2015年9月26日土曜日

南シナ海波高し(2):中国の人口島とフィリピンの旧アメリカ海軍基地を整備

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JB Press 2015.9.24(木) 北村 淳
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44833

人工島に軍用滑走路出現、南シナ海が中国の手中に
米国の批判も時すでに遅し、誕生しつつある南沙基地群


●ファイアリークロス礁での基地施設建設状況(写真:CSIS/AMTI)

 9月に入ってから撮影された南沙諸島の航空写真(CSIS/AMTI発表)によると、中国が南沙諸島に建設している人工島のファイアリークロス礁とスービ礁、それに中国が以前より占拠しているミスチーフ礁の3カ所で、軍用基地として使用可能な3000メートル級滑走路がそれぞれ建設されているのが確認された。

■急がれていた南沙諸島への拠点確保

 これまでのところ、人民解放軍の南シナ海に対する前進拠点は、西沙諸島の「永興島」であった。

 永興島は、軍・政府関係者ならびに漁業関係者をはじめとする民間の人々も居住して1500名ほどの人口を抱え、南シナ海の“中国の海洋国土”を管轄する三沙市行政機関が設置されている。

 そして、人民解放軍海軍部隊と武装警察部隊が常駐しており、2700メートルの滑走路を有する航空施設(ちなみに沖縄の米海兵隊普天間基地の滑走路も2740メートルである)と5000トン級の艦船が接岸できる港湾施設が設置されている。

 したがって、中国海軍の各種戦闘機はすべてこの航空施設を利用することができ、中国海軍フリゲートやコルベットも永興島港湾施設を前進拠点とすることができる。

 このように、海南島の海軍基地や航空基地からはおよそ400キロメートル、そして中国本土広東省の航空基地からはおよそ600キロメートル南シナ海に前進した永興島は、海軍の前進拠点と考えることはできた。

 しかし、その前進拠点からでも南沙諸島の中心海域までは750キロメートル(400海里)前後はある。
 そのため、万一フィリピン沿岸域にアメリカ空母が展開した場合には、人民解放軍戦闘機は圧倒的に「距離の不利」に直面してしまう。
 また軍艦、とりわけコルベットやミサイル艇など小型軍艦の場合、永興島から南沙諸島まで急行しても半日以上かかる。
 このように南沙諸島での作戦行動には、何と言っても「距離の制約」がつきまとっていた。

 したがって、中国海軍や海軍よりも頻繁にパトロール活動を展開することになる中国海警(沿岸警備隊)にとっては、南沙諸島に前進拠点を確保することは絶対に必要であり、それも急務とされていたはずだ。


●スービ礁での滑走路などの建設状況(写真:CSIS/AMTI)


●ミスチーフ礁での建設状況(写真:CSIS/AMTI)

■あっというまに姿を現した人工島

 本コラムでも2013年以来しばしば南シナ海問題を取り上げてきたが、中国による人工島建設を直接取り上げたのは2014年6月であった。
 それは、「ジョンソンサウス礁での埋め立て作業が確認され、ファイアリークロス礁での埋め立て計画も明らかになった」という状況であった(本コラム、2014年6月26日「着々と進む人工島の建設、いよいよ南シナ海を手に入れる中国」)。

 その後、中国による南沙諸島での環礁埋め立て、すなわち人工島建設は急速に進展し、2014年10月にはファイアリークロス礁に加えてジョンソンサウス礁、そしてガベン礁での人工島建設が確認された(本コラム2014年10月16日)。
 それから半年後には、さらにクアテロン礁、そしてヒューズ礁でも人工島建設が確認された。
 そして、ファイアリークロス礁には3000メートル級滑走路や港湾施設が建設されるであろうとの予測も紹介した(本コラム、2015年3月12日「人工島建設で南シナ海は中国の庭に」)。

 引き続き2015年4月にはスービ礁でも人工島建設が確認され、南沙諸島での中国による人工島建設は6カ所に達した。
 この他、人民解放軍が占拠しているミスチーフ礁でも埋め立て作業が活発になっている状況も確認され、中国による7カ所の人工島建設作業が確認されたのだ。

 ことここに至って、ようやくアメリカ政府は中国に自制を求め、G7外相会合でも懸念が表明されるに至った(本コラム、2015年4月23日「もうどの国にも止められない中国の人工島建設」)。

 もちろん、中国にとっては“外野からの雑音”など何の影響も与えることにはならず、人工島建設は急ピッチで進められた。
 しかし、ファイアリークロス礁に建設されていた滑走路が着々と完成に近づき、その他の人工島でも滑走路や港湾施設それにヘリパッドなどが次々と建設されつつある状況に業を煮やしたアメリカ海軍が、CNN取材陣を搭乗させて「人工島建設状況の実況中継」をするや、ようやくアメリカ政府も強く中国を批判するに至った(本コラム、2015年5月28日「中国の人工島建設に堪忍袋の緒が切れつつある米軍」)。

 それからしばらくすると、中国政府は人工島建設打ち切りの意向を表明したが、実際にはほぼ完成に近づいていたのである。

■まもなく“南沙基地群”が誕生

 その後も人工島内の航空施設や港湾施設それに格納庫をはじめとする様々な建造物の建設が続けられ、冒頭で述べたように9月上旬に撮影された航空写真には、3つの人工島にそれぞれ滑走路が誕生しつつある状況が確認された。
 中でもファイアリークロス礁の航空施設は滑走路や格納エリアなど稼働が間近に迫っているのが明らかである。

 いずれも3000メートル級滑走路であるため、人民解放軍の戦闘機や爆撃機それに哨戒機や早期警戒機などあらゆる航空機の発着が可能である。
 それらの環礁・人工島には、航空施設と同時に港湾施設も建設されており、少なくとも3カ所の統合海洋基地が出現することになるのは確実だ。

 また、他の人工島にもヘリパッドや小型機用の滑走路と港湾施設が建設されているため、人工島をネットワーク化することにより、極めて強力な「人民解放軍南沙基地群」が誕生する運びとなるであろう。

■日本にとって鬼門となる南シナ海

 「南沙基地群」を拠点として幅広い活動を展開するのが、沿岸警備隊である中国海警の巡視船ということになるであろう。

 そして、巡視船の背後で睨みをきかせるのが中国海軍だ。
 中国海軍は「南沙基地群」にコルベットや高速ミサイル艇それに哨戒機などを配置して、南シナ海中部から南部にかけての海洋統制力が格段に強化するものと思われる。

 また、中国空軍の早期警戒機も配備され、人工島に設置されるレーダー施設とあいまって、南シナ海全域の航空統制力も確実に中国優位になるものと考えられる。
 米軍関係者の多くは「中国が南シナ海の広範囲にわたる空域に中国版ADIZを設定するのは時間の問題」と覚悟を決めている。

 このように人民解放軍が「南沙基地群」という前進拠点を手にすることにより、南シナ海はますます名実ともに“中国の海”と化すことは避けられない。

 そして有事においては、人民解放軍のミサイル爆撃機や戦闘攻撃機が南沙基地群を拠点にすることにより、フィリピンやインドネシアはもとよりオーストラリア北西部も攻撃圏内に収めることとなる。
 そのため、それらの海域のシーレーン(日本にとっては南シナ海シーレーンの迂回航路)も完全に人民解放軍のコントロール下に入ってしまうこととなる。

 このように、南沙諸島の人工島に姿を表しつつある「南沙基地群」の誕生によって、南沙諸島をめぐり中国と紛争中の諸国のみならず、日本やアメリカにとっても南シナ海は極めて厄介な海となることは確実である。



レコードチャイナ 配信日時:2015年9月26日(土) 14時56分
http://www.recordchina.co.jp/a119810.html

中国が南シナ海に3本目の滑走路を建設、
「国際社会に有益」と人民解放軍―中国メディア

 2015年9月24日、中国新聞網は記事
 「中国が南シナ海に3本目の滑走路を建設か?国際社会に有益と中国軍」
を掲載した。

 24日、中国国防部の定例記者会見が開催された。先週、衛星車写真で南シナ海のミスチーフ礁に滑走路建設が進められていることが発覚した。
 中国による南シナ海での滑走路建設は3本目となるが、なにを目的しているのか、記者が質問している。

 呉謙(ウー・シエン)報道官は、南シナ海の南沙諸島は中国が主権を擁していると言明、その上で軍事以外の総合的な目的のために設備を建設していると説明し、特定の国を敵視するものではなく、国際社会にとっては有益だと発言している。


テレビ朝日系(ANN) 9月26日(土)13時56分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20150926-00000020-ann-int

 フィリピンが中国牽制 基地再整備で米軍共同利用へ



 南シナ海の領有権問題で中国と対立するフィリピンは、アメリカ海軍の基地だったスービックをメディアに公開し、今後の基地整備計画について説明しました。

 かつてアジア最大規模のアメリカ海軍の基地だったスービックは1992年にフィリピンに返還され、現在は経済特別区となっています。
 中国が南シナ海での実効支配を強めたことから、フィリピン政府は去年、アメリカ軍の基地使用を許可する軍事協定を結びました。
 憲法では外国軍の駐留は禁止されていますが、フィリピンが再整備を行い、軍を駐留させた後、アメリカ軍が共同利用するということです。
 フィリピン軍による基地の再整備はアメリカ軍の本格回帰につながる動きともいえ、海洋進出を進める中国を牽制(けんせい)する狙いがあります。



日本テレビ系(NNN) 9月27日(日)8時26分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20150927-00000004-nnn-int

 南沙諸島で中国の3000m級滑走路完成か



 イギリスの軍事専門誌「IHSジェーンズ」は今月20日に撮影された衛星写真を分析し、中国が建設している南沙諸島・ファイアリークロス礁の人工島に長さ3125メートルの滑走路が完成したことを明らかにした。

 運用開始が近いとみられ、「IHSジェーンズ」は「中国が南沙諸島で空からパトロールすることが可能になる」と指摘している。



ロイター 2015年 09月 28日 07:56 JST
http://jp.reuters.com/article/2015/09/27/us-japan-thirdfleet-idJPKCN0RR12C20150927?pageNumber=2&sp=true

米第3艦隊が西太平洋へ活動拡大の動き、海自式典に司令官派遣

[東京 28日 ロイター] -
 米海軍第3艦隊の活動が、東太平洋から西太平洋へ広がろうとしている。
 米軍首脳は、第7艦隊と第3艦隊の管轄海域を分ける境界線の撤廃を示唆。
 両艦隊が協力し、不安定さを増すアジアへの関与を強めたい考えだ。

<東西の境界線撤廃を検討>

 海上自衛隊は10月18日、安倍晋三首相が部隊を視察する観艦式を神奈川県横須賀市で行う。
 米国、豪州、韓国、フランス、インド
の海軍を招待しており、米軍関係者によると、同国からは第3艦隊司令官のタイソン中将が代表者として出席する。

 第3艦隊は日付変更線を境に太平洋の東半分を管轄。
 日本を含む西太平洋は第7艦隊の活動海域だが、
 両艦隊を指揮下に置く米太平洋艦隊のスウィフト司令官は、境界を取り払う考えを示している。

 スウィフト司令官は第7艦隊の母港である横須賀を9月7日に訪問した際、「現在の情勢下、タイソン中将がもっと前方に出ていったとしても驚くべきことではない」とあいさつ。
 第3艦隊の母港がカリフォルニア州サンディエゴから移転することはないが、
 2つの艦隊が「最も不安定な地域で活動できるようになる」と語った。

 太平洋艦隊の関係者によると、境界線の撤廃はまだ構想段階だという。
 しかし、第3艦隊の役割を公式に西太平洋へ広げることになると、関係者の1人は指摘する。
 第7艦隊司令官のアーコイン中将ではなく、タイソン中将が米海軍の代表として海自の観艦式に参加することは、そうした動きを示唆していると、同関係者は言う。

 米軍関係者によると、第3艦隊が西太平洋で活動する場合、現状では第7艦隊の指揮下に入る。

<海自とも関係強化>

 ただ、2020年までに海軍戦力の6割をアジアへ集中させるオバマ政権のリバランス(再均衡)政策の一環ではないという。
 米シンクタンクの新アメリカ安全保障センターのラップフーパー研究員は
 「第3艦隊はアジア太平洋で象徴的に存在感が高まるかもしれないが、
 戦略的に重要な意味合いがあるのかどうかは分からない」
と話す。

 日本では、集団的自衛権の行使を可能とする新たな安全保障法制が成立した。
 海自はもともと第7艦隊との関係が深いが、第3艦隊とも関係が強まるだろうと、太平洋艦隊の関係者は言う。

(ティム・ケリー 久保信博 編集:田巻一彦)



ロイター 2015年 11月 16日 13:05 JST
http://jp.reuters.com/article/2015/11/16/japan-philippine-idJPKCN0T509220151116

日・フィリピン、防衛装備の移転協定に大筋合意へ=関係者

[東京 16日 ロイター] -
 日本とフィリピン両政府は、防衛装備の移転協定に大筋合意する方向で調整に入った。
 哨戒機など自衛隊の中古装備をフィリピン軍に供与することが念頭にある。
 中国の人工島をめぐって地域の緊張が高まる中、日本は東南アジア諸国の海洋安全保障の能力支援を通じ、南シナ海問題へ関与を強める。

 両国政府の複数の関係者によると、安倍晋三首相とフィリピンのアキノ大統領が今週、マニラで開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会合に合わせて会談し、合意する見通しだ。

 第三国への技術流出を防ぐルールなどを定めた防衛装備協定を日本が結ぶのは、
 米国、英国、オーストラリア、フランスに続き5カ国目。
 これまでは潜水艦など武器の共同研究・開発に取り組むために締結してきたが、
 フィリピンの場合は自衛隊の中古装備を供与して軍事力の向上を支援することが主眼にある。

 日本が具体的に供与を検討しているのは、海上自衛隊が操縦訓練に使う航空機「TC‐90」や対潜哨戒機「P‐3C」。
 南シナ海で中国と領有権を争うフィリピンの海上監視能力の強化につながるとみている。
 日本は今後、国有財産の中古装備を無償や低価で供与可能にする枠組み作りを国内で進める。

 南シナ海に人工島を造成した中国に対し、米国は艦船や爆撃機を同海域に派遣した。
 日本はフィリピンやベトナムなどの海洋安全保障の能力を支援したり、共同訓練を増やすことなどで、中国をけん制する姿勢を強める。
 インドネシア、マレーシア、インドとも装備協定を結ぶ方向で協議をしている。

(久保信博、ティム・ケリー 編集:田巻一彦)





●【石平】 中国崩壊 追いつめられた習近平は戦争するしかない!!!
2015/09/16 に公開








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