2015年9月22日火曜日

中国のカタログ軍事力、戦えるのか、勝てるのか(1):「それは言わなくてもよい、強そうに見えることが何により大切なのだ」

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ZUU online 2015/9/22 10:10
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150922-00000007-zuuonline-nb

「ワイロで昇進」腐敗した中国人民解放軍は、
本当に米軍と戦えるのか?

■SNSでは抗戦勝利70周年パレードの画像が多数

 9月3日に挙行された 抗戦勝利70周年 軍事パレードは、国民に大きな興奮をもたらした。
 微信(SNS)には大量の国旗、テレビ画面、愛国コメントが多数流れていた。
 投稿主は、普段政治とは全く無縁の一般人ばかりである。

 習近平国家主席は、汚職・腐敗への切り込みに続いて、国民の心をつかむことに成功した。
 一般国民に「アメリカと戦って勝てると思うか?」と聞いてみると、
★.「それは言わなくてもよい、強そうに見えることが大切だ」
といかにも中国的な答えが返ってきた。

 習近平主席はこの日の演説で、この軍事力は決して覇権を求めるためのものではなく、 和平の剣 であることを強調した。
 これはおそらく本音である。

■昇進には上納金が必要な腐敗体質 集金能力に秀でたものが昇進する

 執行猶予付き死刑判決を受けた、解放軍前総後勤部(兵站を担当)副部長の谷俊山が関わった不正額は、4000億円以上に及ぶ。

 彼の調達した装備が、全て所定の性能を発揮するとは、とても考えられない。
 また元制服組トップで現在審理中の郭伯雄の自宅では、4兆円を超える隠し財産が見つかった。
 その一部、豪華な珊瑚や玉製品コレクションの写真がネット上に出回っていた。

 解放軍では昇進には上納金が必要で、能力、実績とは関わりなく、集金能力に秀でた者が上に行く。
 トップはねずみ講の親玉と何ら変わらず、人事をいじるだけで大金が転がり込む。
 福利厚生も手厚い。
 海軍基地のある山東省・青島のある退役将軍は、今年80歳になるが、200平方メートルのマンションに住み、海軍の車を一生涯、好きなように使える。
 おかげでタクシーにすら乗ったことがないほどだ。

 季節がよくなれば、軍の保養施設に夫婦で出かける。
 何もかもタダである。
 習近平政権になって、これは廃止され、軍は利権の一つを召上げられた。
★.今、軍幹部にとって最大の目の上のタンコブは、
 日米などの敵性軍隊ではなく、
 体質そのものにメスを入れようとしている党主席であろう。

■ソフトパワーの圧倒的な差

 現代の空中戦において、戦闘機の性能そのものは、すでにどうでも良くなっているという。
 勝敗を決するのは後方において情報収集と戦闘指揮に当たるAWACS(早期警戒管制機)のソフトウエアだ。
★.アメリカ軍は最新の電子装置と膨大な解析データをもっていて、
 しかも定期的に湾岸戦争、イラク戦争など戦争を行い、
 実戦に基つく更新を続けている。

 解放軍のAWACSは、ロシアの機体に、スウェーデンの技術を取って付けたもので、いわゆる似て非なるものだ。
 また
★.戦闘機のエンジンでも、日本の自衛隊が世界最高の整備力を持つのに対し、
 解放軍機の主力エンジンはロシア製で、寿命はとても短い
 ロシアからの部品供給が滞るだけで即アウトになる。
★.何事につけ見かけ重視でソフトパワーを伴っていない。
 他の兵器分野も同様だろう。
★.アメリカに対し正規軍対正規軍の戦いなど、とても挑めるものではない。

■軍縮計画と今後

 9月3日の演説では30万人の軍縮計画も発表された。
 人民解放軍は、新中国成立直後の1950年には人員550万人を抱え、朝鮮戦争時には627万人となったが、10次にわたる軍縮を行い、今回は第11次になるという。
 中国は常に軍縮してきた、というメッセージだ。

 今回注目すべき点は、兵員を230万人から200万人に減らすことだ。
 国防部の報道官は、減員で浮いた金をどう使うのか、との質問に、武器、装備のレベルアップ、電子データ化の推進、軍人報酬のアップ等に当てる、使いみちはいくらでもある、と答えた。
 つまり軍縮とは名ばかりで、不要人員の排除をしながら、軍本来の機能の強靭化を目指したものだ。
 見かけだけではなく、少しでも本当に戦える軍隊にしたい、というのが習近平主席の本音だろう。

 しかしこれを阻むのも、やはり身内、獅子身中の虫である、古い利権型の軍幹部たちに違いない。
 組織風土は一朝一夕に変わるものではないし、彼らは組織内サバイバルにおいて、その天分を如何なく発揮、抵抗するだろう。
 とにかく解放軍では、当分、内部疲弊が続くことは間違いなさそうだ。
 それこそが世界にとって 和平の剣 になる、と言ったら皮肉にすぎるだろうか。

(ZUU online 編集部)



WEDGE Infinity 日本をもっと、考える  2015年10月02日(Fri)  岡崎研究所
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5421

中国軍30万人削減 近代化と海空軍強化

 習近平が打ち出した人民解放軍30万人削減計画について、Diplomat誌のティエッツィ編集員が、その目的が
1].軍の効率化・近代化にあると中国当局が公式に認めていること、また、
2].陸から海空重視への転換には抵抗もあり得ること
を、9月8日付同誌ウェブサイトで報告しています。 

 すなわち、習近平は、第二次大戦終結70周年記念の大規模軍事パレードの直前(9月3日)の演説で、人民解放軍30万人削減を発表した。
 習は、兵員削減を人民解放軍の「世界平和維持の高貴な使命を実行」へのコミットメントの一環と位置付けたが、軍事アナリストたちは、
★.この動きは中国の軍事力近代化を推進する一環としての人民解放軍の再編である
との見方で一致している。

 9月3日の兵員削減の発表は、1980年代以来なされてきた削減と再編の長い歴史に沿ったものである。
 人民解放軍の規模は、
1..1985年に10万人、
2..1997年に50万人、
3..2003年に20万人、
そして
4..今回30万人
と、4回削減されている。

 中国国防部の楊宇軍報道官は記者会見で、
 「兵員削減は世界平和の維持への中国の真摯さと切望を表し、国際的な武器管理と軍縮を進展させようとする中国の行動と責任ある態度を示すものである」
と述べたが、なぜ削減がなされるのか更なる詳細を訊ねられると
 その回答は、中国の平和へのコミットメントではなく、軍事改革プロセスに焦点を置いたものだった。 
 楊は
 「兵員削減を通じ、
 中国軍は、規模をさらに調整、最適化し、より能力を高め、
 軍の構造がより科学的になり、
 中国的特徴を持った近代的な軍事システムを構築することになろう」
と説明した。
 さらに、
 削減されるのは、時代遅れの武器を装備した部隊、事務職員、非戦闘部局の人員である
と指摘し、
 「兵員削減は、リソースのプール、軍の情報化のスピードアップと改善に資するであろう」
として、中国軍の縮小が中国の国益を守る能力を低下させないことを強調した。
 楊は、兵員削減は人民解放軍の改革の新しいラウンドの始まりに過ぎず、さらなる改革計画を打ち出していくことになろう、とも言っている。

 新華社の記事も軍の改革という考えを支持し、
 「軍の構造に揺さぶりを与え、利益を調整する処置が既に動き出しているので、
 軍のオーバーホールは後戻りできない段階に入った」
と述べ、他方、改革のプロセスに抵抗し得る「特殊利益集団」からの脅威についても指摘している。
 今月5月に発表された中国の新しい国防白書は、中国海軍の役割拡大を求めているが、「陸を海より重視する」との伝統的な考えの変更は、海空に対して優位を享受してきた陸軍の軍人からの抵抗に直面し得る。

 今後2年間、兵員削減がレトリックから現実のものに進展するに従い、新しいよりスリムな人民解放軍を再定義する改革と再編を注視する必要がある、と指摘しています。

出典:Shannon Tiezzi,‘The Real Reason China Is Cutting 300,000 Troops’(Diplomat, September 8, 2015)
http://thediplomat.com/2015/09/the-real-reason-china-is-cutting-300000-troops/

* * *

 30万人の人民解放軍の削減計画の意図についての本論評でのティエッツィの指摘は、妥当であると思われます。

 この削減計画により、全体の予算は削減され、資金の再配分が行われることとなるでしょうが、それでも2017年に削減が完了した後でさえ、兵員200万人を擁する中国解放軍は世界最大の軍であることに変りはありません。

 今後の資金の配分においては、とくに本年5月公表の「国防白書」が述べているように、陸よりも海空に対してより多くの資金が割り当てられるものと考えるべきでしょう。
 それは海洋膨張主義を目指す中国の優先事項でもあります。

 今回の軍事パレードにおいて、いくつかの注目すべき兵器の機種が展示されました。
 これらの詳細については軍事専門家の分析が待たれるところですが、中でも注目すべき兵器は、
★.巡航ミサイルを搭載できる第4世代の戦略爆撃機(「轟(H)6K」)
が登場したことです。
 空中で発射できる巡航ミサイルを保有しているのは米露と中国だけ
となりました。

 また、初公開された対艦弾道ミサイルの「東風(DF)21D」は海面に近づくと、弾頭の方向を変えて対象艦船に命中出来ると言われ、空母を保有する米軍にとっては看過できない兵器です。

 東シナ海、南シナ海、台湾海峡での有事の際には、これらの兵器が使用可能となることを米、日、台湾、東南アジア諸国などに印象付けるというのが中国の意図でしょう。
 これら兵器は沖縄やグアムの米軍基地を狙うことが出来るだけではなく、中国に接近する米空母にも対応が可能です。

 振り返れば、1996年、「台湾海峡の危機」の際には、急派された米空母2隻の前に、何もできなかった中国は、いまや、接近する米軍への大きな牽制力を有することを見せつけました。
★.パレードに展示された新兵器の性能が中国軍によって現実的にどの程度使用可能の域に達しているのか、はっきりしない点はありますが、
★.少なくともそれら兵器を保有していることを誇示出来た
ことは、今後、西太平洋における米軍のプレゼンスにも影響を及ぼす可能性があるでしょう。

 なお、海空重視への抵抗の可能性については、そうしたことを封じるべく、習近平の人民解放軍掌握を更に強化していくことになるのでしょう。



レコードチャイナ 配信日時:2015年10月2日(金) 8時5分
http://www.recordchina.co.jp/a120234.html

世界軍事力ランキングは意外な結果に、
中国が3位・日本が4位、
韓国は?―ロシアメディア

  2015年10月1日、環球網は記事
 「ランキング:中国軍の実力は世界3位、日本は4位で続く」
を掲載した。

 ロシア通信社スプートニクは世界各国の軍事力ランキングを伝えた。
 金融グループ・クレディスイスが発表したもので、規模、戦車、戦闘機、ヘリコプター、空母、潜水艦の数から算出している。
 核戦力は考慮されていない。

 ランキングでは米国がトップで、以下はロシア、中国、日本、インド、フランス、韓国、イタリア、英国、トルコと続く。
 中国は総合では3位となったが、軍の規模ではトップ。
 戦車と潜水艦の数では2位となった。

1位―米国
2位―ロシア
3位-中国
4位-日本
5位-インド

6位―フランス
7位―韓国
8位-イタリア
9位-英国
10位―トルコ



レコードチャイナ 配信日時:2015年10月3日(土) 2時21分
http://www.recordchina.co.jp/a120276.html

 世界軍事力ランキングで日本は中国に次いで4位と露メディア
=「日本のトップ5入りは人類に対する侮辱」
「中国は1位と2位を倒せる」―中国ネット

 2015年10月1日、環球網はロシアメディアの記事を引用し、世界軍事力ランキングで日本は中国に次いで4位になったと伝えた。

 環球網はロシア通信社スプートニクの記事を引用し、金融グループ・クレディスイスが発表した軍事力ランキングを紹介した。
 これは規模、戦車、戦闘機、ヘリコプター、空母、潜水艦の数から算出したもので、核兵器は考慮されていない。

 このランキングによると、米国がトップで、以下はロシア、中国、日本、インド、フランス、韓国、イタリア、英国、トルコと続いた。

このニュースに対して中国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。

「金融グループが出したランキングなんて信用できるのか?」
「日本が世界トップ5に入っているというのは、人類に対する侮辱だ。
 過去に人類に対して極めて重大な罪を犯した日本がなぜトップ5に入るのだ?」

「でも中国は1位と2位を倒すことができる」
「まあ妥当なランキングだな。
 上位3か国は瞬時に他の国を滅ぼせる。
 これが他との差だな」

「中国は数では勝てるけど、質や先進性で言えば比べようがない」
「中国はもっと核兵器を増やし、戦闘機エンジンや大型輸送機の開発を進め、敵対勢力に対してはさらに強硬な態度を取るべきだ」

「現代戦争は人海戦術が通用しないのに、ランキングがどうのとかって…」
「戦争してみなければこんなランキングなんて意味がない。
 真のレベルは戦争してみて初めて分かる」



レコードチャイナ 配信日時:2015年10月2日(金) 5時51分
https://www.youtube.com/watch?v=n2wstHt-E9c

韓国軍は「量より質」で世界9位、
「質より量」の北朝鮮軍と比較
=「日本には負けるだろう」
「北朝鮮ではなく日本を目指せ」―韓国ネット

 2015年9月30日、韓国・世界日報は、創設から67年目を迎えた韓国軍の現状を紹介した。

 韓国国防部が発刊した「2014年国防白書」によると、韓国国軍は北朝鮮に比べて量的には劣勢だが、質的な側面では多くの面で勝っている。
 北朝鮮は陸軍102万人、海軍6万人、空軍12万人など120万人の兵力を保有。
 韓国は陸軍49万人、海軍7万人、空軍6万5000人など63万人の正規軍を保有している。
 戦車は北朝鮮軍4300両、韓国軍2400両。多連装ロケットシステム(MLRS)は北朝鮮軍が5500余門、韓国軍は200余門。
 対地誘導兵器は北朝鮮軍100余機、韓国軍60余機を保有している。
 海軍の戦闘艦艇は、北朝鮮軍430隻に対し、韓国軍は110隻。
 空軍の戦闘機も、北朝鮮軍820機、韓国軍400機で、数の上では北朝鮮軍が韓国軍を圧倒している。

 しかし、質的な面では韓国が勝っている。
 北朝鮮空軍の戦闘機は多くが1960~1970年代に導入したミグ17・19で、韓国軍のKF-16戦闘機に対抗できるミグ29は20機にも満たない。
 北朝鮮海軍の戦闘艦も建造してから30~40年が過ぎた小型艦艇がほとんどだ。
 最近、ステルス艦艇を建造するなど軍備の近代化を図っているが、その進捗(しんちょく)は非常に遅い。
 北朝鮮の長距離弾道ミサイルや長射程砲など、非対称脅威(テロ行為など国家以外の組織に対する脅威)が増大しているという点を勘案しても、総合的な面で韓国軍が優勢との評価が一般的だ。
 毎年世界の軍事力ランキングを発表するグローバル・ファイヤーパワーによる2014年の軍事力評価でも、韓国は世界9位、北朝鮮は35位となっている。

この報道に、韓国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられている。

「これだけ備えていても、敵より怖いのが(味方の)愚かな指揮官だ」
「世界9位なんて見掛けだけだ。
 本当に強い軍隊だったら、なぜ米国が駐留する必要がある?」

「世界9位で安心はできない。
 周辺にはさらに強力な国がある」
「戦闘艦に魚群探知機をつけて(救助艦・統営艦のソナーに魚群探知機が導入されていた問題)、イカ釣り漁船にしておいて9位なの?」

「韓国軍が創設67周年であると共に、軍事不正も67周年を迎える」
「韓国の軍隊は世界9位の軍事力じゃなくて、世界1位の詐欺師の集まり」

「韓国が9位でも日本には負ける。
 韓国軍は陸軍だけに偏っていて、日本の空軍・海軍と比べたら完全に負けている」
「軍事力を議論するときは、北朝鮮を比較対象にするのではなく、日本を対象として考えなければならない。
 それを目指せ」



 WEDGE Infinity 日本をもっと、考える  2015年10月19日(Mon)  岡崎研究所
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5486?page=1

中国軍が米軍に追いつく日

  9月2日付の米ロサンゼルス・タイムズ紙で、中国軍事専門家のロジャー・クリフ米アトランティック・カウンシル上席研究員が、同紙記者のインタビューに応じる形で、中国人民解放軍の実力について分析しています。

 すなわち、軍事力を分析する際、戦車や兵員の数など物質的側面に注目しがちだが、どれほど訓練・組織されているか、兵士の質も重要である。

■米軍兵士のようによく訓練された中国兵

 最近の中国軍はハードウェアの面でも向上しているが、より驚くべき発見は兵士の質が上がっていることだ。
 もはやかつての農民兵ではなく、現在の中国軍は米軍兵士のように、よく訓練されているように見受けられる。

 中国軍がすぐに米軍を追い越すことはなくても、差が縮まっているのは事実だ。
 中国軍が配備しようとしているシステムは、米軍の構成に似てきている。

 一方、米軍が使っている装備の多くは、1980〜90年代に就役したものだ。
 というのも、米国はここ10年、中東での低強度叛乱戦に足を取られ、次世代システムへの進歩をあまり行ってこなかったからである。
★.2020年までに中国軍の装備は、2000年の米軍と同じような形となるはずだ。
 一方、
 米軍の装備は2020年になっても、それほど近代化が進んでいない
だろう。

 1999年頃から、中国軍は、第二次大戦初期のドイツ軍のように、正面から戦闘するのを避け、迂回と機動を重視して敵の弱点を突くドクトリンを強調し始めた。
 しかし、中国軍は、こうしたドクトリンを実行できる組織構造・文化を持っていない。
★.迂回と機動を重視するドクトリンを用いるならば、分散化され、現場が最適な意思決定をできるようになっていなければならない。
 また、前線部隊同士は、互いに直接連絡がとれるような水平的連携が必要となる。
 だが、中国軍の組織構造はこの逆だ。
 極めて中央集権的で、あらゆる決定が上層部に回される。
 誰もイニシアチブや責任をとりたがらない。

 組織文化にも同じ問題がある。
★.機動性、革新性のあるドクトリンを望むなら、イニシアチブや創造性などリスクを冒すことを評価してくれる組織が必要だが、
★.中国軍は規律と忠誠心を評価する組織で、
 現場指揮官が一瞬の機会を生かして迅速な決断をできるようにはなっていない。
 これは中国軍の根本的弱点だろう。

★.中国軍にとっての利点の1つは、起こりうる紛争が彼らの裏庭で生起する
であろうということだ。
 米国が戦争に巻き込まれる場合、地球の裏側にまで戦力を投射する必要があるが、
 中国は自分の庭で戦えるというのが利点となる。

★.腐敗は2つの点で重要だ。
 第1に、腐敗と関連する明確なコストがある。
 腐敗でやりとりされる金は、装備を買う代わりに、昇進を得るために使われている。
 組織の効率性にも問題が生じる。
 昇進に賄賂が絡んでいると、昇進できるのは最も多額の賄賂を提供できる者となり、能力の高い者が出世できなくなる。

 (第2に)腐敗は忠誠心を高く評価する組織ではびこりがちだ
 問題は、
 中国指導部がこの根底にある価値観を変えずに、腐敗を撲滅しようとしている点
である、と述べています。

 出 典:Roger Cliff & Julie Makinen‘China's military: How strong is the People's Liberation Army?’(Los Angeles Times, September 2, 2015)

*   *   *

 中国軍事問題専門家のロジャー・クリフが中国軍の強みと弱みについて解説しています。
 中国軍の開発した最新兵器の個々の具体的状況については言及を避けているため、物足りなさは残りますが、巨視的に見て傾聴すべき内容となっています。

■兵器開発レベルは20年遅れ

 クリフによれば、中国軍事兵器のハードウェアのレベルは、目に見えて上昇しつつあり、米国軍事兵器との差はどんどん縮まりつつあります。
 大まかに見て、その
 兵器開発のレベルは米国と中国の間でまだ20年ぐらいの差があ
ものの、最近の中国の兵器の近代化の進展状況には警戒を怠ってはならない、と警鐘を鳴らしています。

 米国の軍事兵器との差が縮まってきた大きな理由の1つに、米国はこの10年余り、中東の低強度の紛争に対処することに重点を置いてきたので、次世代の最新兵器の開発がおろそかになってきた、と言います。

 クリフは中国軍の持つもう1つの利点として、兵士の質がかなりあがってきたことを挙げており、中国兵はかつて思われていたような「農民兵(a peasant army)」ではなく、質的によく訓練された兵士になってきた、と述べています。

 他方、中国軍がもつ大きな弱点として、中央集権的であらゆる決定が上層部にまわされ、現場では誰もイニシアチブをとろうとせず、責任をとる手続きが極めて曖昧であるとし、同時に、腐敗汚職が軍内部にも浸透している、と指摘しています。

 中国軍はクリフの指摘するような強みと弱みをもちつつも、先日の軍事パレードに見られたように、近代化のレベルにおいて米国兵器との差を一段と縮めつつあるのは間違いないところでしょう。

 今後西太平洋で起こり得る紛争は、米国から見れば地球のほぼ裏側まで戦力を投射しなければならない事態ということになりますが、中国にとっては自分の「裏庭」で戦えるという有利さがあります。
 中国の対外拡張主義に変化のないかぎり、安保法制を整えた日本が今後、この地域で安全保障上果たすべき役割は、増えることはあっても、減ることは無いでしょう。






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