2015年9月12日土曜日

ラストチャンス!東京の"不動産"はすぐ売ったほうがいい:「中国人が一斉に逃げ出す」前に!

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現代ビジネス  2015年09月12日(土) 週刊現代
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45109

いまが最後のチャンス!"不動産"はすぐ売ったほうがいい 
「東京オリンピックまでは大丈夫」に根拠はない

 不動産業界の人たちは「東京オリンピックまでは大丈夫」と根拠のない自信を持っている。
 しかし、富裕層と中国人投資家たちの動きを見ていると、とてもそんな悠長なことは言っていられない。

■売り物件が急増中

 「8月のお盆明けに大手不動産会社の人と話をしたのですが、いま湾岸のタワーマンションを中心に売り物件が急増しているということです。
 3年ほど前、つまりアベノミクスが始まる少し前にマンションを買った人たちはすでに値上がり益が出ており、
 不動産相場が荒れる前に早めに利益確定してしまおうと考える人が増えているのです」
 こう語るのは不動産売買やホテルビジネスのコンサルティングを行うオラガHSC代表の牧野知弘氏だ。

 アベノミクスが始まって以来、首都圏を中心に不動産の局地的なバブルが発生した。
 とりわけ湾岸部や都心の駅近物件が人気で、1億円を超えるような物件が発売と同時に完売するという状況だ。
 しかし、このような好況は必ずしも実需に基づいたものではなく、金融緩和とそれに伴う円安に負うところが大きい。

 「不動産業界の人たちは 20年の東京オリンピックまで景気はもつだろうという根拠のない自信を持っているようですが、
 金融緩和で生まれたマネーの過剰流動性に現在の好況が支えられていることは間違いありません。
 そもそも今の日本は約6000万戸ある住宅のうち、820万戸が空き家という状況です。
 そんな中で需要が急に高まるはずがない」(牧野氏)

 10年前の一都三県のマンションの供給戸数は年に約10万戸だった。
 それが現在は4万5000戸を切っており、首都圏の実需は半減している。
 「デベロッパーは『売れている』とくり返しますが、実際に建てているマンションの多くは1棟で800戸や1000戸もあるようなタワーマンションばかり。
 しかも高価格帯である上層階の物件を買っている人の大半は
 相続税対策の富裕層と中国人たちです」

 いうまでもなく、相続税対策をするような富裕層は株価の動きに敏感だ。
 暴落が起きたり、相場が不安定になると、高級マンション市況はあっという間に悪化する。
 不動産ジャーナリストの榊淳司氏は、「5000万円以上のマンションの売れ行きは、ほぼ日経平均と連動している」と話す。

 「最初から投資利回りを計算して買われているような収益物件は株価の影響を大いに受ける。
 そもそもいまの都心は部屋の借り手がいない。
 賃貸物件の空き室率は千代田区で36%、中央区で27%もある。
 今年の年末から来年にかけて、アベノミクスの波に乗って販売されたタワーマンションが続々と竣工する予定で、さらなる供給過剰が予想される。
 このような状況で今回のような世界同時株安があったときに、最初に反応するのは富裕層です。
 『これは相続税対策なんてやっている場合ではないぞ、売れるうちに売っておこう』
と考えるはずです」

中国人が一斉に逃げ出す

 もう一つ気がかりなのが中国人投資家たちの動向だ。
 円安の影響で日本の不動産は世界的に見ても割安だと認識され、多くの中国人たちが都心のマンションを買い漁ってきた。
 最近では購入者の50%以上が中国人という物件も出ていた。

 しかし、ここへきて今回のチャイナ・ショックである。
 手元資金が枯渇し、にっちもさっちもいかなくなった投資家たちが慌てて日本の不動産を手放すことになるかもしれない。
 危機に直面した中国人たちの群集心理が恐ろしいということは、今年6月半ばから4割以上暴落した上海市場の動きを見てもわかるだろう。前出の牧野氏が語る。

 「中国人が一斉に逃げ出したとき、割を食うのは自分が住むために価格の安い低層階を買った日本人です。
 住宅ローンを組んで、背伸びして憧れのタワーマンションを買った普通のサラリーマンが、ある日突然上層階がもぬけの殻になっていることに気付く。
 そして不動産屋を覗くと、それらの物件が信じられないような安値で売られているということもありえます」

 無理して買った物件の価値が、マネーゲームの末に暴落してしまっては泣くに泣けないだろう。

 「また、中国系の人のなかには修繕積立金を払いたがらない人も多い。
 そもそも修繕のために積立をする習慣がないのです。
 なかには管理費を払わない人もいる。
 そんな人たちが滞納したまま逃げてしまったら、その穴埋めはどうするのか? 
 新しい部屋の購入者が滞納分も払わされるとなれば、ますます買い手がつかなくなる。
 管理組合も大きな問題に直面するでしょう」(牧野氏)

 東京オリンピックまでは大丈夫――そんな悠長な構えでいたら、必ず逃げ遅れる。
 売れる不動産はすぐさま売り払い、来たるべき激震に備えるのが賢明だ。

 「週刊現代」2015年9月12日号より



Business Journal 2015/9/12 09:21 文=牧野知弘/オラガHSC代表取締役
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150912-00010001-biz_bj-nb

タワーマンション購入の恐ろしい話 
高額な管理費や修繕費負担、
中国人住人との対立

 タワーマンションが人気です。
 2011年に東日本大震災が発生した直後には一時的に売れ行きが下がったものの、人気は急回復。
 都内湾岸エリアを中心に、ターミナル駅前や大型工場の跡地に続々と建設されています。
 
 タワーマンションという言葉の定義は存在しません。
 不動産経済研究所のデータでは、地上20階以上のマンションを「超高層マンション」としています。
 この定義に従えば、2004年以降首都圏(一都三県)で供給されたタワーマンションは525棟、約15万8000戸となっています。

 一方で、この期間に新たに供給されたマンションは62万1000戸です。
 なんと首都圏でここ10年余りの期間で供給されたマンションの25%、4戸に1戸がタワーマンションということになります。

 かつてタワーマンションは超高級マンションの代名詞。圧倒的な眺望と贅沢な共用設備を売り物に一般庶民にはなかなか手の届かない存在でした。
 しかし、いまや新しくマンションを買う人の4人に1人がタワーマンションオーナーです。
 タワーマンションとしての希少性は薄くなり、もはや一般的なマンション形態になったともいえるでしょう。

 このように人気のタワーマンションですが、将来に向けて気を付けなければいけない事象が2つあります。
 「修繕維持費用の不足」と「区分所有者の所有目的、人種等の違いによるコミュニティ維持の困難さ」です。

●跳ね上がる管理費

 タワーマンションの修繕積立金は、どのようになっているのでしょうか。

 神奈川県川崎市内で分譲されたあるタワーマンションの事例で考えてみましょう。
 このマンションは階数で50階を超える超高層のタワーマンション。
 各住戸の面積は55平方メートルから70平方メートル、価格は6000万円台から7000万円。
 坪当たり単価300万円を超える高額物件です。

 このタワーマンションの管理費は1平方メートル当たり216円。
 修繕積立金は同87円です。
 70平方メートルの住戸で戸当たりの負担額は管理費が1万5000円、修繕積立金が6000円。月額合計が2万1000円ということになります。
 ローンの支払いはきついものの、月々の管理費は駐車場使用料もあわせて約4万円程度。
 なんとかなる範囲の方もいるでしょう。
 
 ところが、これにはちょっとしたカラクリがありました。
 修繕積立金は築年数の経過とともに自動的に上昇していく仕組みとなっていたのでした。
 スタート時点で87円だった1平方メートル当たり単価は5年後に2.5倍の217円、10年後347円、15年後には420円。
 当初設定金額の4.8倍です。
 70平方メートルの住戸で6090円だった修繕積立金が2万9400円にまで跳ね上がることになります。
 管理費、駐車場使用料とあわせて15年後には6万円を超える負担があらかじめ決定されているのです。

 販売をするデベロッパーの立場からすれば、販売時点で高額の修繕積立金を徴収することを説明すると多くの顧客が逃げてしまうことがわかっているので、あえて階段を設けて初期の負担が小さいように見せているのです。

●高額修繕費のカラクリ

 では、どうしてタワーマンションの修繕にはお金がかかるのでしょうか。

 例えばエレベーター。
 超高層建物だとエレベーターも高速で上昇する高性能のものが必要となります。
 各住戸に給水するポンプも高さ200メートルにくみ上げるには高性能のものが必要となります。
 最近では地震対策として非常用発電機なども設置していますが、これらは発電機自体が高額なうえに重油で作動するので重油の備蓄管理も必要となります。

 こうした設備は、最初は完璧な装備であっても寿命は20年から30年で更新時期を迎えます。
 高性能のうえに特注品も多い。部品などの交換にも制約があります。
 修繕費は必然として高額となります。
 設備更新時には、一般のマンションではありえないほどの高額の費用負担となることが予想されます。

 外壁工事も普通のマンションとはケタ違いにお金がかかります。
 通常であればタイル壁のマンションは戸当たり80万円から100万円程度の負担ですが、タワーマンションはそもそも足場を組むことができません。
 屋上からぶら下げるゴンドラなどでの作業となりますが、ゴンドラは小さくて作業効率が悪いうえに、高層部を中心に風、雨などの気象条件の影響を受けやすく、通常のマンションの工事に比べ工期が3倍以上かかるともいわれています。
 その結果、工事費は本格的な修繕ともなれば通常のマンションの数倍もかかるというようなことになるのです。

 タワーマンション自体がまだ工法が確立されていない部分もあり、ゼネコン各社が試行錯誤のなかで建設されてきた経緯もあります。
 さらに震災等の影響で防災等の装備も新たに付け加えられています。
 これらの設備にも当然維持管理のための新たな費用がかかります。
 大規模修繕を実際に行ったマンションの事例がまだほとんど存在しないことから、実際に現在徴収されている積立金で修繕費が賄える保証はどこにもないのです。

●スラム化の懸念も

 タワーマンションが抱えるもうひとつ厄介な問題が、住民構成です。

 ある都心のタワーマンションでの出来事です。
 筆者の知人であるマンション会社社員がマンション管理組合の第一回目の設立総会に出向き、役員の選任や今後の組合の活動予定などの説明を始めたときのことです。
 最高層部を数億円で購入した区分所有者である中国人が、彼の説明を遮って発言しました。

 「なぜ、この管理組合総会の議事進行は日本語で行われるのだ。
 私は中国人。
 このマンションの所有者の多くは中国人と聞いている。
 ならば総会における使用言語は中国語で行うべきだ」

 会場中がこの発言に凍りついたそうです。
 たしかにこのタワーマンションは東京都心で立地は抜群。特に高層部の高額の住戸はほとんどが中国人の購入。
 なかには数戸まとめて購入した人までいたといいます。

 世界第2位の経済大国に発展した中国は、日本の不動産に大量の投資を始めています。
 東京都心部などで売りに出される高額のマンションを、中国人がほいほい買っていくことは不動産業界でも話題となっています。
 特に中国人はタワーマンションの高層部から東京の街並みを眼下に眺めることがお好み。
 話題の物件ともなると、高層部の一番高い住戸から中国人投資家に順次売れていくのだそうです。

 これに味をしめたデベロッパーのなかには、都内でタワーマンションの発売を計画すると真っ先にシンガポールに出向いて中国人相手に「先行販売」をして、まず売り上げを確保する業者も珍しくありません。

 知人のマンションでは、結果的にはなんとか使用言語は日本語ということで収まったそうなのですが、その後もマンションの共用部の使用をめぐって日本人対中国人の対立が続いているそうです。

 共用施設に仲間を呼び込んで大騒ぎをする中国人。
 共用部でところかまわず痰を吐く、エレベーター内で食事をする親子。
 彼らが降りたエレベーターの中は南京豆の殻だらけといったこともあったそうです。

 中国人のなかには、修繕積立金の積み立てを拒む人も多いと聞きます。
 中国では修繕に備えて積み立てをするという概念がそもそもないのです。
 管理費ですら支払を渋る人もいると聞きます。
 彼らのほとんどが「投資用」での購入。
 東京五輪開催の前後にはマーケットに一斉に売りに出すという噂もあります。

 住宅に対するこうした価値観の相違は、使用言語で揉めているうちはまだ序の口なのかもしれません。
 昨今の人民元の切り下げにみられるように、中国経済にもいろいろな見方があります。
 いつなんどき中国に大きな政治的、経済的な変動などのリスクが顕在化するかわかりません。

 その時、タワーマンション内を闊歩していた中国人オーナーはどうなるのでしょうか。
 彼らが本国に戻って、管理費を支払うことなどすっかり忘れてしまう。
 あるいは狼狽してとんでもない安値で他者に売り渡してしまうようなことが起きると、社会の縮図のようなタワーマンションが街に与える影響は甚大なものとなるでしょう。

 空き住戸だらけになったタワーマンションでは、建替えはおろか大規模修繕すら満足に行えずにスラム化するところも出現するかもしれません。
 タワーマンションの将来は必ずしも「視界良好」ではあり続けないというリスクを、考える必要がありそうです。



ダイヤモンドオンライン  2015年9月18日 中島 恵 [フリージャーナリスト]
http://diamond.jp/articles/-/78661

本当は中国で余生を送りたくない!
日本を目指す中国人の「心の底」

■「老後は日本で暮らしたい」
中国の友人に聞いた意外な本音

 中国人の「マンションの爆買い」などとは全く違う次元の現象で、老後は温泉に浸かっているような安らぎがある日本に移住したいと考える中国人がいるようだ

 少し前、中国の経済減速のニュースが世界を駆け巡った。
 だが、そこで暮らす市井の人々の小さな声は、不思議なことにほとんど日本には伝わってこない。
 株価暴落に苦悩する高齢者の映像などは“絵”になるので頻繁にテレビで放映され、いつも同じようなコメントばかり取り上げられるが、ニュース性のない市民の日常生活は興味を持たれないからだ。

 だが、筆者は政治や経済のニュースに関係なく、広い砂漠の中で砂を1粒1粒拾うように、1人ひとりの中国人の考え方を日本の読者に向けて紹介してきた。
 それを知ることによって、その背後にいる数百万、数千万という中国人の生き方や考え方を知ることができ、また日本について考える材料にもなるからだ。
 そして、ともすれば日本人が得体の知れない存在と見がちな「中国人」というものを、いつか大きな枠組みの中で捉えられるのではないか、と考えてきた。

 今夏中国を訪れたときも、ニュースではないが、偶然にも「おやっ」と思う同じような話を複数の友人から聞いた。
 それは「老後は日本で暮らしたい」という切実な言葉だった。
 一瞬、「えっ?」と思ったが、話を聞いていくと、なるほど……と考えさせられた。
 取るに足らない日常生活の話題ではあるが、彼らの声には少なからぬ教訓が込められているようにも思える。それを紹介してみたい。

 蘇州市内で中国人の夫と2人で暮らす周さん(58歳)は、昨年思い切って埼玉県の郊外に中古マンションを購入した。
 価格は約3000万円、広さは約70平方メートル弱。
 2LDKだが、2人暮らしなので申し分ない。
 最寄駅から徒歩10分。
 まだあまり建物が建っていない新興住宅地ということだったが、周さんは購入した喜びを筆者にメールで伝えてきた。

  「中島さん、いよいよ私たちも老後の準備に入りました!
 みんなマイホームを持っているのにうちは借家住まい、子どもができなかったので2人暮らし。
 中国人の伝統から言えば“規格外”の私たちのことをとやかくいう人もいましたが、この日のために我慢してきました。
 夫はあと数年、日系企業にご奉公しますが、その後は夫婦でのんびり。
 日本の我が家で安心して、年金生活を送りたいと思います」

 文面からワクワクしている気持ちが伝わってくる。
 周さんは筆者の著書にも出てくる旧知の友人だ。
 北京出身で1980年代は国営企業に勤めていたエリートだったが、夫の留学に伴って来日。
 日本に10年以上住んでいたが、夫の転勤により中国に引っ越してもう15年以上になる。
 筆者は中国に出張するたびに、できるだけ時間をつくって周さんに会ってきたが、教養があり、おっとりしている周さん夫婦は、「なかなか中国のスピードに馴染めない」といつもこぼしていた。

 「中国人なのに中国に馴染めないって、どうして?」
と思われるかもしれないが、筆者の知る限り、こうした中国人は案外多い。
 若くて頭が柔軟な時代に海外留学して見聞を広めた人に多く、中国に帰国後、中国人的な仕事の進め方や周囲との濃い人間関係、秩序のない生活環境に溶け込めずに、苦しんでいる。
 生き馬の目を抜く中国で、肩で風を切って生活するのはとてもしんどいことなのだ。

 周さんは東北地方の旧満州で生まれた。
 母親が日本人家庭とつき合いがあり、「幼い頃によく日本人がつくってくれた味噌汁を飲んで育った。だから私は日本人っぽいんだわ」と笑いながら話していたこともあった。
 夫の仕事の都合で中国に戻ったが、「いつか日本に帰りたい」と切に願ってきただけあって、数年後の夫の定年は待ち遠しいものだった。
 夫婦で話し合った結果、老後は日本に住もうという話になったのだという。

 「夫と私の兄弟はともに北京にいますが、その子どもたちは独立してそれぞれ生活しており、一部はアメリカに移住しています。
 相当な財産でも残せれば話は違うのでしょうけど、私たちの老後の世話まではしてくれません。
 それならば、長年払い続けてきた日本の年金で夫婦2人、日本に骨を埋めようと腹をくくったのです。
 日本の食品は安全だし、気を張って生活する必要もない。
 病院も中国では心配なので、できることなら日本の医療を受けて、死にたいと思います」

■人生の最期を異国で暮らすことに不安はないのか?

 少し切なくなる話だが、周さんの夫は日本で長年年金を払ってきたので、当たり前といえば当たり前の結論とも言える。
 ただ、いくら日本語ができるといっても、人生の最期を異国で暮らすことに不安はないのだろうか。
 筆者がそう尋ねると
 「全然。
 中国にいたって、知り合いは限られた範囲だけ。
 母国だからといって、助けてくれる人が多いわけじゃない。
 私は日本の医療は世界一だと信じていますから、何かあったら日本の病院で診てもらって、納得した治療をしてもらいたいです」
と話していた。

 最近「爆買い」現象の影で密かに増えているのが中国人の訪日医療ツアーであることは、知る人ぞ知る事実。
 どんな富裕層であっても、中国国内では満足のいく医療はほとんど受けられない。
 「健康診断や治療はどんなにお金がかかっても日本で受けたい」
という人が増えている。
 むろん、日本にいたからといってハイレベルな治療が受けられるとは限らないし、日本の医療現場にも問題が山積しているはずだが、中国に比べればはるかにいい、ということは明白だ。
 周さんとメールのやりとりをしていて、「日本行き」を指折り数えている姿が目に浮かぶようだった。

 一方、30代前半の男性、林さんも「老後は日本へ」と筆者に話してくれた。
 林さんは1年間、日本の大学に留学したことがあるが、長期で住んだ経験はない。
 日本のアニメやアイドルが大好きで、筆者は彼からAKB48の魅力を何度も聞かされたことがある。
 童顔で、まだ学生っぽさが残っているような爽やかな青年だ。

 林さんは北京の有名大学でメディア学を専攻し、卒業後は出版社に勤務していた。
 現在は独立してある企業を立ち上げ、新規ビジネスに取り組んでいる。
 スポンサーを集め、従来は中国に存在しなかったビジネスに取り組んでいるのでストレスも大きいが、
 「充実しています。日本に留学していたときから温めていた事業。中国はリスクも大きいけれど、チャンスを掴めば、大成功できる可能性がたくさんある。
 今、この仕事に燃えています。ワクワクしますよ」
と意気込んでいる。

■30代の若者までもが……。
日本で飽きるほど読書をしたい

 仕事は早朝から夜遅くまで、打ち合わせや出張、営業など様々な業務が続く。
 中国のビジネスは日本以上のスピードで行われるので、まさに目が回るような毎日だが、林さんには1つの夢がある。
 驚くことに、それが年をとったら日本で暮らすという夢だ。

  「具体的なことはまだ何も決めていません。
 でも、年を取ったときのことは以前から漠然と考えていたんですよね。
 故郷に住んでいた母が3年前に定年退職したんですが、なんと故郷を離れて引っ越しちゃったんです。
 故郷はあまりにも大気汚染がひどいからといって……。
 友人が1人もいない町にですよ!
 でも、驚くことに、母はそこにマンションを買って生活し始め、今では友だちをつくって、ヨガやダンス、習い事などを楽しんでいます。
 そんな勇気のある母の影響も、あるのかもしれません」

 林さんは中国の大学を卒業するとき、一時日本の大学院への進学を考えたことがあった。
 就職があまりよくない時代だったので、当時国内の大学院に進学する友人が多く、自分は日本に行くことを考えたのだが、結局断念した。
 大学院で勉強するだけの生活は性に合わないと思ったからで、日本で仕事をすることはあまり想像できなかった。
 離婚した母親に経済的な負担をかけたくなかったということもある。
 それよりも、日に日に発達する中国でメディアの仕事をするほうが面白いと思ったのだが、もともと静かに読書をしたり、何かをつきつめて学んだりすることは大好きだった。

  「今はね、とにかくビジネスで成功し、ある程度お金を貯めたいんです。
 大金持ちになりたいとは思わない。
 でも、ゆとりのある生活をするには、多少のお金は必要。
 あらゆるビジネスの可能性が広がっている中国で50歳くらいまで頑張ったら、日本でのんびりと暮らしたい。
 毎日飽きるほど読書をしたいですね」

 周さんも林さんも「日本の暮らしはとてものんびりしている」と口を揃える。
 日本に住んでいると特段そうは思わないし、「日本人も色々大変だ」と思うのだが、スリに遭わないか、タクシー運転手に遠回りされないか、この食品は本当に安全か、空気が悪すぎるから外出を控えるか、といったことを24時間気にして生活しなければならない中国と、全てのものが一定以上の水準にある安心・安全な日本とでは、精神的な疲労度が大きく異なる。

 筆者も中国に行くたびに、日本国内の出張とは比べ物にならないほど疲れ切ってしまうが、些細なストレスが重なって大きくなり、それが心労につながる。
 たとえば、道路の水はけがあまりにも悪く、ちょっと雨が降るだけで靴がドロドロになる。そんな小さな出来事でさえ、毎回続けばストレスになる。
 テレビで報道される中国の華やかな一面とは裏腹に、両国の生活環境はあまりにも違いすぎる。

■温泉に浸かっているような安らぎ
日本は中国人シニアの「心の拠り所」?

 一度日本の「かゆいところに手が届く、温泉に浸かっているような安らぎ」を覚えてしまったら、またそれを味わいたいと思うのは、人間として自然なことなのかもしれない。
 価値観が似ている東洋人同士ならば、なおさらだ。
 おそらく、訪日中国人旅行客の一部も無意識のうちにそれを感じているはずで、それが日本の魅力にもつながっていると思うのだが、もう少し深く日本を理解している人々は、より明確にそうした感情を抱いている。

 これは昨今日本で話題になっている、中国人の「マンションの爆買い」などとは全く違う次元の現象だ。
 日本が投資の対象になっているわけでも、余った財産の使い道になっているわけでもなく、彼らの切実な願いであり、憧れなのである。

 むろん、これは筆者の友人間におけるエピソードであり、全ての中国人がそんなことを思っているわけではない。
 こうした考え方の人はむしろ少数派だろう。
 だが、その背後には中国での厳しい日常生活とストレスが隠れている。
 「隣の芝生は青い」という面もあるのだろうが、
 少なくとも、過去に日本と接点を持ったことのある中国人の一部は、そのような感情を抱いている。
 またそれが、彼らが中国で生活する上で「心の拠り所」となっていることは確かなのである



サーチナニュース 2015-09-18 13:43
http://news.searchina.net/id/1589254?page=1

日本で暮らす中国人、素晴らしいけど馴染めない
・・・「安全、安心、人助け」=中国メディア

 日本と中国は隣国とは言えども、文化や人びとの習慣は大きく異る。
 中国メディアの捜狐は11日、「日本での生活は便利なことも多い」としながらも、日本で暮らす中国人が日本で「もっとも馴染めない点」を紹介する記事を掲載した。

 記事は、まず「中国人にとって日本で馴染めない点」として、
1].治安の高さを挙げ、「日本では夜に戸締まりをしなくても問題ない点」を挙げた。
 近年は日本でも治安が悪くなりつつあるため、特に都市部では在宅中であっても玄関に鍵をかける人が多いものと推測されるが、
 「日本では留学生向けの宿舎はもちろん、一般の家屋であっても裏口は鍵をかけなくても問題ないほど」
と伝えた。
 続けて、日本ではスーパーで買い物をする際など、自転車に荷物を置いたまま離れても自転車はもちろん、荷物が盗まれることはないと伝え、日本の治安の良さは馴染めないと論じた。

2].また記事は、日本では公共の場所で人が転んだり、倒れたりすると周りの人が助けてくれると紹介。
 これは中国では路上などで倒れた老人が助けてくれた人を相手に損害賠償を請求する「詐欺」のような事件が相次いだことを皮肉ると同時に、「日本人の対応は正反対」と論じるものだ。

3].さらに、日本の公衆トイレはトイレットペーパーが常設してあるほか、温水洗浄便座が設置してある公衆トイレもあるほどと紹介し、「中国国内の汚い公衆トイレとは大違い」と伝えた。
そのほか記事は、
4].日本の交通ルールは「人に優しい」と伝え、
 自動車の運転手は歩行者を優先してくれると驚きを示した。
 確かに中国の路上では歩行者ではなく自動車優先であり、日本と同じ感覚で道路を渡ろうとすると危険を感じることも多い。



サーチナニュース 2015/09/19(土) 06:32
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0919&f=business_0919_004.shtml

中国経済の構造転換 
「いずれ日本にも影響する」=中国メディア

 中国政府が中低速ながらも安定した経済成長に向け、経済構造の転換を進めていることについて、中国メディアの中国経済時報は11日、清華大学・野村総研中国研究センター理事・副センター長の松野豊氏の見解として、日本企業も中国経済の変化に注目していると報じた。

 記事は、
★.中国の経済構造の転換は現時点では日本経済に大きな影響をもたらしていない
としつつも、
★.中長期的には「日本経済への影響は大きい」
と指摘。
 日本企業にとって中国は重要な市場であることから、中国経済の変化について日本企業の間でも注目が集まっていると伝えた。

 まず日本企業の間で注目が集まっている
★.1つ目の点として、「中国株式市場の変調が世界に与える影響」を挙げ、
 中国の上海総合指数の上海総合指数日足チャート が6月12日をピークに下落に転じ、日本や米国、欧州などの株式市場も急落したことを指摘。

 一方、日本をはじめとするメディアが注目しているのは株価急落の事実よりも、中国政府による介入であるとし、日本も1990年代に政府主導の株価維持策(PKO、プライス・キーピング・オペレーション)を行い、結果として金融機関の不良債権拡大や証券会社の破たんにつながったと論じた。
 さらに、政府主導の株価維持策は短期的には効果があるとしながらも、長期的には資本市場を歪ませるだけであり、中国は日本の教訓を汲み取るべきとした。

★.また、2つ目として中国経済の成長における持続性を挙げ、
 中国の2015年4-6月期の国内総生産(GDP)は投資などのけん引によってプラスとなったとしながらも、輸出が不調であるうえ製造業も好調ではないと指摘。
 中国経済が今後も持続的に成長できるかどうかに注目が集まっていること
を指摘した。

 続けて記事は、
★.3つ目として「個人消費の伸びの鈍化」を挙げ、
 日本を訪れる中国人旅行客による消費が日本経済に大きな恩恵をもたらしていることを指摘。
 だが、中国株の急落により、中国人旅行客の消費が落ち込む可能性もあることを伝え、
 中国人投資家による日本での不動産投資も減少する恐れがある
と伝えた。


サーチナニュース 2015-10-22 17:59
http://news.searchina.net/id/1592123?page=1

中国人が海外の「不動産投資」で招く、現地相場の上昇=中国メディア

 中国メディアの広州日報は17日、2015年8月に中国のある富豪が東京赤坂の高級住宅を13億7000万円で購入したことを伝え、中国人による投資が各国で不動産価格の上昇につながっているとして批判の声があることを紹介した。

 記事は、中国人富豪が国外で不動産を買い漁っているといった報道は「すでに聞き飽きた感覚を覚える」と伝え、米国や英国、オーストラリア、韓国などにおいても中国人による不動産投資が急増していることを指摘。
 石油で財を成した富豪が数多く住むドバイにおいても、中国人富豪の取り込みに動く企業もあることを報じた。

 さらに、中国人が土地や住居など不動産に対して強い関心を抱くのは「農耕文化のなかで生きてきたから」ではないかと指摘し、
 中国では結婚する際に「男性に持ち家があること」が条件となるのもこうした文化と関係があると主張した。

 また、中国人が国外の不動産を購入する背景には「移民ブーム」や「留学ブーム」があると指摘し、中国で豊かな人びとが増えるにつれ、より良い生活や経済力をさらに高めることを目的に、国外の不動産に目を向ける中国人が増えていると論じた。

 そのほか記事は、「資産保全」のために国外の不動産を購入する中国人も少なくないとし、現在は日本が人気の投資先となっていると指摘。
 中国と異なり、日本では土地を購入すれば所有権を手にすることができると指摘し、日本政府の査証(ビザ)発給要件の緩和の影響もあり、日本の不動産を購入する中国人が増えていることを指摘した。

 一方で、中国人富裕層による各国での不動産投資は「現地の不動産価格の上昇につながっている」との見解を示し、中国人富裕層らはその責任を負う必要があると指摘。
 ロンドンやシドニー、バンクーバーなど中国人に人気のある都市では、不動産価格の上昇によって現地の人びとが迷惑を被っていることを挙げ、ロンドンでは不動産協会から「若年層が不動産を購入できない」として、不動産価格の上昇にともなう問題を指摘すr声があがっていると報じた。






【輝ける時のあと】


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