基礎においた経済に転換した現在、顧客の声は競争を勝ち抜くうえで重要であるし、現に中国の人々もものを言うようになっている。

 市場経済は競争を前提としており、中国の製品もまた外国製品との競争に勝ち抜く必要がある。
 このプレッシャーを糧に中国製品が向上すれば、結果として彼らのとった行動は「愛国的」ということになると思う。

■領土や歴史は譲れないが
日本の製品や文化は好き

 中国人は小さい頃から愛国主義教育を受けているため、日本に対し厳しい態度であるとみられるが、必ずしもそうではない。
 中国の外交にもいえることだが、中国人には絶対に譲ることのできない「原則問題」があり、歴史問題や領土問題はそれである。
 中国人は原則問題では絶対に妥協せず、
 「日中友好は大事だ。だが、原則問題については譲歩しない」
と考える。

 筆者が日本語教師をしていたころのある学生は、日本のアニメには興味があるが、歴史問題について言及すると、「なぜ日本は認めないのか」という態度になった。

 ただ、「原則問題」については厳しい態度を崩さないが、日本に対して興味をもっており、「日本製品は質がいいから好きだ」「日本文化に興味がある」という人は多い。
 現在の中国人は、一部の過激な者を除いて、「日本は確かに戦争問題などで悪い面もあるが、優れた製品を創り出しており、学ぶべき点も多い」と考える。
 つまり、「これはこれ、それはそれ」という考え方である。

 また、中国人は自分の生活が一番の関心事で、「歴史問題などは政府が考えることだから、私には関係ない」と考える。
 特に若い世代は、歴史は学ぶがそれは遠い昔のこととしてとらえ、「日本=軍国主義」という先入観を脱して日本を見ている。
 中国人の日本での「爆買い」には、こういう中国人の割り切った考え方も背景もあると考える。

 十数年前に比べると、現在は日本人向けでない普通のスーパーでも日本製の食品や日用品などを見かけることがある。
 これは、中国の一般大衆が日本に関心を持っている証拠ともいえる。

 かつてのように物の供給が国家の統制を受けない今の時代は、物を売る側にとって市場ニーズは非常に重要である。
 売れない商品はすぐに淘汰されてしまう。
 そのなかで日本製品が店に並んでいるということは、中国の人々に日本製品が受け入れられている証拠でもある。
 先ほども述べたように、愛国と一般の消費行為はまったくの別物なのである。

 中国人旅行者の「爆買い」は日本人の目から見れば確かに傲慢に映るかも知れない。
 10月3日付の『人民日報』掲載の記事が伝えているように、「外国製品を買うのは貧しいときの習慣」であり、かつて日本人も海外旅行で大量に買い物した時代があったように、現在の中国はまさに日本が歩んだ道を歩んでいるといえよう。

 さらにいえば、「爆買い」は中国人の日本製品への信頼度の高さだけでなく、日本への関心の高さをも示している。
 中国人が日本に対して厳しい見方をする、または日本製品に興味をもち、日本で商品を買い漁ることは、中国人が日本に関心をもっているから成り立つことであり、日本にまったく関心を示していなければ、このようなことは起こりえない。

 中国人が日本で「爆買い」をするのは、両国関係にとって喜ぶべき現象であると筆者は考える。



サーチナニュース 2015-10-03 15:25
http://news.searchina.net/id/1590699?page=1

日本人の訪中旅行客が「引き潮のごとく」減少=中国メディア


 中国メディアの澎湃新聞は1日、日本を訪れる中国人旅行客が過去最高を更新する見通しである一方で、
  「中国を訪れる日本人旅行客の数が日増しに減少している」
ことを案じる記事を掲載した。

 日本政府観光局(JNTO)の統計によれば、2015年8月に日本を訪れた中国人外客数は59万1500人に達し、前年同月比133.1%増と大きな伸びを示した。
 さらに、15年1-8月の中国人外客数は前年同期比117%増の計334万7000人に達した。

 日本を訪れる外国人観光客のうち、国・地域別に見ると韓国や台湾、香港も大きく伸びているものの、それでも40-60%台の伸び幅にとどまっており、中国人外客数の117%の伸びがいかに大きいかがよく分かる。

 また、中国人旅行客による日本での消費は「爆買い」とも形容され、もはや説明も要らないほど認知を獲得した言葉となった。
 日中関係は決して良好ではないものの、日本を訪れる中国人旅行客に対しては日中関係による政治的な影響は
 「訪日客の数」、
 「日本滞在中における消費」
の両面において現時点でほとんどないと言えよう。

 一方、中国メディアの澎湃新聞は
 「観光目的の渡航先として、日本人から見た中国の魅力が薄れている」
と指摘し、日本で開催された旅行博覧会に参加した黒龍江省の旅行関係者の話として
 「日本人は古代中国の歴史などは好むようだが、現代の中国と中国人はあまり好きではないようだ」
と分析。
 中国を訪れる日本人旅行客の「数」においては日中関係の政治的な影響も出ているとの見方を示した。

 さらに、日本の旅行関係者が
 「日本は近ごろ、中国および韓国と政治的に緊張した関係にあり、こうしたなかで日本人に中韓への旅行を売り込むのは非常に困難」
と述べていることを指摘。
 また、政治的な緊張だけでなく、中国の深刻な大気汚染や食の安全問題は日本でも大きくクローズアップされたことで、
 日本人旅行客が中国を訪れることを避けている可能性があると伝えた。

 日本国外では
 「日本人はサイレントクレーマーだ」
と言われることがある。
 日本人は中国で起きた反日デモのような行動はなかなか起こさないが、日本人消費者は政治面や中国の環境問題などに対し、
 「何も言わずに中国を敬遠し、離れて行ってしまった」
ということなのかも知れない。


サーチナニュース 2015-10-15 10:53
http://news.searchina.net/id/1591475?page=1

「爆買い」帰りに健康診断
・・・訪日旅行で新たなブームの兆し!=中国メディア

 中国メディア・今日早報は4日、今年の国慶節連休で再び中国人観光客による日本での「爆買い」が取り沙汰されるなか、訪日中国人のあいだで日本での健康診断受診がブームの兆候を見せていると報じた。

 記事はまず、例年の大型連休期間には大勢の大陸観光客で賑わう香港が、今年の国慶節連休では閑古鳥の鳴く「もっともひどいゴールデンウイーク」を経験する羽目になった一方で、日本や韓国にはショッピング目的の中国人観光客が大量に押し寄せ、現地の商店が万全の準備を整えたうえで対応していると紹介した。

 そのうえで、
 「2年前に起きた韓国での美容整形ブームに続き、最近では日本で健康診断を受けるブームが起きている」
とし、「爆買い」した後、さらに日本で健康診断を受けるという現象が発生していると伝えた。

 その背景として、日本政府が2010年、中国を主とするアジアの富裕層をターゲットに、外国人向けの医療ビザ制度を新設、最近では日本各地の観光業者と医療機関がタッグを組み、中国人観光客向けのさまざまな医療ツーリズムプログラムを打ち出していると説明。
 日本政策投資銀行は
 「2020年までに健康診断を目的とする訪日中国人数だけでも毎年のべ31万人を超え、
 潜在的な市場規模は5507億円に達する」
との試算を出しているとした。

 また、日本と中国を往復し生活をしている女性が
 「健康診断にしろ診察にしろ、医師の根気強さや専門性、そして待ち時間といった点で日本と中国の病院の差は大きい」
とし、中国では1日かかる各種検査が日本では予約さえしておけば1時間で終わってしまうと説明したことを併せて紹介した。

 記事は、日本の各界が
 「大量の中国人観光客がやって来ることで、日本の経済発展が後押しされる」
と認識しているとしたうえで、今後医療ツーリズムで日本を訪れる中国人観光客が爆発的に増加する可能性がありそうだと展望した。




https://www.youtube.com/watch?v=tw7H3V_Zlc0
●未来世紀ジパング 2015 09 28