2015年9月26日土曜日

中国経済は「崩壊はしない」(2):日系企業の対中投資が減少、中国市場には引き続き期待

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レコードチャイナ 配信日時:2015年9月26日(土) 6時40分
http://www.recordchina.co.jp/a119609.html

日系企業の対中投資が減少、
中国市場には引き続き期待―中国メディア

 2015年9月22日、中国経済の成長ペースが鈍化し、投資コストが上昇するのにともない、
 日系企業の対中投資は減少したが、
 日系企業は中国の内需が牽引する広大な市場に今なお大きな期待を寄せている。
 人民網が伝えた。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)は18日、日系企業の対中投資をテーマとしたメディア向けの説明会を開催した。
 石毛博行理事長は説明会で、
 「中国経済の成長ペースの鈍化にともない、目下の日系企業の対中投資は引き続き相対的に慎重な様子をみせているが、中国市場について責任を負う立場の日系企業の主管者たちは今後も中国での事業を拡大するべきだと考えている」
と述べた。

 中国商務部がこのほど発表した報告書によると、今年1~8月の日本の対中投資は22億5000万ドル(約2700億円)に上り、前年同期比28.8%減少した。
 石毛理事長は、
 「日系企業の新たな対中投資の金額と件数はいずれも低下傾向がくい止められたが、ピーク時に比べればやはりなお低水準にあるといえる」
と述べた。

 だがこれと同時に、日系企業は中国企業に対し引き続き熱い期待も寄せている。
 ジェトロが2014年12月に実施した「在アジア・オセアニア日系企業実態調査」によると、
 対中投資を行う大手製造業企業のうち
★.47.1%が引き続き対中投資を拡大すると答え、
★.46%が現状維持と答え、
★.中国市場での投資規模を縮小する、または中国市場から撤退すると答えた企業はわずか6.9%
だった。
 大手非製造業企業ではこの割合が「「55.2%」、「39.6%」、「5.2%」だった。
 一方、在中国日系企業の中では中小企業の投資意欲が相対的に低いものの、対中投資規模を拡大または現状維持と答えた割合は87%を超えた。

 石毛理事長の説明によると、ジェトロが今年6月から8月に日系企業35社を対象に行った調査で、日系企業のほとんどが中国経済は引き続き安定的に成長すると考えており、一部の企業は中国経済の景気が悪くなっているとは感じられないと答えた。
 ある日系機械メーカーは、
 「中国は今後はこれまでのような超高速の発展を再現することは難しいかもしれないが、
 国内総生産(GDP)成長率が7%から6%に下がったとしても、なお高度成長の範疇にあり、中国経済の成長ペースが急速に低下したとは考えられない」
との見方を示した。

 石毛理事長は
 「昨年以来、日中の政治関係が著しく改善され、日中経済交流も双方向の発展を遂げた。
 日本は中国が対日投資を拡大するのではないかと期待し始めてもいる。
 ジェトロが今年7月に実施した調査によると、中国の消費者の日本の科学技術や文化などに対する認知度は高い。
 中国の消費者の主要各国に対する認知度の調査では、日本は省エネ・環境保護、国民の資質、サービスの質の3分野でトップとなり、技術、安全性、創造性では3位だった」
と述べた。

(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/藤井)



レコードチャイナ 配信日時:2015年9月21日(月) 6時26分
http://www.recordchina.co.jp/a119432.html

外資は撤退しているのか?
上海の多国籍企業本部が32カ所に、日米企業が最も活発―中国メディア

 2015年9月18日、外資系企業の中国で拡大をはかろうとする情熱は確かに減退しているが、上海の地を選んで地域本部を設立する多国籍企業の数は減少していない。
 一財網が伝えた。

 上海市政府は今月16日に開催した第25期地域本部証明書受領式で最新のデータを発表した。

 今年1~8月、上海市には多国籍企業の地域本部が新たに32カ所設立されたほか、本部の役割を担う機関3カ所が設立され、企業10社の地域本部がアジア・太平洋地域本部と認定された。
 ヘンケル、NXP、ヴァイラントなどの有名多国籍企業が今後、上海にアジア・太平洋地域本部を設立する予定という。投資会社9社と研究開発センター9カ所も設立された。
 2015年8月末現在、上海に多国籍企業の地域本部を設立した外資系企業は522社に上り、このうちアジア・太平洋地域本部が36カ所ある。
 投資会社は306社、研究開発センターは390カ所に達した。

上海市政府が02年9月に多国籍企業の地域本部を認定するようになると、上海に地域本部を構える多国籍企業は500社を超えた。
 本部経済(本部を中心とした経済活動)が安定的に成長し、毎年平均100社が新たに加わっている。

▼日米企業が最も活発

 投資国別にみると、米国、欧州、日本の企業が中心で、伸びが最も早いのは欧州企業の本部だ。
 今年1~8月に設立された欧州企業の地域本部は13カ所で全体の40.6%を占め、米国企業は7カ所で21.9%、日本企業は6カ所で18.75%だった。
 その他のアジア企業が6社で18.75%を占めた。
 上海にある多国籍企業の地域本部全体のうち、米国企業のものが150カ所で28.7%を占め、欧州企業は144カ所で27.6%、日本企業は117カ所で22.4%だった。

 日本のビジョン株式会社の賀来健取締役(中国事業本部担当)は、
 「中国経済の発展は全体としてペースが落ちているだけで、安定に向かっており、懸念することはない。
 いずれにしても、中国は常に重視すべき重要な市場だ。
 同時に、中国の沿海地域は引き続き内陸地域の発展を牽引している」
と述べた。

 多国籍企業はこれまで主に大都市に注目してきたが、今では成長のチャンスは中・小都市へと移動しつつある。
 同じく日本のムーニー(中国)投資有限公司企画本部の中野省二シニア総監は、
 「日本の消費財メーカーである弊社は人口の分布により注目している。
 人口大国の中国の市場には引き続き大きな可能性がある」
と述べた。
 この上海にある2つの日本企業はアジア・太平洋本部を上海に設立している。

 注目に値するのは、
★.米国商工会議所が行った在中国会員企業440社を対象に含む調査で、
 3分の1以上の企業が今年は投資拡大計画はない
と答えたことだ。
 この割合は09年の経済低迷以降で最高だった。

(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)



ZUU online 2015/9/25 20:20
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150925-00000031-zuuonline-nb

中国の景気指標を総点検しよう!
そこから浮かび上がる3つの注目点



●中国の景気指標を総点検しよう!~そこから浮かび上がる3つの注目点(写真=PIXTA)

 ◆まず、供給面の景気指標を見ると、
 ここ数ヵ月の工業生産は6%前後で一進一退の動きをしている。
 また、製造業PMIは6ヵ月ぶりに50%を下回るなど景気失速が懸念されるが、同予想指数は2ヵ月連続で上昇しており悲観一色でもない。
 一方、非製造業PMI(商務活動指数)は50%を上回るなど高水準を維持しているものの、株価下落の影響が製造業よりも大きいと見られるだけに、今後の動きには注意が必要である。

 ◆次に、需要面の景気指標を見ると、
 消費は堅調、投資は一進一退、輸出は弱含みといえる。
 消費は4月をボトムに緩やかながら回復傾向を辿っている。
 投資は4月よりは良いものの6月よりは悪く一進一退の動きとなっている。
 また、輸出は概ね前年を下回る水準で推移しており、特に欧州向けや日本向けの落ち込みが目立つ。
 輸出の先行指標となる新規輸出受注も低迷しており、先行きにも明るさは見えない。

 ◆その他の重要指標を見ると、
 電力消費量は前年同月比1%増を挟んで一進一退、
 道路貨物輸送量も同6%増を挟んで一進一退の動きが続いている。
 また、生産者物価が再び下落の勢いを増したことは、工業製品に対する需要の弱さを表しており悪材料である。
 一方、通貨供給量が目標値「12%前後」を上回る伸びを示したことは好材料だが、株価対策の影響で増えたと見られることから、投資に結びつくと見るのは時期尚早と思われる。

 ◆それ以外で注目したいのが
 「自動車販売」
 「住宅販売」
 「李克強指数(修正後)」
の3つである。
 ここもと最も悪いのは「自動車販売」で、最も良いのは「住宅販売」である。
 現在はこの両者が逆方向なので景気は一進一退だが、「自動車販売」が好転するか「住宅販売」が悪化すれば、均衡が崩れて動き出す。
 また、「李克強指数(修正後)」も、現在は6%前後での一進一退だが、いずれはどちらかの方向に動きだすので、どちらに動くか要注目である。

■供給面を見る3指標

【工業生産】

 中国経済を見る上で最も重要な指標は工業生産(実質付加価値ベース、一定規模以上)だろう。
 8月の工業生産は前年同月比6.1%増と7月の同6.0%増を若干上回った。
 これまでの流れとしては、3月の同5.6%増をボトムに回復傾向を維持したものの、6月の同6.8%増を大きく下回っており、6%前後で一進一退の動きをしている。

 なお、前月比(季節調整後)で見ても、8月は0.53%増と7月の0.33%増より0.20ポイント改善、3月の0.28%増をボトムに回復傾向にある。

【製造業PMI】

 供給面を見る上では製造業PMI(中国国家統計局)も重要な指標となる。
 これは製造業3000社の購買担当者に対し毎月実施されるアンケート調査の結果を元に計算されるもので、通常は50%が景気強弱の分岐点とされる。
 8月の製造業PMIは49.7%で、6ヵ月ぶりに50%を下回るとともに1月の49.8%をやや下回っており、景気失速の懸念が浮上している。

 但し、同時に発表された予想指数は54.1%と、6月の52.2%をボトムに2ヵ月連続で上昇していることから、今年1月のように将来を悲観しているという訳でもなさそうだ。

【非製造業PMI(商務活動指数)】

 一方、中国では製造業からサービス業への構造転換が進行中なため、製造業だけを見ていたのでは構造変化に翻弄される恐れがある。
 そこで注目したいのが非製造業PMI(商務活動指数)である。
 製造業PMIと同様に50%が景気強弱の分岐点とされる。

 8月の非製造業PMIは53.4%と、7月の53.9%を0.5ポイント下回った。
 製造業と比べると依然として高水準にあるものの、製造業よりも株価下落の影響が大きいと見られるだけに、さらに悪影響が広がらないか、今後の動きには注意が必要である。

■需要面を見る3指標

【小売売上高】

 一方、需要面の動きを見ておくことも重要である。
 個人消費の動きを見る上で代表的な指標となるのが小売売上高である。
 8月の小売売上高は前年同月比10.8%増と7月の同10.5%増を上回り、4月をボトムに緩やかながら回復傾向を辿っている。
 価格要因を除いた実質でも、8月は同10.4%増と7月の同10.4%増から横ばいで、消費は底堅く推移している。

【固定資産投資】

 投資の動きを見る上で代表的な指標となるのが固定資産投資(除く農家の投資)である。
 固定資産投資は毎月発表されるものの、1月からの年度累計での公表であるため、時系列の動きは読み取り難い。
 そこで、当研究所で単月に直した。
 8月は前年同月比8.8%増(推定(*1))と6月の同11.4%増をピークに2ヵ月連続で低下しており、再び減速感が強まった。
 但し、5月の同7.5%増よりはやや高い水準を維持していることから、現在は10%を挟んで一進一退の動きといえるだろう。

【輸出金額】

 世界の工場といわれる中国では輸出の動きも景気を大きく左右する。
 8月の輸出金額(ドルベース)は前年同月比5.5%減と、7月の同8.4%減よりはマイナス幅を縮めたものの、前年割れが続いている。
 1-8月期累計でも前年同期比1.5%減となっており、特に欧州(EU)向けや日本向けの落ち込みが目立つ。
 先行指標となる新規輸出受注(製造業PMI)を見ても11ヵ月連続で50%を下回っており、先行きにも明るさは見えてこない。

■その他の重要な4指標

【電力消費量】

 経済活動をする上で欠かせない電力消費量も、景気動向を見る上では有効な指標となる。
 李克強首相は特に工業の電力消費量を重視しているとされる。
 足元の動きを見ると、8月の電力消費量は前年同月比1.9%増と7月の同1.3%減からプラスに転じた。
 但し、今年1-8月期累計では前年同期比1.0%増と昨年の同3.8%増に比べると伸びは鈍化している。

 業種別に見ると、第3次産業は同7.5%増と昨年より伸びが加速する一方、第2次産業は同0.7%減とマイナスに落ち込んだ。
 これは第3次産業の堅調さと第2次産業の景気の悪さを示すものだが、第2次産業の中核である製造業で省エネが進んだことも電力消費の伸びを低く抑える要因となっている。

 また、中国では第2次産業から第3次産業への産業構造の高度化が進んでおり、電力消費量の多い第2次産業から少ない第3次産業への移行が進行していることも、全体の電力消費量の伸びを低く抑える要因となっている。

【貨物輸送量】

 景気が良くなるとモノの移動も増えることから貨物輸送量の動きも重要である。
 特に鉄道貨物輸送量は李克強首相が重視していたとされる指標でもある。
 以前はこのレポートでも鉄道貨物を取り上げてきたが、
 過半を占める石炭がエネルギー改革の中で構造的に減少し、景気動向とかけ離れた動きを示す恐れが浮上してきた。

 そこで、貨物輸送量に占める割合が大きい道路貨物(全体の約76%)を鉄道貨物(全体の約9%)の代わりに見ることとした。
 また、道路貨物は製造業だけでなく電子商取引など非製造業の活動の勢いを反映するという利点もある。
 足元の動きを見ると、8月の道路貨物輸送量は前年同月比6.1%増(推定)と7月の同5.7%増を小幅に上回り、6%前後で一進一退の動きを示している。

【生産者物価】

 モノの値動きも、景気動向と密接な関係がある。
 生産したモノに対する需要が強ければそのモノの値段は上がり、需要が弱ければ下がるからである。
 足元の生産者物価(工場出荷)の動きを見ると、原油などの国際商品市況が再び下落したことを受けて8月は前年同月比5.9%下落と7月の同5.4%下落をさらに下回り、下落の勢いが増した。産業別に見ると特に重工業での下落が著しい。

【通貨供給量(M2)】

 おカネが動きだすと景気も良くなることから通貨供給量(M2)も注目したい指標である。
 足元の動きを見ると、8月は前年同月比13.3%増と2ヵ月連続で15年の目標値である「12%前後」を上回った。
 但し、ここもとのM2の増加は、株価対策で中国人民銀行が資金供給した影響が大きいと見られる。
 一方、銀行サイドから見ると、銀行融資残高は7-8月に大きく伸びを高めた。

 但し、おカネが実際の投資に回る場合には中長期の融資が伸びるはずだが、そうした動きはない。
 従って、 M2の伸びの高まりで今後は投資が増える と見るのは時期尚早だろう。

■3つの注目点

【1】自動車販売は低迷が続くのか?

 中国の景気指標の中で、ここもと最も悪さが目立つのは自動車販売である。

 腐敗汚職撲滅運動に伴う公用車販売の減少や環境問題に配慮したナンバープレート制限などの影響があるとはいえ、予想以上の悪化である。
 また、7月に株価が下落した可能性もあることから、株価がさらに下落するようだとより一層厳しくなりかねない。
 今後年末にかけては、例年販売が増える時期に入るが、そこで前年を上回るレベルまで回復できるのか、要注目である。

【2】住宅販売は好調を維持するのか?

 中国の景気指標の中で、最も良いといえるのが住宅販売である。

 1年4ヵ月に渡って前年割れが続いた住宅販売(面積)だが、4月にはプラスに転じ、その後も回復を続けて、家具や家電などの消費にもプラス寄与している。
 今後年末にかけては、例年販売が増える時期に入るが、そこで販売が思うように伸びないようだと、景気が失速する恐れがでてくる。

【3】李克強指数はどちらに動きだすのか?

 李克強指数は、李克強首相が遼寧省党委員会書記だった2007年、景気実態を表す統計として、
 電力消費量(工業)、
 鉄道貨物輸送量、
 銀行貸出残高(中長期)
の3つを重視したことに由来する。

 前述のとおり鉄道貨物輸送量は現状にそぐわない面もあるが、鉄道だけでなく道路なども含む貨物輸送全体に入れ替えれば参考になる。
 最近の動きを見ると、3月には大きく落ち込んだものの、その後は6%前後で一進一退である。
 今後この李克強指数(修正後)が上へ動きだすのかそれとも下か要注目である。

(*1)中国では、統計方法の改定時に新基準で計測した過去の数値を公表しない場合が多く、また1月からの年度累計で公表される統計も多い。本稿では、四半期毎の伸びを見るためなどの目的で、ニッセイ基礎研究所で中国国家統計局などが公表したデータを元に推定した数値を掲載している。またその場合には (推定) と付して公表された数値と区別している。

三尾幸吉郎
ニッセイ基礎研究所 経済研究部



サーチナニュース 2015-09-24 16:57
http://news.searchina.net/id/1589774?page=1

中国経済の安定成長 「停滞知らず」だったのは疑わしい=英紙

 英紙フィナンシャル・タイムズの中国語電子版は18日、中国で製造された「海賊版」や「偽物」の製品はすでに見慣れてしまったと伝える一方、もっとも基礎となる要素が「偽物」だったらどうなるのだろうかと疑問を投げかけ、中国経済が急激に減速している可能性がある今、中国の国内総生産(GDP)の統計の正確さが以前よりも増して重要となっていることを指摘した。

 記事は、中国のGDPの信ぴょう性については長期にわたって多くの経済学者が疑問を抱いてきたことと指摘し、多くの国・地域では成長と衰退を繰り返しながら成長してきたとする一方、「中国はまったく停滞せずに成長し続けてきた」とし、その安定ぶりは疑わしいとの見方を示した。

 さらに、中国各省のGDPの総和が、中国統計局が発表した中国のGDPを上回っていることを指摘したほか、中国の貿易統計のデータも貿易相手国のデータと一致しないケースが往々にして存在することを紹介。
 こうした不一致は広大な国土の経済活動を測ることの難しさに起因する部分もあるだろうとしつつも、経済成長の数字で賞罰を与える国の制度にも問題があると指摘した。

 続けて、中国経済が堅調だった時はGDPをめぐる各問題はさほど重要ではなかったとし、成長率が何%であろうと成長の証拠があらゆる場所に存在したとする一方、中国経済が急激に減速している可能性がある今、GDP統計の正確さが以前よりも増して重要となっていることを指摘した。

 また記事は、中国経済の成長率が5%以下まで落ち込んだ場合、中国経済のソフトランディングは難しくなり、社会不安が起きる恐れがあると紹介。
 中国のGDPをめぐっては、多くのエコノミストが予測を試みていることを指摘しつつも、正確な数字は外部からは把握できないことを示唆した。



サーチナニュース 2015-09-25 06:37
http://news.searchina.net/id/1589823?page=1

IMF「中国は経済統計の質を上げて」 
信頼できる統計データを

 中国メディアの参考消息は20日、中国の経済統計について「その信頼性を疑う声が存在する」と指摘する記事を発表した。
 AFP通信の報道を引用し、国際通貨基金(IMF)がこのほど中国に対して、経済統計に関する「質」を向上させるよう呼びかけたという。

 記事は、中国の経済成長が鈍化していることを示唆する指標が相次ぎ、株価が急落していることから「中国経済の真の実力」についての議論が再燃していると指摘。
 さらに、中国が経済構造の転換を進めていることに対し、IMFの関係者が「中国は経済統計の質を向上させる必要がある」と主張したと紹介し、中国の構造転換の成果を統計に正しく反映するよう求めたと伝えた。

 IMF関係者は
 「中国の国内総生産(GDP)をめぐる統計方法は国際的な慣例とほぼ一致している」、
 「(統計の現代化について)大きな進歩を遂げた」
と一定の評価をしたが、それでも「まだまだ改善の余地がある」との考えを示したという。

 さらに、中国政府が2015年上半期の経済成長率を7.0%と発表したことに対し、一部の専門家は「誇張された数字」と認識していると伝た。
 IMFは加盟国すべてにたいして「信頼できる統計データを発表するよう求めている」という。

 中国のGDPの信頼性についてはかねてから疑問の声が存在する。
 中国各省のGDPの総和が、中国統計局が発表した中国のGDPを大きく上回る「怪現象」は常態化していることも、統計の信頼性に対する疑問の声を拡大させる要因だ。
 また、中国政府が発表した15年上半期の経済成長率を「7.0%」について「実際には7%を大きく下回る」との見方は、輸出が大きく減少していることを理由とする「疑問の声」だ。



ロイター  2015年 09月 25日 17:26 JST
http://jp.reuters.com/article/2015/09/25/china-debt-distressed-idJPKCN0RP0KZ20150925?sp=true

アングル:中国不良債権に群がる投資家、外国人も参入狙う


●9月25日、中国経済が低迷するなか債務不履行に陥る借り手が増え、銀行の不良債権が急増、それと歩調を合わせ中国不良債権の流通市場が活況を呈している。北京で24日撮影(2015年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[上海 25日 ロイター] -
 中国経済が25年ぶりの低成長に落ち込むなか、デフォルト(債務不履行)に陥る借り手が増え、銀行の不良債権(NPL)が急増している。
  それと歩調を合わせるように最近、活況を呈しているのが、中国不良債権のセカンダリーマーケット(流通市場)であり、百戦錬磨の投資家がこの市場に群がっている。

 こうした投資家の素性は、地元の運用会社や信託会社、外国人、規制当局の出身者など実にさまざまだ。
 不良債権の流通市場が発展すれば、銀行のバランシシートがきれいになり、経済的に有益な融資に資金を回すことができるため、中国政府の意向にもかなう。
 また、ハイリスク・ハイリターンの資産を多様な投資家に分散させることで、大手銀行にとってリスクの低減につながる。

 香港に拠点を置くフィッチの銀行アナリスト、グレース・ウー氏は
 「リスクを外国人など幅広い投資家に分散させることができれば、中国の金融システムからリスクを遠ざけることが可能」
と話す。
 ただし、投資家にも相応の覚悟が必要になる。
 中国はそもそも透明性が低く、ローンの担保に問題があることも少なくはないからだ。

 中国のディストレス債権の投資家は、不良債権の処理機関として政府が設立した資産管理会社(AMC)から大幅なディスカウントでローンを買い入れる。
 その上で、ローンの担保を高値で売却したり、破綻した借り手を立ち直らせて債権を回収するなどして、利益を稼いでいる。

 PwCの香港のシニアパートナー、テッド・オズボーン氏は
 「不良債権比率を引き下げるよう、銀行は規制当局から圧力を受けている」
と指摘。
 「資産管理会社などに引き渡される融資は増えている」
という。

 中国の銀行規制当局によると、同国の商業銀行の不良債権は2015年上半期、1兆8000億元(約2800億ドル)に増加。
 15四半期連続の増加を記録した。
 スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)で金融機関の格付けを担当するシニアディレクター、リャオ・チャン氏によると、銀行の不良債権は下半期に倍増する可能性があるという。

 4大不良債権処理機関(信達、華融、長城、東方、そしてリスクを進んでとろうとする投資家は、ビジネスの機会に事欠かないだろう。

■<外国人投資家も注目>

 中国の4大国有銀行から不良債権を買い取る目的で1999年に設立された資産管理会社は、これまでに4兆元以上の不良債権を引き受けてきた。
 資産管理会社は債権をディスカウントで買い取り、借り手から返済を受けるか、または債権を転売することによって利益を得る。

 華融は、買い取った不良債権の転売志向を強めている。
 転売は利幅こそ低いが、特に複雑な債権については回収より手っ取り早い方法だ。
 華融は14年、保有する不良債権のうちの14.5%を売却。
 これは2年前の倍であり、セカンダリーマーケットの活況を裏づけている。

 さらに、プライマリー市場も成長しており、
 中国政府は過去2年間に、浙江や広東などの地方で10社の資産管理会社を設立した。

 不良債権ビジネスに目をつけたのが、シャドーバンキングでも暗躍する信託会社だ。
 関係筋によると、資産規模で中国第2位の信託会社であるゾンロン国際トラストは、不良債権を買い取って、資産担保証券(ABS)に組成すべく、ディストレス債権部門を立ち上げるという。

 また、規制当局の出身者も参入している。’
 例えば、浙江省のある銀行担当高官は、不良債権を買い取る小規模な資産管理会社を設立した。

 さらに海外の投資銀行やプライベートエクイティも参入機会を探っている。
 ゴールドマン・サックス・グループや、オークツリー・キャピタル・マネジメントは、信達が5月に開いたイベントに参加している。

 S&Pのリャオ・チャン氏は「市場自体が急成長しているため、外国人投資家の関与は今後、一段と拡大するだろう」と語った。

(Engen Tham記者 翻訳:吉川彩 編集:田中志保)



ロイター  2015年 09月 30日 20:07 JST
http://jp.reuters.com/article/2015/09/30/china-economy-companies-idJPKCN0RU19W20150930

中国の経済成長率、「実感は3─5%」=多国籍企業幹部

[上海 30日 ロイター] -
  中国経済は公式統計では7%のペースで成長しているが、ロイターが多国籍企業の中国事業幹部13人に行ったインタビューでは、9人が実際の成長率は3─5%程度ではないかと感じていると答えた。
 9人は銀行、消費財メーカー、広告、重機、商業用不動産業界の幹部。

 ショッピングモール業界の幹部1人は、売上高が前年比で横ばいだと指摘。
 教育、ヘルスケア、電子商取引業界の幹部3人は、まだ2桁成長を維持していると回答した。

 コメルツ銀行のシニアエコノミスト、Zhou Hao氏は
 「電力消費、鉄道貨物など、伝統的に信頼できる指標はGDP統計と大きくかい離している。
 実際の経済成長率は誰にもわからない」
と述べた。

 上海で大型ショッピングモールの運営を担当している幹部は、上半期に2桁増だった売り上げが、ここ2カ月で鈍化していると指摘。
 「消費者は高級ブランドの購入に以前より慎重になっており、コストパフォーマンスの良い商品を選ぶ傾向が見られる」
と指摘。

 重機業界の幹部は、不動産市場の低迷などを背景に、受注が前年比で半減していると述べた。








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