世界ツートップの首脳会談。
成果はまったくなし。
何のための首脳会談。
まさか
「国賓待遇での習近平のアメリカ旅行」だけ。
習近平というか、中国のシロウト外交があらわになっただけ
というミジメな結果で終わりそうである。
その主なる理由は
アメリカが中国に何も期待していない、
ということである。
これをどう解釈するのか。
『
TBS系(JNN) 9月26日(土)8時54分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20150926-00000026-jnn-int
米中首脳会談、サイバー・南シナ海で大きな進展なし
中国の習近平国家主席とアメリカのオバマ大統領が5回目となる首脳会談を行いました。
対立が深まるサイバー攻撃などでは大きな進展はありませんでしたが、温室効果ガス削減の分野で両国が主導権を取っていくことを確認しました。
およそ2時間にわたった会談で、意見が対立する問題についても率直に議論したというオバマ大統領と習近平国家主席。最大の懸案となっていた中国によるサイバー攻撃の問題では、企業秘密を盗むなどの行為に政府が関与しないことを確認するとともに、今後、サイバー犯罪の捜査で協力していくことで合意しました。
「(サイバー問題で)我々は協力を強めるべきであって、対立や政治問題化すべきではありません」(中国 習近平国家主席)
「問題はその言葉を実行に移せるかです」(アメリカ オバマ大統領)
一方、南シナ海の問題では、オバマ大統領が中国による埋め立てに懸念を示したのに対し、習近平主席は「中国固有の領土だ」との主張を繰り返し、議論は平行線に終わりました。
そんな中、明らかな成果が強調されたのは、去年11月の会談の時と同じく、両国に対立点のない“温暖化対策”でした。
首脳会談の間、ホワイトハウスの外では、中国の民主化やチベットの独立などを訴える数百人が、両首脳に届けようと声を上げ続けました。
“新たな形の大国関係”を目指す中国とアメリカは、今後も対立点を抱えながら協調する道を探っていくことになります。
』
『
現代ビジネス+ 2015年09月28日(月) 近藤 大介
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45534
米中「新」冷戦の幕開けか!?
首脳会談で浮き彫りになった習近平の「空回り」、
アメリカの「冷淡」
■アメリカから邪険に扱われた習近平主席
アメリカ時間の9月24日夜、国賓として訪米した習近平主席夫妻を迎えてホワイトハウスで晩餐会が開かれ、翌25日午前中に米中首脳会談、そして昼に共同記者会見が開かれた。
今回の習近平主席の訪米を一言で表せば、「中国の熱気、アメリカの冷気」である。
習近平政権は今回の訪米を、今年の中国外交最大のイベントと位置づけ、それこそ国を挙げて推進してきた。
安倍晋三政権が安保関連法案を強行採決した時、本来なら中国は激しく反発しそうなものなのに、なぜかおとなしかった。
それは、すでに習近平訪米3日前から、中国国内の報道が、ほとんど習近平主席の訪米一色になっていたからである。
これに対し、アメリカはと言えば、トップニュースはいつも、同時期に訪米したローマ法王の一挙手一投足である。
習近平主席は、俗な言い方をすれば、邪険に扱われていた。
象徴的だったのは、25日昼に開かれたオバマ大統領と習近平主席の共同記者会見である。
アメリカ人の女性記者が、「その場を借りて」オバマ大統領に、危機に陥ったアメリカの来年度予算について問い質し、オバマ大統領が長々と答えるという場面があったのである。
その間、オバマ大統領の向かって左側に立った習近平主席は、「なんのこっちゃ?」という表情で、イヤホンを耳に当てて興味なさげに聞いていた。
ちなみに中国中央テレビはこの56分間の会見を生中継せず、会見終了から4時間半を経て、12分間のダイジェスト版を放送した。
しかも、中国人記者二人のヤラセ質問(あらかじめ政府に指示された質問をして、習近平主席が用意した「模範回答」を読み上げる)の部分を強調して放映したのだった。
■6回目の会談で訪れた転機
記者会見の冒頭でオバマ大統領は、
「習近平主席と初めて会ったのは、2012年(2月)に国家副主席として訪米した際で、今回が6回目の会談だった」
と述べた。
思えばその6回中、メインは2回だった。
★.1回目は、2013年6月にオバマ大統領が、国家主席に就任して3ヵ月の習近平主席を、カリフォルニア州の農園に1泊2日で招待し、8時間以上にわたる異例の米中首脳会談を行った時だった。
この首脳会談のしばらく後、米中双方の政府関係者に聞くと、次のように述べていた。
中国::
「アメリカ側の待遇は、最高レベルのもので、オバマ大統領は何度も、『アジアのことは、これから中国と共に考えていきたい』と述べた。
習近平主席は、『新型の大国関係』を提唱した。
これは来るべき『G2時代』(米中が世界を主導する時代)を見越した対等な関係のことだ」
アメリカ::
「今回の米中首脳会談の目的は、新しい中国の指導者である習近平という人物を見極めることにあった。
習近平主席は自信がないのか、手元に置かれたペーパーを棒読みするばかりで、オバマ大統領が予期せぬことを話題にしたり質問したりすると、左右を見て随行の楊潔虎国務委員らに答えさせていた」
★.2回目は、昨年11月の北京APEC(アジア太平洋経済協力会議)に、オバマ大統領が訪中した際で、この時も1泊2日で計8時間にわたる米中首脳会談となった。
この時は、習近平主席のホームグラウンドだけあって、中南海の中にある、習近平主席が誰よりも尊敬する毛沢東主席の住居跡にまで、オバマ大統領を案内した。
この首脳会談の後、やはり米中の政府関係者に聞いたら、次のように述べていた。
中国::
「オバマ大統領は、『これからアジアのことは、中国に任せていきたい』とまで言った。
習近平外交の偉大なる勝利だった」
アメリカ::
「米中首脳会談だけでなくAPEC全体を見ていて、中国の台頭はもはやどうしようもないと悟った。
台頭する中国をいかに利用してアメリカの国益を向上させていくかを考えた」
■アメリカにとって中国は「味方」から「敵」に変わりつつある
ここで見えてくる図式はこうだ。
2013年の米中首脳会談は「中<米」で、2014年の会談は、「中≒米」くらいまで来た。
そこで中国としては、今年の首脳会談で「中=米」まで持っていきたかったのだろう。
だからこそワシントンに先駆けてシアトルへ行き、ボーイングの旅客機を300機も無理して買い、中国のIT産業のトップをズラリ引き連れて、「米中IT企業家会談」をセットしたのだ
(もっともグーグルとツイッターは、「中国国内で禁止されているのに行っても意味がない」として欠席したが)。
だが、習近平主席が満を持してシアトルからワシントンDCに乗り込んでみると、本人も思いもよらなかったであろう「冷遇」が待ち受けていたのである。
24日のホワイトハウスでの歓迎晩餐会を終えて出てきた習近平主席は、「国賓待遇」とは思えないほどの苦虫を噛み潰したような表情をしていた。
どこかで見た表情だと思ったら、昨年11月に初めて安倍首相と握手した時の様子と似ていた。
今回、オバマ政権が習近平主席を冷遇したのは、主に二つの理由によるものだろう。
★.一つは、サイバーテロと南シナ海の埋め立て問題によって、アメリカにとって中国が「味方」から「敵」に変わりつつあることだ。
アメリカはすでに大統領選モードに入っているため、オバマ大統領としては、弱腰を見せるわけにはいかない。
★.もう一つは、中国経済の失速である。
独立まもない18世紀末から現在に至るまで、
アメリカにとって中国は、常に「自国に富をもたらす黄金の市場」であり続けた。
ところが昨今の中国経済の停滞によって、それほど特別な魅力がなくなってしまったのである。
その証拠に、今年上半期のアメリカら中国への直接投資は、前年同期比で、「37.6%」も減少している。
オバマ大統領は、かつて胡錦濤主席に言ったように、今回も「アメリカは、平和的に繁栄し台頭する中国を歓迎する」と述べた。
つまり
1.「平和的でない」、もしくは
2.「繁栄しない」中国は歓迎しない
のである。
以下、今回の米中首脳会談の「成果」を、個々の問題別に見ていこう。
■【米中投資協定(BIT)】
米中は当初、今回の習近平主席訪米の目玉に、BITの締結を持ってこようとしていたが、どうにもまとまらない。
そこで、目標を、「今回の米中首脳会談での締結」から「オバマ大統領の任期中の締結」に後退させた。
米中のBIT交渉は、2008年以降、21回も行われている。
焦点は、双方のネガティブリストとアメリカの最先端技術への投資問題である。
中国政府は、アメリカとのBIT締結を、2001年のWTO(世界貿易機関)加盟に次ぐ「第二の開国」と捉えている。
それはBITが、「相手国の企業を国内企業と同等とみなす」ことを基本原則としているからだ。
そこで双方がネガティブリストを出し合い、「この分野だけは勘弁してほしい」という交渉をやってきたわけだ。
中国にとっては、BITを結ぶことにより、国有企業改革に大きな影響が出てくる。
現在の中国市場の状況を大まかに言えば、優遇されている度合いが、
「外資系企業<中国の民営企業<中国の国有企業」
であるが、BITを締結することによって、
「外資系企業=中国の民営企業=中国の国有企業」
としなければならなくなるのだ。
習近平執行部は8月24日に、国有企業改革の基本方針を定めた。
それによると、国有企業の市場の寡占化と、中国共産党の指導強化が2大トピックとなっている。
これはまさに、BITの精神と相反するものだ。
また、銀行業を外資系に開放すれば、中国の金融が、政府のコントロール下に置けなくなるという懸念も、中国側にはある。
一方のアメリカ側は、中国企業を一般の企業ではなくて、中国共産党の出先機関のように捉えているため、最先端技術の分野への中国企業の投資を認めたら、軍事的に利用されてしまうという懸念を持っている。
だがそうは言っても、アメリカは雇用に直結する中国からの投資は増やしたい。
海外からアメリカへの投資額は、リーマンショックのあった2008年が3,063億ドルだが、2014年は860億ドルにまで減っている。
そんな中、中国からアメリカへの投資は突出していて、
2012年から2015年上半期までの投資額は、164億9,800万ドルに上る。
この額は、すでに同時期のアメリカから中国への投資額98億ドルを上回っているのである。
しかも、2014年だけで120億ドルも投資し、92社のアメリカ企業を買収している。
まさに、中国企業のアメリカへの「爆投資」は、とどまるところを知らない勢いだ。
米中は、9月9日から11日、ワシントンで第21回BIT交渉を行い、新たな双方のネガティブリストについて議論を行ったが、最終結論には至らなかった。
どのみち、上院の3分の2の賛成が得られないと批准には至らないので、まだ当分は交渉が続くと見てよいだろう。
■【サイバーテロ問題】
この問題に関しては、25日の共同記者会見で、アメリカ人記者が真っ先に質問した。
するとオバマ大統領は、チラッと右隣に立つ習近平主席の方を見やってから、厳しい表情でこう述べた。
「その問題は、習近平主席と厳しい議論をした。
少なくとも、米中両政府は今後、あらゆるサイバーテロに共同で対抗していく。
これが本日の首脳会談の進展だ。
だが本当に進展があるかは、今後の状況を見ていかねばならない」
すると、習近平主席が言い添えた。
「中国政府もサイバーテロには反対する。
この点に関して、オバマ大統領と多く意見交換して、新たな合意に至った。
中国のインターネット愛好者は、6億人以上もいて、世界最大だ。
インターネット空間は、多くの機会に溢れており、アメリカとの協力関係を深めていきたい」
こうした応酬を見る限り、やはり
オバマ大統領は習近平主席に対して、かなり激しい口調でサイバーテロへの非難を行ったものと思われる。
何せ7月9日、アメリカ政府のコンピュータがサイバーテロに遭い、2000万人に上る個人情報が流出していて、アメリカはこれを中国政府が関与したサイバーテロと認識しているのだ。
結局、米中は今後、年に2回のサイバーテロ防止のための政府間協議を行うことで合意した。
■【南シナ海の埋め立て問題】
これは習近平主席が、にべもなく突っぱねた。
「南シナ海は古代から中国の領海であり、どの国にも内政干渉はさせない。
ただし、周辺諸国との平和的話し合いを続けること、及び国際法に基づいた自由な航行については保証する」
オバマ大統領は、軍や共和党強硬派のことも考えて、首脳会談では激しい応酬となったのだろうが、記者会見では南シナ海問題について、深くは言及しなかった。
ニュアンスから読み取る限り、
オバマ大統領は、「サイバーテロ」で押して「南シナ海」で引いた印象である。
習近平主席からすれば、その逆だ。
中国政府はサイバーテロ自体を認めていないのだから、
この辺りは、中国の外交的勝利と言えるだろう。
だが、その結果、日本にとっては大変由々しきことになってきた。
先週のこのコラムでも書いたが、安倍政権があれほど苦労して安保法制を成立させたのは、東シナ海と南シナ海における中国の軍事的脅威に、日米共同で対抗するためである。
ところが南シナ海の問題に対して、オバマ政権は何とも腰砕けなのである。
このまま行くと、
「南シナ海はアメリカ軍の代わりに自衛隊が守ってくれ」
と言い出しかねない。
近未来の南シナ海における日中緊張を予感させる米中首脳会談だった。
■【中国経済と金融】
中国経済の昨今の減速と、8月11日から13日にかけて中国が人民元の対ドルレートを突然4.5%切り下げた問題を、アメリカ人記者が指摘した。
すると、習近平主席は、手元の紙をめくりながら反論した。
「中国経済はいまや、『新常態』(新たな正常な状態)に入ったのだ。
今年上半期も7%成長を維持しており、通年でも同レベルで進む予定だ。
それでもGDPはアメリカより小さいので、今後の発展の余地はまだある。
2005年の人民元改革以来、人民元はドルに対して35%も上がっている。
8月にレートの中間値を下げたが、人民元とドルの為替は依然として安定している。
IMFがSDR(特別引き出し権)を人民元に与えることに賛成することと、
2010年のIMFの合意事項(中国の議決権を6位から3位に引き上げる決定)を、アメリカ政府はできるだけ早く批准すると、オバマ大統領は述べた」
このIMFにおけるSDR問題でオバマ大統領の賛意を引き出したことは、今回の習近平主席訪米の最大の成果ではなかろうか。
現在、SDRを取得しているのは、米ドル、ユーロ、日本円、英ポンドの4つの通貨だけで、今年年末に開かれるIMF総務会で、人民元が、SDRを取得する5番目の通貨になることが中国の悲願だ。
すでにラガルドIMF専務理事も賛意を表明しており、残るはアメリカの同意となっていた。
■【北朝鮮問題】
全般的にイライラした空気の米中首脳会談だったが、両首脳が共に「一片の陽光」のような雰囲気を見せたのが、イランと北朝鮮の核開発への対策について言及した時だった。
イランの核問題に関しては7月14日、関係各国が包括的合意に達し、7月20日には国連安保理がイランへの経済制裁解除を決めた。
これを「米中共同外交の賜」と両首脳が評価したのだ。
一方の北朝鮮の核開発に関しても、「朝鮮半島の非核化のために米中双方が協力していくことで一致した」と、両首脳は会見で述べた。
加えて習近平主席は、「一刻も早く北朝鮮が6ヵ国協議に復帰することを望む」と言い添えた。
これは、10月10日に朝鮮労働党創建70周年を迎える北朝鮮に対して、「絶対に核実験をやるなよ」と牽制する意味がある。
同時に、もし核実験を強行した場合、もしくは長距離弾道ミサイルの実験を行った場合、米中が国連安保理を使って北朝鮮にどのような制裁を再度行うかというところまで詰めたのではなかろうか。
そしてその先にあるのは、「金正恩政権転覆」という米中共同作業だろう。
他にも、100万人のアメリカの若者を中国に送る交流とか、2016年を米中観光年とすることなどで合意した。
■すべては「皇帝気取りの統治」が招いたツケ
冒頭でも述べたように、全体的に「中国の熱気、アメリカの冷気」を感じさせるアンバランスな米中首脳会談だった。
2年前に訪米して以来、習近平主席が唱え続けている「新たな大国関係」も、すっかり空回りしてしまった。
だが考えてみれば、経済の失速も、サイバーテロや南シナ海の埋め立ても、習近平政権の「身から出た錆」だ。
いずれも胡錦濤政権時代にはなかったことで、習近平主席の「皇帝気取り」の統治が招いているのである。
9月27日の「中秋節」(中秋の名月)に、少なからぬ中国人から「微信」(WeChat)の挨拶が届いた。
その中で、次のように書いてきた知人がいた。
〈 今回のアメリカ訪問で、あまりの冷遇ぶりに一番驚いたのは、当の習近平本人ではないか。
主席の帰国後に、一体誰が責任を取って「腐敗分子」として粛清されるのかが、早くも話題になっている。 〉
』
『
フジテレビ系(FNN) 9月27日(日)17時20分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20150927-00000157-fnn-int
中国・習主席、発展途上国支援のため2,400億円相当提供を表明
中国の習近平国家主席は26日、アメリカ・ニューヨークで開かれている国連サミットで初めて演説し、発展途上国の支援のため、2,400億円相当を提供することを表明した。
「中国は(発展途上国の)南南協力援助基金を設立し、まず20億ドル提供する」
と表明した習主席は、さらに、特に発展の遅れた国への支援のため、2030年までに120億ドル(およそ1兆4,500億円)を投資する方針も明らかにした。
習主席にとって国連総会デビューとなる演説で、巨額の援助と投資を表明することで、アジア・アフリカ地域への影響力をさらに拡大するとともに、国際社会での存在感を高める狙いがあるとみられる。
』
『
JBpress 2015/9/28 11:30 宮家 邦彦
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44863
米中首脳会談:深まった米中間の戦略的「溝」 9つの見立て
米国東部時間9月25日(日本時間26日未明)、中国の習近平国家主席に対する歓迎式典、首脳会談、晩餐会など一連の国賓行事がホワイトハウスで挙行された。
この習近平訪米を日本の主要各紙はいずれも翌27日に社説で取り上げている。
日本メディアは今回の首脳会談をいかにに受け止めたのか。
■人民日報は手放しの評価
まずは中国側報道から。
27日付人民日報は習主席が
「オバマ米大統領と会談し、中米関係の次の発展段階について重要な提案を行い、中米関係は終始正しい軌道に沿って発展していくことが必要と強調した。
また、双方は引き続き中米の新型大国関係の構築に尽力していくことで同意した」
と報じている。
おいおい、ちょっと待ってくれ。
今回米政府が作成したいかなる文書・記録にも、米側が中国の主張するような「新型大国関係」なる概念を受け入れた形跡など全くないぞ。
中国は相変わらず「新型大国関係」を米国に認めさせようと試みているらしいが、今回も米側には無視されたようだ。
それはともかく、ここでは習近平訪米に関する日本の主要日刊紙6紙の社説を読み比べてみよう。
読めば読むほど各紙の特色が滲み出ており実に興味深い。
なお、紙面に限りがあるので、今回は各社説とも筆者の責任で要約を作り、それぞれについて簡単にコメントを付させていただいた。
まずはリベラル系3紙から始めたい。
■リベラル3紙の社説
●米中首脳会談―サイバー合意を一歩に(朝日新聞)
米国と中国は、実に深い対立点を抱えつつも、現実的な共存の道を手探りし続けるほかない。
そんな苦しい思惑が今回も色濃くにじんだ。
かつてない緊張の中だったが、何とか進展を演出して終わった。
(サイバー問題に関する合意について)これを第一歩として対話を進め、ネット空間での国際規範づくりを目指してもらいたい。
習近平氏は、米中は「世界の平和に共通の責任を負う」と述べたが、その自覚を行動で示すべきだ。
古い覇権思考から脱皮した21世紀型の大国像を米中双方が示してほしい。
【筆者コメント】
米中関係が緊張するのは米中双方に問題があるためであり、米中ともに古い覇権思考から脱皮すべきだと説いている。
また、サイバー空間における企業秘密情報窃取が日本にとっても重大な問題だ。
それにもかかわらず、中国に対する懸念は語らない、どこか他人事のような社説である。
●米中首脳会談 地域安定に責任果たせ(毎日新聞)
中国が真に対立回避を望むなら行動を変えるべき時だ。
南シナ海問題など対立する問題で米中両国が危機管理能力を示すことができれば、相互信頼の増大につながるし、国際社会の懸念も解消される。
(日本で)安保問題では米国以上に中国脅威論が強調されるきらいがある。
米国は・・・米中共存の未来をにらんだ布石もしっかりと打っている。
日本はその方向性を読み間違えてはならない。
【筆者コメント】
米中は共存に向けて関係改善が進んでいるのに対し、日本では今も「中国脅威論」が幅を利かしており、日本はそうした米中共存の方向性を読み誤るべきではないと説いている。
だが、米中間のいったいどこにそのような「方向性」があるのか。
説明が一切ない、勝手で思い込みの激しい社説である。
●米中首脳会談 覇権ではなく協調を(東京新聞)
(中国は)世界をリードする役割と責任を十分発揮できる大国としての印象を国際社会に与えることはできなかった。
オバマ大統領の任期も残すところ1年余りだが、中国が国際社会の信頼を得られるよう働きがけを続け、アジアの安定でも、キューバとの復交、イラン核合意に並ぶレガシー(遺産)を残してほしい。
太平洋はむろん、米中両大国だけのものではない。
取り囲むすべての国の平和と繁栄の海にせねばならない。
覇権をいうのは、もう古いのである。
【筆者コメント】
中国が「責任ある大国」ではないと主張しつつ、オバマ政権に対しても対アジア・中国関係で「遺産」を残すよう求めている。
しかし、キューバとの国交正常化やイラン核合意のいったいどこが「レガシー」なのか。
この社説も前2紙と同様、米中双方に責任があるとの視点で書かれているようだ。
■残り3紙の社説
これに対し、残りの3紙の社説はいずれも、客観的な視点から中国の様々な問題点を指摘する、より現実を見据えた内容となっている。
●アジアの安定に懸念残した米中会談(日本経済新聞)
あらわになったのは対立の根深さであり、中国から責任ある行動を引き出すことの難しさだった。
目に見える成果はほとんどなかった。(南シナ海での)軍事施設の建設をやめさせるため、米国は中国への圧力を強めてほしい。
習氏は(人権問題に関する)国際社会の懸念を真剣に受け止めるべきだ。
中国は経済運営の透明性をさらに高めてもらいたい。
●米中首脳会談 「独善」で大国関係は築けない(読売新聞)
中国が独善的行動で国際秩序に挑戦し続ける限り、自らが望む米国との「新しいタイプの大国関係」は構築できまい。
問われるのは実際の行動だ。
(サイバー)攻撃への関与を否定する中国が合意を本当に順守するのか、国際社会は注視しなければならない。
中国の力による現状変更は看過できない。
米国は、日本など関係国と連携して、中国に自制を促す必要がある。
習氏は・・・市場原理を重視する考えを強調した。
その言葉通り、国際ルールに則った透明性の高い改革を推進してもらいたい。
●米中首脳会談 南シナ海の懸念強まった(産経新聞)
地域の平和と安定を乱す中国に対し、日米両国は周辺国とも緊密な連携を図りながら、さらに警戒を強めなければならない。
米企業の知的財産などを狙う中国のサイバー攻撃を明確に位置づけた意味は小さくないが、合意の実効性は、中国側が具体的な行動を取るかにかかっている。
習氏は米国との「新型大国関係」を改めて持ち出したが、世界の秩序を乱し、国際ルールを守らない国に「大国」を名乗る資格がないことを忘れてはなるまい。
【筆者コメント】
いずれも今回の首脳会談で成果がなかった最大の理由は中国の無責任な行動にあると説いている。
それにしても前半の三紙と後半の3紙で主張がかくも異なっているのはなぜだろうか。
少なくとも筆者には、同じ国の同じ日刊紙とは到底思えないのだが。
■深まる米中間の戦略的「溝」
これ以上の評価は読者の皆さま方にお任せしたい。
いずれにせよ、今も日本のメディアで、東アジアにおける中国の振る舞いについての評価が収斂していないことは実に嘆かわしいことだ。
最後に、今回の米中首脳会談に関する筆者の見立てを簡単にご紹介しよう。
(1):今回米国は首脳レベルで懸案の進展・解決を狙ったが、中国は内容よりも形式を重視した。
(2):中国側の第1の目的は、習近平が世界一の大国である米国から歓迎され、尊敬され、重視されていることを中国の政敵、反対派を含む中国国民に印象づけることにあった。
(3):第2の目的は、中国が米国と対等の大国であることを米国に認めさせ、中国共産党の統治・指導を尊重させ、南シナ海・東シナ海を含む中国の「核心的利益」を米国に受け入れさせることにあった。
(4):これに対し、米国はこれらをすべて拒否しつつ、サイバーや南シナ海など事務レベルでは解決できない諸問題につき最高首脳レベルで直接働きかけることにより、懸案の進展・解決を目指した。
(5):そのために米国は中国側のプロトコール(儀礼)上の多くの要求を受け入れ、国賓待遇を含む現時点での最大限の接遇を行った。
(6):それにもかかわらず、中国側は米国が望むような譲歩を一切行わなかった、そもそも習近平主席にはそのような譲歩を行う余地はなかった。
(7):こうして中国は今回も米国からの執拗な追及を何とか逃げ切った、ただし、このような状況が未来永劫続くとは思えない。
(8):今回の首脳会議はこれから何十年も続く米中の戦略的競争・対立の初期の一局面に過ぎない。
(9):米中間では当面、現在のような「敵でも味方でもない、競争と対立を孕む関係」が続くのだろう。
』
JBpress 2015/9/28 11:30 宮家 邦彦
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44863
米中首脳会談:深まった米中間の戦略的「溝」 9つの見立て
米国東部時間9月25日(日本時間26日未明)、中国の習近平国家主席に対する歓迎式典、首脳会談、晩餐会など一連の国賓行事がホワイトハウスで挙行された。
この習近平訪米を日本の主要各紙はいずれも翌27日に社説で取り上げている。
日本メディアは今回の首脳会談をいかにに受け止めたのか。
■人民日報は手放しの評価
まずは中国側報道から。
27日付人民日報は習主席が
「オバマ米大統領と会談し、中米関係の次の発展段階について重要な提案を行い、中米関係は終始正しい軌道に沿って発展していくことが必要と強調した。
また、双方は引き続き中米の新型大国関係の構築に尽力していくことで同意した」
と報じている。
おいおい、ちょっと待ってくれ。
今回米政府が作成したいかなる文書・記録にも、米側が中国の主張するような「新型大国関係」なる概念を受け入れた形跡など全くないぞ。
中国は相変わらず「新型大国関係」を米国に認めさせようと試みているらしいが、今回も米側には無視されたようだ。
それはともかく、ここでは習近平訪米に関する日本の主要日刊紙6紙の社説を読み比べてみよう。
読めば読むほど各紙の特色が滲み出ており実に興味深い。
なお、紙面に限りがあるので、今回は各社説とも筆者の責任で要約を作り、それぞれについて簡単にコメントを付させていただいた。
まずはリベラル系3紙から始めたい。
■リベラル3紙の社説
●米中首脳会談―サイバー合意を一歩に(朝日新聞)
米国と中国は、実に深い対立点を抱えつつも、現実的な共存の道を手探りし続けるほかない。
そんな苦しい思惑が今回も色濃くにじんだ。
かつてない緊張の中だったが、何とか進展を演出して終わった。
(サイバー問題に関する合意について)これを第一歩として対話を進め、ネット空間での国際規範づくりを目指してもらいたい。
習近平氏は、米中は「世界の平和に共通の責任を負う」と述べたが、その自覚を行動で示すべきだ。
古い覇権思考から脱皮した21世紀型の大国像を米中双方が示してほしい。
【筆者コメント】
米中関係が緊張するのは米中双方に問題があるためであり、米中ともに古い覇権思考から脱皮すべきだと説いている。
また、サイバー空間における企業秘密情報窃取が日本にとっても重大な問題だ。
それにもかかわらず、中国に対する懸念は語らない、どこか他人事のような社説である。
●米中首脳会談 地域安定に責任果たせ(毎日新聞)
中国が真に対立回避を望むなら行動を変えるべき時だ。
南シナ海問題など対立する問題で米中両国が危機管理能力を示すことができれば、相互信頼の増大につながるし、国際社会の懸念も解消される。
(日本で)安保問題では米国以上に中国脅威論が強調されるきらいがある。
米国は・・・米中共存の未来をにらんだ布石もしっかりと打っている。
日本はその方向性を読み間違えてはならない。
【筆者コメント】
米中は共存に向けて関係改善が進んでいるのに対し、日本では今も「中国脅威論」が幅を利かしており、日本はそうした米中共存の方向性を読み誤るべきではないと説いている。
だが、米中間のいったいどこにそのような「方向性」があるのか。
説明が一切ない、勝手で思い込みの激しい社説である。
●米中首脳会談 覇権ではなく協調を(東京新聞)
(中国は)世界をリードする役割と責任を十分発揮できる大国としての印象を国際社会に与えることはできなかった。
オバマ大統領の任期も残すところ1年余りだが、中国が国際社会の信頼を得られるよう働きがけを続け、アジアの安定でも、キューバとの復交、イラン核合意に並ぶレガシー(遺産)を残してほしい。
太平洋はむろん、米中両大国だけのものではない。
取り囲むすべての国の平和と繁栄の海にせねばならない。
覇権をいうのは、もう古いのである。
【筆者コメント】
中国が「責任ある大国」ではないと主張しつつ、オバマ政権に対しても対アジア・中国関係で「遺産」を残すよう求めている。
しかし、キューバとの国交正常化やイラン核合意のいったいどこが「レガシー」なのか。
この社説も前2紙と同様、米中双方に責任があるとの視点で書かれているようだ。
■残り3紙の社説
これに対し、残りの3紙の社説はいずれも、客観的な視点から中国の様々な問題点を指摘する、より現実を見据えた内容となっている。
●アジアの安定に懸念残した米中会談(日本経済新聞)
あらわになったのは対立の根深さであり、中国から責任ある行動を引き出すことの難しさだった。
目に見える成果はほとんどなかった。(南シナ海での)軍事施設の建設をやめさせるため、米国は中国への圧力を強めてほしい。
習氏は(人権問題に関する)国際社会の懸念を真剣に受け止めるべきだ。
中国は経済運営の透明性をさらに高めてもらいたい。
●米中首脳会談 「独善」で大国関係は築けない(読売新聞)
中国が独善的行動で国際秩序に挑戦し続ける限り、自らが望む米国との「新しいタイプの大国関係」は構築できまい。
問われるのは実際の行動だ。
(サイバー)攻撃への関与を否定する中国が合意を本当に順守するのか、国際社会は注視しなければならない。
中国の力による現状変更は看過できない。
米国は、日本など関係国と連携して、中国に自制を促す必要がある。
習氏は・・・市場原理を重視する考えを強調した。
その言葉通り、国際ルールに則った透明性の高い改革を推進してもらいたい。
●米中首脳会談 南シナ海の懸念強まった(産経新聞)
地域の平和と安定を乱す中国に対し、日米両国は周辺国とも緊密な連携を図りながら、さらに警戒を強めなければならない。
米企業の知的財産などを狙う中国のサイバー攻撃を明確に位置づけた意味は小さくないが、合意の実効性は、中国側が具体的な行動を取るかにかかっている。
習氏は米国との「新型大国関係」を改めて持ち出したが、世界の秩序を乱し、国際ルールを守らない国に「大国」を名乗る資格がないことを忘れてはなるまい。
【筆者コメント】
いずれも今回の首脳会談で成果がなかった最大の理由は中国の無責任な行動にあると説いている。
それにしても前半の三紙と後半の3紙で主張がかくも異なっているのはなぜだろうか。
少なくとも筆者には、同じ国の同じ日刊紙とは到底思えないのだが。
■深まる米中間の戦略的「溝」
これ以上の評価は読者の皆さま方にお任せしたい。
いずれにせよ、今も日本のメディアで、東アジアにおける中国の振る舞いについての評価が収斂していないことは実に嘆かわしいことだ。
最後に、今回の米中首脳会談に関する筆者の見立てを簡単にご紹介しよう。
(1):今回米国は首脳レベルで懸案の進展・解決を狙ったが、中国は内容よりも形式を重視した。
(2):中国側の第1の目的は、習近平が世界一の大国である米国から歓迎され、尊敬され、重視されていることを中国の政敵、反対派を含む中国国民に印象づけることにあった。
(3):第2の目的は、中国が米国と対等の大国であることを米国に認めさせ、中国共産党の統治・指導を尊重させ、南シナ海・東シナ海を含む中国の「核心的利益」を米国に受け入れさせることにあった。
(4):これに対し、米国はこれらをすべて拒否しつつ、サイバーや南シナ海など事務レベルでは解決できない諸問題につき最高首脳レベルで直接働きかけることにより、懸案の進展・解決を目指した。
(5):そのために米国は中国側のプロトコール(儀礼)上の多くの要求を受け入れ、国賓待遇を含む現時点での最大限の接遇を行った。
(6):それにもかかわらず、中国側は米国が望むような譲歩を一切行わなかった、そもそも習近平主席にはそのような譲歩を行う余地はなかった。
(7):こうして中国は今回も米国からの執拗な追及を何とか逃げ切った、ただし、このような状況が未来永劫続くとは思えない。
(8):今回の首脳会議はこれから何十年も続く米中の戦略的競争・対立の初期の一局面に過ぎない。
(9):米中間では当面、現在のような「敵でも味方でもない、競争と対立を孕む関係」が続くのだろう。
』
『
サーチナニュース 2015-09-28 09:43
http://news.searchina.net/id/1590040?page=1
「潮の如き大喝采」
習主席の国連サミット演説を報じる中国メディア
中国の習近平主席が26日にニューヨークでの国連サミットで行ったスピーチについて、中国メディアはこぞって「大喝采を浴びた」と大きく報じている。
人民網は28日、中国人である呉江波・国連事務次長が習主席のスピーチを絶賛、「大喝采を浴び」た理由について説明したことを報じた。
記事は、途上国支援のために20億米ドル(約2400億円)を資金提供することなどを盛り込んだ10分足らずのスピーチについて呉氏が
「話は短かったが、テーマが明確で意義深かった」
と振り返るとともに、喝采を浴びた大きな2つの理由について言及したことを紹介。
1つ目は、公平・開放・全面・革新という中国の発展に対するビジョンが明確に示されたことを挙げた。
そして、2つ目には
「各国の発展能力を強化する」、
「世界の発展環境を改善する」、
「発展に向けたパートナーシップを充実させる」、
「発展に向けた協調体制を整備する」
という「まさに国連が現在考慮している重要な問題」について提唱を行ったこととした。
また、とくに各種途上国支援にかんするプランを表明した最後の部分で「潮の如き喝采」を浴び、その対象となりうる国以外の代表者も
「中国の懐の広さ、無私の姿勢に感動させられた」
と呉氏が説明、会議場の外で習主席が「20-30人から『握手攻め』に遭った」と語ったことを伝えた。
記事はさらに、呉氏が
「習主席はとても温和な印象。
しかしその話す言葉には力があり、しっかりしている。
国際社会から非常に歓迎される風格だ」
とその「魅力」を解説したことを併せて紹介した。
』
『
サーチナニュース 2015-09-28 14:49
http://news.searchina.net/id/1590085?page=1
「満場の喝采」はウソ!?
習主席の国連演説、実際の会場は「空席だらけ」だった=香港メディア
香港メディア・蘋果日報は28日、中国の習近平国家主席が26日に国連サミットで演説し、大規模な途上国支援を発表したことに対して
「実際の会場はガラガラだったのに、
中国政府系メディアが『満場からの熱烈な喝采』などと“ホラを吹いている”」
と報じた。
記事は、訪米中だった習近平主席が「世界的な指導者」というイメージを打ち立てるべく、米国との外交活動終了後にワシントンからニューヨークへと移動して154カ国の政府首脳が参加する国連サミットで演説を行ったと説明。
これに対して
「中国内地の市民が見た報道は『皇帝の御成り』といった色彩にあふれ、
CCTVや新華社、中国新聞社などの大手メディアがこぞって
『数度にわたり熱烈な拍手と歓声』、
『今回のサミットで最大の喝采』
などと必死に誇張した」
と伝えた。
その一方で、習主席の演説に対して一部在米華人からは冷や水を浴びせられたとし、元大陸メディア関係者という経歴を持つニューヨーク在住の活動家・北風氏が
「少なくとも半数が空席」
という、習主席演説時の会議場の様子を撮影した画像をネット上に掲載したと紹介。
また、約10分間の演説を紹介したCCTVの映像についても習主席のアップ以外に「中国代表団とアフリカの某国代表団しか写さなかった」としたほか、
演説時には少なくとも3分の2は空席で、
以前フランシスコ・ローマ法王が同じ場所で演説したさいの満席の状況には程遠く
「両者のコントラストは、中国政府に気まずい思いをさせた」
と解説した。
記事はまた、中国共産党や中国政府が習主席の訪米について「恥をかなぐり捨ててまで誉めそやし」た背景には、
★.習主席が「江沢民氏や胡錦涛氏を超越した」ことをアピールする狙い
があるとの論調も出ていると紹介。
米紙ロサンゼルス・タイムズが米中首脳会談について、
★.中国側が両国の関係進展にまったく興味を持っておらず、
「単に儀礼的な部分に重きを置いており、明らかに国内向けの宣伝としてしか考えていないことを、
米国側が失望のうちに気付いた」
と評したことを併せて伝えた。
』
ということは、
この首脳会談にアメリカも中国も両者ともに何の期待もしていなかった、
ということのようである。
サーチナニュース 2015-09-28 09:43
http://news.searchina.net/id/1590040?page=1
「潮の如き大喝采」
習主席の国連サミット演説を報じる中国メディア
中国の習近平主席が26日にニューヨークでの国連サミットで行ったスピーチについて、中国メディアはこぞって「大喝采を浴びた」と大きく報じている。
人民網は28日、中国人である呉江波・国連事務次長が習主席のスピーチを絶賛、「大喝采を浴び」た理由について説明したことを報じた。
記事は、途上国支援のために20億米ドル(約2400億円)を資金提供することなどを盛り込んだ10分足らずのスピーチについて呉氏が
「話は短かったが、テーマが明確で意義深かった」
と振り返るとともに、喝采を浴びた大きな2つの理由について言及したことを紹介。
1つ目は、公平・開放・全面・革新という中国の発展に対するビジョンが明確に示されたことを挙げた。
そして、2つ目には
「各国の発展能力を強化する」、
「世界の発展環境を改善する」、
「発展に向けたパートナーシップを充実させる」、
「発展に向けた協調体制を整備する」
という「まさに国連が現在考慮している重要な問題」について提唱を行ったこととした。
また、とくに各種途上国支援にかんするプランを表明した最後の部分で「潮の如き喝采」を浴び、その対象となりうる国以外の代表者も
「中国の懐の広さ、無私の姿勢に感動させられた」
と呉氏が説明、会議場の外で習主席が「20-30人から『握手攻め』に遭った」と語ったことを伝えた。
記事はさらに、呉氏が
「習主席はとても温和な印象。
しかしその話す言葉には力があり、しっかりしている。
国際社会から非常に歓迎される風格だ」
とその「魅力」を解説したことを併せて紹介した。
』
『
サーチナニュース 2015-09-28 14:49
http://news.searchina.net/id/1590085?page=1
「満場の喝采」はウソ!?
習主席の国連演説、実際の会場は「空席だらけ」だった=香港メディア
香港メディア・蘋果日報は28日、中国の習近平国家主席が26日に国連サミットで演説し、大規模な途上国支援を発表したことに対して
「実際の会場はガラガラだったのに、
中国政府系メディアが『満場からの熱烈な喝采』などと“ホラを吹いている”」
と報じた。
記事は、訪米中だった習近平主席が「世界的な指導者」というイメージを打ち立てるべく、米国との外交活動終了後にワシントンからニューヨークへと移動して154カ国の政府首脳が参加する国連サミットで演説を行ったと説明。
これに対して
「中国内地の市民が見た報道は『皇帝の御成り』といった色彩にあふれ、
CCTVや新華社、中国新聞社などの大手メディアがこぞって
『数度にわたり熱烈な拍手と歓声』、
『今回のサミットで最大の喝采』
などと必死に誇張した」
と伝えた。
その一方で、習主席の演説に対して一部在米華人からは冷や水を浴びせられたとし、元大陸メディア関係者という経歴を持つニューヨーク在住の活動家・北風氏が
「少なくとも半数が空席」
という、習主席演説時の会議場の様子を撮影した画像をネット上に掲載したと紹介。
また、約10分間の演説を紹介したCCTVの映像についても習主席のアップ以外に「中国代表団とアフリカの某国代表団しか写さなかった」としたほか、
演説時には少なくとも3分の2は空席で、
以前フランシスコ・ローマ法王が同じ場所で演説したさいの満席の状況には程遠く
「両者のコントラストは、中国政府に気まずい思いをさせた」
と解説した。
記事はまた、中国共産党や中国政府が習主席の訪米について「恥をかなぐり捨ててまで誉めそやし」た背景には、
★.習主席が「江沢民氏や胡錦涛氏を超越した」ことをアピールする狙い
があるとの論調も出ていると紹介。
米紙ロサンゼルス・タイムズが米中首脳会談について、
★.中国側が両国の関係進展にまったく興味を持っておらず、
「単に儀礼的な部分に重きを置いており、明らかに国内向けの宣伝としてしか考えていないことを、
米国側が失望のうちに気付いた」
と評したことを併せて伝えた。
』
ということは、
この首脳会談にアメリカも中国も両者ともに何の期待もしていなかった、
ということのようである。
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