2015年9月2日水曜日

中国製造業のあり方(1):米国での「製造コスト」、中国と同等レベルに低下

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●JNNニュース 2015/09/17

 中国が「世界の工場」と言われたのは、ここで生産された製品が世界に輸出されたからにほかならない。
 それを可能にしたのが安価にして豊富な労働力である。
 しかし、現在は賃金が上がってこのメリットが薄れてきている。
 高度の技術製品は先進国に回帰し始めているし、安価なものは東南アジアにシフトしている。
 しかし、中国には14億人の人口があり、その3割が中産階級以上とするなら4億人の市場になる。
 つまり「世界の工場」から「中国市場の工場」へとそのターゲットを転換するだけのふところの深さは中国は十分にもっている国でもある。
 「世界へ輸出」を第一に考えている企業は東南アジア等の賃金の安いエリアに移っていくであろう。
 しかし、中国市場そのものを狙っている企業はリスクを顧みずに中国への進出を行うであろう。
 中国市場のためか、世界市場を狙っているか、で大きく企業判断は別かれていく。


サーチナニュース 2015-09-02 10:01
http://news.searchina.net/id/1587317?page=1

中国は「モノ溢れ」時代
・・・だからこそ日本製!=中国メディア

 中国メディアの人民日報は8月31日、英国で先日、ある男性が20年以上も前に庭で紛失したカシオ計算機の腕時計を偶然発見し、驚くべきことに
 「カシオの腕時計は時間が7分遅れていただけで、そのほかの機能はすべて正常に作動した」
と伝え、中国ではモノがあふれるようになったことで
 「逆に日本製品への需要が高まった」
と論じる記事を掲載した。

 記事は、カシオの腕時計をめぐるエピソードが大々的にメディアに取り上げられると「日本製品」の質が再び中国で議論の的になったと伝え、紛失して20年が経過しても正常に作動する「頑丈さ」は、カシオが品質を追求した結果を示すものだと論じた。

 続けて、
★.簡素な製品を「極致の水準まで作りこむ」には「ある種の精神が必要である」
と指摘し、
★.日本やドイツの製品には「その精神がある」
と指摘。
 こうした精神があってこそ市場や消費者の信頼を勝ち取ることができ、消費者も高いお金を支払おうとすると指摘した。

 さらに、製造業において高い品質を追求するうえでは「研究開発」と「匠の精神」が必要不可欠であると主張し、ドイツや日本がこれまでに多くのノーベル賞受賞者を輩出していることを指摘したうえで、基礎研究も含め、研究開発が基礎となっていると指摘。
★.特に製造業の高度化を目指すうえでは研究開発への投資が必要
と論じた。

 また、「匠の精神」について、現代化された生産ラインで作られる製品に対し、工場の管理者やラインスタッフは「感情を失ってしまっている」と主張、手工業の時代は職人は自らの製品に対して愛情を持ち、心を込めて作っていたと主張した。

 さらに記事は、中国ではモノが不足していた時代において、企業は生産数や生産効率を追求し、量的な需要を満たそうとしたとしつつも、今は時代が変わったと指摘。
 モノにはより高い質が求められるようになったとし、質の低い中国製品が市場にあふれるようになったからこそ、より美味しいご飯が炊ける炊飯器や、より衛生的、快適に使える温水洗浄便座、切れ味の良い爪切りなど、質の高い日本製品へのニーズが高まったとの見方を示した。


●「カシオ腕時計」の記事

FOCUS-ASIA.COM 6月28日(日)7時7分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150628-00000005-xinhua-cn

“頑丈すぎるカシオの腕時計”、
泥だらけで20年後に発見でも
・・中国ネット民「スゴいと言わざるを得ない」
「ずっと中国ブランドだと思ってた」



 香港メディア・東網は23日、最近、英国の民家の庭から20年ぶりに見つかった日本メーカー、カシオの腕時計が、泥だらけになりながらもまだ動いており、その遅れがわずか7分間だけだったという話題について伝えた。

 腕時計は英国人男性が子供の頃に失くしたもので、最近、父母の家の庭を手直しした際に見つかった。
 この“頑丈すぎる腕時計”の写真は男性がフェイスブック上で紹介し、これまでに10万人以上が「いいね!」ボタンを押した。



サーチナニュース 2015/09/06(日) 06:02
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0906&f=business_0906_001.shtml

米国での「製造コスト」、中国と同等レベルに低下=中国メディア

 中国大手ポータルサイトの捜狐は1日、コスト優位を強みとして世界の工場として名を馳せた中国では製造業の製造コストが上昇する一方で、米国国内における製造コストが中国と同等まで低下していることを指摘する記事を掲載した。
 同記事は7月10日に同ポータルサイトへ投稿され、捜狐が記事として転載したものだ。

 記事は、米IT大手のGoogle(グーグル)のストリーミングデバイス「Nexus Q」が米国で設計され、米国で生産された製品であることを指摘し、
 メーカーの「米国回帰」という大きな流れのなかでグーグルは氷山の一角だと指摘した。

 さらに、これまで中国国内に生産工場を設置していた米国企業が近年、続々と米国に回帰していると伝え、ゼネラル・エレクトリックやキャタピラーなどの企業が一部の生産ラインを中国から米国に移したと紹介。
 さらに、フォード、インテルなど、米国回帰を進める企業は数多いと伝えた。

 続けて、米国のコンサルティングファームであるボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が2012年にまとめた報告書を引用し、同社のアンケートに回答した売上高10億ドル(約1197億円)以上の企業のうち、
 3分の1以上の企業が米国に生産を戻す、または戻すことを検討している
と紹介した。

 また記事は、BCGの分析として、同一製品の平均コストを米中で比較した場合、
 米国のコストは中国より5%高いだけだった
と伝え、
 「特に驚くべきは2018年には米国の製造業のコストは
中国より2-3%も低くなる見通しであることだ」
と論じた。

 続けて、中国国内での製造コストが米国と同等となった理由として、
「中国は人件費そのものはまだ低いが、
 低効率であるため結果として労働コストが高くなる」
と指摘。
 さらに米国では人件費の上昇が僅かである一方で、中国では人件費の上昇が続いていることを指摘した。
 また、
 自動化が進んだ米国での生産に比べて、
 中国では生産効率が低く、結果として中国では労働コストの上昇
につながっていると論じた。

 そのほか、
1.中国では物流コストが高くつくことや、
2.米国ではシェール革命によってエネルギーコストが低下したこと
なども米国と中国の製造コストの差が縮小した要素になっていることを指摘した。



サーチナニュース 2015-09-08 07:05
http://news.searchina.net/id/1587878?page=1

「抗日勝戦」祝典で、「日本製カメラ」が大活躍! 
歴史的イベントを後世に記録=中国メディア

 中国メディアの中国投資咨詢網は7日、北京市で3日に開催された「抗日戦争勝利70周年」を祝う軍事パレードや前後の記者会見を取材するために集まった中国人記者が手にしていたのは一様に「日本メーカー」のカメラだったことが中国のネット上でも大きな注目を集めたと伝え、
★.中国企業はなぜ日本のように高性能のカメラを造れないのか
と疑問を投げかけた。

 記事は、「抗日戦争の勝利を祝う式典」を、日本のカメラで取材し、記録に残すことは、中国企業の技術力に対して「鋭い疑問を投げかけるものだ」と伝え、中国企業がカメラやコピー機など競争力のある光学機器を製造できないことは大きな問題だと論じた。

 続けて、中国国内のオフィスや一般家庭にはFAXやコピー機能を持つ電話機、デジタルカメラが当たり前のように存在すると伝える一方、
 「中国国内で当たり前のように存在する光学機器のほとんどが日本企業の製品」
であり、
 「中国企業の製品はまず存在しないだろう」
と論じた。

 さらに記事は、光学機器を製造できない理由を複数の中国企業に取材したところ、
1].「製造することを検討したこともない」
というのが基本的な回答で、
2].「技術力が足りない」、
3].「他社に特許を握られている」
といった答えがあったと紹介。

 また、光学機器を製造するうえでは高い技術力が必要な部品もあるとしながらも、
★.わずかな誤差も許されない精密さが求められる光学機器について、
 中国企業の管理水準では「組み立てることがそもそも不可能」
と指摘。
 これが中国の製造業の現状であり、水準であると指摘し、
 「抗日戦争勝利70周年」を祝う軍事パレードの取材に用いられた日本メーカーのカメラが、中国製造業に鋭い問題を提起したと伝えた。



サーチナニュース 2015/09/14(月) 06:02
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0914&f=business_0914_002.shtml

中国自動車市場、2008年以来「最悪の年」になる可能性も=中国メディア

 中国メディアの界面は10日、米国のコンサルティング会社であるアリックスパートナーズが9日、2015年の中国自動車市場における展望について報告書をまとめたことを紹介し、15年の中国自動車市場の成長率は前年比4.1%まで低下する可能性があると報じた。

 記事は、中国自動車市場では販売台数が減少すると同時に在庫が積み上がっていると伝え、15年は「世界金融危機」の影響下にあった08年以来、最悪の年になる可能性があると報じた。

 さらに、中国自動車市場の減速は「もはや争いようのない事実」であると伝え、
 中国経済の成長鈍化および個人投資家の資金が株式市場に流れ込んだことを背景に、中国の自動車販売台数は減少を続けていると論じた。

 また、中国に進出している自動車メーカーの利益も大幅に減少する見通しだと指摘する一方で、人件費の上昇などを背景に生産コストは上昇していると指摘。
 自動車メーカーの納税額も14年に比べて大きく落ち込む見通しだと論じた。
 そのほか、アリックスパートナーズの予測として、
★.中国自動車市場における販売台数の伸びは15年以降は一桁に落ち込み、
 最悪のケースでは今年はマイナス成長に陥る可能性もある
と論じた。

 そのほか記事によると、中国自動車市場では販売台数が落ち込むと同時に、一部のメーカーで生産能力の過剰が深刻化しているとのこと。
 日産やフォードの工場稼働率は日系、米国系それぞれの平均を下回っているとしたほか、中国メーカーはさらに深刻で、
★.第一汽車の稼働率は50%、奇瑞汽車は52%に
とどまっていると論じた。



サーチナニュース 2015-09-14 07:05
http://news.searchina.net/id/1588537?page=1

「尖閣諸島」で争うよりも、
「自動車づくり」に取り組むべき=中国メディア

 中国メディアの中国投資咨詢網は7日、中国はなぜ日本車を超える自動車を作れないのかと疑問を投げかけたうえで、
 尖閣諸島をめぐって日本と戦争するよりも
 「中国は真剣に自動車づくりに取り組むべきではないか」
と論じた。

 記事は、中国で3日に行われた抗日戦争勝利70年式典において、中国人カメラマンが手にしていたカメラは一様に日本メーカーのカメラだったことを指摘、
 抗日戦争の勝利を祝う式典を「日本製品で撮影する」
という皮肉について悔しさをにじませつつ、
 「中国と日本の差がもっとも大きい製品はカメラよりも自動車だ」
と主張した。

 さらに、中国では路上を走る車の約3分の1が日系車だと指摘し、一部では日本車がさらに高い比率で走っている国もあると論じた。
 また、
 「なぜ中国は日本車を超える自動車を作り出せないのか」
と疑問を投げかけ、尖閣諸島(中国名:釣魚島)をめぐる対立で日中が緊迫しているなか、
 中国は本来、日本と戦争をする必要はない
と主張。

 また、日本の主力産業は自動車と電子機器である
と主張し、「特に日本の自動車は世界一」ではあるものの、中国が仮に日本車を超える自動車を生み出すことができ、世界の市場で日本車の地位を奪うことができれば「日本は世界から没落してしまうに違いない」と論じた。

 さらに記事は、自動車は工業や情報化技術の結晶であるとし、
 「日本車を超える自動車を作れるようになれば、
 中国の工業および情報化技術は世界有数であることを意味する」
と指摘。
 また、中国は核兵器や弾道ミサイル、人工衛星だって作ることができるとしたうえで、
 「そんな中国が品質の高い自動車が作れないわけがない」
と主張し、
 尖閣諸島をめぐって日本と戦争するよりも、真剣に自動車づくりに取り組むべきではないか
と論じた。



サーチナニュース  2015/09/16(水) 14:10
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0916&f=business_0916_033.shtml

中国で崩れつつある自動車需要の「好循環」

 中国メディアの騰訊新聞は12日、中国の自動車市場にかかわる人びとにとって、「年間販売台数が前年割れ」となることはほとんど初めての体験だと伝え、
★.過去18年にわたって成長を続けてきた中国自動車市場が
2015年に初めて「マイナス成長」に陥る可能性が出ている
と報じた。

 記事は、リーマン・ショックによる世界金融危機が起きた2008年ですら、中国自動車市場の成長率は前年比5.2%増だったとし、まるで中国自動車市場は「無限の成長力」を持つかのように錯覚したほどだったと伝えた。

 続けて、中国自動車市場の勢いは前ぶれもなく、一夜にして失われたかのようだとし、販売台数が前年比0.5%減となった15年4月以降、前年比、前月比ともに販売は減少を続けたと指摘。
 特に15年7月の販売台数の減少幅は前年比ベースで7.1%減にまで拡大したとし、
 「8月の販売台数は前月比ベースで若干のプラスとなったが、それでも市場には勢いを感じられない」
と指摘した。

 さらに、これまでは中国の1人あたりGDPが伸びるとともに、人口1000人あたりの自動車保有台数も伸びてきたと指摘、
 「所得の伸びが自動車市場の成長の源だった」
と論じた。

 また、中国では都市と農村部および、沿岸部と西部の発展格差があると指摘。
 まず政府や企業が自動車を購入し、続けて都市部の住民が自動車を購入した後に、中規模都市、そして農村部へと購入主体が時間の経過とともに変化していると伝え、
 「こうした変化が中国の長期にわたる自動車市場の成長を生み出してきた」
と論じた。

 一方で、中国経済の成長が鈍化し、失業率が上昇すると同時にデフレ圧力も高まっていると指摘し、自動車に対する実需が減退し、在庫が積み上がっているとしたうえで、
 「これまで中国自動車市場の成長を支えてきたロジックが崩れている」
と指摘した。



サーチナニュース 2015/09/14(月) 10:10
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0914&f=business_0914_020.shtml

中国で最大の市場を擁する産業は「鉄道」!

 中国メディアの観察者は10日、中国では
★.39の都市において地下鉄建設の許可が下りていると伝え、    2020年までに中国全土の地下鉄の総延長距離は6000キロ、
 投資総額は4兆元(約75兆5200億円)
に達する見通しだと紹介、
 中国国家発展改革委員会総合運輸研究所の汪鳴所長の話として、
 中国国内でもっとも大きな市場を持つ産業は不動産ではなく、高速鉄道や地下鉄などを含めた鉄道である
と伝えた。

 記事は、汪鳴所長の話として、これまでの30数年間において
★.中国経済の発展を支えてきたのは輸出を主体とした製造業
だったとする一方、今後の
 中国経済が改めて発展するには「製造業の次の支柱」が必要
だと指摘。

 さらに、
★.「製造業の次の支柱」にあたる存在こそ都市の発展であり、都市と都市を結んで発展させる存在こそ高速鉄道や地下鉄、モノレールなどを含めた鉄道であると論じた。

 また、国家発展改革委員会の李朴民秘書長が6月に「都市の交通状況を改善するために、鉄道の建設を推進する」と述べたことを紹介し、
★.2015年の都市部における鉄道への投資総額は3000億元(約5兆6643億円)に達し、
 14年の2857億元(約5兆3943億円)を超える見込み
と紹介した。
 さらに、上海のような大都市においても地下鉄の新路線が建設される計画だと伝えた。

 一方で記事は、鉄道を発展させるための課題は「何と言っても安全性の確保だ」と指摘し、鉄道産業の関係者の話として
 「安全性と信頼性を確保することが鉄道産業における第一任務」
だとしたほか、車両や信号システムといった設備の信頼性も確保する必要があることを紹介した。



JB Press 2015.9.15(火) 堀田 佳男
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44780

日本だけではない脱中国、
しかし米大企業は進出加速
デルは15兆円投資、IBM、インテル、シスコ、アップルも

 中国市場でこのところ、不可思議とも思える動きが見られる。
 数年前から日本企業だけでなく、米企業も中国市場に見切りをつけて撤退するところがある一方、新たに1兆円を超す資金を中国に投資する企業が相次いでいるのだ。

 中国はいまでも世界最大の市場だが、
 利益が見込めないと見限った企業と、市場の可能性を今後も信じる企業の違いがある。
 差違は何なのか。

■シアトルの米中会談に企業トップも

 9月下旬、中国の習近平国家主席が米国を公式訪問する。
 23日には西海岸シアトルで、米中両国の大手企業トップが顔を合わせる円卓会議が開かれる。
 そこに招かれるのは、複数のメディアを総合すると米アップルのティム・クック経営最高責任者(CEO)、IBMのバージニア・ロメッティCEOなど大手15企業のトップ。
 中国側も大手15 企業のCEOが顔を揃える。
 両国企業は互いの市場へのアクセス問題やサイバーセキュリティー問題などについて話し合う予定だ。

 ただ中国市場から撤退を決めた企業を眺めると、中小だけでなく大手企業も含まれる。
 例えば、今年だけでもシチズン・ホールディングズの合併会社「西鉄城精密(シチズンセイミツ)」が広東省の工場を閉鎖したし、パナソニック、ダイキン、TDKなども工場閉鎖や生産の一部を移転すると発表した。
 それだけ撤退の波は大きいのだ。
 企業幹部たちは努力不足というより、中国市場のビジネス環境の変化が大きいと口を揃える。
 しかも、理由は1つや2つではない。大きく5点にまとめてみた。

★.1つは中国市場での人件費の高騰だ。
 工場で働く作業員の平均月給は、日本では福利厚生を含めて約25万円だが、中国では約8万円である。
 単純比較すると、中国の方がまだ3分の1に収まっているが、10年前までは10分の1だったので約3倍も人件費が上がったことになる。
 特にリーマンショック後の高騰が目立つ。

★.2つ目は人民元高による生産コストの上昇だ。
 中国は8月に人民元の切り下げを実施したが、それでも人民元高は続いている。
 2011年秋には1人民元が約12円だったが、今春には約20円まで元高が進んでいた。
 切り下げ後は18円前後だが、依然として元高は変わらず、日系企業の利益を圧迫することになる。

■外国企業狙い撃ちの法人税アップ

★.3つ目は中国の法人税率の上昇である。
 実は中国の法人税は2007年末まで、外資系企業に対しては15%だった。
 一方、同時期の中国系企業の税率は33%で、外資系企業に優遇税制がとられていた。
 ところが2008年から中国系も外資系も一律に25%となったのだ。
 低率の法人税を期待して中国市場に進出した企業は、計算が違ったと落胆したに違いない。
 しかも突如として15%から25%に上げるとの通達を出したのだ。
 大規模な事業を見込んでいた企業にとっては大きな痛手になった。

★.4つ目は中国国内の製造業の生産過剰が深刻化していることだ。
 つまり供給過多に陥って製品が売れにくくなっているのだ。
 例えば2014年の中国国内の粗鋼生産量は8.2億トンで、世界市場(16.3億トン)のほぼ半分を占めていた。
 8.2億トンの約3割は生産過剰と言われている。
 さらに平板ガラスやセメントなども生産過剰の状態にあり、採算が取れなくなっている企業もある。

★.5つ目は中国政府による環境規制の強化である。
 企業によっては環境規制を守るため、コストを割いてかなりの企業努力を強いられている。
 負担だけ増して採算が合わなくなる企業が出てきた。
 外国企業が狙い打ちにされているとの声もある。

 中国市場から撤退しているのは日米企業だけでない。
 韓国企業も精算・売却をする動きを加速させている。
 韓国輸出入銀行によると昨年、撤退する韓国企業は新しく中国市場に参入する企業の3倍達したという。

 しかし冒頭で記したように、撤退の波と相反するように、いくつかの米大手企業、特に
★.ハイテク企業は中国市場への大規模な投資を加速させている。
 例えばパソコンメーカーのデルは9月10日、今後5年間で中国市場に1250億ドル(約15兆円)もの巨費を投資すると発表した。
 単年度ベースでは約3兆円である。

■米国でリストラ、中国へは投資

 パソコンメーカーとして世界シェア第3位の企業であっても、年間3兆円を中国に投資するという決断は勇断と言って差し支えないし、他の企業とあまりにも戦略が違うように見える。
 マイケル・デルCEOは10日、会見で「中国国内で、中国のために」という同社の格言を持ち出しながら、中国への思い入れが強いことを強調した。
 さらに「ハイテク企業として、中国の技術革新と経済発展、さらには産業界の技術変革を後押していくことを約束する」とはっきりと述べたのだ。
 デルは単に中国で事業を拡大するだけでなく、人口知能(AI)の研究施設を作るため、中国科学院と連携していくことも公表。
 さらには中国国内で100万の雇用を創設するとも述べた。

 しかも米テキサス州の工場に勤務する作業員1万4000人のうちの1700人を解雇し、中国で研究開発に携わる上級エンジニアを2000人雇用するという。
 多くの外国企業が中国から撤退するなかで、中国への忠誠とも思える巨額投資を発表したのはデルだけではない。

 コンピューター・ネットワーク機器の世界最大の開発企業シスコシステムズ(シスコ)も7月、中国のハイテク産業に100億ドル(約1兆2000億円)の投資を公表した。
 また世界最大の半導体メーカー、インテルも巨大投資を発表している。

 これは何を意味するのか。
 ハイテク産業の中でも巨額の利益を上げている大企業だからこそ、中国で冒険ができるということなのか――。

 前向きな見方をすれば、一党独裁体制をとる共産党と積極的に折り合うことで、ビジネスの成功をつかもうとしているかに見える。
 大企業だからと言って兆円単位の冒険がやすやすとできるわけではない。

■共産党と手を結んだ?

 むしろ流れは逆で、多額の調査・研究費をかけて徹底した市場分析を行うと同時に、政治的な「手綱」を巧みに使って、これから進む企業の針路を定めたということだろう。
 そのあたりの詳細はメディアに出てきていないが、語弊を怖れずに記すならば、
 共産党とタッグを組んだと捉えられる。

 しかし中国が国外からの投資を快く受け入れるのは、すべて自国企業と政府のためになることが前提であるはずだ。
 米ハイテク企業は本当にそれを見越して巨額の投資を決めたのだろうか。
 中国経済が陰りを見せるなか、いくつもの巨大企業が爆音を立てて倒れないことだけを祈りたい。



レコードチャイナ 配信日時:2015年9月20日(日) 13時41分
http://www.recordchina.co.jp/a119257.html

経済改革、国有企業改革は「パクリ文化」からの脱却が急務

 中国の習近平(シー・ジンピン)指導部は最近、
 国有企業のなかでも中核をなす「央企(中央企業)」155社を今後、業界ごとに合併を進め、最終的に約20社程度に集約する
という国有企業の改革案を発表した。
  数十万にも及ぶ国有企業のなかでも最優秀の企業群をさらに絞り込むという荒療治だけに、習近平指導部は最近の中国経済の停滞傾向に強い危機感を抱いていることがこの改革によって切々と伝わってくるようだ。

  これについて、北京の大手経済専門紙の編集委員は
 「中国経済の落ち込みが激しいのは中国独自の『パクリ文化』のせいだと思うのです」
と意外なことを口にする。

 彼によると、中国経済の原動力は重厚長大な国有企業で、エネルギーや自動車、鉄鋼、流通など国有企業グループで占められており、民間企業が付け入る隙がない。
 民間企業も手をこまねいているばかりでなく、なんとか市場に食い込もうと新しい技術を開発し、国有企業に対抗しようとする。
 だが、ことごとく大手企業に新技術を真似されてしまうので、民間企業が育たないという悪循環に陥っている。

 中国に進出した日本企業が独自の製造技術をコピーされ、気が付いたときには、同じような工場があちこちに建ち、偽物が市場に流通しているという話はよく聞く。
 例えば、有名なのは新幹線技術だ。
 もともとは日本製だったものが、中国は「自主開発の国産高速鉄道」と銘打ち、いまでは東南アジアなど海外諸国に売り込みをかけている。

 「国内企業はもっとひどい。
 文句を言っても相手にされません。
 裁判に持ち込んでも、国家権力がついている国有企業が負けることはあり得ません。
 結局、泣き寝入りしかないのです」
と編集委員氏はこう説明する。
 「その結果、中国では創造的発明や新技術を開発するよりも、
 上手に真似をした方が手っ取り早くて、金も稼げるというわけで、『パクリ文化』が幅を利かせているのです」
というのだ。

 それでも、中国が「世界の工場」として安い製品を輸出できた時代は良かったが、いまや人件費も高くなり、外資はアジアの新興国に工場を移転。高い「メード・イン・チャイナ」製品は売れなくなり、経済環境は悪化の一途をたどっている。

 それを象徴したのが、8月下旬の世界同時株安だった。
 上海株価指数が8月下旬の3日間で22%も下げて3000を下回り、2月上旬の年初来最安値の3049をも割り込んでしまった。
 6月12日に記録した5200の最高値から、わずか70日あまりで2200ポイントも落ち込んでしまったのだ。

 日本の高度成長期には、いまや日本を代表するソニーやホンダなど町工場といってもよい中小企業が大成長を遂げた。
 トヨタも戦後、大きく飛躍した。
 日本では新技術が保護され、創造性が大きく向上したが、いまの中国には、こういった独自技術を持つ企業がないのが実態だ。

 中国政府は「創新」という言葉を持ち出して、企業に「独自技術の開発」を訴えるが、すでに
 「模倣」や「パクリ」に慣らされた企業側は数年間、下手をしたら10年も20年もかかるような「創新」に乗り出す心構えはない
ということだろう。

 このため、習近平政権としては中核企業の合併による業界再編に乗り出さざるを得なかったといえる。

 このため、「中国が経済低迷から抜け出すにはパクリ文化からの脱却が急務」との彼の主張は極めて明快で分かりやすい。
 願うらくは、中国企業が「パクリ文化」を恥と思うような企業体質に早く変化してほしいということだ。

◆筆者プロフィール:相馬勝
1956年、青森県生まれ。東京外国語大学中国学科卒業。産経新聞外信部記者、次長、香港支局長、米ジョージワシントン大学東アジア研究所でフルブライト研究員、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員を経て、2010年6月末で産経新聞社を退社し現在ジャーナリスト。著書は「中国共産党に消された人々」(小学館刊=小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作品)、「中国軍300万人次の戦争」(講談社)、「ハーバード大学で日本はこう教えられている」(新潮社刊)、「習近平の『反日計画』―中国『機密文書』に記された危険な野望」(小学館刊)など多数。






【輝ける時のあと】


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